30のデッキから見える世界

更新日 Reconstructed on 2015年 6月 9日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 ある1つの惑星の、ある1つの大陸の、ある1つの国家の、ある1つの地域に、私は住んでいる。その地域の、とある町の、とある小さな通りの、とある家だ。大きな世界と比べれば、私は1つの点に過ぎない。極めて小さい一つの点が、家から仕事場へと動き、また家へと戻る。

 しかしながら、私を起点として、私が毎日行っている世界中との通信や、世界的な議論を線で結べば、それは宇宙から見たときに、蜘蛛の巣のように張り巡らされていることだろう。そこからさらに、同じゲームをしているプレイヤー全てに赤いドットを置いてみよう。私と同じくこれらのカードのことを考えている人同士を結べば、地球全土が光り輝くことだろう。

 マジックは、私たち全てを結ぶ絆だ。

 どの程度言葉が通じるかなんて全然関係ない。このゲームは――このゲームというのは実際のところ少なくとも単なるゲーム以上の存在だが――職人が手作りした編みかごのように私たち全員を一緒に編み上げる存在だということを、みんなは当たり前のように感じているんじゃないかな。そして、世界中のプレイヤー数百万人の、そのうち数千人の中のうち数百人は、あなたと同じカードのことを、同じフォーマットのことを、同じデッキ構築の判断を、同じ「今《焙り焼き》を《クルフィックスの狩猟者》に打つのと、後から出てきそうな《包囲サイ》用に残すの、どっちがいいかな?」という判断を、あなたと同時に考えている。

 世界中の各地域のプレイヤーが自分のコミュニティの一部になるというのは、驚異的なことだ。さらに、私たちは離れ離れで、かつ別々の存在であるにもかかわらず、私たちはみな、この驚嘆すべきゲームに対して共通した感謝の気持ちを多く抱いている。

 そして毎週のReConstructedが、ある種の中継点として役立つ。世界中の川からマジックのエネルギーが注ぎ込まれる、デッキリストの海だ。

 2回前のデッキ構築募集で、あなたの地元で遊んでいるものならどんなものでも投稿できると伝えた。今回は、世界のデッキリスト・ツアーを行い、マジックがどれだけの広さを持っているのか紹介したい。そしてそれらを見ることで、あらゆるものの中から相違点と類似点の両方をいくらか見つけ出せるはずだ。

 今回は読者が送ってきた世界中のデッキリストを用いた祝典だ。これはあなたが持つデッキリストと技術革新力の全てをより輝かせるチャンスだ!

 準備はいいか? ああ、飛行機に搭乗してツアーに出発する準備さ。世界中を巡る旅が待ってるぞ!


アメリカ合衆国

 マジックというゲームから、多くの人が連想するのはアメリカという国だ。この数多くのプレイヤーが存在する国は、マジックの歴史が数多く存在する国であり、初期からのプロ・プレイヤーが数多く存在する――そしてもちろん、今私がこれを執筆しているのは、アメリカ・ワシントン州のレントンにある、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社だ。

 つまりこれは、あらゆるフォーマットでプレイしているあらゆる州のプレイヤーのデッキが見れるということだ。カジュアルなデッキから、競技的なデッキまでのすべてを。同様に、あらゆるデッキ醸造者とデッキ調律師を見かけることができる。

 もちろん、赤、白、そして青を使ったデッキが好きな人もね。

マルコス・サンチェスの「ナーセットの卓絶」

統率者
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COMMANDER: 悟った達人、ナーセット
99 カード

 統率者戦はカジュアル・フォーマットの中でも格別の人気を誇っている。そしてこのデッキと直接関係ない話だが、ナーセットはこのごろ特に、大量の追加ダメージを生み出す強力なツールとしてどの統率者戦でも見かけるようになっていている。(加えて言えば、ナーセットは最高だね。)


 もちろん、逆に色を選ぶのが好きじゃない人もいる。

アンドリュー・ワイゼルの「統率者戦の解体者、コジレック」

統率者
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COMMANDER: 真実の解体者、コジレック
ソーサリー (1)
1 全ては塵
99 カード

 差し迫っている『戦乱のゼンディカー』の様相を呈したこのデッキを見てわかるように、アンドリューは、『エルドラージ覚醒』以来登場していなかったゼンディカー次元に再訪できることに興奮しているようだ。ツイッターやTumblrのようなソーシャルメディアで盛んに活動しているアンドリューは、統率者戦の熱狂的なファンであり、彼がそれらの話題に加わっているのをしょっちゅう見かける。


 もちろん、投稿されたのは統率者戦デッキばかりじゃないぞ! 古くから親しまれているカジュアル・マジックもいつだって人気だ。

 サウスカロライナ州に住むマイクは、友人と60枚のカジュアルなデッキを持ち寄って混ぜ合わせるのが好きなようだ。これは同じデッキをいつまでも使えるように、そして「いくつかのカードの組み合わせを引き入れて、面白いことができる」ようにするためのものだと、彼はメールで私に説明してくれた。

マイクの「5色デッキ」

カジュアル
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 この記事の昔からの読者であるトラヴィス・フログガットもまた、同じ手法だ。彼が言うには、「お気に入りのデッキが使える唯一の場所」なので、カジュアルが好きなのだそうだ。これはレガシーで使えるほどの強さはないが、「デッキ全体の相互作用で見ると怪しいけど、最低でも1名のパイロットをイスから射出し、武装を空中へ打ち上げ、数秒間テーブルから離れて強襲をかける」んだとか。

 ああ、いいじゃないか。

トラヴィス・フログガットの「汚濁と陽光」

カジュアル
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ソーサリー (3)
3 新たな芽吹き
インスタント (3)
3 大量の芽吹き
アーティファクト (4)
4 かごの中の太陽
エンチャント (8)
4 生命と枝 4 倍増の季節
土地 (21)
7 4 内陸の湾港 7 3 神秘の神殿
60 カード

 ところで、もしかしたらあなたは部族戦のほうをたしなむプレイヤーだろうか。

 イベントサポートは充実していないけれども、思いついたデッキの相手を友達がしてくれないからこのフォーマットを楽しめない、なんてことはないぞ!(ウィザーズで私が仕事できるようになった理由の1つは、部族戦のはずだ。)

 ヨナ・コムストックのプレイグループはどんな感じかって? ああ、彼らがやってるのはバジェット・スター・トライバル・ウォーズだ。いや、今後公開される壮大な宇宙映画の名前とかではないよ。低予算星型部族戦、つまり5人のプレイヤーが星型になるようそれぞれ5色のうち1色を担当し、さらに部族を選び、しかも予算を制限して構築したデッキで戦うフォーマットさ。(スター・マジック部分がどういう遊び方なのかは、DailyMTGの一員であるケリー・ディグス/Kelly Diggesがスター・マジックについて書いた記事でルールを見るといいよ(英語)。)

ヨナ・コムストックの「ミノタウルスへの信心」

低予算トライバル・ウォーズ
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 そしてメジャーな遊び方から最も離れた位置にあるのは、ニッチなフォーマットだ。

 先月、私はTumblrで「マティ・リーダーズ/Mathy Leaders」というジョーク・フォーマットを公開した。それはこんなフォーマットさ。「デッキに入れられるのはコレクター番号が素数のカードだけ。デッキ総数は自分が暗唱できる円周率から並んでいる2桁を選ぶ。」

 そして、当たり前のようにマティ・リーダーズのデッキが投稿された。何でもありさ!

KCの「マティ・コントロール」

Mathy Leaders
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 分かってもらえたと思うが、マジックはアメリカで強力に根付いていて、そのため各地域にあらゆるカジュアル系マジック・プレイヤーがいる。マジックを20年以上遊んでいる人々は、マジックを遊ぶことで人脈を作り上げ仲間を得た。世界の片隅で、彼らは最も好きなゲームを遊ぶために『アルファ版』や『ミラージュ』のカードを唱えあうのさ。


 もちろん、これらが全てではない。競技プレイを楽しむプレイヤーもまた多い! 鍛え抜かれた競技イベント強豪プレイヤーはすべて、次に起こる大きな変化を見抜くために常に環境を把握しているデッキ醸造者であり、一番強いと感じたデッキだけを採用する。

 例えば、アディソンのように。

アディソンの「見えざるものの空封じ」

スタンダード
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 リストに《空封じ》があるだって? ああそうさ! クリーチャーを《空封じ》で追放すれば、そいつは表向きで戻ってくる。《女王スズメバチ》の能力を何度も誘発させたいのなら、もちろんできる。裏向きで出てしまった《払拭の光》を使うには、何かで《空封じ》を誘発させて表向きに出しなおせばいい。そうすればさらに《空封じ》の能力をもう一度誘発させられる。そんなことまでできるんだ!

 ああ、こういうデッキは大好きさ。


 スタンダードだけじゃなく、モダンも外せないね。私が大好きなこのフォーマットは、アメリカでも充分な存在感がある。この国の始まりと同じように締めよう。つまり赤、白、そして青のデッキだ。しかも見てくれ、彼の名前はガヴィンって言うんだ!

ガヴィン・カードの「モダン・ジェスカイ果敢デッキ」

モダン
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