この記事を読んでいるということは、きっと多元宇宙の住人なのだろう。すばらしいことだ!多元宇宙はとても住み心地がいい。だが悲しいことに、ジェイスの模倣宇宙では新たな同居人が加わることになる。その幅の利かせっぷりは、我々の想像を少しばかり超えている。おなじみのキャラたちの別バージョンやクリーチャーが目の前に現れるとは……無茶苦茶としかいいようがない!そこで、これらとの突然の遭遇に備えるためにも、マジックの最新セットの新規・再録メカニズムを確認しておくとしよう。『リアリティ・フラクチャー』へようこそ。


ジェイス付与

『リアリティ・フラクチャー』の物語は、ジェイスがかつてない規模で見せつけた力と、人によっては異論もあるだろうが、彼の傲りとを軸に展開する。本セットの目玉となるメカニズムは、ジェイスが己の分身を戦場に呼び出すキーワード処理「ジェイス付与」だ。

0037_MTGFRA_MainUP: Protege's Awakening

ジェイス付与を行うように指示されると、まずはあなたがジェイス・プレインズウォーカー・トークンをコントロールしているかどうかを確認する。あなたがそれをコントロールしているのだとしたら、最も可能性の高い理由は、あなたが以前にジェイス付与を行ったからだろう。ただし、別のジェイス・プレインズウォーカーのコピーとなるトークンを生成するなど、他の方法でジェイス・プレインズウォーカー・トークンをコントロールしていることもあり得る。トークンでないプレインズウォーカーは対象外であることに注意しよう。あなたが実際にジェイス・トークンをコントロールしていたなら、指定された個数の忠誠カウンターをそれの上に置く。これにはジェイスも大喜びするだろう。2体以上のジェイス・プレインズウォーカー・トークンをコントロールしている場合は、それらのトークンのうち1体を選び、それの上に忠誠カウンターを置く。これもジェイスたちは大喜びするだろう。

0005_MTGFRA_TknBoos: Jace Token

ジェイス・プレインズウォーカー・トークンをコントロールしていなかった場合、ジェイスがすぐに駆けつけ対処する。あなたは忠誠度0の青のジェイス・プレインズウォーカー・トークン1体を生成する。これは、戦場に出た時点では忠誠カウンターは置かれていないが、戦場に出た直後に指定された個数の忠誠カウンターが置かれる。新たに登場したジェイス・トークンは、「−1:諜報1を行う。」と「−3:カード1枚を引く。」という2つの忠誠度能力を持つ。

特筆すべき点は、ジェイス・プレインズウォーカー・トークンは伝説ではないことである。すでにトークンを1体コントロールしている場合、「ジェイス付与」でさらにトークンを生成することはできない。だが他の方法であれば複数のトークンを生成することが可能で、レジェンド・ルールによって計画が狂う心配もない。

魂木・トークン

『リアリティ・フラクチャー』では、新しい種類の定義済みトークンが導入された。それは魂木・トークンだ。このアーティファクト・トークンがあれば、着実にマナを増強しながら、ゲーム中盤から終盤にかけてプレイヤーを後押ししてくれる。

0121_MTGFRA_MainUP: Aerid Konstrari

各魂木・トークンはいずれも、「{T}:{R}か{G}を加える。」を持つ赤緑のアーティファクト・トークンだ。ヘクスヘイヴンの創始者たるスフィンクスのうちの一人、アエリド・コンストラリが見事に実証しているとおり、魂木・トークンは利用可能なマナを増やすのみならず、自分がコントロールすることになるアーティファクトの数を増やすのにも役立つ。

0011_MTGFRA_TknBoos: Heartwood Token

初版の魂木・トークンのフレームが無色のアーティファクトに用いられるものになっているが、注釈文に書かれている通り、それは赤と緑のアーティファクトであることに注意してほしい。

準備

ヘクスヘイヴンの生徒は、ストリクスヘイヴンの生徒同様に、あなたの決闘をサポートする準備がいつでもできている。準備カードが再録を果たした。これで、それらの呪文の保持者を配下に置き続けるかぎり、唱える呪文の選択肢が増えることになる。

0090_MTGFRA_MainUP: Pompous Battlemage

もしあなたが準備カードと初対面なら、簡潔だがひととおり説明しておこう。このカードは出来事や前兆といった、既に目にした二つに分かれた枠を持つカードとよく似ている。カードの大部分は、クリーチャーとその特性(名前、マナ・コスト、タイプ行、パワー、タフネス)で構成されている。文章欄の左側には、そのクリーチャーの能力が記載されている。

文章欄の右側をみると、そこにはそのカードの準備・呪文がある。《驕慢な戦闘魔道士》だと「即興演技」がそれに該当する。準備・呪文は独自の名前、マナ・コスト、タイプ行、そしてルール・テキストを持つ。『ストリクスヘイヴンの秘密』に収録された準備・呪文の中には、過去のおなじみの呪文も何枚か含まれていた。『リアリティ・フラクチャー』はその伝統を踏襲しつつも、その過程で少しおかしなことになっている。

準備カードはどんな領域にいるのだとしても、必ずクリーチャーという特性を持っている。あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを探している場合や、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードをあなたの手札に戻す場合、《驕慢な戦闘魔道士》はクリーチャー・カードである。だが、あなたのライブラリーからソーサリー・カードを探す場合、あなたは《驕慢な戦闘魔道士》を見つけてくることができない。このカードはどの領域にあろうがソーサリー・カードではないからだ。

では、準備・呪文はどのようにして唱えるのだろうか?正確には、それを唱えるわけではない。それのコピーを唱えるのだ。準備・呪文を持つ数多くのクリーチャーは、《驕慢な戦闘魔道士》も含めて準備済状態で戦場に出る。ここで取り上げているのはクリーチャーばかりだが、実際のところ“準備”はどんなパーマネントだろうと持ちうる。準備・呪文を持つクリーチャーが準備済状態になると、その準備・呪文のコピーが追放領域に姿を表す。そのコピーは次の3つのうちのいずれかが起こるまで、追放領域に留まる。一つ目は、あなたがそれを唱えること。これはあなたにとって好ましい展開である。二つ目は、その準備済状態のクリーチャーが戦場を離れること。こうなった場合、準備・呪文のコピーは直ちに消滅する。残念でならない。三つ目は、その準備済状態のクリーチャーが未準備状態になること。この状態にするカードもいくつか存在する。この場合も準備・呪文のコピーは消滅する。またしても残念だ。

準備・呪文のコピーを唱えることは、他の呪文を唱えることと同様に機能する。あなたはそれをスタック上に置き、対象を選ぶなどする。コストも支払う必要がある。これであなたは呪文の唱え方を理解した。いや!ひょっとすると、この記事を読み進めながらも何のことかさっぱり分からないと思ってるかもしれない。ぜひとも遊び方動画を何本かみてほしい

追放領域から準備・呪文を唱えると、準備済状態のクリーチャーは未準備状態になる。一部のクリーチャーにとっては、呪文詠唱における貢献はここまでとなる。ただし、ほかの手段を用いて再び準備することも可能だ。それ以外のクリーチャーは、ターンごとに再び準備済状態になる独自の手段をそれぞれ有している。

0151_MTGFRA_MainUP: Stingerquill Voxmancer

クリーチャーがすでに準備済状態であるなら、それはさらに準備済状態にはなれない。クリーチャー単体では、その準備・呪文のコピーを同時に2つ以上保持することはできない。そのクリーチャーを再び準備済状態にさせて別のコピーを作成するには、あなたがその呪文を唱える(もしくはそのクリーチャーをなにか別の手段で準備済状態でなくさせて、呪文のコピーを消滅させる)必要がある。

ヘクスヘイヴンの生徒はストリクスヘイヴンの生徒よりずっと狡猾なので、ここでひとつ特筆すべき状況を教えておこう。あなたが準備済状態のクリーチャーをコントロールしていて、別のプレイヤーがそれのコントロールを得た場合、追放領域からそのコピーを唱えることができるのは、あなたではなく、新たなコントローラーである。


これらはすべて、ベレレンを彷彿とさせる

『リアリティ・フラクチャー』のプレビューはこちらから確認できる(少なくとも、この現実においては)。公式発売日は2026年10月2日。『リアリティ・フラクチャー』は現在、お近くのゲーム店TCGplayerAmazon、その他マジックを取り扱う場所で予約受付中である。世の中にどれほど多くの「あなた」が存在しようとも、全員がプレリリースに駆けつけることを願ってやまない。