タルキール(『タルキール龍紀伝』)
もし異なる現在であったならば、タルキールは5人の強力なカンによって掌握されていたことでしょう。 砂漠と森は、流血の惨事に覆われ、戦乱に侵されていたことでしょう。 氏族は莫大な富と巨大な王国を掌握するべく、戦いに明け暮れていたことでしょう。 しかし、ここはその現在ではありません。 この現在は、決してカンの支配にはありません。 この現在は、龍の手にあるのです。
プレインズウォーカー、サルカン・ヴォルのおかげで、タルキールの強力な龍はその存在を取り戻しました。彼は龍なき現在から千年以上もの時を超えて、歴史の重大な転換点たる過去へと戻りました。そこで彼は、プレインズウォーカー、精霊龍ウギンを死から救ったのです。 彼のその行為により、ウギンから魔力を供給されて龍を生み出す龍の嵐が存続することになりました。従って彼は、龍の存続を決定づけることになったのです。
長い間、氏族はその生き残りを懸けて龍と戦乱を繰り広げてきました。戦いの中で、優位に立つことを求めて。 しかしその期待は、サルカンの介入により打ち砕かれました。 龍の存在が守られたことで、その数は増し、すぐに戦いの潮流は変わりました。 最終的に、龍はカンを追い詰め、討ち滅ぼしたのです。 そしてその果てに、龍が巨大な玉座にその地位を確保したのです。
この現在において、討ち滅ぼされた氏族は五体の伝説の龍王に支配されています。 時を経て、氏族は彼らが仕える龍王の主要な特徴を体現し、その力を龍印として示すようになっていきました。 それぞれの氏族は友好2色の組み合わせのマナを手に、彼らの龍王に代わって魔法を操り、タルキール次元全土の支配を目論んでいます。
タルキール過去と現在
サルカン・ヴォルの生まれ故郷であるタルキールは戦乱に満ちた世界です。 この次元を支配する5つの有力な氏族は、龍が狩りつくされ絶滅したこの地の覇権を賭けて争っています。
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現在より千年以上の昔、タルキールの空は龍で満ちあふれていました。 彼らは強大なエレメンタルの嵐の中から生まれ、その破壊的な吐息が空を埋め尽くし、5つの戦士の氏族を脅かしていました。
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伝説のクリーチャー
タルキールの氏族の中でも、スゥルタイは他のいかなる美徳よりも残忍さを重んじ、残酷と策略の評判を獲得していました。歴史から明らかなように、策略は残酷に勝ります。スゥルタイ最後のカンであったタシグルの在位は短く終わりました。助言者であったナーガのイクラ・シディーキが裏切り、タシグルは龍王シルムガルに売られたのです。龍王シルムガルはイクラの裏切りに対する報奨として、彼女を自分の龍語りに取り立てました。
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イーシャイは、タルキールの古く賢明な龍王オジュタイの私的な随員です。オジュタイには多くの伝令がおり、彼らに個人的な愛着を持ってはいません。ですがイーシャイは長年に渡って彼に仕え、多くの自主性が与えられています。イーシャイの言葉はオジュタイの権威を伝え、彼女は氏族から絶大な尊敬を得ています。
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一千年以上前、レイハンの目の前でアブザンのカンが龍王ドロモカに降伏しました。その行為によりアブザン氏族は終わるはずでしたが、レイハンは龍に跪くことを拒みました。彼女は散り散りになった氏族の残りを率いてその最後のカンとなります。カンの凋落の時代、最後の龍との戦いで、レイハンは他のカンたちを守ろうとして死にました。
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タルキールの住民はみな龍火の破壊力を骨身に滲みて知っています。コラガン氏族のゴブリンである薬瓶砕きも例外ではありません。それでも、無謀で大胆不敵な彼女は、この危険な液体を入れた薬瓶を一生涯扱い続け、そして砕き続けています。異なる時間線では、異なる名を持つこのゴブリンを、プレインズウォーカーのサルカン・ヴォルが氏族の同胞であり友人であると見なしていました。
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龍王ドロモカは、その大きさに等しく寛大で傲慢な指導者です。 古にして強力な龍であり、その支配領域を隅々まで掌握しています。 戦いにおいては、ドロモカは躊躇なく吐息の攻撃と焼き焦がす光線を放ち、無謀にも立ち向かう者を抹消していきます。
オジュタイとして知られるこの龍王は、古にして、洞察深く、賢明です。 その名を冠する氏族をいかにして支配するようになったか、その真実は歴史の霧の中に失われています。 「偉大なる師」としても知られるオジュタイは、龍眼の聖域にある棲家で長い午後を過ごし、精神的、知的な内容を長々と語っています。
龍王シルムガルは、龍、魔道士、アンデッドの軍勢で周囲を固めた華やかな寺院要塞に居住しています。 召使たちを挑発して戦わせることを楽しみ、戦いそのものと結果として生まれるゾンビの召使が軍勢に加わること、その両方を喜びとしています。
野蛮にして暴虐たる龍王コラガンは、狩りと殺しをその結果としての食事よりも楽しんでいます。 他の龍王とは異なり、コラガンは龍詞を含めて、一切話すことはありません。 破壊的な稲妻、あるいは薙ぎ払う鉤爪によって伝えられる以上のことを話すことなど望みはしないのです。
究極の捕食者たるアタルカは、その日々を、そして多くの夜を、狩りと捕食で過ごしています。 アタルカにとって、生命とは永遠の晩餐であり、その食卓の頂点に君臨する者なのです。 食べていない時は、次の食事のことを考えているか、その獲物を追っているか、そのどちらかです。 アタルカが貪り食わぬものは何一つありません。自身の氏族でさえも。
アナフェンザは優秀な戦士であり資質ある指導者でしたが、族樹を崇拝した罪で処刑されました。 それ以後、ドロモカの軍勢はともに戦う幽霊のような姿を見ると伝えています。 ドロモカはアナフェンザの魂の存在を否定していますが、族樹への注意は常に続けています。
ナーガであるシディシは、かつてはシルムガルの通訳の一人でした。偏執的な龍王に処刑され……そして、ゾンビとして蘇るまでは。 死後の生において、シディシはナーガを率いる力と、大量にいるシブシグのゾンビの忠誠を得ることになりました。
短気な性格の巨大なオークであるズルゴの眠りは浅く、コラガンの側で野営しながら、この龍のごくわずかな動きにも常に注意を払っています。 コラガンが戦うために動き出した時、それを知らせる音を鳴らすことがズルゴの仕事です。 氏族の龍鐘を大剣で打ち鳴らし、戦士たちを目覚めさせ戦わせるのです。
熟練の指導者かつ無類の狩人であるスーラクは、彼が仕える龍王が選ぶいかなる獲物も殺し、届けることを期待されていると知っています。 獲物が困難であるほどに、スーラクが狩りで感じる喜びは増します。 他のアタルカの氏族の者が生き残りの手段として狩る一方で、スーラクは栄光、誇り、そして大半は楽しみのために、狩りを行うのです。
氏族
ドロモカは信奉する龍王への共通の忠誠により結束した、龍と砂漠で生存する者たちの真なる共同体です。 この氏族は龍の特徴のうち忍耐を体現しており、彼らの象徴はまさしく示すとおり、龍鱗です。 彼らは密集した陣形で行進し、龍の助力と協調とともに戦います。
タルキールの地に住むほとんどの者たちは恐怖または畏怖の念から王に従っていますが、オジュタイの氏族に所属する僧や神秘家の者たちは、尊敬とさらなる知識への飽くなき欲求から従っています。 この氏族はいかにして龍の特徴である狡知を体現するかの学びを追い求めており、その悟りへの探究を表す象徴として龍眼を用いています。
タルキールの五体の龍王の中で、シルムガルが従える者は最少です…従える生者が、です。 不死である者たちの数を含めれば、氏族の中でも随一の規模を誇っています。 この氏族は悪びれずも龍の特徴である残忍を体現しています。それは彼らの象徴、龍牙にも示されています。
その龍王と同様に無謀にして予測不能、コラガンは欲しいものを欲しいときに奪い取ります。氏族内部の権力と支配も含めて。 狙うものが何であれ、コラガンは稲妻の暴虐をもってそれを撃ちます。 彼らの迅速さと荒々しさは、その象徴である龍翼に表れています。
捧げる者となるか、さもなくば捧げられし者となるか。 それが永遠に空腹な龍王アタルカに従う氏族に与えられた進むべき道です。 結果として、その生き残りはタルキール史上で最も凶暴で獰猛な狩人となりました。 アタルカにそぐわぬ残虐性は、彼らの象徴、剃刀のごとく鋭利な龍爪に表れています。
クリーチャー種族
筋骨隆々で獰猛なオークは、タルキールの過酷な環境によく適合しています。 コラガンの氏族にはたくさんのオークの戦士が身を置いています。 また、オークはアタルカの荒野の地を分け合っています。
ジンはタルキールの高地、特にオジュタイの砦がある山稜地域に住んでいます。 先天的に持っている飛行能力と、優れた身体的技術を組み合わせることで、ジンは武術と神秘の流儀の達人でもあります。
精霊の火を持つこの種族は、炎の縁カダットと呼ばれる人里離れた山岳地帯を故郷としています。 彼らは生まれ持った熱の力をアタルカの氏族に貸し、荒々しい戦士となって戦います。
蛇のような外見を持つナーガは、ラクシャーサと闇の契約を交わしたスゥルタイの指導者たちの末裔です。 今は、龍王シルムガルとその氏族に仕えています。 ナーガはその残酷さで悪名高く、体と精神の両方を歪める魔法を得意としています。
鳥型のエイヴンはタルキールの空に数多く存在しています。 彼らが持つ優れた視力と疲れを知らない翼により、エイヴンはドロモカとオジュタイの氏族にとって理想的な随員となっています。 シルムガルにいる禿鷲エイヴンは、死者を漁ります。 かつてティムールにはエイヴンの巫師がいましたが、龍王アタルカが彼らを駆逐してしまいました。
タルキールには、かつてアイノクと呼ばれる2つの系統の犬に似た人型の種族が存在していました。 砂漠の荒野に生息する種族は生存の達人であり、彼らの多くはドロモカの氏族に属しています。 熊に似た山岳のアイノクは、アタルカの氏族の龍によって狩られ、ほぼ絶滅しています。しかし砂漠のアイノクには、山岳での生活に適応する者もいます。
来訪しているプレインズウォーカー
ナーセットは博学な僧であり、彼女が仕える龍王オジュタイのお気に入りの学徒の一人です。 ナーセットはその内なる意志と交信し、肉体と精神の世界を越えて謎を得ています。 彼女は、タルキールの真の歴史を知る数少ない者の一人でもあります。
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赤と緑のシャーマン。ドラゴンが君主に狩り尽くされてしまった次元からやって来た。今は多元宇宙で、畏れるドラゴンを追い求める。
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吸血鬼である彼は、ニコル・ボーラスを除けば、ほかのプレインズウォーカーすべてを合わせた年齢より長く生きている。血の魔術師でありながら、道徳的な一面を持つ。
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ウギンは強大な力を持つ古のドラゴンのプレインズウォーカーです。 物質をエネルギーに変換することができるウギンは、他の者が不可能と考えた魔法を使って強大な力を発見することができました。 彼は多元宇宙を研究し、そしてこれまでに遭遇した中で最大の謎であるエルドラージの研究を行う計画を立てています。
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カードセット
サルカン・ヴォルの出身次元であるタルキールでは、5つの戦士の氏族が覇権を求めて争っています。彼らはそれぞれ独特の荒々しい戦闘魔法を操ります。
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戦乱に引き裂かれたタルキールの過去へと時間を遡る。そこでは、5つの氏族が強大な龍と激戦を繰り広げていた。今、この選択がタルキールの運命を決める。
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古き時代のカンは遥か昔に滅び、今やタルキールは龍が統治する世界となっています。古えの始祖5体が支配する5つの龍族が、人型生物の戦士氏族を率いて覇権を求め争っています。
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