成功に向かって
「Beyond the Basics」へようこそ! 今日は初お披露目のプレビュー・カードを含む、読者のためのとんでもない記事を提供するぞ!
準備はいいかな? ああ、まずは、みんなプレビュー・カードを見るために画面をスクロールするだろうから読まれないとは思うけど、いくつかの重要な言葉から始めようと思う。(男は夢を見るものなんだ。)
では始めよう!
ご存知の通り、競技的なマジックは通常1対1のゲームとして行われる。トーナメントでは自分と対戦相手がテーブルに向かい合って座り、前を向き、対戦の準備をする。その瞬間、二人だけの対戦の世界が始まり、他のすべては消えていく。
しかし、マジックの対戦の準備をすることは、マジックの対戦そのものと同じぐらい重要なものだ。
大規模トーナメントの準備に費やす無数の時間は、そこで行う対戦の勝敗に大きく影響する。デッキのプレイテスト、デッキ構築、そして最終的なデッキの選択は、これらの対戦結果を決定するものだ。
そしてそれは、あなたの周囲の人々の関わりに影響される!
あなたもこれらのチーム名を見聞きしたことがあるだろう。「Team ChannelFireball」、「Hareruya Pros」、「Peach Garden Oath」、「MTG Bent Card」、「Team Luxurious Hair」。こういったグループがトーナメント環境を支配することがままあるけれども、それは偶然によるものではない。
一緒に活動することには非常に多くの利点がある! プレイテスト相手を探さずに済む、データ収集も一人でやるより遥かに効率的に行える、思いついたアイデアについて意見交換が可能など、すべてがそうだ。それには信じられないほどの価値があり、マジックのプロ・プレイヤーのほとんどがチームに所属しているのも驚くには値しない!
残りは「どうすればチームを組めるんだろうか?」という疑問ぐらいか。
今日はそれについてやっていこう!
ピープル:ザ・ギャザリング
まず最初に、チームに入ってくれる人を探さなければならない。
私なら、まずはマジックを遊んでいる知り合いを誘えないか検討するだろう。人が集まる大きなイベントに何度も参加していくうちに、一緒に遊ぶ友達ができているはずだ。そして、そういった人々の多くは一緒に活動することに興味があると思う。つまり、チームに加わってくれる見込みがある。
さらに、今の時代であれば、一緒に活動してくれるマジック・プレイヤーを探すのは昔よりも簡単なことだ! ソーシャルメディアを使えば簡単に仲間を見つけることができる。近くに住んでいる必要もない! いつでも各地方向けのフェイスブックページを確認して投稿したり、「デューク/Duke」という苗字の人を探してチーム活動に興味がないか聞いてみることができる。
次のような探し方をするのがチーム結成の鍵だ。
- 競技的なマジックを求めている人を探そう。同様の目標を掲げて成功を目指している人同士で集まることが重要だ。
- 専門分野が違う人を探そう。デッキ構築が上手な人もいれば、デッキの相性判断に優れた人もいる。イベント会場まで車で遠距離を運転してくれる人など、さまざまな人材が必要となるだろう。
- あなたと違う考え方をする人を探そう。チームの利点の1つは、自分では思いつかない様々な意見を聞けるところにある。なぜこれが重要なのだろうか? お互いに納得してもらおうと話し合いを進めていけるからだ。異なる見解からの意見交換を行う機会を作り出さないのなら、それはチームとは言えない。
- グラフィックデザインの技術を持つ人を探そう。後で説明するが、これはとても重要だ。
- 車持ちをもう一人探そう。一人目の車が壊れたり、その人がチームから去るということもありそうじゃないか。
よさそうな人を見つけたら、次の段階に進もう。交流手段の確保だ!
あらゆるチーム活動においては、よいコミュニケーション手段を持つことが鍵となる! 要するに、次にどうすればいいかを把握できるように、どうやって全情報をまとめて扱っていくか、ということだ。
情報ごとに区分けできて、蓄積されていく内容に簡単にアクセスできることが、そうする上で有効な機能となる。
例えば、Facebookにグループを作成して、投稿内容を管理するのもありだ。そうすればデッキ、イベント、あるいはメタゲーム(訳注1)といったジャンルごとにスレッドを作成し、それぞれの意見交換を区分けして行える。仲間をグループに追加すれば、フェイスブックの強力な通知力によってグループに加わってくれるはずさ!
(訳注1:メタゲーム/どんなデッキやカードが流行しているか)
加えて、何らかのグループチャットを継続することが役に立つだろう。マジックについて何をすべきかを話し合うためじゃないよ――そんなのとんでもない! 投稿した記事が全部未読のままになって、運の悪すぎた対戦の話を一人でつぶやく羽目になるよ。(ついてない話をするたびにそうなる、ってわけじゃなくね。)そうじゃなく、仲間のことをマジック以外についても知り、会話の中で写真や画像を投げつけ合うためさ。現代において友達と仲良くやっていく方法ってやつだ!
全部済ませたかな? よし、成功に向けての準備は完璧だ!
次にすることは何だろうか?
グループ・プレイテスト
過去に「プレイテストのための5つの試練」という記事で、最善のプレイテスト方法についての話をした。しかし人数の多いグループで一緒に活動する場合は、注意すべき点がいくつかある。
チームで活動する利点の1つは、より多くの人数でより多くの試合をこなせるところだ。テストすべき対戦の組み合わせをリストアップし、それを実際に試していくことには大いに意味がある。そのために、メンバーに担当のデッキを割り振っていくことになるだろう。
例えば、メンバー2名がエンチャントレスと海賊ストンピィで対戦し、別の2名はそれとは別の対戦を行う。そして、それぞれがその結果を他のメンバーに知らせる、という感じだ。こうすれば全員が時間を有効に活用できるし、他にその対戦をしているメンバーがいない分、意見交換に費やす時間を最大化できる。
それに魅力を感じないのであれば、メンバー全員で同じ組み合わせの対戦をそれぞれ10戦行って、より勝てるものはどういうものかを知る、という手がある。その対戦についてさらなる利点を得つつ、いろいろと意見交換し続けることが可能だ。テストしていく、ということについて言えば、次の文はプレビュー・カードだけ見るのではなく実際にこの記事の中身を読んでいる読者の数を確認するためだけのものなので、ここを読んでいるなら私に伝えてほしい。キーワードはパイナップルだ。
デッキをどのように分け合うかについても、検討が必要となる。例えば、大好きなデッキがある場合、最高に相性の良い相手デッキを探してプレイするべきだ。そうすると、他のメンバーにそのデッキを試してもらうためのアピールとして、「昨日はこのデッキで負けなしだったよ」といった主張がそのテスト結果から可能になるからね。
全部できたかな? 素晴らしい!
名前がすべて
疑いの余地はまるでないのだが、どんなチームであっても最も重要となる要素の1つは、素敵なチーム名をつけることだ! これには時間を十分に費やすべきだろう。
よくある名前の考え方は次の通りだ。
- 覚えやすい一語句で! かっこよくてしびれるやつを。
- 自分の居場所と関連するもので! 例えば「Massdrop West」は、チームのメンバーがアメリカのどこから来たのかはっきりわかるものになっている。
- マジックのカード名で。あまり知られていないマジックのカード名にちなんだチーム名をつけることほど、「私はマジックを知っている」と雄弁に語るものはないだろう。「チーム《チューパイの芋虫仲間》」という名前を見たなら、対戦相手は身震いするんじゃないかな。
- 四単語以上の名前で。良い名前を思いつかないならば、単語をいくつか選んで適当につなげよう。
- 語呂合わせやもじりで。好きにせよ嫌いにせよ、だじゃれには独特のものがある。
さらに感触を良くするため、あなたのチームが何かすごいものの一部であると感じられるよう、付け足せる言葉を見つけることをお勧めする。例えば、「fire」、「black」、あるいは説明はできないが「bowl」などだ。これらはあなたの背後にある存在を暗示する。
それが終わったら、グラフィックデザイナーに頼んで(もうメンバーとして仲間に加えているよね?)自分の名前とチームのロゴを全てのものにつけよう。これはとても重要なことだ! Tシャツ、プレイマット、マグカップ――皆に知ってもらうんだ。
ああ、私にはあなたの考えていることが分かるよ。「大きなイベントでうまくいかなかったらどうしよう?」と心配しているね。問題ない! チームメンバーを追い出して、誰かを新しく招いて新しいチーム名をつければいいのさ。
あなたがどれだけ素晴らしく独創的であるかを皆に知らしめるために、今からチーム名を考え始めよう!
チームでのプレイ
12月8日に『Unstable』が発売されれば、良いチームの存在はこれまで以上に重要なものとなるだろう!
普段よりも周りに仲間がいることを望むようになるだろう。そしてあなたは仲間がマジックに熟達することを願うようになる。
これがその理由だ。
ああ、読んだ通りだ。ピザについての考え方はどうあれ、一緒にプレイしていかなければならないね。
このカードはとんでもない強さだ――正しく使うことができればだが。たった2マナで、実質的にリソース(訳注2)を倍に増やすことができる。ターンごとに2枚のカードを引き、ターンごとにさまざまな呪文を2倍プレイし、ターンごとに……。
(訳注2:リソース/資源。ゲームの中で他の要素のために消費・交換できるもの)
これは多くの興味深い疑問を引き起こす。
- このカードを使うため、トーナメントに参加していないチームメンバーを横に座らせてもいいだろうか?
- チームメイトが先に決着をつけた時にあなたを援助することができるよう、サイドボードに入れておいたほうがいいだろうか?
- 隣に座ってもらうために、イベントの2日目に残れなかった誰かを誘ってもいいだろうか?
- これに最適のデッキ構成はどんなものだろうか? アグロ・コントロール系のデッキなら一人がアグロを、もう一人がコントロールを担当できるか? パーツをそれぞれが担当するコンボ・デッキは? 単にビートダウン・デッキで対戦相手をリソース切れにしてしまうとか?
- カードに描かれている鳥はイラストを描いているが、どうやって筆を握っているのか? 本当に気になる。
特に面白いのが、このカードを複数回唱えると、複数のチームメイトが得られるところだ。それにサブゲームとの関連もある! 恐るべきサブゲームの夏が思い起こされるが(まだ続いている人もいるかもしれない)、ともかくこのカードは《Shahrazad》との相性がとてもいい。
トップレベルのプレイにおいてどんな馬鹿げた結果が見られるのか、楽しみにしているよ。
まあ、私が今日言えるのはそれぐらいかな。これが、チームが有効に機能しているかどうかを検査するものだと理解してもらえれば幸いだ! チームをスムーズに作る過程で必要になるものが何かは、今回の記事で知ることができたはずだ。
何か考えや意見はあるかな? よければ教えてほしい! TwitterやTumblrでいつでも受け付けているし、BeyondBasicsMagic@gmail.comにメールしてくれてもいいよ。
また次回会おう。残りのプレビューをお楽しみに。デッキを準備しておいてね!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)