進化するアーチエネミー
思いも寄らない3人の英雄。邪悪なる魔王。試練を乗り越える覚悟はあるか?
『ダスクモーン:戦慄の館』統率者デッキには、長年にわたり求められていたあるものが戻ってくる――「アーチエネミー戦」だ!このゲームモードでは、3人のプレイヤーが協力して1人のプレイヤーと対戦することになる。1人側になっても、心細くなることはないぞ――1人側のプレイヤーは、邪悪な計略が詰まった特別なデッキを使えるんだ。
特別なデッキ?一体どこからやってきたんだ?どのように機能するんだろう?今回ならではの新要素は?ここですべてお伝えしよう――早速始めるぞ1
悪の始まり
「アーチエネミー戦」の始まりは、2010年のことだった。カード60枚入りの特別な構築済みデッキ製品が発売されたんだ。
その後2017年に、『Archenemy: Nicol Bolas』という製品が続いた。この製品は、アーチエネミー戦を通して「ボーラス編」のストーリーを味わえるものだった。3人が勇敢なるゲートウォッチのプレインズウォーカーを演じ、1人はニコル・ボーラスとなって邪悪な計略を駆使するのだ。
この遊び方は多くの人に愛されているから(もちろん私もその1人だ)、また帰ってくるのは必然だった。
個人的には、チームプレイが生まれるところが好きだ。マジックのゲームは通常、誰かと対戦するだけだが、アーチエネミー戦では協力して戦える。長年のマジック仲間とプレイしても、お子さんやパートナー、その他誰とプレイしても、習熟度に関わらず一緒に遊べるんだ。そういうところが、アーチエネミー戦ならではの楽しさだね。
もちろん魔王を倒すのも魔王となるのも、すごく楽しいよ!ゲームに物語を添えてくれるだろう。
さてそんなアーチエネミー戦は、一体どうやって戻ってきたんだろうか?
そこでアニー・サルデリス/Annie Sardelisの出番だ。
マジックのデザイナーで期待の星となっている彼女は、マジック:ザ・ギャザリング『Fallout』統率者デッキや『ブルームバロウ』統率者デッキのデザインを率いてきた。そして彼女の次なる仕事が『ダスクモーン:戦慄の館』だった。洋館を舞台とするホラーの大ファンである彼女は、統率者デッキにクールな要素を加えたいと心から望んでいた。
私たちは最近も、『機械兵団の進軍』やマジック:ザ・ギャザリング『ドクター・フー』におけるプレインチェイス戦など、統率者デッキに追加の要素を持たせてきた。そこでアニーは、今回も追加要素を考え始めたんだ。…
アーチエネミー戦はどうだろう?
まさにうってつけだ!このセットでは、みんなで協力して「ダスクモーン館」の謎や恐怖に立ち向かっていく。アーチエネミー戦を感じられる要素がたくさんあるんだ。それからこのセットは、「Betrayal at the House on the Hill」から大いにインスピレーションを受けている。そのボードゲームのようなプレイ体験を生み出せるんじゃないだろうか。
みんな乗り気だった。ただし1つだけ、難しいことがあった――統率者戦にアーチエネミー戦を組み込むには、どうすればいいだろう?それは、これまでにない試みだったんだ!
魔王になれ
ここで、アーチエネミー戦の流れについて説明しておこう!
3人側のプレイヤーたち(我らが英雄だ)は、全員で1ターンを共有する。全員同じタイミングでドローし、同じタイミングでメイン・フェイズを進行し、同じタイミングで攻撃する。互いに呪文をかけ合って助けることができる(そうすべきだろう!)けれど、リソースは共有でないため、他のプレイヤーの土地をタップしてマナを出したり、他のプレイヤーの手札から呪文を唱えることはできない。双頭巨人戦のことを知っているなら、それと同じだ!
さて、次は魔王側のターンになる。魔王側が攻撃したとき、英雄側は誰がコントロールしているクリーチャーでもブロックできる。(攻撃自体が特定のプレイヤーに対して行われるのは変わらない。)
魔王側は3人にどう対抗するのか?まず、魔王側が先攻になる!そして特に重要なのが、この大判の「計略カード」で構成されたデッキだ。
第1メイン・フェイズの開始時に、魔王側はこの京着デッキの一番上のカードをめくり、そこに書かれたことをする。効果はカードを引くことから盤面を一掃することやクリーチャーを生み出すことまでさまざまだ。ありとあらゆる邪悪な計略があるぞ!できれば、最高の悪役声で読み上げるのをおすすめしよう。
計略の中には破棄条件が満たされるまで継続するものもあり、長期的なアドバンテージを得ることもできる。
計略は莫大なアドバンテージをもたらすため、3人側が勝つには協力が必須になるだろう!
アーチエネミー戦では、計略が解決されたら(あるいは持続計略が破棄されたら)、それは計略デッキの一番下に置かれる。ゲームが長引いても、計略が切れる心配はないぞ!
以前にアーチエネミー戦をプレイしたことがある方は、ここまでの内容は知っているだろう。だがもう1つだけ、伝えておきたいことがある。ライフ総量についてだ!
アーチエネミー戦の更新
オーケー、話を戻そう。「統率者アーチエネミー戦」についてだ。どうやって実現させようとしたのだろう?
アーチエネミー戦はこれまでカード60枚のデッキで、ライフは魔王側が40点、英雄側はそれぞれ20点だった。でも統率者戦では、初期ライフが40点だ!
またアーチエネミー戦には、どちらかといえば仕様と言うより不具合と言えることが1つあった。3人の英雄たちがそれぞれライフ総量を持つため、1人を可能な限り早く倒すのが戦略的に最善手だったんだ。3人を相手にするより、2人を相手にする方が楽だからね!
でもそれは、一番楽しいこととは言えない。1人選んで、残りのゲームの間場外に置いておくってことだから。また、積極的にやりたいことでもないだろう。本来なら攻撃は分散していきたいだろうから!
そこでアニー率いるチームはテストを繰り返し、このルールを微調整することでプレイがスムーズに進むことを見つけ出した。
魔王側のライフは60点とし、英雄側は全体で60点とする。英雄側は勝つときも負けるときも3人一緒だ。
何かの効果によって必要なときは魔王側が攻撃先を選ぶことに変わりないが、英雄側はどのプレイヤーでもブロックできるため、もっとシンプルな形になるだろう。魔王は英雄を攻撃し、英雄は魔王を攻撃する。どちらもライフ総量が1つになるのだ。
これで、特定のプレイヤーを狙う必要がなくなる。さらに、プレイヤーの敗退がなくなるのも統率者戦において大きな意味を持つ。
統率者戦で1人のプレイヤーが敗北し、その後のゲームが決着するまで45分待たなければならない、という状況が何度あったことだろうか?アーチエネミー戦ではそれが起こらなくなるんだ!全員が最後までプレイするから、その後すぐに次のゲームを始めることもできる。実にクレバーな解決策だね!
常日頃からアーチエネミー戦を楽しんでいるプレイヤーからの鋭い質問にもお答えしよう。《定命の肉体は弱きもの》のような昔の計略が、まともに機能しなくなるのでは?ご想像の通り、そういう計略は今回登場しない。昔の製品で遊ぶ際は旧ルールでプレイしても良いと思うけれど、私からはそういう計略を使わないで新しいライフ共有ルールで遊ぶことをおすすめしよう。(一対一では40点、統率者戦では60点。)もっと楽しいはずだ!
アーチエネミー統率者戦での微調整はもう1つ。必要な計略カードの枚数は、10枚になる。もちろん計略デッキの枚数は好きなだけ増やせるぞ。(4つの統率者デッキから計略カード40枚を集めて、全部入れるのも一興だ!)統率者デッキに同梱の10枚だけでプレイしても、まったく問題ない。
加えて、『Archenemy: Nicol Bolas』と異なり、今回のデッキはどれも魔王側ができるように構築されている。各デッキに計略カード10枚が同梱されているから、どのデッキが悪役になってもゲームが成り立つんだ。とはいえ特に黒赤のデッキが館の怖さや不気味さ、そして凶悪さを体験できるから、最高難度を味わいたいならこのデッキを魔王側にして、館を攻略できるか試してみてくれ!
アーチエネミー戦はあくまで変種ルールの1つであり、これらの統率者デッキはアーチエネミー戦でなくても存分に楽しめる。でも本当に楽しい変種ルールだから、ぜひ試しに遊んでみてくれ!
友人を魔王とせよ
アーチエネミー戦と再会できて本当に嬉しいよ!久しぶりになったけれど、統率者戦にこういうオプションが加わるのはいつだって大歓迎だ。
みんなはアーチエネミー戦が帰ってきたことをどう思う?何か質問はないかい?ぜひソーシャルメディアで(英語で)声をかけてくれ。みんなの意見をぜひ聞きたい!
以上、『ダスクモーン:戦慄の館』でやってくるものを少しだけお披露目した。また秋に、それぞれの統率者デッキを詳しく見ていこう!
――Gavin
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