2025年3月31日 禁止制限告知
告知日:2025年3月31日
スタンダード:
- 変更なし
パイオニア:
- 変更なし
モダン:
《死の国からの脱出》 禁止
レガシー:
《まき散らす菌糸生物》 禁止《カザド=ドゥームのトロール》 禁止
ヴィンテージ:
- 変更なし
パウパー:
《日を浴びる繁殖鱗》 禁止《カルドーサの再誕》 禁止《命取りの論争》 禁止
《予言のプリズム》 禁止解除《満潮》 禁止解除
アルケミー:
- 変更なし
エクスプローラー:
- 変更なし
ヒストリック:
- 変更なし
タイムレス:
- 変更なし
ブロール:
- 変更なし
発効日:2025年3月31日
次回告知予定日:2025年6月30日
制限カード、禁止カードのフォーマット別一覧はこちら。
ゲーマーの皆さん、こんにちは!
私はカルメン・クロンペアレンズ/Carmen Klomparens、マジックのプレイ・デザイン・チームに所属する上席ゲーム・デザイナーです。今回が2025年最初の禁止制限告知となります! 前回の禁止制限リストの更新では、ローテーションのないフォーマットに多くの変更が加えられました。今回は、それらのフォーマットの楽しさを保つために次の一手を打ちます。モダンで行われる地域チャンピオンシップ・ラウンドに、レガシーのメタゲームにおける大きな変化、そして狭まりつつあるパウパーのメタゲーム……それらへの対応に取り組みます。
なお今回の変更については、太平洋時間4月1日10時(日本時間26時)よりtwitch.tv/magicでの公式配信(英語)でも詳しくお伝えします。
特定のフォーマットへ飛びたい方は、以下のリンクをクリックしてください。
スタンダード
(この項はジェイディーン・クロンペアレンズ/Jadine Klomparensよりお送りします。)
- 変更なし
現在のスタンダードは活気にあふれており、今回の告知における変更はありません。スタンダードの禁止制限に関する私たちの方針は変わりません。ローテーション間は可能な限り触らないよう努め、カードを禁止するのは環境の健全さに本当に問題を起こすものが現れた場合のみです。それから1年に一度、ローテーションの直前に、わずかな変化を与えるかどうか検討します。これは次のローテーション期間に動きを与え、このフォーマットを楽しくすることを目的としたものです。この1年に一度の機会はまだ先のことですが、『タルキール:龍嵐録』や『マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY』のような新セットが、『久遠の終端』でのローテーションの前にスタンダードに確かな足跡を残していくことでしょう。
「プロツアー『霊気走破』」にて、現在のスタンダード環境は豊かで多様性に満ちていることが示されました。現環境のビッグ3は明白で、「グルール・マウス」「エスパー・ピクシー」「版図大主」の3戦略が特に人気を集めています。しかしメタゲームの頂点がこれだけ明確であるにも関わらず、その3デッキが占める割合は全体の半分程度に留まり、残る半分は多くの選択肢が広がっています。現在のスタンダードではおよそ想像し得るあらゆるスタイルのデッキに成功のチャンスがあり、見ていて本当に飽きません。プロツアーの週末を席巻し優勝を勝ち取ったのは「版図大主」でしたが、その後はメタゲームが対応し徐々に勝率を下げているのが見受けられます。
現在のスタンダードの特に素晴らしい点は、セットからセットの間にも進化を続けるところです。
『タルキール:龍嵐録』や『マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY』の発売も近づく中で、スタンダード・フォーマットの旅路を見守るのがますます楽しみになっています。プレイヤーの皆さんが新たなカードを使って何を見せてくれるのか、新しいデッキや戦略の誕生を目にする日に心躍らせています。
パイオニア
(この項はアリヤ・カラムチャンダリ/Arya Karamchandaniよりお送りします。)
- 変更なし
前回の禁止制限告知以降、私たちはパイオニアを注視してきましたが、デッキの多様性の点でもさまざまな大枠のアーキタイプが存在する点でも、現在の環境には満足しています。
ここ数か月の間にパイオニアのメタゲームには健全な変化が起きており、昨年登場したカードがさまざまなアーキタイプで姿を見せています。
こういった変化を経てもなお、パイオニアのメタゲームは良好なバランスを保っています。実にさまざまなプレイ・スタイルが楽しめて、勝率や使用率の面で問題を抱えているデッキやアーキタイプはありません。「ディミーア・バウンス」のような新たなデッキも登場し、メタゲームは進化を続けています。私たちは今後もメタゲームの発展を観察し続けるつもりですが、今のところはパイオニアの現状に満足しており、このフォーマットには変更を加えません。
モダン
(この項はカルメン・クロンペアレンズ/Carmen Klomparensよりお送りします。)
《死の国からの脱出》 禁止
冒頭でもお伝えした通り、12月の更新においてモダンには新しい風が多く吹き込まれました。以降私たちは
もう少し背景をご説明すると、この数か月間はモダンにやってきた新たなツールがさまざまな形で実験される様子が見受けられました。ですがその中で、「ティムール脱出基地」デッキがモダンにおいて特に強力なデッキであることが明らかになっていったのです。このデッキは
モダンにはさまざまなデッキが姿を見せており、ここ数週間では「オルゾフ・ブリンク」が名を上げてきています。『霊気走破』はこのフォーマットに大きな影響を与え、
私たちは、「ボロス・エネルギー」や「ディミーア眼魔」、それからエルドラージ系のデッキや「アミュレット・タイタン」、「オルゾフ・ブリンク」など、「ティムール脱出基地」の流行の中でも環境にあり続ける強力なデッキには今後も監視の目を向け続けるつもりです。中でも「ボロス・エネルギー」には注目しており、これから迎える地域チャンピオンシップ予選シーズンにて有力な対抗馬が現れるのかどうかを見守っていきます。新たな環境でプレイヤーの皆さんが作り上げるものを楽しみにしています。
レガシー
(この項はカルメン・クロンペアレンズ/Carmen Klomparensよりお送りします。)
《カザド=ドゥームのトロール》 禁止《まき散らす菌糸生物》 禁止
数字上では、現在のレガシーはバランスの取れたフォーマットのように見えます。最も多くの人気を集める「ディミーア・リアニメイト」の勢力も大きすぎると言うほどではなく、次点のデッキ群も環境の中心から大きく離れたところにいるわけではありません。問題となるのは、さまざまなデッキが存在するにも関わらず、このフォーマットでは大枠のアーキタイプのうちミッドレンジやコントロールのような速度の遅いものが、ほとんどメタゲームから弾き出されている点です。これは、環境的な圧力によってゲームの時間が大幅に短くなっていることが要因です。さらに、プレイヤーの好感情やイベント参加者数も減少傾向にあります。それは、レガシーを愛する人々が現在のレガシーを愛していないということを示しています。そのため私たちは、現状を改善するべく段階を踏んでいくつかの手を打っているところです。
フォーマット速度の問題とは別に、昨年の夏の『モダンホライゾン3』発売以降、エルドラージをはじめとする無色戦略がレガシーに蔓延しています。これらのデッキは概して、このフォーマットにおける規範を完全に逸脱しており、対処が極めて難しいものになっています。昨年12月の時点では、
今後数週間にわたり、私たちはレガシーの表層に湧き上がってきたさまざまなコンボ特化デッキや高速マナ加速デッキの使用率や勝率に目を配っていくつもりです。「血染めの月ストンピィ」や「Oops」のことです! 代表的な例である「Oops All Spells」デッキは、『モダンホライゾン3』のモードを持つ両面土地カードの使用率と並行してここ数か月の間にメタゲーム上のシェアを伸ばし続けていますが、現在のところは、使用率勝率ともにこれまでの歴史上許容されてきた範囲に収まっています。今回の変更がこれらのデッキへの対抗馬を増やす契機になれば理想的と言えるでしょう。
ヴィンテージ
(この項はエリック・エンゲルハルト/Eric Engelhardよりお送りします。)
- 変更なし
今回の告知では、ヴィンテージに変更はありません。しかしながら、あるカードのヴィンテージにおける立ち位置については多くの議論が交わされました。そのカードとは、
昨年の8月に、私たちは
《夢の巣のルールス》は、初期の「相棒」ルール下の2020~2021年に9か月の間禁止カードに指定されていました。数十年にわたるヴィンテージの歴史で初めてとなるパワーレベルを理由にした禁止でしたが、当時は必要だと感じたのです。その後相棒のルールが更新され、可能な限り多くのカードを使用できるようにするというヴィンテージの精神に則り《夢の巣のルールス》は禁止解除となりました。そして禁止解除当時、これは実験的な措置であり、必要であれば取り消すと言及しました。
今回は、その言葉が今でも同じかどうかを議論したのです。その結果を簡潔に答えるなら「Yes」です――《夢の巣のルールス》がメタゲーム上で大きな問題となるなら、私たちはこのカードを禁止します。しかしながら現時点では、その閾値に近づいてはいません。もちろん閾値が明確に定まっているわけではありませんが、メタゲームがさらに一部のルールス・デッキに偏ったり、ルールス・デッキのメタゲーム上のシェアがさらに上がったりという動きが見受けられてからの話になるでしょう。
ヴィンテージにも禁止カードはありますが、それらは手先の器用さが求められるカードやサブゲームを行うカード、ステッカーやアトラクションを用いるカードなどです。それらは、トーナメントにおける運用上の問題ですべてのフォーマットにおいて禁止されています。「相棒」メカニズムに運用上の問題は(それほど)ありませんが、それはヴィンテージというフォーマットや制限措置と他にはない関わりがあります。そのため相棒メカニズムを持つカードについては、ヴィンテージにおける禁止措置が検討されるのです。私たちは、すでに例外が存在する「ルール」の透明性を保つためにフォーマットを停滞させたままにするつもりはありません。
私たちは今後も《夢の巣のルールス》から目を離さず、トーナメント結果やプレイヤーの皆さんの感情を見ていきます。全体的に見て、ヴィンテージのメタゲームは健全に見えます。私たちが直近で見た結果によれば、《夢の巣のルールス》を環境に残しても全体の多様性や進化は阻害されないと思われます。
パウパー
《日を浴びる繁殖鱗》 禁止《カルドーサの再誕》 禁止《命取りの論争》 禁止
《予言のプリズム》 禁止解除《満潮》 禁止解除
パウパーでは
詳しくは別途、パウパー・フォーマット委員会による記事をご覧ください。
(以下、MTGアリーナ限定フォーマットの項はデイヴ・フィンセス/Dave Finsethよりお送りします。)
アルケミー
- 変更なし
カードの変更が比較的頻繁に起こるこのフォーマットにおいては、再調整が重要な役割を果たしています。前回の再調整は「ライフゲイン」デッキと「強奪」デッキをこのフォーマットの範囲内に引き込み、非常にうまくいっているように見受けられます。
また『アルケミー:霊気走破』の新規カードも環境に影響を与えています。
私たちは今後も、メタゲームの新鮮さとバランスを維持するために再調整を活用し続けるつもりです。次回の更新は『アルケミー:タルキール』のシーズン中に行われる見込みです。私たちは現在のアルケミーの多様性と競技性に非常に満足しており、5月にアルケミーで行われる予定の予選ウィークエンドを今すぐ開催しても良いと感じています。
エクスプローラー
- 変更なし
『パイオニアマスターズ』のリリースにより、エクスプローラーとパイオニアの差異は小さくなりました。私たちは引き続きパイオニアの競技環境を観察し、MTGアリーナに未実装のカードを確認していきます。3月にMagic Onlineの競技環境で活躍した411のデッキリストの中では、以下のカードのみ未実装となっていました。
カード名 |
総採用枚数 |
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24 |
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6 |
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4 |
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4 |
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3 |
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2 |
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2 |
これらのパイオニアの競技環境で使われるカードをMTGアリーナへ加える方法については、現在新しい方法を検討中です。
ヒストリック
- 変更なし
ヒストリックはMTGアリーナで最も多様性あふれるフォーマットであり続けており、全体の使用率で5%を超えるデッキはありません。環境は前回の更新からほとんど変わっていません。特筆すべき変化を挙げるなら、
私たちは「エネルギー・アグロ」の強さと速さを観察し続けています。すでに数枚のカードを再調整しましたが、今後もこの強力なデッキがフォーマットのシェアを奪いすぎないよう対応を続けていきます。
タイムレス
- 変更なし
タイムレスへの最大の追加戦力といえば、手札のカード1枚を代償に高速でマナ加速ができる
ブロール
- 変更なし
ブロールはMTGアリーナでの成長を続けており、他では味わえない100枚シングルトンのフォーマットを楽しむプレイヤーが増えています。アルケミー・セットがリリースされるたびに、新たな統率者がデッキ構築の選択肢を広げるという好循環が見受けられます。現在のところ、ブロール全体で85%のマッチにおいて、統率者の選択による勝率は互いに50%近くを記録しています。私たちは今後もセットのリリースごとにマッチメイキングの観察と調整を続け、同等のデッキや統率者同士がマッチングし楽しくエキサイティングなマジックのゲームをお楽しみいただけるよう力を尽くしていきます。