『戦乱のゼンディカー』プレリリース入門 更新日 Feature on 2015年 9月 21日
地平線のかなたから、耳をつんざく大きな音。
あらゆる方角から届く、この世ならざるものの金切り声。
荒廃は目前まで迫っている。
それがゼンディカー。 エルドラージという怪物に侵略されている次元。 君たちは、それに立ち向かわなければならない。
今こそ準備を整えるときだ……しっかりと備えるために、お近くのプレリリースで何が行われるのか、もっとよく知っておこう!
プレリリースは、実際に『戦乱のゼンディカー』の新しいカードを使える最初の機会だ! 第一歩としてこれ以上のものはないだろう。 誰もがここで初めてこの新セットに触れ、使いたいカードのことを知っていくのだ。 さあ、まったく新しい戦いの舞台へ――ゼンディカーへプレインズウォークし、戦いに挑むときが来た!
すべてはここから
マジックを始めたときから、プレリリースは私のお気に入りのイベントだ。
私が初めてプレリリースに参加したのは11歳のときだった――本当に楽しくて、それ以来私はプレリリースを毎回心待ちにしているよ。 このイベントの素晴らしいところは、使われるセットがまったく新しいもので、参加者は初めてそのセットに触れることになるため、スタート地点が全員同じになる点だ。それから、心からリラックスした気持ちで新しいカードの探求を楽しめるのも最高だね。 プレリリースは、ただたっぷりと楽しむものなんだ! マジックが始まったころから遊んでいるようなプレイヤーたちだって、まるで新しいプレゼントを開けるときみたいに毎回プレリリースを楽しみにしているんだ。
すでにシールドデッキの経験を積んでいる方は、次の項まで読み飛ばしてくれても構わない。飛ばした先では、最寄りのお店で楽しめるであろう『戦乱のゼンディカー』ならではの特別なことについて語ろう。 だがシールドデッキのお祭りが初めてだという方や、もうちょっとアドバイスが欲しいという方は、ぜひこのまま読み進めてくれ!
それじゃあ、まずは一番大事なことからいこう。プレリリースを開催している場所を見つけるんだ! 何はともあれ、プレリリースへ行けなければ楽しめないからね。 さてどうすればいいのだろう?
まず特に行きつけの店舗がないなら、店舗・イベント検索を使って、最寄りの店舗を探すのをお忘れなく! 店舗では事前登録も行なわれているかもしれない。 プレリリースは私たちが提供するイベントでも最も人気のあるもののひとつなので、その店舗で参加するのに事前登録が必要かどうかを確かめておくことをお勧めしよう。 イベントが満員だとわかるのが、会場を訪れてプレイできないことを知ってからというのでは全くもって遅すぎるので、先を見ておくに越したことはない。
よろしい、参加できる店舗が見つかったようだね――素晴らしい!
そうしたら、次は大会に備えよう。 今のゼンディカーでは何が起きても不思議じゃない――どんなことでも対応できるように、しっかりと備えておこう! このイベントではその場で手に入れたカードを使ってデッキを組むことになるのだが、それだけではなく、やれることはたくさんある。
例えば、トレード用のカードファイル、ラウンドの合間に遊ぶためのスタンダードのデッキや統率者戦のデッキ、それからライフを記録するためのペンと紙、そして飲料水や軽食もあるといいかもしれない。 (イカ料理を持ってきて「エルドラージを食ってやる!」とやった人はポイント高いね!) それから、プレリリースの1回のイベントは約4~5時間を要するから、当日はイベントを最後まで楽しめるように、しっかり時間を確保しておこう。
うん、こんなところかな。 行くべき店舗は見つけたし、ゼンディカー次元を訪れるのに必要なものもすべて集まったね。 最新の「Uncharted Realms」も読んだだろうし、あとはマジックそのものの知識を更新しておくといいだろう。 それからもちろん、『戦乱のゼンディカー』カードギャラリーには目を通しておこう。
これで全部揃ったね! それじゃあ次は……
ゼンディカー流のデッキ作成法
プレリリース会場へ行き戦いの舞台に座ると、デッキ作成に必要なものがすべて入ったお洒落なデッキ・ボックスが手渡される。 さっそく開けてみよう!
箱の底には、20面のスピンダウン・ライフカウンターを収めるスペースまである!
最高だね――ゼンディカー人は、こうやって旅の道具をしっかり収めているんだ!
そして箱の中には、素敵なものがたくさん入っている。 中でもその日の鍵となるのは、シールドデッキを作成するために必要なカードを収めた6個の『戦乱のゼンディカー』ブースターパックと、輝かしいプレリリース特別カードだろう。(プレリリース特別カードは、このセットのすべてのレアと神話レアの中から選ばれるぞ!)
まず最初にすることは、多元宇宙の秘密を解き放つこと。 そう、パックを開封するんだ! そうすると、カードの束を手にすることになる。
さて......それから何をする?
もちろん、デッキを作成する時間だ!
シールドデッキは、普通のデッキ作成とは少し違うところがある。 目の前にあるカードのみを使ってデッキを作成し、そこへ基本土地を好きなだけ加えて完成させるんだ。 また、最少枚数が60枚である普通の構築デッキと異なり、デッキは40枚以上であればいい。
はじめに取り組みたいのは、使う色を見極めることだ。 私からは2色で組むことをおすすめしよう。 このセットには「欠色」を持つ、つまり色を持たないカードがあるためちょっと混乱するかもしれないけれど――デッキ構築においてはそれらも色を持っているとして考えればいい。 それらを唱えるのに色マナが必要だからね!
使う色を決める基準としては、以下のようなものが挙げられるだろう。
- 心惹かれる本当に強力なレアがある
- 対戦相手のクリーチャーに対処できる、「除去」カードが多くある
- 優秀なカードがたくさんある
- 「マナ・カーブ」が優れている――つまり、様々なコストのクリーチャーが豊富にある
これら4つがすべて満たされていれば理想的だけれど、2つか3つでも十分だろう。
アート:Eric Deschamps
さて、方法は様々だが、いずれにしても使うカードは絞る必要がある。 デッキ作成に困って立ち止まってしまったら、プレリリース・パックに入っている「デッキ作成のポイント」を読んでヒントを得てくれ。それから、周りのプレイヤーに気軽に声をかけて教えてもらおう。 (プレリリースでは周りのプレイヤーに教えてもらうことができるんだ――楽しいし、勉強になるぞ!)
オーケー、こうして使う色は決まった。 では、すべてのカードを精査して、デッキに採用したい22~23枚のカードを決めるためにはどうしたらいいだろう? よし、棒でつついておびき出してやろう。
......まあ、できれば、選んだ色のカードを集め、クリーチャーをマナ・コスト順に並べてやろう。こうすることで、ゲームのどの段階でそれぞれのクリーチャーを唱えることになるかが分かりやすくなる。 (この時点では、必要なマナに届いたらすぐにプレイしたいようなカードでなければ、クリーチャーでないカードを並べないほうがいい――例えば、《泥這い》は通常3ターン目に唱えることになるが、《骨の粉砕》はそうではないだろう。
クリーチャーの良い「マナ・カーブ」は、うまく動くシールド・デッキを作るにあたって極めて重要なものだ。 カーブの1か所に大量のカードが偏らないようにしよう。 重要なことは、序盤で軽い呪文を、終盤で重い呪文をプレイできるような良い配合にすることだ。 リミテッドのごく一般的な基準として、私はこのようにプレイしたいと考えている。
- 1マナ: 0~2枚
- 2マナ: 4~6枚
- 3マナ: 3~5枚
- 4マナ: 4枚
- 5マナ: 3枚
- 6マナ以上: 1~2枚
これが絶対というわけではないが、良い出発点にはなる。 お気に入りを選んで、これらの数になるまでクリーチャーを選び抜こう。
さて、核となるクリーチャーの基盤を見定めたね。次は呪文を加えよう! 選んだ色からお気に入りのカードを抜き出し、デッキを22~23枚にしていく。これで、呪文の準備もできた!
数々の呪文の中でも、「除去呪文」と呼ばれるものは一番欲しいところだ――除去呪文とは、対戦相手のクリーチャーを永遠に無力化するもののことだ。ダメージによって破壊するものでもいいし、タップし続けるものでもいいし、もちろん直接破壊するものでもいいぞ。 マジックにおいてシールドデッキの中心になるのは、やはりクリーチャーだ。だから、選んだ色に合うカードで対戦相手のクリーチャーに対処できるものは、ぜひ採用しよう。
ヒントにもっと興味がおありかな? 以下に、デッキ作成の際に気に留めておきたい事項をいくつか挙げておこう。
- 40枚を超えたデッキを使うこともできるが、可能な限り40枚ちょうどに強くこだわるべきだ。 41枚目以降のすべてのカードは、デッキに入れた素晴らしいレアを引く確率を下げてしまうだろう!
- 検討すべき土地の比率は、概ね土地17枚と、土地以外23枚にすべきだ。 100%当てはまるものではないが、ほとんどのリミテッドのデッキはこの比率に収まり、大抵の場合、私もそうしている。 だが『戦乱のゼンディカー』では、「上陸」を持つカードや特別な能力を持つ土地がたくさんあれば、土地18枚を検討するのもいいだろう。
- 低コストのカードと高コストのカードを組み合わせよう。 全部を軽く、小さいクリーチャーにした場合、たった1枚の大きなクリーチャーで止められてしまう。 また全部を重く、大きなクリーチャーにした場合、それらを唱える前に勝負を決められてしまう恐れがある。 2マナ、3マナ、4マナ、5マナのクリーチャーが含まれている構成にこだわろう。 シールドデッキの勝ちゲームの多くは、第2~3ターンから毎ターン続けてクリーチャーを唱えることによって得られるのだ。
- 回避能力が重要だ! しばしば、シールドデッキのゲームは膠着状態に陥り、両方のプレイヤーが大量のクリーチャーを持ち、しかしどちらも効果的に攻撃できない、ということが起きる。 飛行のような能力を持つクリーチャーは、こうしたクリーチャーによる膠着状態を打破できるようにしてくれる。
シールドデッキについてさらに深く探求したいなら、読むと学べる記事として以下を挙げる(各記事のリンク先は英語)。
- "Sealed Deck"
- "How I Break Down My Sealed Pool"
- "Prerelease Prerogatives"
- "Sealed Deck Reality Check"
- "Foundations"
- ネイト・プライス/Nate Priceの「Price of Progress」シリーズ
- 第1回目の "Prerelease Primer"
双頭巨人戦
いくつかの店舗では、シールド・デッキの中でも「双頭巨人戦」と呼ばれる形式を開催している(しばしば略して「2HG」とも)。これは2人のプレイヤーがチームを組んで、他のペアと対戦するものだ。 各ペアは2個のプレリリース・パックを受け取り、そこからデッキを構築する。 店舗で双頭巨人戦がおこなわれる場合、イベント主催者がより詳しく説明してくれるだろう。
オープンデュエル
一日中イベントでプレイするのはちょっと恐かったり、あるいは単純にもっと『戦乱のゼンディカー』のカードを使ったゲームを楽しみたかったりするなら、オープンデュエルに参加するという方法もあるぞ。
この併催イベントでは、すぐに対戦できるカード60枚入りのエントリーセットを受け取り、それを使って他のオープンデュエルの参加者や、次のラウンドを待っているメイン・イベントの参加者と対戦できるのだ! これは、プレリリースが自分に合うイベントかどうかわからないなら、ちょっと試してみるのにいい方法だ。あるいはプレリリース・イベントに5時間いられない場合にもおすすめだぞ。 オープンデュエルは好きなときにプレイできるのだ。 これも楽しいよ!
ゼンディカーの財宝
箱の中には見事なカードの数々や日付が印刷されたプレミアム版プロモカードに加えて、他にもクールなものがいくつか入っている!
この素敵な20面のスピンダウン・ライフカウンターも手に入るぞ。
それからこの、ゼンディカーを紹介する素晴らしいブックレットも入っている――そこにはデッキ構築における大切なことも書かれているぞ! ぜひその素晴らしさを余すところなく見てくれ。
先ほども言ったけれど、デッキ構築中に何かアドバイスが欲しくなったとき、このブックレットがきっと君たちの助けになるだろう。 こいつを読めばうまくいくはずさ!
『戦乱のゼンディカー』の様々なメカニズム
『戦乱のゼンディカー』にはメカニズムが満載だ! ぜひ「『戦乱のゼンディカー』のメカニズム」記事を読んで、その魅力たっぷりなメカニズムを学んでくれ。
戦乱に飛び込もう
以前ゼンディカーを訪れたことがある人も、今回が初めてだという人も、みんなようこそ! このセットは探検しがいのある革新的なものであり、実際にカードを使ってみないと見えないシナジーも満載だ。
エルドラージに包囲された今、確かなことがひとつある。 プレリリースでは予想もつかないことがいくつも起こるってことだ!
……もちろん、それらを乗り越えるための準備はいくらしてもし過ぎることはない。 ゼンディカーの大自然へと繰り出す前に、ぜひもう一度カードギャラリーをおさらいしておこう。 そこではこのセットのすべてのカードが君たちを待っていて、きっと君たちのやりたいことに繋がるアイデアが見つかるはずだ。
私からは以上だ――今度は君たち自身がお近くのプレリリースへ繰り出し、ここで得た知識を武器にエルドラージと戦うのだ!
プレリリースに関する質問やご要望があれば、気軽にツイートを送るかTumblrで質問してくれ。 必ず目を通して、できる限りの協力をお約束しよう!
ぜひこの週末を楽しんでくれ。 君たちのゼンディカーへの旅が最高のものになりますように!
Gavin