クリーチャー戦闘はマジックの醍醐味だ――難しい時もあるけどね。

 先週は、戦闘におけるクリーチャーの交換についてじっくり解説した。我らが英雄、《栄光の探求者》と《青銅の黒貂》が、危険な二人舞踏を踊ってくれたのを覚えているかな。

 しかし、交換は戦闘のほんの1要素に過ぎない。今日は、攻撃やブロックに関する別の大きな要素を見ていきたい――読者が熱望しているやつをね。どちらのプレイヤーも6体ずつクリーチャーを並べ、どうしたものかと思案に暮れる……この記事は、そんなあなたのためにある。

 さあ、大海原へと乗り出すぞ。大規模戦闘の舵取りについて取り組む時だ!

 例として、こんな状況を取り上げてみよう。

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 どちらもミッドレンジ・デッキを使っていて、今はアンディ/Andyのターンだ。双方とも、数枚の手札を持っている。(アンディのターンのドローは土地で、そのまま出したとしておく。バズ/Buzzも、そのドローが土地であることは知っていた。)さて、アンディはこれからどう攻撃したものか?

(それと、アンディの頭文字は「アタック/Attack」のAで、バズの頭文字は「ブロック/Block」のB、というのは討論する上でどっちがどっちかを覚えておく助けになるかもしれない。)

 先週取り扱った盤面と同様、もちろんここに至るまでの情報や状況は極めて重要なことだ――どんなデッキで、何を入れているのかは、どちらも決定への大きな要因となる。だが、それについては置いておこう。そういう条件で考えてくれ。考える時間は自由だ。

 これ以降は、高度な戦闘についての鍵となる要素について扱っていくので、より深く見ていこう。

有利なのは防御側

 これは大きな要素だ。

 大規模戦闘では、優位を得るための鍵が2つある。1つ目は、マナが残っていて、なおかつそのマナを使う意味のあるカードを手札に持っていることだ。しかし、これはかなり状況次第なところがある。ところが、2つ目は状況に左右されない。それは、防御側であることだ。大規模戦闘において防御側であることは、本質的に有利と言える。

 その理由は、大きく3つに分けられる。

  • 攻撃側は、自分の情報を先に全て見せることになる。
  • 防御側は、最終的なブロックの決定権を持つ。
  • 防御側は、ダブルブロック……つまり1体の攻撃クリーチャーを2体の(あるいはそれ以上の)クリーチャーでブロックできる。しかし攻撃側は、1体のブロック・クリーチャーを複数のクリーチャーで攻撃……いわばダブルアタックができない。これが最も重要かもしれない。

 では、順にこれらについて考えてみよう。

 マジックは情報のゲームだ。対戦相手が攻撃した理由を知ることができれば、その計画について僅かながら知ることができる。マジックにおける最も大切な疑問を思い出してほしい。「対戦相手はなぜあのプレイをしたのか?」と自問し、相手の意図を推察してみよう。

 次だ。ブロックを指定するとき、防御側はブロックをほぼ好きなように指定できる。攻撃に対処する上で、相打ちを取る意味があるかどうか、または相手がもっとも必要としているであろう攻撃クリーチャーを処理すべきかどうか、といった内容を個別に判断できる。そして、それぞれのクリーチャー交換について全ての組み合わせを試行錯誤してから、決定を下せる。

 そして、最後が最も大事なことだ。複数でのブロックができる。1/2のクリーチャーを2体コントロールしているとしよう。相手が1体の2/2をコントロールしている場合、通常は攻撃を仕掛けてはいけない。しかしその2体の1/2は、防御側のときに限り、2/2をまったく寄せ付けない。より大掛かりな戦闘においては、対戦相手の攻撃を食い止めるために、幅広い組み合わせを用いることが可能だ。

 もちろん、これらの話に加えて、ゲームに勝つ必要もある。《メグロノス》でもない限り、ブロックが直接勝ちに繋がるわけではない。したがって、突入口を探り当てて、攻撃を通す算段をつける必要がある。どうやって実行しようか?

相手の立場で考える

 戦闘フェイズを解説するとき、常に最初に言及するのが、相手の立場になって考えることだ。

 攻撃するときに、どうやって対戦相手の立場から見た考えを反映しようか? では、記事の冒頭で提示した状況を振り返ってみよう。

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 アンディは《空腹なイエティ》で攻撃するつもりだとしよう。アンディは考える。その場合、バズはどうブロックするだろうか?

 最初の段階として、関係のない情報を排除しよう。この戦闘状況では、《荒野の囁く者》はほぼノイズにすぎない。バズがこの時点でチャンプブロック(訳注:時間稼ぎのために、やられることが確定していながら行うブロック)する可能性はほとんどないだろう。(仮にしてきても、問題はない。)こいつによるチャンプブロックについては気にしなくていい。そして仮に、ブロックのために残したこちらのクリーチャーを除去する呪文を相手が引いたとしても、こいつが脅威となって攻撃してくるという可能性は気にしなくていい。戦闘には充分な吟味が必要になる。戦闘に影響しないものがあるなら、それを思考の外に追いやることで判断が楽になるだろう。

 次に、この場で関係してくる戦闘関係の能力を確認していく。《エルフの幻想家》はすでに能力を使い終わっているので、この段階を飛ばせる。(しかしこの段階があることを覚えておくのは良いことだ――うっかり忘れて先制攻撃持ちのクリーチャー相手に突撃しないように!)

 よし。では実際に戦闘に入ってみよう。

 まあ、おそらく2/3単体や、1/1や0/2でチャンプブロックされることはないだろう。(もしそうなったら、バズは3/3の攻撃にも対処できなくなるので、アンディにとっては良いね。)

 逆に、最もありそうなのが、《空腹なイエティ》を2体の《ジュワー島の小走り》でダブルブロックすることだ。その結果、《空腹なイエティ》と1体の《ジュワー島の小走り》が相打ちになる――これは不利な交換だ!

 その結果、次のような戦況になる。

アンディ:《丘巨人》、《枝細工の魔女》、ライフ15。

バズ:《ジュワー島の小走り》、《エルフの幻想家》、《荒野の囁く者》、ライフ15。

 これは理想的な展開ではない――次のターンに《丘巨人》で攻撃しても、《ジュワー島の小走り》と《エルフの幻想家》でダブルブロックされて、倒されてしまう。

 4/4は戦場で最も大きなクリーチャーではある。しかし、それが攻撃の成功を意味するわけではない。

 もっとうまくやれるはずだ。

 別の選択肢を試してみよう。アンディはどれでどう攻撃を仕掛ければいいだろうか?

 さて、もう一度、チャンプブロックはないと仮定しよう――そうすべき明確な理由は無い。

 それから、《エルフの幻想家》は基本的に《枝細工の魔女》をブロックしてくるだろう。これは防御側にとって有利な交換だし、ダブルブロックに使う状況だと《ジュワー島の小走り》に比べて弱いからね。

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 そうだな、3体で攻撃して、《空腹なイエティ》の攻撃を《ジュワー島の小走り》2体でダブルブロックをさせて1体と相打ち、前述のとおり《枝細工の魔女》と《エルフの幻想家》も相打ち、そして《丘巨人》の3点を本体に通す、というのも選択肢としてあるだろう。盤面にはアンディの《丘巨人》、バズの《ジュワー島の小走り》と《荒野の囁く者》が残り、バズのライフは3点減る。

 バズは《丘巨人》を2体の《ジュワー島の小走り》でダブルブロックして、《空腹なイエティ》の4点を通すことも可能だ。可能ではあるが、バズにとってこれは《空腹なイエティ》を倒す場合よりも悪い状況になる。4/4の代わりに3/3を倒し、3点の代わりに4点を食らうことになるからね。

 したがってこの場合、バズにとっての最善手は、《空腹なイエティ》を《ジュワー島の小走り》2体でダブルブロックし、《枝細工の魔女》を《エルフの幻想家》で相打ちに取ること、となる。その結果はこうだ。

アンディ:《丘巨人》、ライフ15。

バズ:《ジュワー島の小走り》、《荒野の囁く者》、ライフ12。

 アンディはどう思うかな?

 こいつはいい状況だね!

 とは言うものの、完璧ではない。《枝細工の魔女》と《エルフの幻想家》の相打ちは嬉しくないし、《空腹なイエティ》と《ジュワー島の小走り》の相打ちもそうだ。ゲームのこの段階においては、これだけの犠牲を払って3点を与えることにあまり意味はないだろう。アンディは次のターン、安全に攻撃できるようにはなった――しかし、もっとうまくやる方法がありそうだ。

 プレイの選択肢とその結果について考慮していくことは、最善の攻撃を行うためには不可欠となる。脳内でゲーム状況をいくつも複製して、それぞれの結果を覚えていくことが難しいと感じた場合、自分のクリーチャーを実際に手にとって、相手の戦場に合わせて動かして視覚的に把握していこう。

 それは理想的な行動ではない――対戦相手に情報を与えてしまう。それでも下手な手を打つよりはましだ! そうすることで、いずれコツをつかんで複雑な戦況を簡単に切り開けるようになるだろう。

耐えて勝利への道筋を見いだす

 しばしば、単に待つことが正しいプレイとなる。

 さて、この言葉は慎重に取り扱いたい。概して、不慣れなプレイヤーが犯す最大の誤りの1つは、不十分な状態で攻撃を仕掛ける点だと私は考えている。ともあれ、安全だと思えないなら、攻撃して自軍が虐殺されるよりも待つほうがずっとましだ!

 耐えるべきか攻めるべきか分からない場合、どうすればいいか判断するために、こう自問し続けよう。「ここからどうやれば勝てるだろうか?」

 その答えは自分のデッキに大きく依存する。バズとアンディの状況を考えてみよう。アンディのデッキには、飛行クリーチャーが満載されているとする。アンディは、自信を持って攻撃にいけると思えない状況であれば、攻撃せずに安定を取りつつ、優位を得られる何かを引くまで待つことも可能だ。

 話を先に進めるため、元々の状況から、アンディの《丘巨人》を《野生のグリフィン》に変更してみよう。

 この場合、アンディは勝利への道筋を持っている――それは《野生のグリフィン》だ! 地上クリーチャーによる攻撃は、必ずしも良い結果を生むとは限らない。そうではなく、地上の防御を固めながら(防御側が有利だということを思い出してほしい。《枝細工の魔女》は攻撃すると《エルフの幻想家》に相打ちを取られてしまうが、ブロックに使えば《ジュワー島の小走り》と相打ちに取れる)、《野生のグリフィン》で少しずつ相手のライフを削っていけばいいだろう。

 逆に、アンディのデッキには回避能力(訳注:ブロックを阻害する能力)を持ったクリーチャーが全くいないとしよう……その上、アンディにとってはさらに悪いことに、バズが戦場に飛行クリーチャーを出している状態だ!

 その場合、アンディは戦線を切り開かなければならない――バズがクリーチャーを並べれば並べるほど、複雑な戦況になればなるほど、有利なブロックを行いやすくなる。そのような状況では、基本的に攻撃に向かわなければならないだろう。

 複雑な戦況にあるときにお勧めなのは、自分のデッキの戦略上、どうすれば最もゲームの勝利に近づけるか、その方法を考え続けることだ。かの、マイク・フローレス/Mike Floresはかつて「そのゲームで勝つにはどうしたらいいか、想像してみよう」と言い、以来その言葉は私とともにある。できる限り、自分の勝ち目を見出せるように努力しよう。

コンバット・カードによる優位

 カード・アドバンテージ(訳注:パーマネントや手札のカード枚数における優位)について、読者の多くはすでに理解しているかもしれない。(そして、それについてさらに学びたいなら、リード・デューク/Reid Dukeが執筆した「Level One: カード・アドバンテージの基本」(訳注:リンク先は英語)を読むことをお勧めするよ。)戦闘もまた、カード・アドバンテージを得ることができる場所の1つだ。

 (土地を引き続けるなどで)戦況が動かない状況にあるとすれば、自分のクリーチャー1体で相手のクリーチャー2体と相打ちを取るだけでも、長期的に見てクリーチャー・アドバンテージを得るということになる。

 相手がブロックしてくる可能性があり、なおかつ1体の攻撃クリーチャーを倒すためには2体のブロック・クリーチャーを失わなければならない、ということをこちら側が把握できたならば、それを複雑な戦況を切り開くための手段として用いることが可能だ。有利なクリーチャー交換を強制できれば、ゲームが進行するにつれて優位に立つことができるだろう。

 例として、この(多少馬鹿馬鹿しい)状況について考えてみよう。

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 アンディが《空腹なイエティ》3体で攻撃した場合、バズが取れる最善手は、そのうち2体をそれぞれダブルブロックすることだ――その結果、アンディの2枚のカードとバズの4枚のカードが交換され、無傷の《空腹なイエティ》が1体残る! これはアンディにとって間違いなく良い結果をもたらす攻撃だ。

 とは言うものの、仮に1/4がアンディの側にいたとすると、これは攻撃せずに踏みとどまる必要がある。攻撃してしまうと、《ルーン爪の熊》に食う機会をわざわざ与えてしまう。《ルーン爪の熊》たちはこのターンに1/4を平らげて飲み込み、バズは次のターンにその熊たちを《空腹なイエティ》との交換に使える。実質4ダメージと1/4を交換したことになるわけだが――双方のライフがまだ20であることを考えれば、おそらくここでこの交換をする価値は無いだろう。

 そして、当然のことだが、カードの質と効果についても考慮しなければならない――相手の《風のドレイク》2体と相打ちを取るために《大天使アヴァシン》を差し出さなければならない理由は、おそらく無いだろう。(これは先週話した交換についての戦術に繋がる。)とはいえ総合的に言って、大規模戦闘で有利な交換ができるなら、長期的にはアドバンテージを獲得できるだろう。

先を読む

 戦闘はそのターンだけの話ではなく、どちらのプレイヤーにとってもその先、未来のターンへと続いていくものだ。

 例として、少し状況を変化させてみよう。

 元の状況から、アンディのライフを4に、バズのライフを5にしてみたらどうなるだろうか?

 この状況でライフの残りがお互いに少ない場合、全てのクリーチャーをぶつけてバズを倒しに行くのは魅力的に思える! とりあえず戦力は揃っているし、バズは死なないためにクリーチャーをいくつかブロックで失わなければならない、そうだろう?

 いや、そうでもないんだ。全軍で攻撃すると、《空腹なイエティ》は《荒野の囁く者》でチャンプブロックされ、《枝細工の魔女》は《エルフの幻想家》と相打ち、そして次のターンには《ジュワー島の小走り》2体で攻撃されてやられてしまう!

 常に計算しなければならない。

 それは単に「私は次のターンに死ぬのか?」と考えるよりも、もう少し難しい。先々のターンのために計画を練り、うまくやるために準備する、ということだ。

 再び、元の状態から戦闘状況を見ていこう。

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 手始めに、アンディが《丘巨人》と《空腹なイエティ》という2体の屈強なクリーチャーで攻撃を仕掛けた場合だ。

 《枝細工の魔女》と《エルフの幻想家》が相打ちにならない以外は、前と同様に戦闘は終了する。《空腹なイエティ》は《ジュワー島の小走り》と相打ちになり、《丘巨人》の3点が通る。

 この場合、この先のターンはどういう展開になるだろうか?

 次のターンはどちらも土地を引くと仮定しよう。(実際には、常にそうなるわけがない。相手のデッキがどういうタイプか分かるなら、何を引いたかを意識することは重要だ。とは言え、それを予測することは難しい。)盤面はこのようになる。

アンディ:《丘巨人》、《枝細工の魔女》、ライフ15。

バズ:《ジュワー島の小走り》、《エルフの幻想家》、《荒野の囁く者》、ライフ12。

 では、次のターンに進んでみよう。

 このターン、アンディが2体で攻撃した場合、バズは《ジュワー島の小走り》と《エルフの幻想家》の2体で《丘巨人》をブロックするだろう。その結果《丘巨人》と《ジュワー島の小走り》が相打ちになり、本体に3点が通る。あるいは、《枝細工の魔女》を《エルフの幻想家》でブロックするかもしれない。

 最も可能性が高いのは、《エルフの幻想家》を残すために《丘巨人》をダブルブロックするという前者の選択肢だろう。

 さらにアンディの次のターンになれば、戦場はこうなっているはずだ。

アンディ:《枝細工の魔女》、ライフ15。

バズ:《エルフの幻想家》、《荒野の囁く者》、ライフ9。

 もしここで《枝細工の魔女》で攻撃すれば、《エルフの幻想家》と相打ちになる――これは全然だめだ! この一連の攻撃は、悪い状況を生み出す。

 ああ、確かにこれは、この経過ターン中に誰も意味のあるカードを引かないことを前提としている。実際には、どちらも何らかの方法で盤面に影響を与えるだろう。だが、そこまで考慮するのは難解に過ぎる。

 戻ってもう一度攻撃してみよう。アンディは《空腹なイエティ》を温存し、《丘巨人》だけで攻撃した。

 そうすると、バズは《ジュワー島の小走り》2体でブロックし、そのうち1体と《丘巨人》で相打ちを取る可能性が高い。(あるいは、もしかしたら、うまいことに3点通るかもしれない!)どちらも意味のあるカードを引かなければ、戦況はこうなる。

アンディ:《空腹なイエティ》、《枝細工の魔女》、ライフ15。

バズ:《ジュワー島の小走り》、《エルフの幻想家》、《荒野の囁く者》、ライフ15。

 さて、これはどうかな。

 この状況だと、《空腹なイエティ》は攻撃しても何かと相打ちになる心配が無い! これは断然優位だ。《空腹なイエティ》は毎ターン4点を与えられることになり、バズは4点パンチを顎に食らうか、何かしらのクリーチャーでチャンプブロックするしかない。

 こいつは素晴らしいね。

 4/4で攻撃する代わりに3/3で攻撃するのは全く直感的ではなく、一見しただけではこの行動を選択できないかもしれない。ところが、その戦闘の先々のターンに至るまでどうなるかをしっかり考えれば、《丘巨人》での攻撃が《空腹なイエティ》で攻撃するよりも優れているとわかる!

 デッキについての情報が何も無いなら、こういう感じでプレイするのがいいと思う。

終わらない戦闘

 この記事ではたった1つの状況に絞って解説してきたが、実際にマジックをプレイする時は、ありとあらゆる戦況に直面するだろう。

 願わくば、今回の記事がその戦況を切り開くための手段の助けとならんことを――そして実際にうまくできるか、試してみよう!

 ここに、さまざまなセットからカードを寄せ集めたパックを使ったドラフトのようなものによる、5つの戦況を用意した。それぞれ、ここまで扱ってきた例と同様、どちらも手札に数枚のカードがあり、(これまた同様に、何らかの効果でライブラリーの一番上のカードが土地だとばれていて、)このターンに引いた土地は置き終わっており、全てのクリーチャーが攻撃可能、という前提条件になっている。

 それぞれの状況下で、どのように攻撃したものだろうか?

 他の要素を考慮しない場合について、あるいは特定のデッキを前提とした場合について話し合い、Redditに投稿したり、TwitterTumblrでメッセージを送るなど、ソーシャルメディアを通して私に内容を伝えてほしい(英語で)。さあ、どうするか考えてみてくれ!


戦況 その1

自分:ライフ15

自分の土地:《》3枚、《平地》3枚

自分のクリーチャー:《巨森を喰らうもの

相手:ライフ15

相手の土地:《》3枚、《》3枚

相手のクリーチャー:《空腹なイエティ》、《歩く死骸

 前のターン、対戦相手は土地を置いてターンを終えた。どう攻撃しようか?


戦況 その2

自分:ライフ15

自分の土地:《》3枚、《平地》2枚

自分のクリーチャー:《不屈の聖戦士》、《放漫トカゲ》、《野心の発動者》2体

相手:ライフ15

相手の土地:《》3枚、《平地》3枚

相手のクリーチャー:《暁輝きの発動者》(タップ状態)、《捕らわれの宿主》、《スレイベンの勇者》、《チフス鼠

 前のターン、対戦相手は《暁輝きの発動者》で攻撃し、土地を置いてターンを終えた。どう攻撃しようか?


戦況 その3

自分:ライフ2

自分の土地:《》3枚、《》3枚

自分のクリーチャー:《斧研ぎの巨人》、《丘巨人》、《マルドゥの斥候》、《風のドレイク

相手:ライフ3

相手の土地:《》3枚(2枚タップ状態)、《》3枚(2枚タップ状態)

相手のクリーチャー:《河熊》、《ルーン爪の熊》、《錆びた歩哨》、《空回りのドレイク

 前のターン、対戦相手は《河熊》を唱えてターンを終えた。どう攻撃しようか?


戦況 その4

自分:ライフ18

自分の土地:《》3枚、《》2枚

自分のクリーチャー:《捕らわれの宿主》、《ナントゥーコの鞘虫》、《ぼろ布食いの偏執狂》、《木の壁

相手:ライフ6

相手の土地:《》4枚(全てタップ状態)、《平地》3枚(全てタップ状態)

相手のクリーチャー:《超大なベイロス》、《轟くベイロス》、《ツンドラ狼

 前のターン、対戦相手は土地を置き、《超大なベイロス》を唱えてターンを終えた。どう攻撃しようか?


戦況 その5

自分:ライフ16

自分の土地:《平地》1枚

自分のクリーチャー:《敬愛される司祭》、《エルフの大ドルイド》、《ファングレンの初仔》、《ケッシグの出家蜘蛛》、《清廉潔白な判事》、《シラナの岩礁渡り》、《森を護る者》、《陽刃のエルフ

相手:ライフ14

相手の土地:《》2枚(1枚タップ状態)、《》5枚(1枚タップ状態)、《変わり谷

相手のクリーチャー:《アメーバの変わり身》、《死の頭巾のコブラ》、《大都市のスプライト》、《ナントゥーコの信奉者》、《放蕩魔術師》、《根の血族の同盟者》、《銀エラの消し去り

 前のターン、対戦相手は《死の頭巾のコブラ》を唱えてターンを追えた。どう攻撃しようか?

戦闘を終える

 これらの戦況を題材に、模擬戦を楽しんでくれ! あなたならどうするか、知りたいな。

 先ほど書いた通り、この記事について何か思ったことがあれば、気軽に教えてほしい。Twitterでも、Tumblrでも、Redditのチャンネルでもかまわないし――メールのほうがよければBeyondBasicsMagic@gmail.comに宛てて、(英語で)送ってくれ。

 マジックの様々な戦闘に向けて準備する助けとなれば幸いだ! 構築プレイヤーであってもリミテッドプレイヤーであっても、変わったドラフト環境であっても『異界月』-『イニストラードを覆う影』ドラフト環境であっても、数え切れないほど多種多様な状況に遭遇することに違いはない。この記事を読めば、読む前よりは多少なりとも舵取りが楽になるだろう!

 ああ、それと忘れないでくれ。常に計算すること。もし勝てるなら、勝利を逃さないように。

 よい攻撃とブロックを! また来週会おう。

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)