カルドハイム』では、セット名に冠される「カルドハイム」次元での冒険に次ぐ冒険を楽しめます。北欧神話に着想を得たカルドハイム次元は10の「領界」に区切られ、それぞれに独自の住民や文化、そして魔法があります。頂点に座す巨大な「世界樹」ではなく、もう少し各領界に直接関わる神々と協力すれば、冒険の仲間を得られるでしょう。それでは、皆さんを待ち受ける主要メカニズムを見ていきましょう。

予顕

カルドハイム次元では、争いや征服、領界同士の全面戦争が至るところで勃発します。その中で、何かが起こるのを予測する人の話を耳にするでしょう。その予測は恐らく当たります――この世界で将来起こることを予測する能力を表現したメカニズムが「予顕」です。そしてあなたがこれから起こることを予顕するからといって、対戦相手にも伝わるわけではありません。

Behold the Multiverse

あなたのターンの間ならいつでも、あなたは{2}を支払って、あなたの手札から予顕を持つカードを裏向きに追放できます。そして後のターンに、その追放したカードをそれのマナ・コストではなく予顕コスト(テキスト内にあるキーワード「予顕」に含まれるコスト)で唱えることができます。わかりやすいですね。未来を提示して、その実現を見届けるのです。

追放したカードを唱える際には、気をつけていただきたいことがいくつかあります。まず、追放したそのターンには唱えられないこと。しかし予顕するかどうかは任意なので、今すぐにゲームに影響を与えたい場合は通常通りその呪文を唱えることもできます。それから、追放したカードを唱える場合も、そのカードを唱えられるタイミングについての同じルールが適用されます。《多元宇宙の警告》のようなインスタントを予顕した場合は、予顕した次のターンに入ったらすぐに唱えられます。《占い鴉》のようなクリーチャーを予顕した場合は、基本的には次のあなたのターンを迎えるまで待つことになるでしょう。

Augury Raven

カードを予顕することにはいくつかの利点がありますが、一番わかりやすいのはそのカードのコストをターンをまたいで分割払いできることでしょう。予顕コストは基本的に、そのカードのマナ・コストより小さくなっています。予顕してから唱えると追加の効果を発揮するカードもあります。加えて、対戦相手に対処すべき的を絞らせません。

変異と裏向きのパーマネントを使ったことがある皆さんがご存知の以下のルールは、予顕にも適用されます。予顕で追放したカードは、区別できるようにしなければなりません。対戦相手はそのカードが何であるかは知りませんが、あなたが予顕した順番を把握できるのです。また、ゲームが終わったときに予顕で追放したカードがある場合、あなたが予顕した未来が正しいものであったことを示すために、裏向きのカードを公開しなければなりません。

誇示

英雄的な偉業は達成しただけでも素晴らしいことですが、やっぱり友人や敵、あなたを信じる者などみんなに自慢したいですよね?そうです。そこで「誇示」の出番です。誇示能力は、1ターンに1度だけ起動できる起動型能力です。ただし、その能力を持つクリーチャーがそのターンに攻撃していなければ起動できません。守っている場合じゃないのです!

Varragoth, Bloodsky Sire

誇示能力は、そのクリーチャーが攻撃宣言をしたターンの戦闘中または戦闘後に起動できます。つまり残念ながら、攻撃している状態で戦場に出た場合は誇示能力を起動できません……とはいえそのクリーチャーが真の英雄ならば、次の戦闘まで生き残るでしょう。そのときこそ、その偉業を高らかに歌いましょう!

モードを持つ両面カード

ゼンディカーの夜明け』で登場した、モードを持つ両面カードが再びやって来ます。もう目新しいものではありませんが、両面カードとしては新しい特徴を備えています。それらは変身するのではなく、2つの面のどちらかを選んでプレイするのです。

Halvar, God of Battle
Sword of the Realms

『カルドハイム』の神々とその選ばれし武器(やその他の装備)は、この上ない多用性をもたらしてくれるでしょう。《戦闘の神、ハルヴァール》は先頭に立ってあなたの軍勢を率いてくれますが、状況によっては巨大な剣を授けてもらいたいこともあるでしょう。すでに《戦闘の神、ハルヴァール》が戦場にいるのなら、間違いなくそうです!

モードを持つ両面カードのルールに変更はありません。モードを持つ両面カードを唱える際に、あなたはどちらの面を唱えるか選択します。土地の面をプレイする場合も同様です。モードを持つ両面カードを唱えたりプレイしたりせずに戦場に出す場合は、第1面で戦場に出ます。土地の面と言えば、『ゼンディカーの夜明け』で始まった人気の「2色土地」サイクルが、『カルドハイム』で完成します。

Darkbore Pathway
Slitherbore Pathway

モードを持つ両面カードが絡むさらに複雑な相互作用については、間もなく『カルドハイム』リリースノートが公開されますのでそちらをご覧ください。『ゼンディカーの夜明け』リリースノートでも概要を知れますので、そちらも合わせてお読みください。

その他の再録メカニズム

カルドハイム次元には10もの領界があるので、他にも素晴らしい再録メカニズムが入る余地があります。簡単におさらいしましょう!早速驚きの再録です!

氷雪!

カルドハイムの領界のうち、少なくとも1つか2つは冬の世界です。「氷雪」はあらゆる種類のカードに付けられる特殊タイプです。氷雪はそれ自体は何もしませんが、他のカードによってさまざまな方法で参照されます。

{S} は氷雪マナ・シンボルです。コストに含まれる{S}は氷雪を持つマナ源が生み出すマナ1点で支払うことができます。氷雪を持つマナ源の中でも特に人気なのは、今回も再録される「冠雪の」基本土地でしょう。

Frost BiteSnow-Covered Island

英雄譚!

カルドハイム次元では英雄的な出来事が起こりますので、英雄的な物語を伝えるためにデザインされたメカニズムは当然再録されました。

Showdown of the Skalds

英雄譚は、物語の展開を伝えてくれる複数の「章」を持つエンチャントです。英雄譚は伝承カウンター1個が置かれた状態で戦場に出て、第1章の能力が誘発します。その後は、あなたの第1メイン・フェイズの開始時に伝承カウンター1個が加えられ、次の章能力が誘発します。物語が終わったら(つまり最後の章能力が解決されたり、あるいはその他の理由でスタックを離れたりしたら)、その英雄譚を生け贄に捧げます。

多相!

カルドハイム次元にはエルフやドワーフ、人間、巨人が暮らしていますが、それらすべてである存在もいます。多相は、クリーチャーやクリーチャー・カードに、それがどの領域にあっても、すべてのクリーチャー・タイプを与える再録キーワード能力です。

栄光が君を待つ

皆さん、『カルドハイム』のメカニズムのご紹介は以上です。ですがこのセットにはまだまだ魅力がたくさんあります!新たなプレインズウォーカーや多数の伝説のカード、素晴らしい風景、革新的な呪文などが皆さんをお待ちしています。皆さんがどこにいても、最高のプレリリースを過ごしていただければ幸いです。安全に『カルドハイム』をお楽しみください!