『神河:輝ける世界』のメカニズム
神河は多くのプレイヤーに馴染み深い世界です。この次元は人気のクリーチャー・タイプをいくつも生み出し、その伝説は今日の戦場にも語り継がれています。ですが「神の乱」の時代はもう遠い昔のこと。ここには、力強く輝かしい未来があります。『神河:輝ける世界』では、戦士と神々の世界の、詩文と剣刃の世界の、ダイナミックな姿をお届けします。早速、私たちを待つ新たな能力やメカニズムを見ていきましょう。
換装
都和市の街角に立ち、あたりを見回してみてください。何やらすごい装具があふれていることに気づくはずです。あなたの目に間違いはありません「換装」は装備品・カードに見受けられる新たな能力です。いや、アーティファクト・クリーチャー・装備品・カードですね。《猿人のスリング》をご覧ください。
ご覧の通り、換装を持つカードはアーティファクト・クリーチャーであり装備品でもあります。これらは、つけられていない状態で戦場に出ます。《猿人のスリング》はアーティファクト・クリーチャーなので、攻撃やブロックなどクリーチャーができることをします。それから、換装です。
換装は2つの起動型能力+αを表します。1つは、換装コストを支払って、あなたがコントロールしているクリーチャー1体に装備品としてつく能力。この能力はソーサリーとして行います。これはその装備品がはずれている場合も、あるいはあなたがコントロールしている別のクリーチャーへその装備品を動かす場合にも起動できます。この部分は、通常の装備能力と同じですね。「+α」の部分は、換装を持つ装備品ならではのルールです。換装を持つ装備品がクリーチャーにつくと、その装備品自体はクリーチャーでなくなります。
これで終わりではありませんよ!換装のもう1つの起動型能力で装備品をはずすことができ、それはアーティファクト・クリーチャーに戻ります。この2つ目の能力も同じコストで、ソーサリーとしてのみ起動します。
「装備品をはずす」という能力は一見シンプルですが、実はゲームに影響を与え得る戦術的な柔軟さも持っています。(例えば攻撃して)クリーチャーがタップ状態でも、それにつけられた装備品はタップ状態にならないことに注目です。つまり戦闘後に装備品をはずせば、ブロックに使えるアンタップ状態のアーティファクト・クリーチャーになるのです(もちろん、はじめからその装備品がアンタップ状態である必要はあります)。
他の装備品と同様に、戦闘後に装備品をはずしたり装備先を変えたりする場合は慎重に。その装備品がダメージを受けているクリーチャーのタフネスに修整を与えているなら、装備品をはずすと致死ダメージになってしまう可能性もあります。自軍のクリーチャーの突然死は避けたいところです。
改善されている
クリーチャーを強化すること自体に恩恵があると思われるかもしれませんが、『神河:輝ける世界』にはさらなる恩恵をもたらすカードが数枚あります。それらのカードが参照するのが、あなたがコントロールしていて「改善されている」クリーチャーです。あなたがコントロールしているクリーチャーに、装備品がついていたり、あなたがコントロールしているオーラがついていたり、1つ以上のカウンターが置かれていたりする場合、それは「改善されている」と言います。例として《悪忌の種火守り》をご覧ください。
あなたがコントロールしていて改善されているクリーチャーとの相互作用は、それを参照するカードによって異なります。《悪忌の種火守り》の場合は、あなたがコントロールしていて改善されているクリーチャー1体が死亡するたびに誘発しますが、改善されているクリーチャーの数を参照するものや、改善されているクリーチャーに能力を与えるもの、対戦相手を攻撃したことで誘発するものなど、さまざまです。
細かい点を言っておきますと、あなたがコントロールしているクリーチャーに他のプレイヤーがコントロールしているオーラがついていても、改善されたことにはなりません。なので《平和な心》のようなオーラを使う場合も、対戦相手のクリーチャーを改善してしまう心配はありません。一方、カウンターについては、どのようにそのクリーチャーに置かれたかや置かれているカウンターの種類は問いません。+1/+1カウンターでも-1/-1カウンターでも、そのクリーチャーは改善されたことになります。
英雄譚
神河次元には、過去の物語が溶け込んでいます。川沿いの祭殿に高層建築、ネオンに彩られた建造物など、あらゆるところに感じられるでしょう。そして中でも特に有名な物語は、「英雄譚」カードの形で登場します。
英雄譚はエンチャントの再録サブタイプです。英雄譚は伝承カウンターが1個置かれた状態で戦場に出ます。これにより、第Ⅰ章の能力が誘発します。その後は、あなたの第1メイン・フェイズの開始時に伝承カウンター1個が加えられ、次の章能力が誘発します。これまでの英雄譚は最後の章能力が終わると生け贄に捧げていましたが、今回の英雄譚は少し異なります。まさに「英雄譚」にふさわしいものになっているのです……
本セットの英雄譚はすべて、変身する両面カードです。ただし、それらは戦場にいる間には変身しません。第Ⅲ章の能力で追放され、あなたのコントロール下で変身した状態で戦場に戻ってくるのです。第2面はクリーチャー・エンチャントです。皆さんにお馴染みの顔もいるかもしれませんね。どれも、神河の過去から特に人気の伝説をもとにしていますから。
新しいカード枠についてもお話ししておきましょう。この星が散りばめられたカード枠は、元々はテーロス次元の「ニクス」の領域を表現するために作られました。しかしこの枠の輝きは、多元宇宙のどこであってもクリーチャー・エンチャントを表現するのにふさわしいと私たちは感じています。今後も、クリーチャー・エンチャントが登場するときはこのカード枠と再会できるでしょう。
今回の英雄譚には、新しいアイコンも2つ描かれています。神河には、パフォーマンスや音楽を通じて伝統を継承する「歴演衆」と呼ばれる語り部集団がいます。このセットでも彼らの姿は見受けられますが、その演目の中でよく扇が使われています。そこで私たちは、物語を伝える英雄譚の表現に扇を使うのは素敵なことだと思いました。今回の英雄譚の第1面には、閉じた扇のアイコンが描かれています。そして第2面には開いた扇のアイコンが描かれています。それは物語の終わりを表しており、うまくいけば、対戦相手の物語も終わりを迎えることでしょう。
忍術
旧「神河」三部作で初登場した「忍術」は、戦闘に未知の要素を加えてくれます。ブロックされなかったクリーチャーは、もしかしたら忍者が変装した姿かもしれないのです!忍術は、《毒血勢団の影歩き》のような限られたクリーチャーが持つ起動型能力です。
忍術は、あなたの手札にある忍者をタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に潜り込ませることができます。忍術を起動する際は、あなたの手札にある忍術を持つカードを公開し、その忍術コストを支払います。その後、あなたがコントロールしていてブロックされなかった攻撃クリーチャー1体を選び、それをオーナーの手札に戻します。攻撃クリーチャーが「ブロックされなかった」状態なのは、ブロック・クリーチャーの指定が終わった後だけなのでご注意ください。また攻撃クリーチャーがブロックされた場合、その後戦闘ダメージが与えられる前にそれをブロックしているクリーチャーがすべて除去されたとしても、その攻撃クリーチャーはブロックされているままです。なので、そのクリーチャーを手札に戻して忍術能力を起動することはできません。
忍術によって戦場に出る忍者は、手札に戻したクリーチャーが攻撃していたプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃している状態かつタップ状態で戦場に出ます。その戦闘でのブロック・クリーチャーの指定は終了しているので、戦場に出た忍者はクリーチャーに邪魔されることなく戦闘ダメージを与えられるでしょう。厳密に言えば、戦闘ダメージが与えられた後でも戦闘フェイズ中に忍術を起動することはできます。普段は起こらないことですが、攻撃クリーチャーが先制攻撃を持っている場合などに活かせるでしょう。
魂力
もう1つの再録メカニズムは「魂力」です。今回のセットでは、様々なパーマネント・カードに見受けられます。パーマネントは素晴らしいものですが、すぐにその力を発揮したいときもあるでしょう。魂力能力は、その能力を持つカードを手札から捨てることで効果を発揮できるのです。効果はさまざまですが、ここでは魂力能力の一例として《大狸》をお見せしましょう。
6/5トランプルはゲーム後半では最高ですが、土地が3枚で止まっているときに引いてしまうと、ちょっとイラッとするかもしれません。《大狸》はゲーム中盤に使えるマナを増やしてくれて、ゲーム後半に現れれば決着へ進む後押しになるのです。
未来へようこそ
記憶と想像がぶつかり合う『神河:輝ける世界』には、ここでお見せしたよりずっと多くのものがあります。懐かしさを味わえるカードに革新的なデザイン、そして強力なキャラクターたちがあなたを待っています。ぜひお楽しみください!