目次

鼓舞
果敢
探査
疾駆
獰猛
予示
混成マナ
モードを持つ「戦場に出たとき」の能力

タルキールへ、お帰りなさい! 私たちは文字通り帰るのです。『運命再編』セットは、『タルキール覇王譚』での出来事の千年以上前を舞台としています。 前のセットで既にご存知の5つの氏族は、ここでも存在しています。しかしここでは、絶滅してしまったドラゴンの能力を崇めるのではなく、氏族は今まさに生きているドラゴンを崇めるとともに、ドラゴンと戦っているのです!

5つの氏族に加え、『運命再編』では5つのドラゴンの群れが登場します。 それぞれの群れは1体の強力なドラゴンに率いられ、5つの氏族のうちそれぞれ1つに特に崇められています。 特定の氏族またはドラゴンの群れと強い関連性を持つカードには、そのカードの文章欄内に該当する印が描かれています。 これらの印はゲームプレイに影響しません。

鼓舞

アブザン(白黒緑の氏族)はドラゴンの忍耐を模倣しようとしています。 生き延びるため、アブザンは防御網に弱い部分が出ないように努めています。 このセットでは、彼らは新しいメカニズム鼓舞を使ってそれを行います。 鼓舞はキーワード行動であり、必ず数字が付記されています。

鼓舞を行うとは、まずあなたのコントロールするクリーチャーの中で最も小さいタフネスを持つものを見つけます。 同点で最小のものがある場合、その中から1体のクリーチャーを選びます。 その後、それに「鼓舞」の後の数字に等しい数の+1/+1カウンターを置きます。 鼓舞はクリーチャーを対象とせず、あなたは鼓舞を実際に行うまで、どのクリーチャーが+1/+1カウンターを得るかを決定することはありません。

例えば、あなたが2体の3/3クリーチャーと、1体の2/2クリーチャーをコントロールしているとき、《名誉の報賞》を唱えたとします。 それに対応して、対戦相手はあなたの2/2クリーチャーを破壊しました。 《名誉の報賞》を解決すると、あなたは4点のライフを得て、その後、鼓舞2を行います。 2体のクリーチャーが同点で最小のタフネスを持っているので、あなたはそのうち1体を選びます。 それは+1/+1カウンターを2個得て、新しく輝かしい5/5クリーチャーを手にすることになります。

果敢

果敢はジェスカイ(青赤白の氏族)のメカニズムとして、このセットに再録されます。 タルキール覇王譚』での登場時から変更はありません。

ジェスカイは、ドラゴンの狡知の模倣が彼らの悟りと勝利へと導いてくれると信じています。 果敢は狡知そのものといえる誘発型能力です。クリーチャーでない呪文が、戦闘で強力なボーナスを与えるものになるのです。

クリーチャー・呪文は、たとえばアーティファクト・クリーチャー・呪文のように他のカード・タイプを持っていても、果敢を誘発させません。 インスタントとは特に相性が良く、そのインスタントが通常行なうことに加えて、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーを大きくする、コンバット・トリックとして使えます。

果敢が誘発すると、スタック上ではそれを誘発させた呪文の上に置かれます。つまり、果敢が先に解決されることになります。 一度果敢が誘発すれば、そのクリーチャーでない呪文がどうなろうと関係はありません。 その呪文が打ち消されても、果敢を持つクリーチャーが戦場に留まっている限り、果敢は依然として解決されることになります。

探査

スゥルタイ(黒緑青の氏族)は、はるか昔から手に入る資源なら何でも使ってきました。 彼らはドラゴンの残忍さに共感しています。 探査は、死者を強力な呪文の燃料として使う再録メカニズムです。 タルキール覇王譚』での登場時から変更はありません。

探査を持つ呪文の多くは高いマナ・コストを持ちますが、そのすべてをマナで支払うことはあまりないでしょう。 あなたは探査を持つ呪文を唱える際に、あなたの墓地にあるカードを追放することができます。 この方法で追放したカード1枚につき、1を支払うことができます。 例えば《グルマグのアンコウ》を唱えるとき、あなたは{6}{B}を支払うことができます。 ここであなたは、あなたの墓地のカードを4枚追放し、{2}{B}を支払うこともできます。これはとても良い取引となります。 もしあなたの墓地に6枚のカードがある場合、あなたはそれらを追放して、《グルマグのアンコウ》をわずか{B}で唱えることができます!

探査ではその呪文のマナ・コストに含まれる色マナを支払うことはできません。 また、そのマナ・コストに含まれる無色マナの数を超える枚数のカードを追放することもできません。 したがって、あなたは《グルマグのアンコウ》を唱えるときに、そうしたい何らかの理由があったとしても、6枚より多くのカードを追放することはできません。 探査を持つ呪文が打ち消されても、支払ったマナを払い戻すことができないのと同様に、追放したカードを取り戻すことはできません。

疾駆

マルドゥ(赤白黒の氏族)はドラゴンの迅速さを重んじており、敵を粉砕するまで無慈悲に攻撃します。 彼らの特徴的なメカニズムが疾駆です。

疾駆はクリーチャー・呪文に見られる代替コストです。 疾駆を持つ呪文を唱えるに際し、あなたはその呪文のマナ・コストを支払う代わりに、疾駆コストを支払うことができます。 そうした場合、そのクリーチャーは速攻を得ます。したがって、そのターン中に攻撃することができます。 次の終了ステップの開始時に、あなたはそのクリーチャーを戦場からオーナーの手札に戻します。

疾駆コストを支払うことを選んだ場合でも、その呪文を唱えることになります。つまり、スタックに置かれ、打ち消されることもあります。 疾駆はクリーチャー・呪文を唱えられるタイミングを変更しません。通常、あなたのメイン・フェイズの間のみです。 あなたが疾駆コストを使ってクリーチャー・呪文を唱えたなら、次の終了ステップの開始時まで戦場に留まっている場合にのみ、それは手札に戻ってくることになります。 その時点より前に戦場を離れていた場合、それはそのままになります。

疾駆コストの中には、そのクリーチャー・カードのマナ・コストよりも低いものがあります。 したがって、3マナが使える状況であれば、《ゴブリンの踵裂き》を少しだけ早く唱えて、追加の攻撃に使うことができます。次のターン、それをマナ・コストで唱えれば、通常どおりに戦場に留まることでしょう。 その他のカードは、疾駆コストがそのクリーチャー・カードのマナ・コストと同じか、より高く設定されています。 そのようなクリーチャーで即座に攻撃できることは強力ですし、通常のマナ・コストを支払えるときでさえも、疾駆コストを支払って唱えることが考えられます。

獰猛

ティムール(緑青赤の氏族)はドラゴンの獰猛さを模倣しています。 獰猛はティムールのメカニズムとして、このセットに再録されます。 これは能力語であり、ルール上の意味を持ちませんが、あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかを見る能力を強調するために使われています。 タルキール覇王譚』での登場時から変更はありません。

ティムールとともにあるなら、大きいことは良いことです。デッキにパワーが4以上のクリーチャーを十分に入れるようにすれば、獰猛能力は全力を発揮できることでしょう。 それぞれの獰猛能力は異なりますが、パワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかに依存しているという点で共通しています。 パワーが4以上のクリーチャーを何体コントロールしているかは関係ありません。 例えば《開拓地のマストドン》は、あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出ます。 該当するクリーチャーを10体コントロールしていたとしても、その能力が置く+1/+1カウンターは1個だけです。

獰猛を持つインスタントおよびソーサリーは、解決される際にあなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかをチェックします。 獰猛能力に「代わりに」と書かれている場合、その効果はそのインスタントまたはソーサリーが持つ通常の効果の一部または全部を置き換えます。 「代わりに」と書かれていない場合、獰猛能力の効果はその呪文が持つ通常の効果に加えて発生します。

獰猛能力の中には、起動型能力もあります。 その効果が、あなたがコントロールしているパワーが4以上のクリーチャーの数に依存している場合、その数を数えるのは能力の解決時です。 あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしていることが起動できる条件となっている能力もあります。 これらの能力では、一度その能力を起動すると、その後にパワーが4以上のクリーチャーがどうなったかは関係ありません。 たとえ能力に対応してそれが死亡しても、その能力は依然として解決されます。

予示

過去の彼方のタルキールでは、精霊龍ウギンはまさに生きています。 隠匿と欺瞞に根ざす彼の魔法は、予示という新メカニズムとなって表れます。

カードを予示するときには、あなたはそのカードを戦場に裏向きで置きます。 こうして、その真の正体を対戦相手から隠すのです。 裏向きである間、それは無色で2/2の、カード名やクリーチャー・タイプや能力を持たないクリーチャーです。 裏向きのクリーチャーは、あらゆる点でクリーチャーです。 それらは攻撃でき、ブロックでき、クリーチャーを対象とする呪文や能力はそれらを対象とすることができます。 オーラがエンチャントすることができ、装備品を装備することができます。

あなたがタルキール覇王譚』セットの変異を持つカード(あるいはもっと古いセットのカード)をプレイしたことがあるなら、裏向きのクリーチャーの使い方についてはおそらくご存知でしょう。 実際、予示されたカードにはその目印として、素敵なデザインの上敷き用カードが用意されています。

予示されたクリーチャーが戦場にある間、あなたはこの上敷き用カードを置いておくことができます。 上敷きはあくまで目印です。 使いたくない場合は使う必要はありませんし、これが裏向きのクリーチャーの機能を変化させることはありません。

それでも、あなたのカードの真の正体を隠し、あとで公開して対戦相手を驚かせるというのは、とても楽しいものでしょう。 それがクリーチャー・カードであるならば、あなたが優先権を持つときならいつでも、予示されたクリーチャーを表向きにすることができます。 そのマナ・コストが何であるかを公開し、そのコストを支払うことで、これを行います。 これにより、対戦相手はそのカードがクリーチャー・カードであることを知ることになります。 そのカードが表向きになると同時に、それは通常の特性を持ちます。 あなたがクリーチャーでない呪文を予示していた場合、あなたはこの方法で表向きにすることはできません。 あなたが偶然、変異を持つカードを予示していた場合、あなたは(それがクリーチャー・カードであるならば)マナ・コストを支払うことでも、変異コストを支払うことでも、それを表向きにすることができます。

裏向きのクリーチャーを表向きにすることは、スタックを使わず、これに対応することもできません。 このタイミングの処理の方法は変異のときと同じです。「タルキール覇王譚』のメカニズム」記事を把握されていない場合、ご覧いただくことをお勧めいたします。

裏向きのクリーチャーにはいかなるカウンターでも置くことができ、表向きのクリーチャーになってもそれらは残ります。 それは新しいクリーチャーではなく、表向きになったからといって戦場に出たことにはなりません。 予示されたクリーチャーにオーラや装備品がつけられている場合、それらは表向きとなった後もつけられたままになります。 『運命再編』には、カードを予示し、その後でそれにつけられるオーラとなる、3枚のエンチャントが存在しています。

《憤怒変化》がその起動型能力に対応して戦場を離れた場合でも、あなたはライブラリーの一番上のカードを予示することができます。 能力が解決されると、《憤怒変化》はオーラとなります。したがって、エンチャントしているクリーチャーが戦場を離れた場合、それは墓地に置かれます。

混成マナ

運命再編』セットのカードの中には、5人の氏族の指導者を含め、混成マナ・シンボルを含む能力を持つものがあります。

混成マナ・シンボルは、その2色のマナのうち、どちらでも支払うことができます。 複数の混成マナ・シンボルがコストに含まれる場合、あなたはそのそれぞれについて違う色を選ぶことができます。 例えば、《龍爪のヤソヴァ》の能力を解決したとき、あなたは対象としているクリーチャーのコントロールを得るために、{1}{U}{U}、{1}{U}{R}、{1}{R}{R}のいずれでも支払うことができます。

モードを持つ「戦場に出たとき」の能力

戦場に出たときに選択ができるクリーチャーのサイクルが存在します。その上に+1/+1カウンターを1個置くか、他の何らかの効果を得るか、です。

あなたは、その能力をスタックに置く際に、どのモードを使うかを選びます。 一度モードを選ぶと、その能力の解決の前に何が起こったとしても、他のモードに変更することはできません。 例えば、《頭巾被りの暗殺者》が戦場に出て、あなたは2番目のモードを選んだとします。 あなたはそこで、そのターンにダメージを与えられたクリーチャーを1体対象として選びます。 その能力に対応して、そのクリーチャーは戦場を離れてしまいました。 あなたは《頭巾被りの暗殺者》の上に+1/+1カウンターを1個置くことに心変わりすることはできません。 その能力は何もしないだけです。

タルキールの過去におけるあなたの戦いが、次元全体、そして多元宇宙の運命を再編していくことでしょう。 お楽しみください!