間近に迫ってきたマジック2010 基本セット――基本セットの基準としては完全に新たな方針で進めることは、今年すでにこちらで発表されています――の発売に向け、我々がマジックのセットの新たなカードを作りにあたり、どれだけ細かい内容をチェックし、ゲーム全体をよりわかりやすくするかについて検討しているか、その全体像をお見せしようと思います。

新たなマジックのセット――あるいは、新たなな各カード――は、ゲームの複雑さを増していきます。新たな用語、新たな言い回し、新たに覚えるべき名称、新たなゲーム上に影響を与える展開など、これまでに無かった物が姿を現すのです。この「忍び寄る複雑さ」を止めることはほとんど不可能です。これは、広がり続けるゲームの宿命なのですから。しかし、追加し続けることを止められないからといって、これまでの全体図を詳しく調べ、そこにあるシステムから難解な部分を抜き取ることは、今後も続けていかなければいけないことです。これまで出たカードを無かったことにするわけにはいかない以上、その目的のためには、ルールを見直すことが最善の方法になってきます――無駄に厄介な部分を整理し、排除することです。

マジックのルールは、ここ10年の間は大きな変更を行われていません。最近のもっとも大きな変更は、199年に第6版が発売された時に行われたのものです。そして今回、マジック2010でイメージの再定義を行うにあたり、同様にルールも再チェックを行うことにしました。今回の変更は第6版ルールの時ほどの大きな変更ではありませんが、いくつかの基本的な条項に関し、ルールを向上させる場所を見つけたのです。

かつての第6版での変更は、無秩序なシステムに秩序をもたらすためのものでした。今回の目的は、もっと細かいこと――プレイヤーが本能的に正しいと思うような、ゲーム上最も直感的でない部分を変更することです。常にルールブックを見ながらマジックを遊ぶ人はほとんどいないでしょうし、状況が適切に進むよう助けてくれるジャッジが常に入るわけでもないでしょうから、基本的にはゲームが間違った方向に進むよりは正しい方向に進む結果になることを目標としたのです。

現在の問題を正しく理解するために、我々はカジュアルプレイヤーの感覚でゲームを眺めてみることにしました――認定トーナメントやMagic Onlineにはまっているプレイヤーの感覚ではなく、家庭や、学校や、地元のショップで遊んでいるプレイヤーの気持ちになってみたのです。我々も行動し、社内の同僚にも助けてもらいました。外部テストも行いました。外に出てみて、その手のプレイヤー――マジックが好きで好きでたまらないと思ってはいるけれど、ルールのあれやこれやを真剣に覚えるつもりのないプレイヤー――とも話し合ってみたのです。

しかし、この手のプレイヤーの直感が正しいことが、どうしてそこまで重要なのでしょうか? 彼らには、独自の勝手なルールに任せておけばいいんじゃないんでしょうか? そうかもしれません――ある時点までは。つまり、彼らの仲間が増え、もっとルールに従っているプレイヤーが増えてきた時点が問題なのです。例えば、フライデーナイト・マジックやプレリリース、あるいは大会などに参加することになったときです。新人もそのうちこんな場所に出入りするでしょう。しかしそうなると、我々は彼らが間違った方法であそぶのを認めるわけにはいきませんし、ゲームが感覚的に違ってしまったものになったり、きちんとしたルールが彼らの気に入らないなんてことにはなって欲しくないのです。

以下の変更点――全7点、うちいくつかは、複数と関連してきます――は、社内の様々なマジックのプレイヤーに、シールドやスタンダードやエルダードラゴン・ハイランダーや、今後発表されるPlanechaseフォーマットなど、数多くのフォーマットでテストを行ってきました。その中で一番の驚きは、プレイヤーのほとんどが、何が変わっていたのかを感じなかったということでした。新しいルールは様々な場所で顔を出しましたが、ほとんどの場合において、これまでのマジックで行ってきたショートカットでカバーができていました。実際にショートカットが行われた時点で、新たなルール変更が関係してくる場所を細かくチェックしたこともありましたが、その場の関係者は新しい方法が寄り自然であることに同意していました。

ただし、我々はこういったことを、軽々に、あるいは頻繁には行いません。我々はこの愛すべきゲームが成功し続け、さらに成長することだけを望んでいます。そして時には、それは変更を伴うのです。今回の新しいルールで、ゲームの中の状況は異なったものになるでしょう。カードの中には強くなるものもあるでしょうし、弱くなるものも出るでしょう。しかし最終的には、ゲームはこれまでと同様に置くが深く腕が必要なもののままですし、その上でさらに直感的で理解しやすいものになるでしょう。

以下のルールは2009年7月11日(マジック2010のプレリリースの日)から有効になります。また、Magic Onlineでは7月29日から実装される予定です。

以下7点の変更点と、それがどうゲームに影響するかの解説に関しては、ルールマネージャーのマーク・ゴットリーブの助力をいただいています。彼の解説は青い背景になっています。

1) 同時マリガン

現実:片方のプレイヤーのマリガンを完全に済ませてからもう一方のマリガンを開始するという正式な手順は、トーナメント以外ではきちんと守られていません。実際は、プレイヤーはほとんど同時にマリガンを行っています。

修正:マリガンは、今後は公式に同時に行われます。これにより、トーナメント開始前のシャッフルにかかる時間が大きく減らされることでしょう。

解説:手順は以下の通りになります。ゲームの最初のターンを実行するプレイヤーからターン進行順に従い、各プレイヤーは順にマリガンを行うか否かを宣言します。その後、マリガンを行うことを宣言した各プレイヤーは、同時にマリガンを実行します。(誰もマリガンをしなかった場合、実際のゲームを開始します。)

誰かがマリガンを行った場合、それを行ったプレイヤーのみが、2回目のマリガンを行うかどうかについて同様の手順を行います。つまり、まずするかしないかを宣言し、すると宣言したプレイヤーが同時に手札を引きなおします。これは、全プレイヤーが最初の手札に納得するまで繰り返されます。

一度マリガンしないことを宣言したら、最初の手札はそれで確定です。その後にやっぱりマリガンをすることを選ぶことはできません。

2) 用語の変更

マジックで用いられる用語はイメージに満ちたものが数多くあります(墓地、ライブラリー、呪文、ソーサリー、戦闘等)。しかし、中には普通の単語だったり、あいまいだったり、勘違いしがちなものもあります。今回、4つの大きな用語変更を行います。これは今後のカードやOracleでも使用され、ゲームをより明確に、刺激的にするものです。

2A) 戦場

現実:プレイヤーの中には、「プレイする(play)」と「場に出す(put into play)」で同じ単語が使われていることに混乱する人がいました。「場」領域という表記は、ゲームの他の用語のイメージとは異なってしまっています。

修正:場領域は「戦場」に名前が変わります。これで、「墓地」や「ライブラリー」といった領域名とイメージが合うようになるでしょう。今後はパーマネントは「場に出る」ではなく「戦場に出る」ことになります。

解説:ご想像通り、これによりざっと三十八億兆枚のカードに訂正が必要になります。(まあ、実際は2,000枚超といったところです。) 「場の」とか「場に」なんて単語のあるカードの多いこと! しかし、これは単純でわかりやすい用語交代です。これにより機能の変わるカードはありません。

覚えておくべきことは、アーロンの前述の通り「このクリーチャーが場に出たとき」が「このクリーチャーが戦場に出たとき」に変わるって事だけです。この能力はあくまでテーブルに登場した時点で誘発するものであり、戦闘に突入したことで誘発するものではありません。

2B) 唱える、プレイする、起動する

現実:前述の通り、プレイヤーの中には、「プレイする(play)」と「場に出す(put into play)」で同じ単語が使われていることに混乱する人がいました。「かける(cast)」という単語は、第6版の時点で適切でないとして削除されました――一連のルールの中で、いくつかの単語はイメージを犠牲にする形になったのです。今日でも、第6版以前からプレイしていたプレイヤーの多く(そしてそうでないプレイヤーの中にすら!)、この“かける”という用語を使う人がいます。日本語版ではより明確である「唱える」という表記が用いられますが、これはこれまでの「プレイする」よりもイメージ的により明確でしょう。

修正:呪文をプレイすることは、今後は「唱える」という動詞を用いて表現されます。ただし、土地(およびタイプの確定しないカード)に関しては、「プレイする」という表記はそのままです。起動型能力は今後は「プレイする」ではなく「起動する」と表記されます。


解説:この変更により多くのカードが訂正されますが、機能的には変更はありません。単に単語が変わるだけです。

アーロン的観点から言えば、プレイヤーにとっては《触れられざる者フェイジ》と《エルフの笛吹き》の相互関係は混乱を招いていたということです。以下は第10版の表記です。

《エルフの笛吹き》 , :あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カードを1枚場に出して(into play)もよい。
《触れられざる者フェイジ》 触れられざる者フェイジが場に出た(comes into play)とき、あなたがそれをあなたの手札からプレイ(play)していなかった場合、あなたはこのゲームに敗北する。

手札のカードを「プレイ(play)」することと、手札のカードを「場に出す(put into play)」することの違いは微妙で不明瞭です。我々は、レベル3ジャッジ以外の人々にもゲームを理解して欲しかったのです。以下は今後のカードの表記です。

《エルフの笛吹き》 , :あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に出してもよい。
《触れられざる者フェイジ》 触れられざる者フェイジが戦場に出たとき、あなたがそれをあなたの手札から唱えていなかった場合、あなたはこのゲームに敗北する。

こっちの方がずっといいですね。新しい世界では、あなたは土地をプレイし、呪文を唱え、能力を起動し、土地か呪文かわからないカードはプレイされます(《精神の願望》等ですね)。

2C) 追放

現実:「ゲームから取り除く」という単語は、後で戻るカードを一時的にゲーム外領域に置いておくカードが増えていくにつれ、だんだん表記としてふさわしくなくなってきました。また、「場領域」と同様に「ゲーム外領域」は、ゲームのファンタジー的なイメージとして、あまりにも格好が悪いという事情もあります。

修正:「ゲームから取り除く」という表記は「追放する」という表記に変更になります。この方がより短く、イメージがあって、実際にゲームから排除されたかのように勘違いされることもありません。領域も今後は「追放領域」となり、そこにあるカードは「追放されているカード」と表記されます。


解説:これも、ほとんどの場合において、単なるカット&ペースト的用語変更です。何かをゲームから取り除くカード、例えば《道化の帽子》や《霊体の地滑り》や《自我の危機》等は、代わりに「追放する」という単語に訂正されることになります。しかし、機能的に変更されるカードはありません。

ただし、実際にはこの領域はゲーム内に存在することになるため、これまでに6枚存在する“願い”、《Ring of Ma'ruf》、 Researchの《研究》の側が機能的な変更を受けます。これらのカードは“ゲーム外”のカードを手に入れてくるカードですが、これまでは、あなたのカードのコレクション(カジュアルの場合)やサイドボード(トーナメントの場合)やゲーム外領域のカードを手に入れることができました。今後は違ってきます。追放されたカードはゲーム外ではありません(これまでも違ったという話もでてくるんでしょうが)。したがって、上記に示されたカードではこの領域のカードには手が出せません。もちろん、基本的な機能――あなたのコレクションやサイドボードからカードを手に入れる――は変わりません。

2D) 終了ステップの開始時

現実:「ターン終了時に」と「ターン終了時まで」の間には、微妙ですが重要な違いがあります。しかし、この二つの表記はプレイヤーにとって混乱の元でした。「ターン終了時に」は、実際には「ターン終了ステップの開始時」を意味していて、これは実際のターンの最後ではありません。事実、「ターン終了時に」の誘発手順を終えた後のターン終了ステップに何らかの行動を行うのは戦略的に意味があることが多く、多くのプレイヤーはその面倒さに頭を抱えてきました。その一方で、《巨大化》といった呪文は「ターン終了時まで」続く効果を持ち、実際にこれはターンの最後まで残ります。

修正:これにより新たな用語を作ることはありません。代わりに、ルール上の小さな修正(“ターン終了ステップ”を“終了ステップ”に変更)を行い、カードの表記をそれにあわせて変えることにしました。この時点で誘発することは、実際にそのままの表記になります。つまり「終了ステップの開始時」です。これにより、この手の誘発型能力の解決後に、さらに呪文や能力を使うタイミングが存在することがより明確になるのではないかと思います。一方で、《巨大化》に用いられる「ターン終了時まで」の効果に関する表記はそのままです。


解説:もう、そのままです。これにより、「終了ステップの開始時」誘発が、「アップキープの開始時」と同じイメージになるでしょう。これも、カードの機能的には変更はありません。単に訂正を出し、今後のカードも変更し、これにより実際の機能をはっきりさせていくことになるでしょう。

他にも、マジック2010セットに含まれない変更も若干あるのですが、これはゼンディカー以降の新カードで解説することになるでしょう。今回の変更により実際の混乱があるとすれば、「ターン終了時に」誘発する遅発誘発型能力を持つ呪文や能力が終了ステップ中に解決された時でしょう。《ラクドスのギルド魔道士》の2番目の能力は、この例としては完璧でしょう。以下は現在の表記です。

《ラクドスのギルド魔道士》の2番目の能力 :速攻を持つ赤の2/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを1体場に出す。ターン終了時に、それをゲームから取り除く。

これを終了ステップ中に、すでに「ターン終了時に」の優雅つが誘発した後で起動した場合の話は、ちょっとした驚きで迎えられます。このトークンは、次のターンいっぱい近くまでそのまま残るんですから。これは「ターン終了時の抜け道」と呼ばれていていましたが、その強さゆえに問題になっていたわけではありません――それが馬鹿げて直感的でないがゆえに問題になっていたのです。この混乱は、新しいテンプレートを使うだけでも緩和されるでしょうが、そこに「次の」を追加すればさらに良くなるでしょう。

《ラクドスのギルド魔道士》の2番目の能力 :速攻を持つ赤の2/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを1体場に出す。次の終了ステップの開始時に、それをゲームから取り除く。

びっくりするぐらい明確ですね。ただ、上の例では能力の表現の一部だけしか変更されていません。最終的には、こんな感じになります。

《ラクドスのギルド魔道士》の2番目の能力 :速攻を持つ赤の2/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。次の終了ステップの開始時に、それを 追放する。

これがこの能力なのです!

3) マナ・プールとマナ・バーン

3A) マナ・プールを空にする

現実:多くのプレイヤーは、フェイズとステップの違いをはっきりと認識していません。マナはステップをまたいで残りますが、一方でフェイズをまたいで残ることはありません。ステップをまたいでマナを浮かせておくことは、わかりづらい事実です。一般的に、マナ・プールはプレイヤー同士が優先権をパスした時点で空にしておくのが、ゲームの状況を記憶するのに一番の方法といえます。

修正:マナ・プールは、各ステップおよび各フェイズの終了の段階で空になります。したがって、アップキープにマナを浮かせて、それをドロー・ステップに持ち込むことはできませんし、攻撃クリーチャー指定ステップで浮かせたマナをブロック・クリーチャー指定ステップに元子婿とはできません。

解説:これは基本的にはルール側の変更です。現在、総合ルールの300.3には「(ステップではなく)フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。」と書かれています。これは「フェイズやステップが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。」に変更になります。ごく少数のカード、例えば《湧出》や《桜族の春呼び》などの“マナがマナ・プールから無くならない”系のカードには、そのマナがステップが終わってもなくならないことに関して若干の訂正が入ります。この変更に関わる他のカードのうち、《ケルドの後継者、ラーダ》と《炎の編み込み》は、訂正になりません。

3B) マナ・バーンの削除

現実:多くのプレイヤーは、ゲームのコンセプトとしてのマナ・バーンに気を使ったことがありません。その存在を知ること、特に、相手が自分のライフの残りを調整するためにそれを実行するのを見ることは、面倒でしかありません。その存在はゲームにマイナスのインパクトを与えていますし、カードデザインの側面においてもある程度の影響を与えています。

修正:マナ・バーンのコンセプトはゲームから削除になります。ステップやフェイズの終わりに残っている未使用のマナは単に消滅し、ライフの喪失は発生しません。

解説:マナ・バーンをゲームから削除することは驚くほど簡単でした。総合ルール300.3の数行を消去し、用語集の項目を消し、マナ・バーンに言及している若干の項目を修正して、終了です。マナ・バーンに言及している6枚のカードには訂正が出ます。「このマナはマナ・バーンを発生しない。」の一文はまったくの無駄ですので。

それでは、ゲームはどうなるのでしょうか? 例えば、《春の鼓動》が出ていたとして、あなたが4点のマナを生み出し、そのうち3点を消費したとしましょう。ステップなりフェイズなりの終わりに、余ったマナは消えます。以上。ペナルティはありません。単に消えるのです。

私の見積では、マナ・バーンの排除の影響を受けるカードは40枚ほどです。強くなるのもあれば弱くなるのもありますし、直接的な影響を受けるものもあれば間接的なものもあります。というのも、このルール変更により訂正されるカードはないからです。間違いじゃないですよ。現在のカードの機能を変更することはしないのです。マナ・バーンのルールを取り除くということは、その事実でしかないのです。

それでは、性能の変わるカードを見てみましょう。

  • 《陰極器》、《トレイリアのアカデミー》、《Mana Drain》等は強くなります。マナ・プールに残っている未使用のマナによる欠点が無くなるからです。
  • 《幽体の照明灯》や《谷刻み》は、相手をマナ・バーンに追い込むことができなくなる分弱くなります。
  • 《山脈の闘獣》や《発見の井戸》は、基本的に土地をタダてタップできることになるので、強くなります。
  • 《苦痛の城塞》は、相手が自由に土地をタップできるようになる分、弱くなってしまいます。
  • 《碑出告の第二の儀式》は強くなるでしょう。相手はマナ・バーンで残り10点のライフを9点に減らすことができなくなりますからね。
  • 《鏡の大魔術師》、《病みあがりの介護》、《溶鉱炉の脈動》は弱くなります。マナ・バーンで自分のライフを意図的に(しかも簡単に)減らすことができなくなるからです。

もちろん、マジックのゲームの99.9%においては、マナ・バーンが無くなったのを気にすることすらないでしょう。

4) トークンのオーナー

現実:現在の「トークンのオーナー」ルールはわかりづらくなっていますが、その原因はとにかく納得のいかなさにあるでしょう。現在、トークンのオーナーは、「それを場に出したときの効果のコントローラー」です。これはつまり、あなたの《狩り立てられたドラゴン》や《禁忌の果樹園》によるトークンが私のコントロール下で場に出た場合、それは実に直感的ではない《刻印》や《歪んだ世界》とのコンボを成してしまうのです。このルールを気にしている人々はわずかで、普通はトークンのオーナーはそのトークンが出たときにそれをコントロールしていたプレイヤーだと思っています。

修正:このルール変更により、トークンのオーナーに関して、ほとんどのプレイヤーの感覚とルールが一致することになるでしょう。実際に、トークンのオーナーは、それが戦場に出る段階でそれをコントロールしていたプレイヤーになります。

解説:ルールの変更点はアーロンの説明したとおりです。その流れで、このルールが問題になる状況を3つほどお見せしましょう。

  1. 誰かがそれを活用しようとしているとき。(《歪んだ世界》使いの皆さんには申し訳ない。)
  2. ゲームの状況で、そのトークンのオーナーを確認しなければいけないとき。これは、非常に奇妙な状況に限られます。例えば、私の《狩り立てられたラマスー》によりあなたがコントロールするトークンが生まれ、私がそのトークンを《撤廃》で戻したときに、どちらかが Azorius Aethermageをコントロールしていたとしましょう。トークンはどちらの手札に戻るんでしょうか? 旧ルールでは、私の手札です。新ルールでは、あなたの手札です。しかし実際には、《アゾリウスの霊気魔道士》が戦場にいるのでもなければ、これはほとんど関係はありません。
  3. 多人数戦を行っている状況です。私の《狩り立てられたラマスー》によりあなたがコントロールするトークンが生まれ、私がゲームに負けたとします。旧ルールでは、私がゲームから離脱するのと一緒に、そのトークンも無くなります。新ルールでは、それはそのまま残ります。

5) 戦闘ダメージはスタックを使わない。

現実:戦闘に関する現在の複雑なシステムは、様々な直感的でないゲーム上の状況を発生しています。そもそも、「スタック」という概念は難しいもので、それはこれだけの年月を重ねても変わるものではありませんでした。なので、多くのプレイヤーがそこを考えないまま戦闘を行っていたとしても不思議は無いでしょう。次に、ダメージがスタックに乗った後に消えるクリーチャーに関しては、山ほどの混乱と不信がつき物でした。《モグの狂信者》で私のクリーチャーが2体死ぬのはなぜなんでしょう? 自分のクリーチャーを殺したクリーチャーを食った《ナントゥーコの鞘虫》が大きくなって生き延びているのは? 自分のクリーチャーを《送還》で戻したはずなのに、なぜそれがダメージを与えるのでしょう? 現在、私たちはそれを様々に活用してきていますが、それはゲームのイメージ的にはまったく理解ができず、あくまでルール上で若干の意味があるだけなのです。

修正:戦闘ダメージ・ステップでダメージが割り振られたら、それはただちに与えられます。その間に呪文を唱えたり能力を起動したりするタイミングはありません。ダメージがそのための最後の瞬間はダメージが実際に与えられる前なので、ブロック・クリーチャー指定ステップ中になります。

しかし、これは導入の難しい変更でした。特に、1体のクリーチャーを複数のクリーチャーがブロックしたときに、防御プレイヤーがダメージ軽減能力(あるいはその類の能力)を持っている場合です。一方のクリーチャーに対するダメージを軽減すれば、攻撃側は単にもう一方を殺すだけで、これは直感的ではありません。軽減呪文は、実際に死にそうなクリーチャーに対して、それを予想して使うというのが普通でしょう。この問題は以下のように解決します。ブロック・クリーチャー指定ステップにおいてあるクリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされた場合、攻撃プレイヤーはただちに、その攻撃クリーチャーがどのブロック・クリーチャーからダメージを割り振るかの順番を宣言します。実際にダメージを割り振る段階で、2番目のクリーチャーにダメージを割り振るためには、1番目のクリーチャーに致死ダメージを割り振る必要があります。これは、3番目以降も同様です。これで、複雑な戦闘の状況でも、その戦闘でもっともダメージを与えられる危険を負っているクリーチャーをあらかじめ知ることができるでしょう。

これは、ぱっと見ほど全面的な変更ではありません。ほとんどの場合において、クリーチャーが攻撃し、クリーチャーがブロックし、戦闘は同じように進んでいくでしょう。ただし、直感的でない「ダメージを乗せて」行われる行動は無くなります。複数ブロックに関する解説の大部分は、以下を読めば理解できるかと思います。

解説:これにより、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップに起こることが変更されます。

戦闘フェイズ

  • 戦闘開始ステップ
  • 攻撃クリーチャー指定ステップ
  • ブロック・クリーチャー指定ステップ
  • 戦闘ダメージ・ステップ
  • 戦闘終了ステップ

ブロック・クリーチャー指定ステップでまず行うことは、防御プレイヤーが(そうだったのか!)ブロック・クリーチャーを宣言することです。これは今までと同様ですが、1つ追加されることがあります。複数のクリーチャーが1体の攻撃クリーチャーをブロックする場合、攻撃プレイヤーはどのクリーチャーが最初に攻撃クリーチャーによるダメージを受け、どれが2番目といった、ダメージを受ける列の順番を決めます。以上が“ブロック・クリーチャー宣言”で行われる行動のすべてです。これが済んだら、プレイヤーは呪文を唱えたり起動型能力を起動したりできます。

戦闘ダメージ・ステップでまず行うことは、戦闘ダメージの割り振りです。ある攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされている場合、攻撃プレイヤーはそれらに戦闘ダメージを割り振れます。攻撃プレイヤーは、まず列の1番目のブロック・クリーチャーにダメージを割り振ります。そのクリーチャーに致死ダメージを割り振った場合、残ったダメージをさらにそのクリーチャーに割り振ることもできますし、列の一つ後ろのクリーチャーに割り振ることもできます。2番目のクリーチャーに致死ダメージを割り振った場合、攻撃プレイヤーは3番目のクリーチャーに進むこともでき、以下も同様です。トランプルと非常によく似た動きですね。


ところで……「致死ダメージ」とは何でしょうか? ダメージの割り振りにおいては、「致死ダメージ」とは、能力やダメージ軽減効果を無視して、そのクリーチャーを破壊するのに必要なダメージの点数です。別な言い方をすれば、致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネスから、すでにそのクリーチャーに与えられているダメージや、同時にそこに割り振られるダメージを引いた値です。そのクリーチャーがプロテクションを持っているかとか、破壊されないとか、次に与えられるダメージを8点軽減するとかは関係がありません。

ダメージの割り振りは順番に行うことになるでしょうが、この割り振りは実際には同時に行われているものとみなされます。これは攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの宣言のようなものです。プレイヤーがすべての宣言を行ったうえで、全体が適正かどうかがチェックされるのです。適正でない場合、それは無しになり、ゲームは巻き戻され、プレイヤーはやり直すことになります。すべてのダメージ割り振りが適正に宣言されたら、ダメージは直ちに(同時に)与えられます。その後、状況起因効果がチェックされ、致死ダメージを与えられたクリーチャーは破壊されます。その後に、各プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできます。

再生能力を起動したり、ダメージ軽減呪文を唱えたり、自分のクリーチャーのタフネスを強化したり、その手の戦闘トリックを実行したい場合、今後はそれはブロック・クリーチャー指定ステップの間に行なう必要があります。その時点で、この戦闘で何が起こるかの情報は十分与えられているのです。例えば、あなたがブロック・クリーチャーを再生する必要があるか、等ですね。

またブロック・クリーチャー指定ステップは、あなたがクリーチャーを《送還》するかや、《モグの狂信者》を生け贄に捧げるか、クリーチャーを生け贄に捧げて《ナントゥーコの鞘虫》を強化するかなどを決めるタイミングでもあります。新しい戦闘システムの重要な点は、戦場に――そして戦闘に――残っているクリーチャーのみが、戦闘ダメージを与えられるということです。握った拳を振りかざし、戦場から消え、その後にパンチだけが飛んでくるということはもうありません。

この新しいシステムにより、様々な細かい序今日が発生します。いくつか見てみましょう。

  • あるクリーチャーが複数の攻撃クリーチャーをブロックする能力を持つ場合、その攻撃クリーチャーに、同様の“列に並べて割り振る”システムを適用します。この場合は、防御プレイヤーが攻撃クリーチャーを並べるわけです。
  • 複数のクリーチャーが1体の攻撃クリーチャーをブロックしていて、そのうち1体が戦闘から離れた場合、他のクリーチャーの並び順は変わりません。
  • 攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされていて、そこに新たなクリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックしている状態で戦場に出た場合(おそらくは《瞬間群葉》でしょうね)、攻撃プレイヤーは、新しいクリーチャーを列の望む位置に入れることができます。最初でも、最後でも、途中でもかまいません。他のクリーチャーの順番は変えられません。

例を見てみよう。私はアーロンを10/10の《スカイシュラウドのビヒモス》で攻撃しました。


アーロンはそれを、《慈悲の天使》と《剣の壁》と《常備軍》(このターン、すでに2ダメージ受けている)と《陽光尾の鷹》と《サバンナ・ライオン》でブロックしました。私はこのままの順番で並べることにしました。


ブロック・クリーチャー指定ステップ中、私は《恐怖》で《剣の壁》を破壊し、アーロンは《避難》を唱えて《慈悲の天使》にプロテクション(緑)を与え、アーロンは《幽霊の管理人》の能力を起動して《陽光尾の鷹》を+1/+1し、アーロンは《目かくし》を唱えてで《陽光尾の鷹》に次に与えられるダメージを1点軽減しました。


戦闘ダメージ・ステップ中、私は《スカイシュラウドのビヒモス》のダメージを、まず《慈悲の天使》に割り振ります。割り振れるダメージは3~10点です。ただ、すべてのダメージは軽減されてしまうので、割り振るのは最小限の3点にします。次は《常備軍》です。これにはすでにダメージが与えられているので、致死ダメージは2点になります。なので、これでいきましょう。次は《陽光尾の鷹》です。ダメージは最低2点割り振ればいいのですが、3点割り振って破壊したほうがいいでしょうね。最後が《サバンナ・ライオン》です。残った割り振りダメージは2点です。《スカイシュラウドのビヒモス》はトランプルを持っていないので、そのダメージをアーロンに割り振ることはできません――すべてをブロック・クリーチャーに割り振らなければいけないのです。残った2ダメージは《サバンナ・ライオン》に割り振ることになりましたが、これは破壊するのに必要な分を超えてしまいました。まだ戦闘に残っているブロック・クリーチャーは合計8点のダメージを《スカイシュラウドのビヒモス》に割り振り、その後にすべてのダメージが与えられます。《常備軍》と《陽光尾の鷹》と《サバンナ・ライオン》は破壊されます。


ここまで見てくると、ずいぶんと複雑そうです。でも、もう1回見直してみてください。私が《恐怖》を《剣の壁》に唱えた後では、《スカイシュラウドのビヒモス》は4体のクリーチャーにブロックされています。《スカイシュラウドのビヒモス》のパワーは10です。ブロック・クリーチャーをすべて破壊するにはパワーが9あれば十分ですが、1体はプロテクション(緑)を持っているので死にません。なので、あとはやるべきことをやっただけです。

慣れるには、ちょっと時間がかかるかもしれませんね。これは、今回のルール変更の中でもっとも大きな点であるだけでなく、《モグの狂信者》等のカードを実際に弱くしてしまいます。(あるいは、お望みとあらば、《モグの狂信者》は元の形に戻ったとも言えます 。テンペストの発売答辞は、戦闘ダメージはスタックを使っていませんでした。)

我々はこの変更に基づいて何ヶ月かプレイしてきましたが、変更の前半部分(戦闘ダメージはスタックを使わない)はゲーム全体に良い影響を与え、後半部分(複数ブロックに関する変更)が絡んでくることは驚くほどまれでした。これは今回の変更の中で最も複雑な部分ですが、実際には複数ブロックを行ったときや、誰かが戦闘トリックを使ったとき、あるいは“ブロック・クリーチャーを全滅させる”か“ブロック・クリーチャーを1体だけ殺す”かの間での状況でしか関係してくることはないでしょう。

6) 接死

現実:接死には問題点が2つあります。1つは、誘発型能力であるがゆえに、接死を持つクリーチャーからダメージを受けた場合、1体のクリーチャーが2回再生しなければいけない等、不必要に直感的でないこと。もう1つは、接死能力が、現在の戦闘ルールとうまくかみ合わないことです。接死を持つクリーチャー、例えば《ケデレクトの忍び寄るもの》が3/3のクリーチャー2体にブロックされた場合、新しいルールではこの2体のクリーチャー両方にダメージを分割できないので、このカードの目的がある意味失われ、接死の本来期待される機能から外れてしまうのです。

修正:まず、接死は常在型能力になります。接死を持つ発生源からダメージを与えられたクリーチャーは、致死ダメージで死ぬタイミングと同じ時点で、状況起因効果により破壊されます。これにより、あるクリーチャーが複数の接死を持っていても意味がなくなります。次に、接死を持っている場合、複数のクリーチャーにブロックに関連する新しいルールは無視され、戦闘ダメージを、それをブロックしているクリーチャーの間で、それのコントローラーが好きなように割り振ることができるようになります。


解説:まずちょっと寄り道を。このゲームでは、ゲーム中の特定の問題ある状態がチェックされ続けていて、それが発生した場合、そのゲームの状況を正しくするための行動が実行されます。例えば、戦場にオーラが出ていて、それが何にもつけられていない場合(エンチャントされていたクリーチャーがどこかへ行ってしまった等)、そのオーラはオーナーの墓地に置かれます。同名の複数の伝説のパーマネントが戦場に出ている場合、それらはすべてオーナーの墓地に置かれます。プレイヤーのライフが0以下である場合、そのプレイヤーはゲームに負けます。他にもたくさんありますが、これらはすべて「状況起因効果」の結果です。考え方としては、ゲームが常にチェックをし続けていて、問題のある状況が発生すると、このマジック的自動掃除ロボット部隊が密かに、数秒間でその問題を地下の倉庫に持ち去ってしまうといったところでしょうか。

次に発表される総合ルールでは、新しい状況起因効果が追加されます。内容はこんな感じです。「前回の状況起因効果のチェック時以降に接死を持つ発生源からダメージを与えられたクリーチャーは破壊される。」 アーロンの書いたとおり、これは致死ダメージを受けたクリーチャーが破壊される時点と同じタイミングです。この2つは、今後はほとんど同じ動きをします。

ここから派生することが2つあります。1つ目は、あるクリーチャーを再生する(あるいは手札に戻したり、生け贄に捧げたりする)場合、それは接死を持つ発生源からのダメージが与えられるに行ったほうがいいということです。これまで存在していた、接死の誘発型能力が解決を待つ間の猶予期間は、今後は存在しません。ダメージが与えられたら、状況起因効果によりクリーチャーは排除されてしまいます。繰り返しますが、これはクリーチャーが致死ダメージを受けたときと同じことなのです。

2つ目は、あなたのクリーチャーが接死を持つ発生源から致死ダメージを受けた場合(例えば、《蠢く骸骨》が《ツキノテブクロの選別者》をブロックしている等)、それを生き延びさせるには、再生の盾は1回で十分だということです。《蠢く骸骨》は、2つの状況起因効果により殺されることになります(1つは致死ダメージにより、もう1つは接死を持つ発生源からのダメージを与えられたことにより)。すべての状況起因効果は同時に実行されるので、再生の盾は1回でその両方をカバーできるのです。

新ルールは発生源が接死を持っているかをチェックするので、これによりある状況下では、注目すべき変更点が発生します。あるクリーチャーが、ダメージ能力と接死の両方を持っているとしましょう。例えば、《放蕩紅蓮術士》が《滅消の杭》を装備している場合ですね。この能力がクリーチャーを対象として起動され、その解決前に《放蕩紅蓮術士》が戦場を離れた場合、ゲームがそのダメージの発生源の特性を決定す段階では、それが最後に戦場にいた時点を基準とします。《放蕩紅蓮術士》が戦場を離れた時点で《放蕩紅蓮術士》が《滅消の杭》を装備している場合、この発生源は接死を持っています(発生源が赤だとかクリーチャーだとかと同じ理屈です)。このダメージを与えられたクリーチャーは破壊されます。(萎縮はすでに似たような動作をしていますね。) 旧接死ルールでは、これは起こりませんでした。誘発すべき段階では接死は存在していないからです。

それでは、戦闘に移りましょう……。接死を持つクリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされた場合でも、ブロック・クリーチャー指定ステップは同様に進行します。攻撃プレイヤーは、いつも通りにどのブロック・クリーチャーが最初にダメージを受け、どれが2番目といった、ダメージを受ける列の順番を決めます。接死を持っているクリーチャーからすれば順番は無関係なのですが、戦闘ダメージの割り振りの前にこのクリーチャーが接死を失う可能性もあるので、これは必要なことです。

戦闘ダメージを割り振る段階で、接死を持つクリーチャーのダメージは、それをブロックしているクリーチャーの間で自由に割り振ることができます。(どこかで見た気がするなら、これが旧システムの方法だからでしょう。) 順番は無視できます。

例を見てみましょう。私はアーロンに《ツキノテブクロの選別者》で攻撃を行い、彼は《角海亀》と《皺だらけの密告者》と《蠢く骸骨》でブロックしました。順番はこのままです。ブロック・クリーチャー指定ステップに、アーロンは《蠢く骸骨》を再生するかどうかを決めなければいけません。実際にそこにダメージが割り振られるかどうかはわかりませんが、私がそこにダメージを割り振ることは可能です。ここでは再生しなかったことにしましょう。戦闘ダメージ・ステップが始まったところで、私は《ツキノテブクロの選別者》のダメージを、ブロック・クリーチャーに好きなように割り振ることができます。ここでは《皺だらけの密告者》に1ダメージ、《蠢く骸骨》に1ダメージを割り振ったとしましょう。戦闘ダメージは直ちに解決され、《皺だらけの密告者》と《蠢く骸骨》と《ツキノテブクロの選別者》は、すべて同時に墓地に置かれます。

最後にもう一つ。今後は、接死は「[このパーマネント]がいずれかのクリーチャーにダメージを与えたとき、そのクリーチャーを破壊する。」ではなくなります。それに伴い、《残酷な詐欺師》や《猛毒の牙》といったカードは訂正され、元のカードの表記に戻されます。他の接死のカードは実際にカードに接死と書かれているので、今後は新しい機能に従うことになります。

7) 絆魂

現実:絆魂が誘発型能力であるという事実は、絆魂を持つクリーチャーでブロックした場合に、そのコントローラーは、その絆魂によるライフを獲得する前に死んでしまう可能性があることを意味します。多くのプレイヤーはこの件で間違った考えをしています。タイミング上の細かな違いは望むべきものではありません。

修正:絆魂は、接死と同様の常在型能力になります。絆魂を持つ発生源がダメージを与える場合、それのコントローラーはそのダメージが与えられる際にその点数のライフを得ます。これにより、タイミング的に《魂の消耗》や《稲妻のらせん》といったカードにより近くなります。また、あるクリーチャーが複数の絆魂を持っていても意味がなくなります。


解説:接死と同様に、この機能変更により、何枚かのカードに訂正(実際は元のカードへの再修正)が行われます。カードに実際に「絆魂」と書かれている場合、その機能は新たな絆魂のルールに従います。しかし、「[このパーマネント]がダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」と書かれている数多くのカードは、ここ数年の間に「絆魂」と訂正されてきました。この二つの能力は同一だったからです。今後はこれは異なります。これらのカードは元の表記に戻されます。このカードの機能は文字通りです……絆魂は持ちません。カードのうち1枚――《ロクソドンの戦槌》――だけは、両方の表記のカードが存在します。最新のカードには「絆魂」と書かれていますので、これは新しいほうの機能に従います。

ルールマネージャーとして、私はいくつかの項目を総合ルールに加えてきましたが、そのうちいくつかは存在しなかったこと自体が驚きでした。例えば、私は“ライフ”という項目と“カードを引く”という項目を加えてきました。これらの項目は、これまでルールのあちこちにバラバラになっていたルールをまとめたものです。また、新しいルールに関する項目も同様に付け加えられてきました。今回のマジック2010のルールブックの更新では、私は“ダメージ”の項目を作成しました。

ダメージは2つの手順に従って進められます。この2つの手順の間には何かを挟む余地はありません。単に連続して行われるだけです。この分割は、軽減や置換効果が正しく実行されるために行われるものです。

手順1:ダメージが与えられる。ダメージに関する軽減や置換効果はここで適用されます。

手順2:与えられたダメージによる結果が発生する。この結果に関する置換効果(ライフやカウンターの喪失等)はここで適用されます。

ところで、ダメージによる結果って何でしょうか? 以下のリストは、マジック2010で更新されるものです。

  • プレイヤーにダメージが与えられた場合、そのプレイヤーはその点数に等しい点数のライフを失います。
  • プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、そこから点数分の忠誠カウンターが取り除かれます。
  • 萎縮を持つ発生源からクリーチャーにダメージが与えられた場合、その点数に等しい個数の-1/-1カウンターをそのクリーチャーに置きます。
  • 萎縮を持たない発生源からクリーチャーにダメージが与えられた場合、その点数に等しいダメージがそのクリーチャーに残ります。
  • 絆魂を持つ発生源からいずれかのものに対してダメージが与えられた場合、そのダメージの他の結果に加えて、その発生源のコントローラーはその点数に等しい点数のライフを得ます。

4番目はちょっと奇妙に見えるかもしれません。一見何もしていないように見えますからね。実際、ある意味においては、その通りです。この場合は、そのクリーチャーに何点のダメージが与えられているかの見えない札がつけられているようなものです。この札は、ゲームが常にチェックし続けています。ある時点で、この札に書かれているダメージの合計点数がそのクリーチャーのタフネス以上になったら、ゲームにより(ダメージの発生源ではないですよ!)、それは状況起因効果で破壊されます。そのクリーチャーが再生したら、その札は外されます。また、ターンの最後にも、その札は外されます。

5つ目の項目は絆魂に関する変更です。今後は、ライフの獲得はダメージの行動の一部です。例えば、あなたのライフが1点で、相手が2/2のクリーチャー2体で攻撃してたとしましょう。あなたはそのうち1体を、絆魂を持つ3/3のクリーチャーでブロックしましたが、もう一方はブロックしませんでした。ダメージの結果として、あなたは2点のライフを失うことと3点のライフを得ることが同時に実行されます(どちらのクリーチャーも先制攻撃を持っていない前提です)。あなたのライフは2点になります。

接死と同様、新ルールは発生源が絆魂を持っているかをチェックするので、これによりある状況下では、注目すべき変更点が発生します。同じような例でいきましょう。あるクリーチャーが、ダメージ能力と絆魂の両方を持っているとしましょう。例えば、《放蕩紅蓮術士》が《ロクソドンの戦槌》を装備している場合ですね。この能力が私を対象として起動され、その解決前に《放蕩紅蓮術士》が戦場を離れた場合、ゲームがそのダメージの発生源の特性を決定する段階では、それが最後に戦場にいた時点を基準とします。《放蕩紅蓮術士》が戦場を離れた時点で《放蕩紅蓮術士》が《ロクソドンの戦槌》を装備している場合、この発生源は絆魂を持っています(発生源が赤だとかクリーチャーだとかと同じ理屈です)。このダメージにより、私は1点のライフを失い、《放蕩紅蓮術士》のコントローラーは1点のライフを得ます。(萎縮はすでに似たような動作をしていますね。) 旧絆魂ルールでは、これは起こりませんでした。誘発すべき段階では絆魂は存在していないからです。

このコラムで触れてきた変更点は、今回変更されるルールのすべてというわけではありません。ただし、現在のマジックに関連しているのは以上がほとんどです。これ以外は、例えばバンドを新しい戦闘ダメージルールにあわせる更新や、私がこれまで行ってきたふぇ偉人愚に関する徹底的な合理化、そして非常に細かい内容に関する様々な調整などです。ルールブックが発表される日が近づいたら、もっと多くの情報をお見せできるでしょう。

まだ覚えることが?

今回、理解すべき項目が多いことは十分わかっています。このルールはあと1か月は実装されませんので、今回の変更に関して話し合う時間はたっぷりあります。

このサイトでも、今回の変更に関する話は今後発表されるでしょうし、いつものコラムニストに加えてジャッジのコラムも登場します。掲示板に対する質問には答えてくれる人がいるでしょうし、必要ならゲームのサポートや事務局に問い合わせをしてみてもいいでしょう。

このゲームを楽しんでくださる方の中には、今回の決定に不満を持つ方もいらっしゃると思います。それは、歴史が示してきた事実です。10年前に第6版ルールを発表したときも、しばらくは反対意見と立ち向かわなくてはいけませんでした。プレイヤーたちはこのゲームはほとんど死んだも同然だと非難し、もう復活は無理だと言ってきました。しかし、ほとんどはそのまま変更を理解し、現在ではそれが自然となっています。今回も、変更に関して同様の事態になるでしょう。私は今回の変更に関しては全面的に擁護する立場にありますし、正直に、真摯に言わせていただいて、あと数ヶ月もすればマジックは今回の変更を受けてより良い形になるだろうと思っています。

皆さんもそれに同意していただくことを願っていますし、こんなことはあと10年は再び起こらないことをここに記しておくことにしましょう。