「ウィザーズ・タワー」――とあるマジックの遊び方

更新日 Making Magic on 2013年 7月 25日

By Ryan Miller

原文を読む

「ピット」(開発部署のこと)で仕事をしていたある日、誰かがこう言うのを耳にしました。「トム・ラピル/Tom LaPilleのキューブで遊んだことある? あれスゴイよ!」 キューブとはドラフト・フォーマットのひとつで、カード・プールをプレイヤーが決め、そこからパックを作って、8人でドラフトをして遊ぶものです。

 その言葉を聞いた私の中に、友人たちと共に遊べる新しいマジックのゲーム体験を作りたい、という興味がにわかに湧きおこりました。そういったことに挑戦したい気持ちは前からありましたし、昔ながらのゲーム・マスターとしての血が騒いだのです。

 キューブは素晴らしい遊び方ですが、首尾よくこなすには多くの時間と知識とカードが必要になります。もちろん、私もカードはたくさん持っているのですが――あいにく時間と知識が足りません! 事前の準備が少なくて済み、それでいて濃密なゲーム体験を得るには、どうすればいいのでしょう?

 その答えは――ブースター・パックにあります!

 どうです、ブースター・パックがあれば何でもできるでしょう? マジックで遊ぶ夜にブースター・パックを使わないことなんて無いですよね? この一風変わったアイデアを形にできるためには、ブースター・パックが必要だと思いませんか? ああ、力いっぱい抱きしめたい!

 さて、私の机の上にはファット・パックが積んであります。必要なものはすべてこの中にあるのです――つまり、ブースター・パック9個と基本土地80枚です。これらをすべて混ぜ合わせると、だいたい41%が土地の215枚デッキができるでしょう。41%というのは、200枚を超える怪物デッキを作る際に必要とされる土地の比率なのです! 始めからこの方法を考え出したのかって?

 そうです、その通り。私たちは最初にこのファット・パックに手をつけたのです……


 こうして、「ウィザーズ・タワー」が誕生しました。この遊び方では、すべてのプレイヤーが高く積み上がったひとつのデッキからカードを引きます――そのため「タワー(塔)」と呼ぶのです。プレイヤーたちは毎ターン、テーブル中央に置かれた共通のカード・プールからカードをドラフトし、続けてタワーの一番上のカードを引きます。

 実際に遊んでみると、思った通り良い感じでした。もう一度遊んでも、その面白さは損なわれませんでした。ウィザーズ開発部の面々に本音を言ってもらうため、私たちはランチ・タイムにゲームを始めました。様々なパックを組み合わせた実験にも手を出しました――カードにスリーブをかけてイニストラード・ブロックのタワーも作りました。スリーブをかけたのは、両面カードがあるからです! それから、『ドラゴンの迷路』を複数使ったタワーも作りました……


 そんなわけで、私たちの研究室から皆さんのゲーム・テーブルへこの遊び方をお届けします。「ウィザーズ・タワー」は、ゲームを始める前のドラフトやデッキ構築が必要なく、ブースター・パックだけですぐに遊べるとっても楽しい遊び方です。また、新しいセットで遊ぶ方法としても私はこのやり方が気に入っています。おや、画面の向こうから「どうやって遊べばいいんだ!」という大合唱が聞こえてきますね。読み進めよ、勇敢なる、ええと、読者諸君――続きをどうぞ。


「ウィザーズ・タワー」

必要なもの:

  1. 2人~5人のプレイヤー
  2. ブースター・パック9個
  3. 基本土地80枚(各基本土地を16枚ずつ)

ゲームを始める前に

  1. ブースター・パックを開封します(ここではまだカードを見ないようにしてください。どんなカードがあるかは、ゲーム中にわかった方がきっと面白いでしょう)。
  2. パックから出たカードと基本土地を混ぜて切り直し、ひとつの大きなデッキにします。
  3. 開始プレイヤーをランダムに決めます。
  4. 各プレイヤーに3枚ずつカードを配ります。
  5. ゲームを始める前に、各プレイヤーは「手札から好きな枚数を捨て、同じ枚数を引き直す」ことができます。すべてのプレイヤーがこれを行なった後、各プレイヤーが捨てたカードを集めて切り直した後、デッキの一番下に置きます。
  6. デッキの上から7枚を、テーブル中央へ表向きに置きます。デッキはすべてのプレイヤーが共有するライブラリーとなります。

ゲームの遊び方

  1. 「ウィザーズ・タワー」では、ドロー・ステップがより面白いものになります。
    1. まず、プレイヤーは表向きに置かれた7枚から1枚を選び、それを手札に加えます。表向きのカードが無くなっていた場合、新たにタワー(ライブラリー)の上から7枚をテーブル中央へ表向きに置き、そしてそれらから1枚を選びます。
    2. 続けて、タワーの一番上のカードを引きます。
  2. すべてのプレイヤーがライブラリーと墓地を共有します。対戦相手の墓地を対象に取るカードやライブラリーを操作するカードは、共有しているライブラリーと墓地に影響します。
  3. タワーから表向きに置かれたカードは、どの領域にも存在しないものとして扱われます。

 その他の部分については、多人数戦のルールに準拠します。最後まで立っていたプレイヤーの勝利です!



ここに塔を建てよう

「ウィザーズ・タワー」の面白いところは、自分だけのタワーを作れることです。あるブロック内の3つのセットを3パックずつ使ってブロック・タワーを作るもよし、9パックすべて『マジック基本セット2014』にするもよし。様々なブースターを混ぜ合わせると何が起こるのか、ぜひその目で確かめてみてください!


(Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing)

最新Making Magic記事

MAKING MAGIC

2020年 7月 25日

セット・ブースター by, Mark Rosewater

今日は、『ゼンディカーの夜明け』で初登場するもの、新型ブースターについて語っていく。それが、今回のタイトルにもなっている、セット・ブースターと呼ばれるものである。今日の記事ではそれについて話そう。 詳しい話に入る前に、少し伝えておきたいことがある。これは、我々がマジックに新しく導入するものだ。何もなくなるわけではなく、現在の製品は何ひとつ変わらないままである。これまでの...

記事を読む

MAKING MAGIC

2019年 9月 24日

プロジェクト・ブースター・ファン by, Mark Rosewater

(編訳注 7/24:一部の用語を修正いたしました。「枠なしプレインズウォーカー」→「拡張アート版プレインズウォーカー」)  私が、誰もが話題にするようなマジックについての新情報がたっぷり詰まった記事を時々書いていることにお気づきだろうか。今日の記事は、そういった記事の中の1本だ。これからさまざまな情報を話していくので、まずはこの記事で何を語るかについて説明することにしよ...

記事を読む

記事

記事

Making Magic Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る