この1週間は、統率者戦ファンの皆さんにとって、統率者戦ルール委員会のメンバーにとって、そしてマジック・コミュニティ全体にとって、波乱の連続でした。その中で私たちは、プレイヤーやファンの皆さんが熱意を込めてさまざまな意見を交わす姿を見てきました。しかしそこには、目に余るほど多くの害意や悪意が含まれていました。

これから私たちは、統率者戦について多くの議論を重ねていくつもりです。しかしまずは、最も差し迫った事柄から始めたいと思います。この1週間にわたり人々の会話はエスカレートし、統率者戦ルール委員会メンバーの安全を脅かす個人攻撃が容認できないほどのものになっています。これは許されることではありません。皆さんがマジックについてどのように感じようとも、誰かを脅かして良いことには決してなりません。これに対しては、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト一同、団結して立ち向かいます。マジック・コミュニティのメンバーや弊社従業員に対し危害を加えると脅迫する個人に対して、私たちは躊躇なく行動を起こします。

またこの1週間では、統率者戦ルール委員会が向き合っている仕事がとてつもないものであることも明らかになりました。ルール委員会は才能と思いやりにあふれた5人で構成されており、全員に別の仕事や日々の暮らしがあります。彼らは、それぞれの仕事や生活とマジックで特に人気を集めるフォーマットの管理とのバランスを取らなければならないのです。その結果、彼らが向き合う仕事の量や注ぎ込む時間、そして人目に触れる機会も膨大なものになっています。

皆さんが愛するゲームをサポートしている人たちが、身の危険を感じることがあってはなりません。そして心残りではありますが、統率者戦を管理するという仕事は、5人の個人が安全に取り組める範囲を超えて大きくなりすぎました。

そこで本日、統率者戦ルール委員会メンバー共同のもと、統率者戦フォーマットの管理をルール委員会からウィザーズ・オブ・ザ・コーストのゲーム・デザイン・チームへ移譲することをお伝えします。

統率者戦は、常にコミュニティに焦点を当てたフォーマットであり続けてきました。このたびの管理権限移譲を受けても、それは変わりません。

このフォーマットの管理者は変わるかもしれませんが、ルール委員会のメンバーやその他統率者戦コミュニティの人々には引き続きこのフォーマットに携わっていただくつもりであり、交流を楽しむフォーマットを目指す姿勢は変わりません。私たちはすでに、私たちが達成したいことやいくつかのアイデアについて意見を交わしており、数か月以内にそれらをまとめて発表するつもりです。

このフォーマットを形作るには、コミュニティの皆さんとの協力が不可欠であると私たち全員が思っています。私たちはマジック公式Discordに新しいチャンネルを開設しました(#Commander_News channel内)。また、今回の件については明日の「WeeklyMTG」でもお話する予定です。10月1日10時(日本時間26時)よりTwitch.tv/Magicにて配信されますので、ご覧ください(英語)。

これからは?

まだ最初期の段階であるため、ここでは1つだけ、統率者戦ルール委員会とともに始めたことをお伝えします。私たちはデッキのパワーレベル分類をより客観的な手法で行い、それについてのご案内やお知らせを増やし、プレイヤーの皆さんそれぞれがプレイしたいゲームを楽しめるようにします。

まだ完成にはほど遠く、コミュニティの皆さんと築き上げていくための取り組みの一環として、皆さんからのフィードバックや意見、展望を広く受け付けています。以下にご紹介するアイデアは、現時点ではオープンベータ版だとお考えください。

私たちのアイデアは以下の通りです。パワーレベルに応じた4つのブラケットを用意し、統率者戦のデッキは採用カードやカードの組み合わせを精査し、それからコミュニティの協力のもとで作成したリストと比較した上で、ブラケットのどれかに属することになります。基準としては、ブラケット1に平均的な構築済みデッキ、ブラケット4にはハイパワーなデッキが属することになるとお考えください。低ブラケットへの所属はカードの組み合わせやデッキの機能を優先して判断され、高ブラケットへの所属はより具体的なカードリストをもとに決められます。

例を挙げると、ブラケット1では 《剣を鍬に》や 《墓所のタイタン》、 《耕作》といったどんなデッキにも採用しやすいカードが使われ、ブラケット4では 《吸血の教示者》や 《ハルマゲドン》、 《厳かなモノリス》といった、平均的なデッキでできる範囲よりもより動きが安定し、一方的で、速いゲーム展開を可能にするカードが使われるイメージです。

このシステムにおいては、あなたのデッキの中で最も高いブラケットに属するカードやカードの組み合わせに応じてデッキのブラケットが決まります。これにより、それぞれのブラケットに含まれるカードが明確になり、プレイしているブラケットでどのようなカードが使われるのか想定しやすくなるでしょう。例えば 《古えの墳墓》 がブラケット4のカードだとすれば、それを採用したあなたのデッキはブラケット4に属するデッキだと認識されます。しかしそれが「墳墓」をテーマにしたデッキの一部であるなら、「 《古えの墳墓》 を入れるとブラケット4だけど、それを除けばブラケット2なんだ。入れてもいい?」という風に伝えることができます。

このシステムによって完璧なマッチングが実現するかといえば、そうではありません。それでも共通認識がある上で対話を始められるのは、卓全体にとってとても良いことだと考えています。

このシステムについて、どうか皆さんのお考えをお聞かせください。また「このカードはこのブラケットに含まれるのが良い」という意見も大歓迎です。

それから、私たちは統率者戦ルール委員会やコミュニティの皆さんとともに現在の禁止カードリストを改めて評価するつもりです。ただしこれにより、カードを追加で禁止することはありません。禁止カードリストについての議論は始まりましたが、リストの即時変更は私たちの優先事項ではありません。

現時点で優先されるのは、ルール委員会の安全と暮らしが守られることです。この1週間に起きた害意ある出来事については、断じて受け入れられません。私たちはルール委員会と同じチームの一員として取り組むことで、このフォーマットとそれに付随するあらゆることに対する責任を担います。

どうか今後の展開にご注目いただければと思います。まずはマジック公式Discordでさらに議論を深め、10月1日10時(日本時間26時)よりTwitch.tv/Magicにて行われる「WeeklyMTG」配信でお会いしましょう。