『ブルームバロウ』メカニズム
やあ、友よ!大いなる災厄の獣に立ち向かおうという絶好のタイミングでよくぞ来てくれた!君ならうまくやってくれると確信している。君はとても……とても背が高いんだな。見るからに度胸がありそうだ。君みたいなやつはここではあまり見かけないけど、だったら踏み込んで足を濡らす前に、君の役目を先に教えておかないと……ところでそいつは足で合ってるかい?それじゃあ、サクっと始めようか!
新生
僕たちは渓間に危害が及ばないように戦っている。僕たちのためだけじゃない、家族のためだ。子供たちだって身体こそ小さいけど、一緒になって戦ってくれる。この子たちは飲み込みが早いんだ!新生とは、クリーチャー・カードに書かれている新しいキーワードのこと。これは任意の追加コストで、君がカードを唱える際に支払うかどうかを選ぶことができる。支払う場合は、そのクリーチャーが戦場に出たとき、1/1であることを除いて、それのコピーであるトークンを生成するんだ。
新生によって生み出されたトークンは、親クリーチャーと同じ名前、クリーチャー・タイプ、マナ・コスト、マナ総量、能力を持つことになる。唯一の違いはパワーとタフネスだけだ。新生を持つクリーチャーがその誘発型能力の解決前に戦場を離れてしまった場合(ここではない別の戦場に遊びにでも行ったのかも)でも、君はトークンを生成する。
新生を持つカードにはそれぞれ、トークンの特性をすべて記した紙のトークンが用意されている。何より大事なのは、お節介な親たちの手を離れたこの子たち専用のアートを手に入れられるってことだね。ほかの紙のトークンの例に漏れず、これを使用するかどうかは君次第だ。
贈呈
この次元全体には、寛大な精神というものが広く根付いているんだ。それはもう、敵に塩を送るほどにね。それで、見返りには何を得られると思う?おやおや、まさかこんないいものをもらえるとは!贈呈もまた、追加コストをあらわす新しいキーワードだ。このセットでは様々なものが贈呈される。まずは、「カード1枚を贈呈する。」
君が贈呈を持つパーマネント・呪文を唱える際、君が望むなら対戦相手1人に対して贈呈を約束することができる。これはあくまで任意で、対戦相手が2人以上いる場合——なんて恐ろしい!——は、最大でも1人しか選べない。この時点で相手はまだ贈呈を受け入れたわけではなくただ約束しているだけで、そのパーマネントが戦場に出たときに、選ばれた対戦相手はその贈呈を受け入れることになる。例えば《仔狸寝入り》の場合だと、相手はカード1枚を引くことになる。
贈呈を持つカードはどれも、贈呈の約束をした/しなかった場合の追加効果や代替効果を持っている。《仔狸寝入り》の場合だと、贈呈を約束することによって、戦場に出たときに誘発する誘発型能力の機能が変わってくる。君が対戦相手1人にカード1枚を引かせることに同意するなら、たったいま君が………引き取ったクリーチャーの上に麻痺カウンター3個を置くことを回避できる。
とはいったものの、すべての約束がカードを贈呈するわけではないし、贈呈を持つカードがすべてパーマネントというわけでもない。今度はインスタントと魚の場合で見てみよう。
インスタントやソーサリーである呪文で贈呈を約束することは、パーマネント・呪文の場合と同じように作用する。君は贈呈するかどうかを呪文を唱える際に選ぶことになる。これは追加コストなんだ。ただし、贈呈を受け入れる対戦相手側の動きは少し違っていて、インスタントやソーサリーである呪文の解決が始まると、まずはじめに対戦相手は贈呈を受け入れる。《お別れの突風》の場合だと、相手は青の1/1の魚・クリーチャー・トークン1体をタップ状態で生成する。タダめし、ペット、おまもりなど……やったぜ!そしてその後に、その呪文の他の効果が発生するんだ。
注意してほしいのが、もし呪文が対象を取る場合、それらの対象は贈呈が行われる前に選ばれることになる。従って、贈呈されたなにか(たまたまそれが新しく生成されるトークンなら)が、その呪文の対象になることはないということ。ただし、その呪文が対象を取らない効果を他に持っているかもしれないので、その場合はトークンはその影響を受けるかもしれない。
パーマネントであろうとなかろうと、贈呈を受け取るためにはその呪文は解決されなければならない。パーマネント・呪文については、呪文が解決されなかった場合、そのパーマネントが戦場に出ることはないので、それの誘発型能力も誘発しない。インスタントやソーサリーである呪文については、呪文が打ち消されたり対象が不適正になったりした場合、効果は贈呈を含めて一切発生しないんだ。
給餌
贈り物をしたり子供の世話をしたりで、僕のお腹はペコペコだ!そもそも、ここらへんでは何を口にしたらいいんだい?『ブルームバロウ』のカードの中には、新キーワード処理「給餌」を行わせるものがあり、君が支払うコストという形で様々な場面に顔を出してくる。《骨術師の達人》は、君の墓地にあるクリーチャー・呪文を唱えられる代わりに給餌の追加コストが必要となる。
給餌するには、君の墓地にあるカード3枚を追放するか食物1つを生け贄に捧げる。注意してほしいのが、給餌とライフを得ることを両立させるために、食物1つを生け贄に捧げて、それのライフを得る能力と、給餌の両方を行うことはできない。「君が給餌するたび」に誘発する能力が誘発する場合、その能力は具体的には給餌することを求めていることになる。他の理由によって君の墓地にあるカード3枚をただ追放したり食物を生け贄に捧げたとしても、君は給餌したことにはならないんだ。
雄姿
僕たちの暮らしをおびやかす災厄の獣はとても恐ろしい存在だ。そいつは他の何者でもないし、他のどこにもいやしない。本当だ!そんな相手に立ち向かうのだから、君も恐れ知らずにならなければならない。勇敢さとそれにふさわしい雄姿だって必要だ!雄姿とは、クリーチャー1体が各ターン内で初めて君がコントロールしている呪文や能力の対象となるたびに誘発する誘発型能力を強調した新能力のこと。
仲間内でいちばん小柄なヤツでも(その子供たちも!)、感化されれば強くなれるということさ。雄姿能力は、1ターンに1度だけだけど対戦相手のターン中でも誘発することを忘れずにね。
積算
絵のように美しい景色と愛らしい渓間の民たちの安全が保証されるなら、僕たちがゲームに費やす時間が増えるのだろうけど、そのためには少しは働かないとね。努力を積み上げていこう。それはそうと、積算は新しいルール用語で、1ターンの間にあなたが何点のマナを支払ったかを記録する。
たとえば、《屑鉄刃の暴れ者》の誘発型能力によって、1ターン内に呪文を唱えるために4点目のマナを支払っていることを求められているとしよう。万が一アライグマの狂戦士の言葉が話せないなら、彼の忠告を僕が翻訳するよ。
- そのような能力は各ターンに1回しか誘発できない。具体的には4点目のマナについて求めているのであって、4点目ごとではない。
- その能力を持ったパーマネントは、君がマナを支払うのを見届けるために戦場に存在する必要がある。特に、君が5点のマナを支払って《屑鉄刃の暴れ者》自身を唱えるなら、この能力は自身に対するマナの支払いを見ることはできない。これが戦場に出たあとにあなたがそのターンに呪文を唱えるために使うマナはおそらく6点目以降なので、これの能力が誘発するのは次のターンまで待つ必要がある。
- 君が唱えた呪文がどうなったかは関係がない。たとえ解決しようとされまいと、打ち消されようと、まだスタック上にあろうと、君は呪文を唱えたんだ。ここが重要だよ。
- マナ・コストを賄うマナだけでなく、呪文を唱えるために支払われたマナはすべて考慮される。新生コストのような追加コストや代替コストなどもすべて勘定されるんだ。
獣痕と季節
渓間ツアーはまもなく終わりだけど、すでになかなかの足跡を残しているよ。なんたって、君の足跡は特徴的だからね。最後は、柔軟な使い道ができる四季折々のカードとともに締めくくるとしよう。
このようなモードを持つ呪文を唱える際、君は獣痕5個分までモードを選ぶことができる。獣痕とはこれらのカードにのみ使用される新しいシンボルで、マナやエネルギーのような資源ではない。貯めたり、次の呪文へ持ち越すこともできないんだ。
ではなんなのかというと、最初の2つのモードのうちどちらかを2回以上選ぶことができる。最後のモードは、連発するには獣痕が多すぎる。君は1つ目のモードを5回選ぶこともできるし、1つ目のモード2回と2つ目のモード1回でも、その他の様々な組み合わせでもいい。必ずしも獣痕5個分のモードを選ぶ必要はない(モードを少なく選びたいならそうしてもよい)が、普通であれば、君の「季節」からできる限り多くを引き出すのが得策だ。