『マジック基本セット2015』プレリリース入門
戦いが始まる!ガラクはかつての人生における捻れた影、鎖のヴェールによって堕落してしまった。そして斧を手に、野に放たれた。彼の目に捕らえられたすべてのプレインズウォーカーは、その獲物となる。次の狙いは君だろうか?
ご心配なく、すべては万全だ。ガラクは以前の「プレリリース入門」の著者であるマイク・マカトール/Mike McArtorを既に倒してしまったようだが、君はどうやら機転が利くようだ。(少なくとも、今のところはね。)私のアドバイスに従えば、この呪いを打ち破ることができるだろう。
準備はいいかな?オーライ、それでは行こう!
プレリリースへようこそ!
プレリリースはいつも、マジックのイベントの中でも私のお気に入りのひとつだ。
プレリリースは私が参加した初めての大きなイベントで、11歳の時にさかのぼる。そして今でも、プレリリースはその頃と同じように私をワクワクさせてくれる。これは、誰よりも早く新しいカードをプレイし、友人すべてに先駆ける最初の機会だ。全く新しい機会であり、全員にとって公平であるので、プレイヤーが最適な戦略をみいだすべく何週間も調査してきた、ということもない。そして何より、敷居が低く、カジュアルなイベントで、ただたっぷりと楽しむものだ!
シールドデッキのベテランなら、次のセクションまで読み飛ばしても構わない。そこでは、最寄りの店舗で予定されている内容で、今までと『基本セット2015』で違うところについて記している。しかし、シールドデッキの熱狂的なお祭りが初めてであったり、ちょっとした追加のアドバイスを探したいと思っていたりするなら、続けて読んでくれ。
それではステップ1は、まず何よりも、この謎めいた「プレリリース」(専門用語だ)というお祭りの場所に、実際に到着しなければならないということだ。
特に行きつけの店舗がないなら、店舗・イベント検索を使って、最寄りの店舗を探すのをお忘れなく!店舗では事前登録も行なわれているかもしれない。プレリリースは私たちが提供するイベントでも最も人気のあるもののひとつなので、その店舗で参加するのに事前登録が必要かどうかを確かめておくこをお勧めしよう。イベントが満員だとわかるのが、会場を訪れてプレイできないことを知ってからというのでは全くもって遅すぎるので、先を見越しておくニ越したことはない。
〈時間づまり〉 | Art by Seb McKinnon
うん。いいね。参加できる店舗が見つかったようだね。素晴らしい!
優秀な狩人というものは、必要な用具をきちんと準備しておくものだ。このイベントでは、その場で手に入れたカードを使ってデッキを組むことになるのだが、ラウンドの合間に遊ぶためのデッキやカードバインダーを持って行っても構わないし、ライフを記録するためのペンと紙、軽食のための飲料水のボトルとスナックバーもあるとよいかもしれない。そうさ、人々を狩るのはハードワークだからね!プレリリースの1回のイベントは約4~5時間を要するから、準備しておいてほしい。
うん、こんなところかな。店舗を見つけ、信頼できるバッグにイベントの荒野で1日を過ごすために必要なすべてを詰め込んだ。ということが示すのは、ただひとつ……
ゲームの時間だ!
その通り。席につき、パックを受け取り、デッキを構築し始める時間だ。
プレリリースの進行はシンプルだ。色を選ぶと、その色に彩られた素敵な箱を渡される。その箱の中にはいくつかのものが入っているが、最も重要なのは、プレリリースでプレイするにあたり実際に必要となるブースターパックだ!(普通の『基本セット2015』ブースターパック5個に加え、特別なパックがもう1個入っているが、それについては少し後で触れる。)
パックを開封すると、カードの束ができるはずだ。さて、今から何をする?そう、デッキ作成だ!
シールドデッキは、普通のデッキ作成とは少し違うところがある。目の前にあるカードのみを使ってデッキを作成することになる。加えて、基本土地は好きなだけ使える。また、普通の構築デッキと異なり、デッキは40枚以上であればよい。
まずすべきことは、カードを色ごとに並べ、何枚ずつあるかを確認することだ。ここで、ちょっと驚くかもしれないけど、先ほど言及した特別なブースターパックの登場だ!
色を選んで箱をもらうと、その色に応じた内容の特別な「イベント用ブースターパック」が、ビニールに包まれて箱の中に入っている。「イベント用ブースターパック」の体験が、どの色をプレイするかを見定める助けになる。そのパックにはすべての色のカードが入っているが、選んだ色の強力なカードに寄っている。つまり、どこから始めていいかわからない場合、その色が最も強力であるだろうという手堅い選択肢になる。
色を決めて、それが良い選択肢だとわかったとしよう。では、クリーチャーをマナ・コスト順に並べていこう。
クリーチャーのマナ・カーブ
1 [autocard]魂癒し人[/autocard]
1 [autocard]天使の壁[/autocard]
1 [autocard]キャパシェンの騎士[/autocard]
1 [autocard]威圧する君主[/autocard]
1 [autocard]歩哨スリヴァー[/autocard]
1 [autocard]放逐する僧侶[/autocard]
1 [autocard]アジャニに選ばれし者[/autocard]
1 [autocard]突進するグリフィン[/autocard]
1 [autocard]柱平原の雄牛[/autocard]
1 [autocard]暁駆けの聖騎士[/autocard]
1 [autocard]石角の詠唱者[/autocard]
次にするべきことは、この色を補完する色を探すことだ。このデッキの「マナ・カーブ」のどこかに穴が空いていないだろうか?
さて、上記のデッキリストの場合だと、3マナと5マナのところにとても大きな隙間が空いていることに気づくだろう。したがって、ここで必要なことは他の色を見渡して、この「マナカーブ」の真ん中に空いた隙間をぴったり埋めるラインナップを持つ色を見つけることだ。(1マナのクリーチャーについては心配しなくていい。数的にはもともと多くないのでね。)この条件に合う色を見つけたら、それはデッキによくフィットする色だという指針になる。
その続きとして、カードの別の置き場所を作り、やりたいことを助けてくれそうな呪文を探していく。
呪文を含めたマナカーブ
1 [autocard]魂癒し人[/autocard]
1 [autocard]天使の壁[/autocard]
1 [autocard]キャパシェンの騎士[/autocard]
1 [autocard]威圧する君主[/autocard]
1 [autocard]歩哨スリヴァー[/autocard]
1 [autocard]放逐する僧侶[/autocard]
1 [autocard]アジャニに選ばれし者[/autocard]
1 [autocard]突進するグリフィン[/autocard]
1 [autocard]柱平原の雄牛[/autocard]
1 [autocard]暁駆けの聖騎士[/autocard]
1 [autocard]石角の詠唱者[/autocard]
1 [autocard]取り消し[/autocard]
1 [autocard]予言[/autocard]
1 [autocard]心の傷跡[/autocard]
例えば、対戦相手のクリーチャーを破壊することは、シールドデッキでは非常に重要なことだ。赤には典型的にダメージを与える、つまり「焼く」呪文があるし、黒には直接的な除去呪文がある。したがって、この2色は白、青、緑のデッキに足りないものを埋めてくれるものになるだろう。
こういったヒントに、もっとご興味がおありかな?以下は、デッキ作成の際に気に留めておきたいいくつかの事項だ。
- 40枚を超えたデッキを使うこともできるが、可能な限り40枚ちょうどに強くこだわるべきだ。41枚目以降のすべてのカードは、デッキに入れた素晴らしいレアを引く確率を下げてしまうだろう!
- 検討すべき土地の比率は、概ね土地17枚と、土地以外23枚にすべきだ。100%当てはまるものではないが、ほとんどのリミテッドのデッキはこの比率に収まり、大抵の場合、私もそうしている。
- 2色にこだわろう。大量「マナ調整」カード(《
マナリス 》のように他の色のマナを供給してくれるカード)があれば、数枚の高コスト、または状況を選ぶカードを3色目から選ぶことを考慮してもよい。しかし一般的に、私は2色にこだわりたい。毎回色の合う土地を引けないようでは、呪文を唱えることもできないだろう! - 低コストのカードと高コストのカードを組み合わせよう。全部を軽く、小さいクリーチャーにした場合、たった1枚の大きなクリーチャーで止められてしまう。また全部を重く、大きなクリーチャーにした場合、それらを唱える前に序盤で勝負を決められてしまう恐れがある。2マナ、3マナ、4マナ、5マナのクリーチャーが含まれている構成にこだわろう。シールドデッキの勝ちゲームの多くは、第2~3ターンから毎ターン続けてクリーチャーを唱えることによって得られる。
- 回避能力が重要だ!しばしば、シールドデッキのゲームは膠着状態に陥り、両方のプレイヤーが大量のクリーチャーを持ち、しかしどちらも効果的に攻撃できない、ということが起きる。飛行のような能力を持つクリーチャーは、こうしたクリーチャーによる膠着状態を打破できるようにしてくれる。
Dragón de asedio | Art by Karl Kopinski
シールドデッキについてさらに深く探求したいなら、読むと学べる記事として以下を挙げる(各記事のリンク先は英語)。
- "How I Break Down My Sealed Pool"
- "Prerelease Prerogatives"
- "Sealed Deck Reality Check"
- "Foundations"
- Nate Price's Price of Progress series
- "Prerelease Primer"(第1回の記事)
双頭巨人戦
いくつかの店舗では、シールドデッキの中でも「双頭巨人戦」と呼ばれる形式を開催している(しばしば略して「2HG」とも)。これは2人のプレイヤーがチームを組んで、他のペアと対戦するものだ。各組が2個のプレリリース・パック(同じものでなくても構わない!)を受け取り、その中のカードで、プレイヤーたちはデッキを構築する。店舗で双頭巨人戦を扱っている場合、イベント主催者がより詳しく説明してくれるだろう。
オープンデュエル
一日中イベントでプレイするのはちょっと恐い、または単にもっと『基本セット2015』のカードの体験を楽しみたいなら、オープンデュエルに参加するという方法がある。
この併催イベントでは、すぐに対戦できるカード60枚入りのエントリーセットを受け取り、それを使って他のオープンデュエルの参加者や、次のラウンドを待っているメイン・イベントの参加者と対戦できる。これは、プレリリースが自分に合うイベントかどうかわからないなら、ちょっと試してみるのにいい方法だ。またはプレリリース・イベントに5時間を使えるかわからない場合にも、オープンデュエルは好きなときに楽しむことができる。これも楽しいよ!
箱の中のそれはとても眩しくて……
オーケー、どうやら戦略うんぬんの事柄から離れて、少し休憩の時間のようだ。そこで、プレリリースの箱に入っているスーパークールなものをご覧に入れよう。すなわち、輝くプレミアム版カードだ。
選んだ色に応じて、異なるプレミアム版レアが手に入り、それをデッキに入れてプレイすることができる。ドラゴンを手に入れて確実に相手を攻撃したい?その機会をご用意しよう!
それぞれの箱の中に入っているものを見ていこう。
「武勇による戦い」(白)を選ぶと、この素晴らしい天使が手に入る。
「策略による戦い」(青)を選ぶと、ちょっとした策略を得られる。
「野心による戦い」(黒)を選ぶと、相手を束縛するデーモンを創ることができる。
「獰猛による戦い」(赤)を選ぶと、先述したドラゴンを手にすることができる。
そして最後に、「威力による戦い」(緑)を選ぶと、この殺されえぬデカブツを迎えることになる。
もちろん、素晴らしい仕上げのスピンダウン・ライフカウンターも手に入る。
おっと、どれを選んでも、もらえるのはこのうち1個だよ。どうやら、頭に何かかぶっておいたほうがよいかもしれない。なぜなら、ガラクがこっちに向かってきているからだ!
狩り
世界に何が起きた!?箱の中の、この巨大なガラクのカードは何だ?
これは、『基本セット2015』の体験のデザインにおいて鍵となる要素だ。そしてその体験は、私たちがこれまで手がけた中でも最もクールなもののひとつだ。デザインしたのは、イーサン・フライシャー/Ethan Fleischerとガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyだ。(そう、私だ!母さん読んでる?)そしてデベロップ担当がアダム・プロサック/Adam Prosakだ。これは覚えやすく、時間が短く、そして何度でもプレイできる体験で、ガラクを相手に戦ったり……もし狩人の側に加わりたいなら、ガラクとなって戦ったりすることもできる!
ルールは簡単。一方のプレイヤーは、プレリリースでのマジックのデッキを通常どおり使う。そのプレイヤーが常に先攻となる。実に単純だ。だが、もう一方のプレイヤーが、ガラクとなってプレイする!ガラクは忠誠度20から始めて、その忠誠能力を各ターンに1回のみ起動できる。
他のプレインズウォーカーと同じく、ガラクを攻撃することができ、忠誠度が0になるとガラクは敗北する。しかし、ガラクの狼の大群がプレイヤーのライフを0にすると、ガラクの勝利だ!(残念ながら、ガラクの大判プレインズウォーカー・カードをオーナーの手札に戻したり、その他の方法で除去したりすることはできない。いい考えだけどね。)
ガラクとの戦いはそう長くはかからない。そしてプレリリースのラウンドの合間には最適なアクティビティだ。
ガラクに関して言えば、店舗に行くと高さにして約240cmの、巨大なガラクのポップスタンドがあることに気づくかもしれない。こんな見た目だ。
ゲームの後、ガラクの隣で――または、ゲームの結果によっては勝者のポジションで――写真を撮って、www.HuntBiggerGame.comにアップロードしてみよう。(または、FacebookやTwitterに、#magic2015と #huntbiggergameのハッシュタグを添えて気軽に投稿してくれてもいい。)
利用条件の全文はこちらでご覧いただける。まとめると、ガラクを相手にプレイする、楽しむ、ガラクと写真を撮る、賞品として斧がもらえる権利を手にする。素敵じゃないか?私はそう思うよ!
召集形状
『基本セット2015』では、久しく目にしていなかったメカニズムを再録している。召集だ!2005年の『ラヴニカ:ギルドの都』で初登場して、2007年の『未来予知』で軽く再登場して以来となる今回、全く新しいカードを満載して帰ってきた。しかも今回はすべての色に存在する!
召集が何をするのかよくわからないなら、これから召集に関するルールを見ていこう。
『基本セット2015』では召集メカニズムが再録される。これの初出は、『ラヴニカ:ギルドの都』のセレズニア・ギルドだ。召集は、呪文を唱える際にちょっとマナが足りないときに、クリーチャーがそれを助けられるようにする。召集を持つ呪文を唱える途中で、単にマナを支払うのではなく、あなたのコントロールするクリーチャーをタップすることができる。タップしたクリーチャー1体につき、
クリーチャーをタップするのは、マナ・コストを支払うのと同時になる。つまり、あなたのクリーチャーのうち1体が、タップしてマナを得る能力を持つクリーチャー、例えば《
狩人のゲーム
今週末、世界中の店舗で『基本セット2015』プレリリースが開催される!ぜひ行って、やってみてほしい。プレリリースはマジックをプレイしていく中でも最も楽しいイベントのひとつだ。
プレリリースで楽しめることについて、その大部分を書き記してきたが、まだ秘密にしているサプライズもいくつかある。おっと、このセットに何が入っているかより詳しく見ていきたいなら、カードギャラリーをお見逃しなく。そこでは、輝かしい『基本セット2015』のすべてのカードを見ることができる!
質問があれば、気軽にフォーラムへの投稿や私へのツイートを送ってほしい。できる限りのお手伝いをさせていただきたい。シールドデッキのヘルプを探している、または大判ガラクを使ったアクティビティはどうやるのか知りたいなど、お探しの質問への答えをご用意できるだろう。
今週末は楽しんでほしい。そして幸運がともにありますように!
Gavin
@GavinVerhey