『タルキール:龍嵐録』のメカニズム
さあ、戦火渦巻くタルキール次元を再訪するときです。『タルキール:龍嵐録』では、この世界に「龍の嵐」と呼ばれるエレメンタルの大嵐が吹き荒れています。恐るべき野生の龍を生み出す龍の嵐は、領界路を通じて他の次元へと広がり始めており、多元宇宙中が脅かされているのです。いまや龍王は倒れ、5つの氏族が新たな形で再興しました。長年にわたる争いを収めれば、龍の嵐に対抗する心強い味方になるかもしれません。氏族はそれぞれ、龍の嵐に対抗し得る独自のメカニズムを持っています。また、次元を越えて登場するメカニズムもあります。早速見ていきましょう!
闘魂(アブザン)
屈強なアブザンは、一族の絆とコミュニティの強固さを頼りにしています。白黒緑の3色を軸とするアブザンは、他の氏族やタルキールそのものから課されるあらゆる試練に備えています。それらを乗り越える力は、彼らの「闘魂」に他ならないのです。
「闘魂」は、クリーチャーが行う新たなキーワード処理であり、あとに数字が続きます。クリーチャーが「闘魂N」を行うように指示された場合、あなたはそれの上に+1/+1カウンターN個を置くか、白のN/Nのスピリット・クリーチャー・トークン1体を生成するかを選びます。闘魂能力を解決する際に、そのクリーチャーが戦場に存在しない場合は、あなたは単にスピリット・トークンを生成するだけになります。
疾風(ジェスカイ)
統制のとれたジェスカイはみな一丸となって動き、その連携力たるや、他の氏族も驚くばかりです。青赤白の3色を軸とするジェスカイは、思考の統一を求め厳しい武術訓練を行います。「疾風」のごとき呪文の連打でさらなる恩恵を受け、対戦相手を圧倒しましょう!
「疾風」は能力語であり、さまざまな効果があります。いずれの疾風能力も、あなたが各ターン内のあなたの2つ目の呪文を唱えるたびに誘発します。1つ目の呪文がどうなっていても、疾風の誘発には影響しません。解決されても打ち消されても、まだスタック上にあっても、2つ目の呪文を唱えれば誘発します!疾風能力は、それを誘発させた呪文よりも先に解決されます。
なお疾風能力が誘発するのは各ターンに1回のみです。また、疾風能力を持つクリーチャーについては、2つ目の呪文を唱えた時点であなたのコントロール下になければその疾風能力が誘発しません。1つ目の呪文を唱えた時点では、あなたのコントロール下になくても大丈夫です。《ひたむきな決闘者》がそのターンに唱えた2つ目の呪文なら、それの疾風能力は誘発しません。それが1つ目の呪文なら、解決された後に2つ目の呪文を唱えれば誘発します。
相続(スゥルタイ)
機略に優れたスゥルタイは、何物も無駄にしません。黒緑青の3色を軸とするスゥルタイは、その権勢を維持するため屍術や諜報、タルキールに関する知識を駆使します。墓地からのみ起動できる「相続」能力で、あなたのクリーチャーの死を有意義なものにしましょう。
「相続」は能力語であり、効果はさまざまですが共通点もいくつかあります。相続能力はすべて、起動コストにそのカードを追放することが含まれ、ソーサリーとしてのみ起動できます。また相続能力はすべて、クリーチャーにカウンターを置く効果が含まれます。多くは+1/+1カウンターですが、他のカウンターを置くものもあります。その上で追加の効果を持つものもあります。効果は実に多彩で、スゥルタイが心から喜びそうですね。
応召(マルドゥ)
適応力が高いマルドゥは常に移動を続けており、その敏捷性をもって優位に立ちます。赤白黒の3色を軸とするマルドゥは、素早い「応召」により対戦相手を圧倒するのです。「応召」は、その能力を持つクリーチャーが攻撃するたびに誘発する誘発型能力です。
「応召」の横に書かれた数字は、この能力が解決されたときにタップ状態かつ攻撃している状態で生成される赤の1/1の戦士・クリーチャー・トークンの数を示しています。応召が誘発すれば、その攻撃クリーチャーに何が起きても影響はありません。能力の解決時にそのクリーチャーが戦場からいなくなっていてもトークンは生成され、次の終了ステップの開始時にそのクリーチャーがいなくなっていてもトークンを生け贄に捧げます。
他のタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出るクリーチャーと同様に、応召で生成されたトークンは攻撃を宣言していないため、「クリーチャー1体が攻撃するたび」の誘発型能力は誘発しません。
調和(ティムール)
遊牧民の氏族であるティムールは、環境と共存することを大切にします。緑青赤の3色を軸とするティムールは、ともに戦うクリーチャーと固い絆を結びます。彼らの「調和」能力は、その絆を活かし魔法を倍増させるのです。
「調和」は、マナ・コストではなく調和コストを支払うことで、あなたの墓地からカードを唱えられるようにする能力です。加えて、この方法でそのカードを唱える場合、追加コストとしてあなたがコントロールしていてアンタップ状態であるクリーチャー1体をタップすることができます。そうしたなら、あなたが支払うマナの量がそのタップしたクリーチャーのパワーに等しい点数分軽減されます。例えば《流れ者の日課》をあなたの墓地から唱え、あなたがコントロールしていてパワーが3のクリーチャーをタップした場合、あなたが支払うマナは
なお調和コストの軽減は不特定マナの分だけです。たとえパワー15のクリーチャーをタップしても、《流れ者の日課》をあなたの墓地から唱える場合は
前兆
龍の嵐がどの方角にも見える今は、不吉な「前兆」に満ちています。「前兆」呪文は、対戦相手に破滅の未来を垣間見せます。
このセットに収録されるドラゴン・カードの一部は、独自の「前兆」を持ちます。前兆は出来事・呪文のようにカードの左下に示されるインスタントやソーサリーです。前兆はカード名、タイプ行(新たなサブタイプ「前兆」がついています)、マナ・コスト、ルール・テキストを持ちます。そのドラゴン・カードの能力は、文章欄の右側に書かれています。ドラゴンとしての名前、マナ・コスト、タイプ行、パワーおよびタフネス欄は、いつもと同じ場所にあります。
前兆を持つカードを唱えるに際し、あなたはそのカードをクリーチャー・呪文として唱えるか前兆として唱えるかを選びます。例えば《ダルガー島の龍》を唱える場合は、他のクリーチャー・呪文と同じ挙動になります。それはスタックに置かれ、対応することもできます。無事に解決されて戦場に出て、対戦相手のちっぽけなクリーチャーに恐怖を与えられることを祈りましょう。いつも通りですね。こちらのルートを選んだ場合は、カードに書かれた「前兆」の部分はすべて無視で大丈夫です。でも、それでよいですか?
前兆・呪文(ここでは《掠め飛びの攻撃》)として唱える場合は、前兆側の特性のみを使用します。あなたは
前兆カードがあなたの墓地や手札、ライブラリーにある場合は、クリーチャー・カードの側の特性のみ持ちます。前兆のテキストはすべて無視してください。ある効果によってあなたのライブラリーからクリーチャー・カードを探す場合、《ダルガー島の龍》を見つけることができます。ですがインスタント・カードを探す場合は、《掠め飛びの攻撃》を見つけることはできません。これはクリーチャーとして戦場にいる場合も同じです。例えば《ダルガー島の龍》のマナ総量は6です。
後見
タルキールは見どころが盛りだくさんです。氏族はそれぞれ、独自の文化系統をもとにそれぞれのスタイルを発展させており、数世紀にわたる……あ、見て! 龍ですよ!
このセットには、あなたにドラゴンの「後見」を受けることを求めるカードがあります。多くの場合、それは呪文を唱えるための追加コストとして求められます。ドラゴンの後見を受けるには、あなたがコントロールしているドラゴン1体を選ぶ(つまりドラゴンを指差す)か、あなたの手札にあるドラゴン・カード1枚を公開します。一部の呪文は、ドラゴンの後見を受けると追加効果を発揮します。後見の方法はどちらを選んでも適用されます。また、選んだドラゴンや公開したドラゴン・カードに何が起きても、後見は適用されます。
単色混成マナ
氏族はそれぞれ3色の特徴を持っているため、少し柔軟に唱えやすくなるように、「ツーブリッド」とも呼ばれる単色混成マナのカードもご用意しました。初めて見るという方のために、それらの特性をおさらいしておきましょう。
ツーブリッド・マナは、そのマナ・シンボルに示された色マナか
諜報
諜報は「常盤木メカニズム」となり、どのセットでも収録できるようになりました。普段ならわざわざ記事で取り挙げることもないのですが、今回はクールなプレビュー・カードをもらいましたので、触れないわけにはいきませんね。
あなたが「諜報N」を行うよう求められた場合、あなたのライブラリーの一番上からN枚のカードを見ます。そのうちの望む枚数をあなたの墓地に、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置きます。諜報は、引きたくないカードを取り除き心から引きたいカードを揃えるのにうってつけな能力です。さらに墓地も肥やせるので、「相続」や「調和」のような能力を持つカードを活かせるでしょう。とりわけ目を引くメカニズムというわけではありませんが、間違いなく勝利をたぐり寄せるのに役立つ働き者です。
あなたがどの氏族に属するにせよ(あるいは龍の側を応援するにせよ)、『タルキール:龍嵐録』には、新旧問わずデッキの中心になれる大物揃いです。収録カードのプレビューは始まったばかりで、これから素敵な新規カードが続々と公開されるでしょう。『タルキール:龍嵐録』は現在、お近くのゲーム店やAmazon、その他マジック製品を取り扱う場所にて予約受付中です。