金属次元ミラディンはまさに戦争のさなかです。ファイレクシアが密かに進めていた影響は、この次元のマナの核の中で数年もの間育っていきました。ミラディンの傷跡では、ファイレクシア人が戦争への最後の準備を始める一方で、ミラディンの人々は自分の世界に起こっている異変に気づき始めました。そしてミラディン包囲戦では、ファイレクシア人は地底から次元の変わらぬ住民達、ミラン人に襲い掛かります。

どちらも新たな武器と戦略を操り、この次元全体の運命を決める戦いに臨んでいきます。感染を受けていない軍団がミラディンに清純をもたらすのでしょうか、それとも、「完璧」な怪物の群れがミラディンを新たなるファイレクシアへと作り直すのでしょうか?

喊声

ミラディン人は、生き残るためには結束が重要であることを把握しています。そして、新たな喊声メカニズムは、一団となって攻め込むクリーチャーに破壊的な力を与えます。

Accorder Paladin

喊声を持つクリーチャーが攻撃したとき、他の各攻撃クリーチャーは、それぞれ+1/+0の修整を受けます。一例を示しましょう。

  • あなたが《調和者隊の聖騎士》1体のみで攻撃した場合、ボーナスを得る他の攻撃クリーチャーはいません。
  • あなたが《調和者隊の聖騎士》2体で攻撃した場合、それぞれは互いにもう一方を強化します。両方の誘発型能力が解決されたとき、それぞれは+1/+0の修整を受けます。
  • 《調和者隊の聖騎士》2体とマイア・アーティファクト・クリーチャー・トークン1対で攻撃した場合、それぞれの《調和者隊の聖騎士》はもう一方の《調和者隊の聖騎士》とマイアを強化します。両方の誘発型能力が解決されたとき、《調和者隊の聖騎士》はそれぞれ+1/+0の修整を受け、マイア・トークンは合計で+2/+0の修整を受けます。攻撃の合計パワーは11です!

喊声は、あなたがコントロールするこの能力を持つクリーチャーと同時に攻撃している、あなたがコントロールしていないクリーチャーの助けにもなります。例えば、双頭巨人戦であなたのチームメイトがコントロールしているクリーチャー等ですね。

喊声能力が解決されるよりも前に、タップ状態で攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーは、このボーナスを得ます。例えば、あなたがミラディン軍側のミラディン包囲戦プレリリースのプロモカード《刃砦の英雄》を出しているとしましょう。

Hero of Bladehold

《刃砦の英雄》は誘発型能力を2つ持っています――喊声と、タップ状態で攻撃している兵士・クリーチャー・トークンを戦場に出す誘発型能力です。あなたは両方の能力をコントロールしているので、あなたはこれらをスタックに置く順番(さらに、あなたがコントロールしている同時に誘発した能力(他の喊声等)を置く順番)を選べます。このトークンを生み出す能力を最後にスタックに置くと、それは先に解決されますので、それは《刃砦の英雄》の喊声能力(と、トークン作成能力よりも前にスタックに置かれた他の喊声能力)によるボーナスを得ることになります。

金属術

再登場の能力語の金属術は、あなたが3つ以上のアーティファクトをコントロールしている場合に、あなたにボーナスを与えます。このボーナスは、飛行のようなキーワード、パワーやタフネスの増加、あるいは独自の効果の場合もあります。

Razorfield Rhino

《剃刀ヶ原のサイ》は、あなたが3つ以上のアーティファクトをコントロールしているかぎり+2/+2の修整を受けます。そうでなくなった瞬間に、それはボーナスを失います。なので、強化された《剃刀ヶ原のサイ》が4点のダメージを受け、そのターンの後の段階で(あるいは戦闘などで同時に)あなたの3つ目のアーティファクトが失われてしまったら、《剃刀ヶ原のサイ》は破壊されます。

金属術を持つカードの中には、《剃刀ヶ原のサイ》のよう自身がアーティファクトのものもあります。それらは自身を数えますので、他に2つのアーティファクトをコントロールしているかぎり(そして《剃刀ヶ原のサイ》が何らかの事情でアーティファクトでなくなっていないかぎり)、《剃刀ヶ原のサイ》はボーナスを得ます。それ以外の金属術を持つカード(《甲殻の鍛冶工》rミラディンの傷跡)等)はアーティファクトではないので、(ミラディンの傷跡《液鋼の塗膜》等のカードにより自身がアーティファクトになっていないかぎり)他に3つのアーティファクトが必要です。

生体武器

ミラディン人が自らの戦略を練り上げ、戦場に加える新たな武器を作り上げる一方で、ファイレクシア人も自らの奇妙な創造物を明らかにします。ミラディン包囲戦のブースターを開けたとき、こんなトークンが入っていたかもしれません。

Germ token

0/0のトークンです! これが何の役に立つのか、誰がこんな物を欲しがるのか、不思議に思うかもしれません。その答えは、ファイレクシアの新たな生体武器メカニズムにあります。

Flayer Husk

生体武器を持つ装備品が戦場に出たとき、それのコントローラーは黒の0/0の細菌・クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、それにその装備品をつけます。0/0のクリーチャーはそのままだとタフネスが0以下であることによりただちに墓地に置かれますが、それに例えば《皮剥ぎの鞘》がつけられている場合、細菌トークンは無事1/1となって戦場で戦う資格を得るのです。生体武器を持つ他の装備品が与えるパワーやタフネスはそれぞれ異なっていますが、すべて少なくともタフネスを1以上挙げてくれます。

細菌トークンが死んだ後、その装備品は通常通りそのまま残り、あなたがコントロールする他のクリーチャーに装備することができます。しかし、あなたが根っからのファイレクシア人なら、そこまで待つ必要もありませんね! 他の装備品同様、あなたがソーサリーを唱えられるときに、あなたは《皮剥ぎの鞘》の装備能力を起動して、あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象としてそれにつけることができます。これを、まだ細菌トークンが戦場の残っている間(そしてその細菌が)に《調和者隊の盾》《司令官の頌歌》といったタフネスのボーナスを受けていない場合)に行なうと、その細菌トークンはタフネスが0以下であることによりオーナーの墓地に置かれます。

あなたに必要なのがクリーチャーか装備品かにかかわらず、生体武器はあなたの役に立つでしょう。(あなたの腕が立つかどうかは話が別ですよ。)

感染

あらたな生体武器に加え、ファイレクシア人はここでも毒カウンターと-1/-1カウンターによる脅威を与え続けています。これはどちらも、このセットを代表する再録能力、感染メカニズムが与えるものです。

ミラディンの傷跡では、感染は黒と緑とアーティファクトにのみ存在しました。そして、ミラディン包囲戦でも、感染を持つクリーチャーのほとんどは変わりません。しかし、ミラディン人にとって味方であるはずの色、白に忍び込んだファイレクシア人も若干います。

Priests of Norn

ご存知の通り、感染を持つクリーチャーがクリーチャーやプレイヤーにダメージを与える場合、それぞれ-1/-1カウンターや毒カウンターので与えます。これは正確には何を意味するのでしょうか?

感染を持つクリーチャーがプレイヤーにダメージを与える場合、そのプレイヤーはそのダメージの結果によりライフを失うことはありません――そうではなく、そのプレイヤーはその点数に等しい数の毒カウンターを受け取ります。あるプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーはゲームに負けます。

感染を持つクリーチャーがクリーチャーにダメージを与える場合、それは-1/-1になり、そのクリーチャーにずっと残ります。これは、そのクリーチャーが再生したり、ターンが終了したりしても取り除かれません。タフネスが0以下になったクリーチャーは墓地に置かれます。それが破壊されないものであっても、再生の盾があっても関係ありません。

感染は、戦闘ダメージに限られず、すべてのダメージに適用されます――なので何らかの方法で《放蕩紅蓮術士》に感染を与えた場合、その能力はクリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーには毒カウンターの形でダメージを与えます。

感染を持つ発生源からのダメージは、通常のダメージとは挙動が異なりますが、ダメージには違いがありません。絆魂、接死、クリーチャーがダメージを与えることで誘発する能力は通常通りの機能をしますし、他のダメージのようにこのダメージを軽減したり移し変えたりすることもできます。

感染を持つ発生源からプレインズウォーカーに与えられるダメージは、通常と変わりません。

「毒を受けている」

ミラディン包囲戦では、新たなルール用語として「毒を受けている」という表現を見かけることになります。


あるプレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは毒を受けているものとみなします。そのプレイヤーが毒カウンターをいくつ持っているかは関係がありません。プレイヤーは毒を受けているかいないかのどちらかであり、《敗血のネズミ》は攻撃時に+1/+1の修整を受けるか受けないかのどちらかになります。

増殖

増殖は、ファイレクシア人がねじくれた感染を広めるために行なう、再録キーワード処理です。増殖を行う場合、何らかのカウンターがあるプレイヤーやパーマネントを好きな数だけ選びます。これにより選ばれたプレイヤーには、そのプレイヤーが持っているカウンター1種類が1つ与えられます(今のところ、プレイヤーが持つ可能性があるカウンターは毒カウンターだけです)。これにより選ばれた各パーマネントには、そのパーマネントに置かれているカウンター1種類が1つ追加で置かれます。これにより各パーマネントに置けるカウンターは、その上にいくつのカウンターが置かれていたとしても1個だけです。

なので、例えばあるクリーチャーに-1/-1カウンターがいくつか置かれている場合、増殖によってそこにさらにカウンターを1個追加することができます。アーティファクトにすでに蓄積カウンターがいくつか置かれている場合、そこにさらに蓄積カウンターを1個置くことができます。ただし、蓄積カウンターが1個も無いアーティファクトには蓄積カウンターは置けません。また、-1/-1カウンターが置かれている相手のクリーチャーにはカウンターを置きつつ、-1/-1カウンターが置かれている自分のクリーチャーには置かなかったり、相手に毒カウンターを追加しつつすでに毒を受けている自分には与えなかったりすることもできます。

Spread the Sickness

ミラディン包囲戦には増殖を行なう新たなカードが何枚かあります。その中には、《病気の拡散》のように対象を取るインスタントやソーサリーもあります。

《病気の拡散》の対象になったクリーチャーが、《病気の拡散》の解決時にすでに戦場にいなかった場合、代わりにその呪文は打ち消され、あなたは増殖を行なえません。その呪文が解決された場合、増殖とそのクリーチャーが実際に破壊することはそれぞれ独立した処理になります。そのクリーチャーが再生したり破壊されないものであったとしても、あなたは増殖を行なうことができます。