プレインズウォーカーの皆さん、グッド・ニュースです! 緊張が高まり続けるラヴニカ次元ですが、まだ完全な混沌には陥っていません。数か月前の『ラヴニカのギルド』では10のギルドのうち5つが登場しましたが、今回の『ラヴニカの献身』では残る5つ――オルゾフ、グルール、シミック、アゾリウス、ラクドスに注目していきます。お気に入りのギルドにスポットライトが当たらなくなってしまうという方も、ご心配なく。今回も5色すべてに素敵なカードがありますし、強力なアーティファクトや土地もありますから。

 各ギルドはそれぞれ固有のメカニズムを持っており、この記事ではそれらの基本的な使い方をご紹介します。それでは早速見ていきましょう!

ラクドス教団と「絢爛」

 民衆が自身を制御しようとしていないかは定かではありませんが、さすがにラクドス教団ほどではありません。彼らはショーマンシップと暴力と無秩序が混ざった、混沌としたスムージーのような集団です。さあさあ、坊やも一気に飲み干して。その絢爛さを味わってください。

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 ラクドスの新キーワード能力「絢爛」は、呪文に代替コストを与えます。そのターンに対戦相手がライフを失っていたなら、あなたは呪文を絢爛コストで唱えることができます。絢爛コストは、対戦相手のライフを減らした報酬として元のコストより軽くなるものもあれば、《リックス・マーディの歓楽者》や《垂木の悪魔》のように、コストが重くなる代わりに追加効果を発揮するものもあります。なお対戦相手がライフを失っていても、絢爛コストの支払いは任意です。

 対戦相手がライフを失う方法はいくつかあります。ダメージはライフを失わせますし、相手のライフを直接失わせる効果もあります。さらに、相手が何らかの理由でライフを支払った場合も、ライフを失うことに含まれます。そのターン中にライフ総量が減ったなら、ライフを失ったことになるのです。それから、相手が同じターン中にライフを得ることもありますが、それにより絢爛コストで呪文を唱えることができなくなるわけではないので、ご注意ください。例えば、残りライフ12点の相手が3点のダメージを受けたとします。その後そのターン中に5点のライフを得ても、あなたは絢爛コストで呪文を唱えることができます。

 ただし絢爛を持つ呪文も、唱えられるタイミングは変わりません。対戦相手がライフを失ったからといって、上記のようなカードを好き勝手に唱えていいわけではないのです。瞬速を持たないクリーチャーは、他に何かない限りメイン・フェイズでのみ唱えることができます。

 また絢爛コストで唱えても、その呪文のマナ・コストや点数で見たマナ・コストは変わりません。通常のコストで唱えても絢爛コストで唱えても、《リックス・マーディの歓楽者》の点数で見たマナ・コストは2です。そして、対戦相手が失ったライフの点数や、ライフを失った対戦相手の人数も関係ありません。絢爛コストは一定です。

 ラクドスが愛するものといえば、チケットの売り上げです。しっかりナイフを研いで、保険を更新しておきましょう。サーカスがやって来ますよ。

オルゾフ組と「死後」

 オルゾフ組は、金融から宗教までラヴニカ中に権益を広げており、その手は死後にすら及びます。人の身が失われればその魂は解放されますが……彼らはそれすらも使役するのです。新キーワード能力「死後」は、オルゾフのクリーチャーに超自然的な力を与えます。

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 死後は誘発型能力であり、数字が含まれます。例えば《徴税人》が持つのは「死後1」です。より大きな数字の死後を持つクリーチャーもいます。死後を持つクリーチャーが死亡したとき、飛行を持ち白であり黒である1/1のスピリット・クリーチャー・トークンを生成します。数字は、生成されるクリーチャー・トークンの数を示しています。

 死後はクリーチャーが死亡、つまり「戦場から墓地に置かれた」ときにのみ誘発します。戦場やその他の領域から追放された場合は、死後は誘発しません。それから、ブロック指定は一度で行われることもお忘れなく。死後を持つクリーチャーでブロックしてそれが死亡した場合でも、その戦闘中は生成されたトークンがブロックに参加することはできません。

 オルゾフが愛するものといえば、アドバンテージです。あなたの軍勢と契約を結び、その魂までも使役しましょう。

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シミック連合と「順応」

 生命は美しい――シミックにとって、それがすべての出発点です。あらゆるものに改善の余地があり、無価値なものも完璧なものになり得るのです。ラヴニカには最近、変化が起きています。どんな脅威が襲来するのかも予測できません。シミックが先手を打つには、順応し続ける必要があります。

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 「順応」は新たなキーワード処理であり、懐かしい顔の《楽園党の議長、ゼガーナ》にも見受けられます。順応には数字が含まれます。順応を行うに際し、まずはそのクリーチャーの上に+1/+1カウンターが置かれているかどうかを確認します。+1/+1カウンターが置かれている場合、順応は効果を発揮しません。+1/+1カウンターが置かれていないなら、それの上に+1/+1カウンターを順応のあとに書かれた数字の分だけ置きます。特筆すべきは、クリーチャーが+1/+1カウンターを失っている場合(今回のセットに+1/+1カウンターを失うことでアドバンテージを得られる手段があるかもしれませんよ)、再び順応してさらに+1/+1カウンターを得られるという点でしょう。

 +1/+1カウンターを得ることでクリーチャーのサイズが上がるというのは言うまでもありませんが、シミックは他にも+1/+1カウンターの恩恵を受けられます。ゼガーナは+1/+1カウンターを持つ軍勢を率い、立ちふさがるものすべてを踏み潰して進むのを好むのです。

 シミックが愛するものといえば、アドバンテージを得てそれをさらに活かすことです。翼を付け加えたり、どこかに肘を付け加えたり――こんな風にね。

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グルール一族と「暴動」

 グルール一族は、組織とは無縁の乱暴な征服者たちの集まりです。ちょっと近所にはいてほしくない類の集団ですね。彼らは、冷え切ったラヴニカの政治情勢に彼らの知る最大の手段――暴動によって対抗しています。新キーワード能力「暴動」は、あなたのクリーチャーにサイズ上昇か速度上昇のどちらかをもたらしてくれます。

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 暴動を持つクリーチャーは、+1/+1カウンター1個か速攻のうちそのコントローラーが選んだ1つを持った状態で戦場に出ます。選ぶのは戦場に出るに際して行われるため、それに対応することはできません。つまり《グルールの呪文砕き》は4/4で戦場に出すか、すぐに攻撃できる3/3で戦場に出すか選べるのです。

 クリーチャーは戦場に出た瞬間に選ばれたボーナスを持ちます。速攻を与えた場合、それはターン終了後も速攻を持ち続けます。これは、その後他のプレイヤーがそのクリーチャーのコントロールを得た場合に関係してくるでしょう。そんなことが起きる前に敵を殴り倒しましょう!

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 また珍しいケースですが、暴動を2つ持つクリーチャーが戦場に出る可能性もあります。その場合は、それぞれの暴動について与えるものを選びます。例えばクリーチャーが暴動を2つ持つ場合、+1/+1カウンターを2個得るか、+1/+1カウンターを1個と速攻を1つ得るか、速攻を2つ得るか、いずれかを選べます。速攻を2つ持っても1つ持つのと効果は変わりませんが、対戦相手を怖がらせることはできるかもしれませんね。ガオー!

 グルールにくだらない締めの言葉はありません。ただ壊すのみです。

アゾリウス評議会と「附則」

 アゾリウス評議会は法と秩序を重視します。民衆が自身を制御しようとしていないことは明らかなため、アゾリウスが民衆を管理しようとしています。そのための方法のひとつが立法であり、法は民衆の行動ひとつひとつについて時間や場所を制限します。しかしどれだけ厳密に作られた法にも、附則はあるものです。

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 「附則」は新たな能力語です。能力語はそれ自体にルール上の意味はなく、附則も他の効果と区別できるよう付けられたラベルのようなものです。(ほとんどは)インスタントに書かれており、その呪文をあなたのメイン・フェイズ中に唱えると追加効果や代わりの効果を得られます。柔軟性を諦めれば、さらなる力を引き出せるというわけです。

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 《有事の力》をご覧ください。通常時の効果も派手ですね。相手のターン終了時を待ってから唱えて、手札を補充してアンタップを迎えるのが良さそうだと皆さんお気づきでしょう。ですが勇気を持ってメイン・フェイズに7マナを注ぎ込めば、附則効果で点数で見たマナ・コストが7以下のパーマネントを無料で繰り出せます。

 附則を持つカードはよく読んで、それぞれの効果をしっかりと把握しておいてください。「代わりに」と書かれていたら、それは置換効果を示しています。通常時の効果は得られませんが、より強力な効果を発揮します。

 アゾリウスが愛するものといえば、たぶん法による統治でしょう。遵守してください。

分割カード

 『ラヴニカのギルド』と同様に、『ラヴニカの献身』にも分割カードのサイクルがふたつあります。画面はそのままで大丈夫ですよ。分割カードはこのような見た目です。

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 各ギルドをテーマにした今回の分割カードは、半分が混成マナのもの、もう半分が多色のものになっています。話の途中ですが、ここで混成マナについてもおさらいしておきましょう。

混成マナ

 混成マナ・シンボルは、それに含まれる2色のうちの1色のマナで支払えます。例えば(先ほどお見せした《孵化》が持つ){G/U}というコストは、{G}か{U}で支払えます。マナ・コストに混成マナ・シンボルを持つ呪文は、そのシンボルに含まれる両方の色を持ちます。実際にどのマナを支払ったかに関わらず、《孵化》は緑と青の呪文なのです。混成マナは、デッキに採用するカードを考える際に広い選択肢をもたらしてくれるでしょう。さて、それでは分割カードに戻りましょう。

分割カード

 分割カードが初めてだという方のために、簡単にご説明しましょう。分割カードは、2枚のカードを1枚に収めたようなものです。分割カードを唱える際は、どちらか片方を選んで唱えます。呪文がスタック上にある間は、唱えられている側だけが意味を持ちます。もう半分は存在しないものとして扱われます。分割カードは、常に単一のカード1枚として数えます。例えば手札を2枚捨てる際に、《孵化+不和》で2枚分にはなりません。分割カードがスタック以外の領域にあるときは、両方の特性を併せ持ちます。つまり、スタック以外の領域にある《孵化+不和》の点数で見たマナ・コストは4です。(前回分割カードが登場した際に、このように変更されました。)

素晴らしき献身と魔法使いの旅

 3度目の再訪となるラヴニカの10のギルドとそれぞれのメカニズムが、ついに出揃いました。間もなく皆さんのお手元にもやって来ます。『ラヴニカの献身』のプレビュー期間はまだまだ始まったばかりなので、今後の情報もお見逃しなく。私たちも、世界中の皆さんへ献身的に情報をお届けします。お楽しみに!