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更新日 Event Coverage on 2005年 5月 7日

By Wizards of the Coast

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フィリーでこれから展開されるブロック構築戦を考える上でのキーワードというのはいくつもあるわけだが、間違いなく日本の皆さんへと真っ先にお伝えすべきはZvi Mowshowitz(アメリカ)という人物のことになる。彼はプロツアー東京の決勝戦で藤田剛史を退けてインベイジョンブロック構築を制覇した稀代のデッキビルダーであり、日本でもDuelist Japan誌などに翻訳稿がたびたび掲載された有名なコラムニストである。

フィラデルフィアで我々が注目すべきテーマは…今後の情報戦のあり方だ。

どうしてそのZvi Mowshowitzがキーワードなのかというと、彼が有料制のフォーラム上で神河ブロック構築のデッキ構築とフォーマット分析の詳細を連載したからだ。

これまでの構築戦では、フォーマットを読み解いて仮想敵となるデッキのアーキタイプを洗い出し、その上で独自の切り口でフォーマットを攻略するというのがまさに王道で、勝者たちのアプローチそのものだった。そして、今回のZviのアクションによって、まさしく世界中の選手という選手のデッキの最低水準が…これまでと比べるとかなり高いラインへと押し上げられてしまったのだ。日本のオールドファンの方なら、インベイジョンがスタンダード・フォーマットで使われた頃の「Fires」デッキについて深く掘り下げられた玉稿である「My Fires」という連載をご存知かもしれない。その「My Fires」を彷彿とさせるような熱意と筆致でZviはこのブロックについて語りつくしてきたのである。

これまでのプロツアーでは完成度の低いデッキというのが少なからず存在していて、そういったものたちがラウンドを経るごとに次第に淘汰されていき、徐々にフォーマットの全容と勝利者たちが明らかになるというストーリーラインがあった。しかし、今大会のスタートラインは「ある程度解析が終わってしまったフォーマットでどのようなデッキをプレイするか」ということになるのだ。そのためか、国内外の強豪たちの中にはいわゆる「メタ外」的なアプローチのデッキを選択することになった者たちも少なくないようだった。

おそらく、このプロツアー・フィラデルフィアでの結果が今後の情報戦のあり方を考える上での試金石となることは間違いないだろう。ちなみに、Zvi自身はこのプロツアーに参戦しない(権利を持っていない!)ということも付け加えねばなるまい。


Friday, May 6: 1:03 pm - Round 1: Frank Karsten vs. 中村修平

by Keita Mori

今回のプロツアーに挑戦した中では世界最大規模のチームであるオランダ=TOGIT連合軍のFrank Karsten(オランダ)が、プロツアー・コロンバスで準優勝を飾った中村修平(大阪)と第1回戦フューチャーマッチで対決することになった。オランダのKarstenはシンプルな白ウィニーデッキで、中村は藤田剛史謹製の青緑タッチ赤デッキだ。

Game 1

Frank Karsten

緒戦ではKarstenが開幕ターンを《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》からスタートし、2ターン目に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、3ターン目にも《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》と《灯籠の神/Lantern Kami》を追加するという素晴らしい序盤攻勢となった。4ターン目には《灯籠の神》が《十手》を装着し、戦闘後には2体目の《灯籠の神》を追加。5ターン目には《脂火玉/Tallowisp》も登場した。

対する中村も1ターン目に《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》、2ターン目に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》という悪くないスタートではあったものの、ゲームそのものにインパクトをあたえられた最初のアクションが5ターン目の《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》の召喚で、何とかここで《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を対消滅させたものの…ライフレースですでに圧倒的な大差をつけられてしまっている。少し遅い。

そしてKarstenは小さなえくぼを作ってから《祝福の息吹/Blessed Breath》をプレイし、《脂火玉/Tallowisp》の能力を起動した。ライブラリーからサーチされてきた《手の檻/Cage of Hands》が、文字通りにFrank Karstenの勝利の一枚となった。

Karsten 1-0 中村

Game 2

二戦目の中村は3ターン目にデッキのダイナモとなる《名誉に磨り減った笏/Honor-Worn Shaku》を引き当てることに成功し、4ターン目に《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を展開してKarstenの攻撃陣に睨みをきかせることとなった。しかし、Karstenもさるもので、大量のマナを消費することで成り立っている中村のデッキを前に「歩く《冬の宝珠/Winter Orb》」ともいうべき《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker》を呼び出して攻勢を維持しようとした。この段階でのKarstenの軍容は《灯籠の神/Lantern Kami》、《薄青幕の侍/Samurai of the Pale Curtain》、《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》、そして《放粉痢》だ。

しかしながら、中村は巧みに《名誉に磨り減った笏/Honor-Worn Shaku》を使用しながら《曇り鏡のメロク》でトークンクリーチャーたちを作り出し、Karstenのアタッカーたちを丁寧につぶして行く。それにしても、ここで中村が召喚した《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》は…まさにカードアドバンテージという概念そのものを体現しているかのようだ。中村はこの局面でKarstenの《放粉痢》を1体のトークンと《桜族の長老》で、《八ツ尾半》を2体のトークンで相打ちにとり、土地がすべてアンタップするようになった中村は《氷河の光線/Glacial Ray》に《氷河の光線/Glacial Ray》を連携して後続を一掃した。

それでもKarstenは《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を展開してからの再突撃を画策するのだが、中村は冷静に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を伝説ルールによって対消滅させ、《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》を召喚した。ここで《伍堂》によってサーチされてきた《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》は山賊自身の得物となり、頭目は破壊の限りを尽くしたのだった。

中村 1-1 Karsten

Game 3

中村修平は《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》を巧みに操って最初の賞金を手にした。

二本目を取り返した中村に追い風が吹いたか、あるいはKarstenがツキを手放してしまったか。

Frank Karstenは先手ダブルマリガンを強いられ、5枚のハンドには2枚の《黄昏の守護者、秘加理/Hikari, Twilight Guardian》が控えているという重苦しいハンドを力なくキープすることになってしまう。

対して、中村修平は2ターン目に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、3ターン目に《名誉に磨り減った笏/Honor-Worn Shaku》という素晴らしい流れから、4ターン目に《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》で《今田の旗印/Konda's Banner》をサーチしてくるという最高の動きを見せた。念のため補足しておくと、4ターン目に6マナを調達できたのは「伝説のパーマネント」である《梅澤の十手》が《名誉に磨り減った笏/Honor-Worn Shaku》のおかげで擬似的なマナソースとして機能したためである。小さな、しかしながらバカにならないシナジーが満載されているのが藤田剛史のデッキなのだ。

そんなわけで、2枚の装備品を手にした《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》に続いて駄目押しの《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》を召喚した中村修平が100ドルの賞金を勝ち取ったプロツアー第1ラウンドであった。

中村修平 2-1 Frank Karsten


Friday, May 6: 2:33 pm - Round 2: Julien Nuijten vs. 石田格

by Keita Mori
《けちな贈り物/Gifts Ungiven》で2枚の《明神》を出されて困惑するJulien Nuijten

世界が注目する藤田剛史のデッキ(をプレイする中村修平)が第1ラウンドでフューチャーマッチに招待されたわけだが、続く第2ラウンドでも今大会の日本勢としては一大勢力となった"KDW"のデザイナーである石田格(東京)がスポットライトの下に呼び出された。相手は昨年度の新人王にして世界王者、オランダのJulien Nuijten少年。ちなみに、ネイティヴな本当の発音ではジュリエン・ナウテンと発音するようだ。

双方ともデッキは《花の神/Hana Kami》や《魂無き蘇生/Soulless Revival》を《けちな贈り物/Gifts Ungiven》からグルグルとまわすシステムを内包し、《最後の裁き/Final Judgment》をプレイするという青黒白緑の4色コントロール同士のマッチアップである。ただ、石田の"KDW"には対コントロールを意識したギミックが搭載されているということで、ぜひともそこに注目したい。

Game 1

後手石田が開幕ターンに《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を設置し、対してNuijtenが2ターン目に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》という静かな立ち上がりとなったが、後手の石田格が第4ターンに《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》でNuijtenの《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を指定したことによって一気に引き締まった空気となる。お互いが淡々と《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》や《木霊の手の内/Kodama's Reach》を撃ちながら《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を起動していく中で、今度はNuijtenが6ターン目に《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》返しを試みる。…が、ここで石田はなんと《時間停止/Time Stop》によってこれをカウンターしてみせたのだった。…若き世界王者は目をパチクリさせる。

しかし、感心してばかりもいられないJulien Nuijtenは第7ターン目に《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を召喚し、早速アグレッシブに「空民能力」を起動して2体のトークンをドロー・ゴー状態の石田のターン終了ステップに作成する。…すると、石田はここで《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》に《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》を連携させて文字通りに盤上を一掃した。

ただ、Nuijtenもここで《花の神/Hana Kami》と《魂無き蘇生/Soulless Revival》コンボを先に決めるという勝負強さを見せた。《木霊の手の内/Kodama's Reach》に《魂無き蘇生/Soulless Revival》を連携して土地を2枚サーチしつつ《花の神/Hana Kami》を墓地から回収し、その回収した《花の神》で連携のタネとなる《木霊の手の内》を拾うというサイクルを確立させたのだ。

序盤のアクション以来淡々と土地を並べ続ける展開となってしまった石田はJulien Nuijtenの2枚目の《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を通さざるを得ないことになってしまい、ここで石田のデッキには《春の鼓動/Heartbeat of Spring》、《夜陰明神/Myojin of Night's Reach》と《風見明神/Myojin of Seeing Winds》といったカードが入っているということが明らかになってしまったのだった。そして、ここぞと石田は《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を設置して《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を唱え、以下の四枚のカードを提示した。

《夜陰明神/Myojin of Night's Reach
《風見明神/Myojin of Seeing Winds
《時間停止/Time Stop
《魂無き蘇生/Soulless Revival

Nuijtenはかなり悩んだ末に青い二枚のカードを石田の手札へと送り、残る二枚を墓地へと投げ捨てた。Nuijtenは《花の神》、《木霊の手の内》、《魂無き蘇生》をぐるっと一巡させてから《師範の占い独楽》で《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》の3枚目を発見し、これをプレイ。もちろん石田は先ほどの《けちな贈り物/Gifts Ungiven》で入手した《時間停止/Time Stop》でこれを阻む。

さあ、ショータイムのはじまりだ。石田は《風見明神/Myojin of Seeing Winds》をプレイしてさっそく神性カウンターを取り除く。ドロー13枚。そこから《師範の占い独楽》をまわし、《木霊の手の内》を経由して再度《師範の占い独楽》を起動。ハンドにはスペルを満載してディスカードステップを迎えた。

ここでNuijtenに出来ることは…ひたすら先ほどの「秘儀・スピリット」サイクルをまわしてデッキを圧縮しながらマナ基盤を拡大することだけで、今さらながらに《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》を連携させて《風見明神》を墓地に送り込んでやったのだった。

石田格はここで《摩滅/Wear Away》、《木霊の手の内》、《花の神》、《魂無き蘇生》といったスペルを一巡させて《夜陰明神/Myojin of Night's Reach》を回収。この「手札をすべて捨てさせる」能力をNuijtenのドローステップに炸裂させて文字通りにゲームを掌握した。

それでも、《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を石田に展開された直後にノーハンドから2連続で《最後の裁き/Final Judgment》をトップデッキしてみせるという力強さを見せたNuijtenだったことは追記しておこう。もっとも、そこで《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》で「自殺」させた上で《魂無き蘇生/Soulless Revival》によって回収できる余裕が石田格の手札にあった。なんせ、イヤというほど《木霊の手の内》やらで圧縮したライブラリーから13枚ものカードを《風見明神/Myojin of Seeing Winds》で引いているのだから。

石田 1-0 Nuijten

Game 2

Kobito Deck Winsで勝利を飾った石田格

二本目では双方が《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》をサイドインしていたようだが、先にこのシステムクリーチャーを機能させることに成功したのが石田だった。皮肉にも、Nuijtenが《精神の槍/Psychic Spear》でディスカードさせた《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》が墓地からすぐさま《冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator》のリアニメイト能力で戻ってきてしまったりするのだ。

そんなわけで、Nuijtenに出来ることは《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》とその「空民能力」を駆使しながらなんとかライフの損失を小さくすることだけだった。そして、「空民能力」の連続使用のためにマナ基盤を拡大できないNuijtenをあざ笑うかのように、石田はNuijtenの墓地の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を使いまわし、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を起動し続けた。

結局、14マナ対6マナという圧倒的な状態を作り出した石田は《夜陰明神/Myojin of Night's Reach》でNuijtenのハンドを攻撃し、最終的には《最後の裁き/Final Judgment》で盤上を一掃した上で《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》をアタッカーとして送り込み、《時間停止/Time Stop》による連続攻撃からのフィニッシュを演出したのだった。

ちなみに、窮鼠猫を噛もうとNuijtenが《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を一度プレイしているのだが…石田はそこで指定された《風見明神/Myojin of Seeing Winds》をサイドボードに落としていたのだった。まさに完勝。

石田 2-0 Nuijten

「明神が強いか弱いか。ともかく、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》ゲーを避けたいプレイヤーがコントロールにシフトすることだけは間違いないですよ」
―石田 格


Friday, May 6: 5:44 pm - Round 4 Pierre Canali vs. 藤田剛史

by Keita Mori

Gabriel Nassif謹製、噂の《星の揺らぎ/Sway of the Stars》デッキをプレイするプロツアー・コロンバス王者のPierre Canaliが日本の藤田剛史とフューチャーマッチで対戦することになった。藤田のデッキは第1ラウンドのフューチャーマッチに招待された中村修平のデッキと同じで、もちろん藤田自身がデザインしたものである。

プロツアー・コロンバス優勝のPierre Canali

さて。ダイスロールに勝利して先手を取ったPierre Canaliだったが、ゲームで最初にノンランドパーマネントを設置できたのは後手の藤田剛史で、それは開幕第1ターン目の《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》だった。しかし、Canaliにとっても最序盤のマナの加速ではまったく申し分の無い展開となり、2ターン目に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を、3ターン目に《木霊の手の内/Kodama's Reach》をプレイしてと4色のマナを網羅し、4ターン目には《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を設置してからの《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》で藤田の《龍の牙、辰正/Tatsumasa, the Dragon's Fang》を迷わず指定した。そう、もはやお互いの手の内はそれぞれのチームメイト経由の情報で明らかなのだ。

一方の藤田剛史も、3ターン目の《木霊の手の内/Kodama's Reach》から4ターン目に《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》と動きを見せた。しかし、そこへCanaliは《緊急時/Time of Need》から《風見明神/Myojin of Seeing Winds》をサーチしてきて展開し、さらに《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を戦陣に加えた。藤田はCanaliのターン終了ステップに2体のトークンを作り出してから、《今田の旗印/Konda's Banner》を《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》に纏わせて航空部隊全軍でアタック宣言。一気にこれでCanaliのライフを12点まで削り落とす。

第6ターンを迎えてCanaliは青い《明神》から神性カウンターを取り除いて10枚のカードをドロー。そこから2枚目の《春の鼓動/Heartbeat of Spring》をエンチャントし、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》とライブラリーの一番上のカードを交換した。その《緊急時/Time of Need》から《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》を調達し、さっそく神性カウンターを取り除いて盤上を大掃除。その後に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を盤面に加え、悠々とターンエンド宣言だ。対して、風邪をこじらせてしまったという藤田剛史は咳き込みながら《昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star》、《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》、《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と一気に展開してターンを返す。

藤田の動きを受けて、Canaliは第7ターンに《最後の裁き/Final Judgment》で盤上を一掃してから《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》を召喚。しかし藤田も一歩も引かず、《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》の召喚から《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を場に出し、さらに《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》を戦陣に加える。

第8ターンのCanaliは18マナを出して「8マナのこして《激動/Upheaval》」と冗談めかしながら《星の揺らぎ/Sway of the Stars》をプレイする。ここでファッティを出されてしまうと文字通りゲームエンドとなってしまいかねない藤田は「7枚土地がめくれてくれないかな」と苦笑するのみ。

…すると、本当にCanaliはここでフィニッシャーを展開できない。《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》をセットしてから《木霊の手の内/Kodama's Reach》と《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》をプレイしただけだったのだ。しかも、一度は藤田のライブラリーをしっかりと確認したはずのCanaliがうっかりと《緊急時/Time of Need》をここで指定してしまい、《頭蓋の摘出》はいわゆる空撃ちとなってしまう。

抜群の勝負強さを見せた藤田剛史

これで息を吹き返した藤田剛史は、リセット後の第2ターン(第9ターン)目に《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》、第3ターン(第10ターン)目に《木霊の手の内》と経由して《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》、《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》、《昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star》とドラゴンを3ターン連続で召喚というモードに突入。絶好調の大攻勢だ。

なんとか二度まではこれを《最後の裁き/Final Judgment》で凌いだCanaliだったが、3匹目の《昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star》とそれに続く《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》にはなすすべなし。そんなわけで、なんと《星の揺らぎ/Sway of the Stars》を撃たれた試合に勝利するというウルトラCを藤田剛史はやってのけたのである。

藤田 1-0 Canali

そして、二戦目の藤田はもっと凄かった。サイドボードから投入した《思考の猛火/Mindblaze》2枚で16点のダメージをたたき出し、とどめをさした。

藤田 2-0 Canali


Friday, May 6: 6:17 pm - 全勝者に不戦勝

by Keita Mori

Kai Buddeはなんと第4回戦にByeを獲得。

《旅行者の凧/Journeyer's Kite》でマナを加速させる黒白のコントロールデッキで3勝0敗という素晴らしいスタートを果たしたKai Buddeは、なんと第4回戦に不戦勝(Bye)を獲得し、労せず125ドルを掴み取るという幸運に恵まれた。通常のスイス式では不戦勝は下位にしか発生しないわけだから、これこそトリプルエリミネーションならではの椿事といったところだろう。


Friday, May 6: 8:52 pm - Round 6: Julien Nuijten vs. 浅原晃

by Keita Mori

独自の《明神》デッキで神河ブロック構築へとアプローチしてきた浅原晃

石田格とはまた違ったアプローチで構築された「明神」デッキの浅原晃が、世界王者のJulien Nuijtenと「生き残りマッチ」を初日最終戦に繰り広げることとなった。ともに3勝2敗というラインであり、コントロールデッキ対決というわけでもある一戦だ。

Game 1

浅原が先手を取って開幕ターンに《森/Forest》から《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》配置というスタート。対して後手のNuijtenはダブルマリガンからの立ち上がりとなってしまうが、2ターン目に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を召喚という悪くない動きを見せている。先手浅原が3ターン目に《木霊の手の内/Kodama's Reach》でという三色のマナベースを完成させると、後手のNuijtenも同じく《木霊の手の内》でと4色の基本地形をそろえることに成功し、一歩も譲らない。

先手の浅原がダブルマリガンのNuijtenにプレッシャーをかけるべく、第4ターンに《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を送り込む。すると、Nujitenも《桜族の長老》を生贄にささげて《平地/Plains》を場に増やし、返すターンにX=4の《不快な群れ/Sickening Shoal》によってこれに即応した。続く第5ターンにも浅原が《桜族の長老》を召喚すると、Nuijtenも《長老》召喚の鏡打ち。

ここで浅原は《桜族の長老》をすぐに生贄にささげてマナベースをさらに強化し、第6ターンのメインステップに《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を展開した。それを受けてNuijtenは浅原のエンドステップに《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を詠唱するのだが、浅原はこれを《時間停止/Time Stop》でカウンター。対してNuijitenは1/1の《長老》でのアタック宣言から忍術で《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》を展開。この忍者の特殊能力で浅原の墓地に眠っていた《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を自陣に奪い取るという大きな動きを起こし、手札に戻した《長老》を再召喚した。

第7ターンを迎えた浅原は《緊急時/Time of Need》から《風見明神/Myojin of Seeing Winds》を調達し、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をおいてからこれを召喚・起動して10枚ものカードをドローした。これを受けたNuijitenは勝負を急ぐべく《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》の「空民能力」を連続起動して1/1トークンを5体にまで増やした。ここでNuijtenは《風見明神/Myojin of Seeing Winds》に《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》を見舞ってからの全軍突撃で押し切りにかかる目算だったのだろうが、《春の鼓動/Heartbeat of Spring》環境下で浅原はしっかりと《密の反抗/Hisoka's Defiance》のマナを残していたのだった。そんなわけで、《明神》が《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》をチャンプブロックし、8点のダメージがスタックされても浅原には6点のライフが残された。

Budoka Gardener

もちろん浅原は盤面を《最後の裁き/Final Judgment》でリセットしにかかり、さらに《木霊の手の内/Kodama's Reach》と《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を展開してマナを伸ばした。Nuijtenも《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》で浅原のデッキを攻撃しようとするのだが、浅原は《師範の占い独楽》の起動から《密の反抗/Hisoka's Defiance》で対抗。

ここで浅原は満を持してフィニッシャー製造機の《大蛇の孵卵器/Orochi Hatchery》をX=8という大きなサイズでプレイした。Nuijtenも《花の神/Hana Kami》召喚から回収した《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》をプレイするのだが、無情にも浅原のハンドからは《時間停止/Time Stop》が炸裂する。浅原はここに《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》をも加え、手札にはもう一枚の《時間停止/Time Stop》を握り締めた。

そう、まさに磐石の状態を作り上げた浅原は8体の1/1トークンと4/6《明神》によってゲームを終えたのだ。

浅原 1-0 Nuijten

Game 2

Julien Nuijten

かなり大量のカードをサイドボードから投入した浅原は、いわゆる変形サイドボード戦略をとったようだった。

浅原は《旅行者の凧/Journeyer's Kite》から丁寧に土地をサーチし続け、第6ターンの《最後の裁き/Final Judgment》でNuijtenの《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を殲滅。そこに《武道家の庭師/Budoka Gardener》を追加して…《旅行者の凧》でサーチしてきた基本地形をそのまま《武道家の庭師》によって場に展開するというエンジンを作り上げた。以後の要所を《密の反抗/Hisoka's Defiance》と《邪魔/Hinder》によって防いでいるうちに、《武道家の庭師/Budoka Gardener》はくるりと反転。《生命の織り手、土塊/Dokai, Weaver of Life》として11/11トークンを盤面へと送り込むことになったのだった。そのまま浅原は《不忠の糸/Threads of Disloyalty》によってチャンプブロックを画策した《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を排除し、あざやかな勝利を掴み取った。

浅原 2-0 Nuijten

 

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