Day 1 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2006年 11月 30日

By Wizards of the Coast

Table of contents

  • Blog - 8:55 p.m.: 1マッチで2人の失格者
    by Scott Johns, translated by YONEMURA "Pao" Kaoru
  • Blog - 8:39 p.m.: 日本勢、初日総括
    by Keita Mori
  • Blog - 7:50 p.m.: Round 6 : 大澤 拓也(神奈川) vs. 中村 修平(大阪)
    by Keita Mori
  • Blog - 6:38 p.m.: Round 6 : 石田 格(神奈川) vs. 山本 昇平(広島)
    by Keita Mori
  • Blog - 4:57 p.m.: Round 4 : 藤田 剛史(大阪) vs. Calros E. Romao(ブラジル)
    by Keita Mori
  • Blog - 3:20 p.m.: Round 3 : 森 勝洋(東京) vs. Bernardo Da Costa Cabral(ベルギー)
    by Keita Mori
  • Blog - 12:05 p.m.: Round 1 : Kai Budde(ドイツ) vs. Nicolai Herzog(ノルウェー)
    by Keita Mori
  • Blog - 11:15 a.m.: PoY & RoY レース最終局面
    by Keita Mori
  • Blog - 10:25 a.m.: 日本勢のスタンダードデッキ選択
    by Keita Mori

BLOG

2006プロツアーシーズンの千秋楽となる世界選手権パリ大会がいよいよ開幕した。日本との時差8時間、航空機の直行便でも12時間強を要するアウェイの舞台である。本稿では、出場する日本人選手の顔ぶれと彼らが選択したスタンダードデッキについてご紹介しておこう。

まずは出場選手について。
今更ながら、世界選手権というのは文字通りの世界の頂上を決める戦いで、具体的には以下のような高い水準を満たした選手たちでないと参加権を獲得できない。

・前年度世界王者
・前年度世界選手権大会ベスト8入賞者
・前年度Player of the Year
・各国選手権におけるベスト4入賞者(代表選手3名、補欠1名)
※オープン方式で選手権を行った国は優勝者のみを招待
・プロプレイヤークラブ、レベル3以上のプレイヤー
・DCI総合ランキングで各地区上位50名にラインナップされたプレイヤー
 ※アジア太平洋、欧州、南米、北米の4地区

そして、そのハードルをクリアした選手たちは以下のような顔ぶれとなる。

Name Prefecture Invitation Source Standard Deck Designer
森 勝洋 東京 2005年世界チャンピオン UW Tron 森 勝洋
鍛冶 友浩 埼玉 2005年世界選手権ベスト8 GG Deck Wins 有田 隆一
浅原 晃 神奈川 2005年世界選手権ベスト8 Dora-gob-storm 浅原 晃
中村 修平 大阪 2005年世界選手権ベスト8 UW Tron 森 勝洋
津村 健志 広島 2005年Player of the Year UW Tron 森 勝洋
山本 昇平 広島 2006年日本代表 UW Tron 森 勝洋
片山 英典 大阪 2006年日本代表 UW Tron 森 勝洋
石丸 健 熊本 2006年日本代表補欠 Dark Boros 石丸 健
有田 隆一 千葉 PPC Level 3+ GG Deck Wins 有田 隆一
板東 潤一郎 茨城 PPC Level 3+ UW Control 板東 潤一郎
藤田 修 大阪 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
藤田 剛史 大阪 PPC Level 3+ Boros Deck Wins 藤田 剛史
射場本 正巳 東京 PPC Level 3+ Dragonstorm
池田 剛 福岡 PPC Level 3+ UR Tron 森 勝洋, 池田 剛
石田 格 東京 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
小室 修 東京 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
栗原 伸豪 東京 PPC Level 3+ UR Tron
黒田 正城 大阪 PPC Level 3+ 欠場
三原 槙仁 大分 PPC Level 3+ Dragonstorm 三原 槙仁
三田村 和弥 千葉 PPC Level 3+ GW Selesnya 三田村 和弥
森田 雅彦 大阪 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
中島 主税 神奈川 PPC Level 3+ Dragobstorm 中島 主税
小倉 陵 愛知 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
大礒 正嗣 広島 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
岡本 尋 愛知 PPC Level 3+ 欠場
大澤 拓也 神奈川 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
齋藤 友晴 東京 PPC Level 3+ Boros Deck Wins 齋藤 友晴
笹川 知秀 神奈川 PPC Level 3+ Zoo 笹川 知秀
志村 一郎 茨城 PPC Level 3+ 欠場
塩津 龍馬 愛知 PPC Level 3+ UR Urza Tron
鈴木 貴大 東京 PPC Level 3+ UR Yaso Control 八十岡 翔太
八十岡 翔太 神奈川 PPC Level 3+ UR Yaso Control 八十岡 翔太
加藤 英宝 静岡 Top 50 Rating - APAC Solar Flare
平林 和哉 滋賀 Top 50 Rating - APAC UW Control 板東 潤一郎
横井 正樹 和歌山 Top 50 Rating - APAC 欠場
猪野 健太郎 千葉 Top 50 Rating - APAC 欠場
諸藤 拓馬 福岡 Top 50 Rating - APAC Dragonstorm 三原 槙仁
山本 賢太郎 埼玉 Top 50 Rating - APAC 欠場
清水 直樹 東京 Top 50 Rating - APAC Scryb and Force
大森 友明 岡山 Top 50 Rating - APAC 欠場

ほんの数年前、「ラストエンペラー」岡本 尋(愛知)が準優勝を飾った2002年度ベルリン大会などを振り返ってみると、日本人選手団は総勢で10名という規模だった。それを思うと、40名ものプレイヤーが参加権を獲得できるようになったという事実からして日本の競技シーンにおける躍進がうかがえようものだ。

日本王者として開会式に参加する森 勝洋

続いて、今大会における日本勢のスタンダードデッキについてだが、全体的な印象としては、トロン系、ドラゴンストーム、ボロスという三つのアーキタイプが人気である。そんな中、昨年度世界王者にして今年度日本王者でもある森 勝洋(東京)がデザインした「青白ウルザトロン」を選択したプレイヤーが実に多いことを強調しておきたい。

今年度日本代表チーム三名をはじめとした十名強が運命を託しているわけだが、はたしてこれが昨年度大会の「Ghazi Glare」や2002年度大会の「Gob-vantage」のような輝きを見せるのかどうか、ぜひとも注目していきたいところである。

また、鍛冶 友浩(埼玉)が有田 隆一(千葉)からデッキをシェアされているというのも興味深い。この「GG Deck Wins」は日本各地で現在進行形のThe Finals予選で上位入賞を果たしたデッキの中から有田が見出してきた有望株ということで、

有田 「現状のメタ上に存在するデッキのすべてに有利(断言)」

という会心作らしい。

「すべてに有利」というと、悪名高い「MoMa」や「メグリム・ジャー」級のデッキを連想してしまうのは筆者だけではあるまい。

まあ、実際そこまでではないとしても、プロツアーサンデーの舞台を四度も踏みしめた実力者の有田が言うのだから、このアーキタイプを注目しないわけにはいかない。有田だけでなく、今年度日本選手権を制した「Structure and Force」を手がけたデザイナーである鍛冶をして、

鍛冶 「調整を重ねてきた自作のデッキよりも魅力でした」

と言わしめているのだ。

ちなみに、このデッキのタイトルにもなっているGGとは《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》のことだそうだ。

また、PoYレースとRoYレースで暫定首位のポジションで世界選手権を迎えた八十岡 翔太(神奈川)と鈴木 貴大(東京)がそろって選択しているのがマナを氷雪ベースとした青赤の「ヤソコン」(八十岡式コントロールデッキ)だ。彼らが現在のリードを守りきれるかどうか、まずはヤソコンのお手並み拝見といったところだ。


Wednesday, Nov 29: 11:15 a.m. - PoY & RoY レース最終局面

by Keita Mori

昨シーズン終盤戦におけるもっとも大きなトピックとなったのが、Olivier Ruel(フランス)、津村 健志(広島)、大礒 正嗣(広島)による三つ巴のPlayer of the Year(以下PoY)レースだ。最終的に津村がRuelを僅差(たったの1点差!)で振り切るというドラマティックな結末を迎え、2004年度のGabriel Nassif(フランス)に続いて個人戦プロツアー未勝利の選手がシーズン最優秀選手に輝くということになった。

絶対王政は終焉を迎え、群雄割拠の時代へ。

そんなポスト・ブッディ(Budde)時代となって三年目、2006シーズンのPoYレース最終局面がどうなっているのか、まずは以下の記事(外部リンク)をご参照いただきたい

世界選手権直前! 2006シーズン PoY&RoYレース特集!
By Koichiro Maki

八十岡 翔太(神奈川)

暫定ながら、レースの上位5名がすべて日本勢で、八十岡 翔太(神奈川)が2位以下を大きくリードしている状態だ。

仮に、パリでの八十岡がまったく振るわなかったとしても、2位以下のプレイヤーが彼を抜き去るためのハードルは高い。なんせ、暫定2位の中村 修平(大阪)でさえ、6点差をまくるためには最低ノルマがベスト16入賞だ。それに続く齋藤 友晴(東京)、大澤 拓也(神奈川)、津村 健志(広島)、Jelger Wiegersma(オランダ)たちはベスト4入賞が必要条件となっている。

ちなみに、ポールポジションを生かして八十岡がPoYに輝いた場合…

昨年度の津村に続き、齋藤&鍛冶(友浩)コンビのチームに「3人目」としてスカウトされたプレイヤーがその年のPoYに輝くというジンクスが出来上がることになる。

他方、新人王ことRookie of the Year(以下RoY)賞の行方に関しても、現時点でのポールポジションを日本人選手が掴み取っている。この一年間で大躍進を遂げた鈴木 貴大(東京)が後続に5点差をつけている状態で、ここ最近の安定したパフォーマンスを考えると、これは充分なリードと言えそうな雰囲気だ。

もちろん、「逃げ切る」などとけちなことは言わず、2004年度のJulien Nuijten(オランダ)に続く「新人王」と「世界王者」のダブルタイトル獲得という最高のフィニッシュを狙いたいのが鈴木だろう。そして、そんな鈴木を追う後続集団の中に、暫定4位の三田村 和弥(千葉)の名前がある。


Wednesday, Nov 29: 12:05 p.m. - Round 1 : Kai Budde(ドイツ) vs. Nicolai Herzog(ノルウェー)

by Keita Mori
Kai Budde(右) vs. Nicolai Herzog

タイムシフト。

過去の遺産の復刻というテーマをフューチャーした「時のらせん」というセットが発売して以来、これはトーナメントシーンでもずいぶんと使い古されてきた表現かもしれない。

しかしながら、2006年度世界選手権で最初の注目の対戦(Feature Match)に選び出されたのは、まごうことなき、そして、かつてないほどに豪華なタイムシフト対決ということになったのだった。

ドイツよりKai Budde。十余年にわたるゲームの歴史における最高のプレイヤーとして知られている存在で、前人未到の領域にただ一人輝いている偉大な選手だ。その栄光をひもとくと、プロツアー7勝、インビテーショナル優勝、複数回のPoY獲得…と、まさしく枚挙に暇がない。

対するはノルウェーよりNicolai Herzog。こちらもリミテッドのプロツアーで二大会連続優勝という壮挙をやってのけたプレイヤーで、ゲームの歴史を代表する名選手の一人といえる。

Kai Budde:ドラゴンストーム(青赤)
Nicolai Herzog:オルゾフビート(白黒)

Game 1

かつての《歯と爪/Tooth and Nail》を思わせる必殺のコンボ、ストームを稼いでの《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》の完成が早いか。あるいは、それを手札破壊しながらオルゾフ軍の軽量クリーチャーが押し切るか。両雄の対決は、攻防のポイントが明瞭なマッチアップとなった。

一本目は、Herzogの《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を召喚してからの《酷評/Castigate》がBuddeの《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》を奪い、先ほど殿堂入りをはたしたばかりの《闇の腹心/Dark Confidant》が続いて、ゲームをすばやく終わらせた。

《煮えたぎる歌/Seething Song》、《睡蓮の花/Lotus Bloom》といったマナ加速ばかりを引いてしまったBuddeがめぐりあった唯一の決定打を、Herzogの《酷評》によってピンポイントに奪い取られてしまったのである。

Nicolai Herzog 1-0 Kai Budde

Game 2

今度は先手をとったBuddeが、開幕ターンに《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機、2ターン目に《手練/Sleight of Hand》からバウンスランド《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》をプレイという順調な立ち上がりだ。

一方、Herzogは《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》、《闇の腹心/Dark Confidant》、《砂の殉教者/Martyr of Sands》と順調にビートダウン部隊を戦場に送り込んでいくのだが、《酷評/Castigate》や《迫害/Persecute》といった手札破壊を引き当てられない展開でもある。

Kai Buddeは《強迫的な研究/Compulsive Research》をプレイし、手札破壊対策としてサイドボードから投入した《無知の喜び/Ignorant Bliss》をもかわるがわるキャントリップしてコンボパーツをかき集めた。そして、残りライフわずかに1点という土壇場から、大きくアクションを起こした。

すなわち、《時間の把握/Telling Time》から《煮えたぎる歌/Seething Song》を3発経由しての《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》。これによって登場した4体の《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》と1体の《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》がゲームスコアをタイに戻した。

Nicolai Herzog 1-1 Kai Budde

水曜の午後にもかかわらず、フューチャーエリアは大盛況

Game 3

一時代を築いた両雄の直接対決、その決着戦となるはずだった第3ゲームは…よくも悪くもマジックらしさを感じさせるものとなった。

そう、両雄ともにドロートラブルを、ありていに言うと事故を起こしてしまったのだ。

そして、手札に《神の怒り/Wrath of God》や《迫害/Persecute》を満載しながらディスカードステップを迎え続けたというNicolai Herzogが、なぜか4マナ域に到達せずして勝ってしまうという結末を迎えることになる。

Herzogの《闇の腹心/Dark Confidant》が小さいながらもクロックを刻みはじめ、続く2体の《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》の手札破壊能力こそBuddeの《無知の喜び/Ignorant Bliss》で回避され続けてしまったものの、結局はコンボパーツが揃わないBuddeを3体のクリーチャーたちが殴殺してしまったのである。

Nicolai Herzog 2-1 Kai Budde

かくして、タイムシフトしてきたビッグネーム対決はやや消化不良な結末を迎えてしまったわけだが、これもマジック。百戦錬磨の彼らなら幾度となく経験しているシチュエーションだろう。

両雄は互いの幸運を祈り、握手を交わしてから特設テーブルを後にした。
はたして、帰ってきた男たちはこれからどのような戦いを見せてくれるだろうか。


Wednesday, Nov 29: 3:20 p.m. - Round 3 : 森 勝洋(東京) vs. Bernardo Da Costa Cabral(ベルギー)

by Keita Mori
森 勝洋

今大会、日本勢の多くがプレイすることになったデッキとして注目が集まっているのが青白のアゾリウス=ウルザトロン。今まさに注目の対戦(Feature Match)を戦う森 勝洋(東京)がデザインした新しいアーキタイプである。爆発的なマナの力をどのように活かすのか、注目したい。

対するベルギーの強豪Bernardo Da Costa Cabralがプレイしているのが緑白黒のロクソドンヒエラルキー。これはプロツアー・ロンドン王者Geoffrey Sironを中心としたベルギー勢によってビルドアップされたデッキだということで、この世界選手権で第二期殿堂入りを果たしたフランスのRaphael Levyらにもシェアされている。基本的には「グッド・スタッフ」の系譜で、サイズ、ユーティリティ、マナ加速、など、様々な長所を持つ優良クリーチャーたちがちりばめられている。

森 勝洋:ウルザトロン(青白)
Bernardo Da Costa Cabral:ロクソドンヒエラルキー(緑白黒)

ウルザトロン vs. 中速ビートダウン。果たしてどのような試合となるだろうか?

Game 1

先手2ターン目に印鑑でマナ加速をはたした森は、後手Cabralの最初のクリーチャーである《闇の腹心/Dark Confidant》に対して《神の怒り/Wrath of God》をプレイ。

ここからしばらくお互いがマナベースを整備していく展開。動いたのは森で、手札を充実させるべく《連絡/Tidings》を詠唱。ここでCabralは《夜明けの集会/Congregation at Dawn》でレスポンスし、ライブラリー上段に2枚の《闇の腹心/Dark Confidant》と《魂の管理人/Soul Warden》1枚を積み込んだ。

2匹目の《闇の腹心/Dark Confidant》を再び《神の怒り/Wrath of God》による一対一交換で討ち取り、続く3匹目は《トリスケラバス/Triskelavus》召喚からトリスケラバイト・トークンを1個生み出し、その《モグの狂信者/Mogg Fanatic》的能力によって排除した。森 勝洋の青白トロンを象徴する一枚、それがこのマナのクリーチャーなのだ。

ここでCabralも《屈辱/Mortify》を《トリスケラバス》へとプレイするが、レスポンスして森は上空に2体のトリスケラバイトを残す。このトークンは、《トリスケラバス》本体を失ったとしても単一で起動方能力を保持している。ここが大きなポイントだ。この試合で始めてのアタック宣言が行われ、2体のトークンが空を舞う。

黙って見ているわけにいかないCabralも《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》、《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov Scion》と召喚してみるが、森は《テイサ》を《マナ漏出/Mana Leak》で退ける。

さらにCabralは《魂の管理人/Soul Warden》と《極楽鳥/Birds of Paradise》を呼び出し、《サッフィー》で殴り返す。これを受けて森は続くターンにトークンを1体残してアタックし、ブロックからの能力起動で相打ちとした。Cabralは《墓所の勇者/Crypt Champion》を召喚して《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》を盤面に取り戻し、数的優位を築きにかかる。

ならば、と森は残る1体のトリスケラバイトで時間を稼いでから、満を持して敵陣4体へむけて《神の怒り/Wrath of God》。みたび盤面を一掃した。

しかし、このあたりから土地ばかりのドローが続く森をあざ笑うかのように、Cabralのライブラリーからは次々と脅威が連続展開される。諸悪の根源、現環境きってのドローエンジンである《闇の腹心/Dark Confidant》が呼び出されてしまい、加速されたドローから《根の壁/Wall of Roots》と《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》。一方の森は、なんとか引き当てた《ウルザの工廠/Urza's Factory》のトークンで耐えるというプランしかない。

そして、森がトークンでのブロック宣言を試みようとしたところにCabralは《屈辱/Mortify》をプレイ。森は潤沢なマナを背景に《呪文の噴出/Spell Burst》バイバックでのカウンターを試みるが、そこにレスポンスするかたちでCabralは《召喚の調べ/Chord of Calling》を奏でる。これによって2体目の《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》が場に登場し、森はまもなく撲殺されてしまった。

Bernardo Da Costa Cabral 1-0 森 勝洋

Bernardo Da Costa Cabral

Game 2

マリガニングトラブルは誰にでも訪れる。Kai Buddeであろうと、森 勝洋であろうとも。

先手テイクマリガンを余儀なくされた森は、2ターン目に印鑑がおけず、3ターン目は印鑑を引き当てたものの土地をプレイできないという苦しい立ち上がり。

こういうときに限って、Cabralは《極楽鳥/Birds of Paradise》、《闇の腹心/Dark Confidant》、《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》と連続召喚するロケットスタートから《酷評/Castigate》を打ってくる。

公開された森のハンドには、希望の光である《神の怒り/Wrath of God》の姿もなく、数枚のドロースペルの中から《強迫的な研究/Compulsive Research》が奪い取られた。その上で、さらに《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov Scion》を追加するBernardo Da Coasta Cabral。

やはり森は土地を引けず、力なく《熟慮/Think Twice》を使っただけでターンを返すことになり、Cabralはここで"Sorry…"と呟きながら、サイドインと思われる《調和スリヴァー/Harmonic Sliver》を召喚。これにて印鑑が破壊され、森 勝洋は完全無色、しかも2マナぽっちというマナに追い込まれてしまう…

Bernardo Da Costa Cabral 2-0 森 勝洋


Wednesday, Nov 29: 4:57 p.m. - Round 4 : 藤田 剛史(大阪) vs. Calros E. Romao(ブラジル)

by Keita Mori
藤田 剛史

第4回戦の記事をお届けする前に、第3回戦の試合レポートに関して追記したい。

先ほどロクソドンヒエラルキーとしてご紹介したベルギー産のデッキ(Bernardo Da Coasta Cabral)についてだが、実は、無限ライフを獲得するための3枚コンボが内包されている。

すなわち、《魂の管理人/Soul Warden》が出ている状態で《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》と《墓所の勇者/Crypt Champion》によるシナジーを引き起こすのだ。

マナを支払われずに場に出た《墓所の勇者》は「それをプレイするためにが支払われていないかぎり、それを生け贄に捧げる」ために墓地へと向かうことになるわけだが、これを《サッフィー・エリクスドッター》の救出能力で「このターン墓地に置かれたとき、それを場に戻す」ようにする。救出能力を起動した《サッフィー・エリクスドッター》はそのコストとして墓地に落ちているわけだが、これを《墓所の勇者》の場に出たときの能力「各プレイヤーはそれぞれ自分の墓地にある点数で見たマナ・コスト3以下のクリーチャー・カードを1枚場に出す」によって再臨させるのだ。以下、繰り返し。

実際に「無限ライフ」による勝利の目撃談多数ということで、これは今後も注目のアーキタイプと言えそうな気配だ。

さあ、話題を戻そう。

世界選手権第4回戦、日本が誇るワールドワイドデッキビルダー、藤田 剛史(大阪)が特設エリアへと招待された。藤田がプレイしているのは赤白ビートダウンのBDW(Boros Deck Wins)。これは昨シーズンのエクステンデッド戦線で藤田が開発したデッキに与えられた名前がフォーマットを越えて広まったものだ。《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》や《ジャッカルの仔/Jackal Pup》のようなクリーチャーを使わせたなら、藤田は世界有数のプレイヤーと言っても過言ではない。

対するCalros Romao(ブラジル)は《サイカトグ/Psychatog》デッキで世界王者に輝いたこともある巨漢で、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》などの「貯蓄ランド」を搭載したかたちの《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》コンボを今大会の個人戦スタンダードで選択している。

なお、藤田が日本人としてはじめてプロツアーサンデーの扉を開けた男であるように、Romaoもラテンアメリカにはじめてのビッグタイトルをもたらした男である。

つまり、環境を代表する高速ビートダウンと一撃必殺コンボとによって、二人の先駆者たちが刃を交えるという一戦なのだ。

藤田 剛史:ボロス・デック・ウィンズ(赤白タッチ黒)
Calros Romao:ドラゴンストーム(赤青)

Game 1

"Boros ?"

軽く舌打ちしながら、先手藤田がセットした《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を眺めるRomao。2ターン目に藤田 剛史が呼び出した《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》を、後手Carlos Romaoがひたすら《撤廃/Repeal》するという立ち上がりが演出された。

貯蓄ランドにカウンターを乗せながら《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機させるRomaoに対して、藤田は戦線に再召喚した《僧侶》と《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》を加えてビートダウンをはじめる。…が、そこからはとにかく「引けども引けども土地」という有様で、藤田の盤面に追加の脅威は登場せず、ボロスおなじみのエンドステップに本体火力という動きもできなかった。

そうこうするうちに、Romaoはエンドステップに《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を瞬速でプレイし、すべてのダメージを藤田本体へ叩き込む。

そして、《睡蓮の花/Lotus Bloom》の待機が解除されたところでブラジリアンコンボが決まった。《万の眠り/Gigadrowse》を二発、そこから《炎の儀式/Rite of Flame》経由で《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》。一丁あがり。

Calros Romao 1-0 藤田 剛史

Calros E. Romao

Game 2

先手2ターン目の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》を《呪文嵌め/Spell Snare》されてしまい、苦虫を噛み潰す藤田。ならば、と《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》を続け、《炎の印章/Seal of Fire》を置いた。

一方のRomaoは《時間の把握/Telling Time》や《手練/Sleight of Hand》でデッキを掘り進みながら《ボトルのノーム/Bottle Gnomes》を召喚し、時間を稼ぐ。幸いにも、藤田側にはなかなか後続のアタッカーが登場しなかった。

そして、6ターン目にRomaoがコンボを始動する。《煮えたぎる歌/Seething Song》から《煮えたぎる歌/Seething Song》、そして《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》。当然ここで3体の《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》が呼び出されるのだが…

しかし、ここで藤田はサイドインした《名誉の道行き/Honorable Passage》でそのうちの1発(5点の本体ダメージ)をRomao本体にはね返し、さらにエンドステップに《黒焦げ/Char》を本体へ。

そして、迎える自ターンにフルタップでの《悪魔火/Demonfire》を叩き込み、場に出ていた《炎の印章/Seal of Fire》とあわせて雄敵のライフを削りきることに成功したのだった。

かくも鮮やかな焼殺を決め、藤田がスコアをタイに。

Calros Romao 1-1 藤田 剛史

Game 3

最終戦、テイクマリガンながら《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機させるスタートのRomao。一方の藤田もようやっと1ターン目に《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を呼び出すという好スタートを切ることになる。

Romaoは藤田の後続の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》を《呪文嵌め/Spell Snare》し、ならば、と藤田は《ライオン》の2匹目を召喚し、《炎の印章》をプレイ。さらに伝説ルールによる対消滅で《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》の能力を誘発させてデッキを圧縮した。しかしながら、ここにきて南米の雄は3枚目の土地を引けず、苦しい展開。静かに《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを増やしていくだけという我慢の時間となる。

それでも、Romaoは《睡蓮の花/Lotus Bloom》が場に出たところで仕掛けた。《煮えたぎる歌/Seething Song》と《炎の儀式/Rite of Flame》によるマナブーストをあわせて《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を召喚。場に出たときのダメージで2体の《ライオン》を焼き払い、残る3点を藤田本体へと振り分けた。

これを受け、藤田はこの3点を《名誉の道行き/Honorable Passage》によってRomao本体へとはねかえし、場に出ていた《炎の印章》に《黒焦げ/Char》をあわせて5/5ドラゴンを葬った。さらに藤田は《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》を呼び出し、ビートダウンを再開。この段階ではライフは12対15という若干のリードだ。

なんとか挽回したいRomaoも《ボトルのノーム/Bottle Gnomes》で時間を稼ぎ、2枚目の《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機させる。そして、ようやっと《山/Mountain》を、つまり、待望の赤マナを引き当てたRomaoは第3ゲームで二度目の仕掛けに出る。

《炎の儀式/Rite of Flame》、《煮えたぎる歌/Seething Song》、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》からカウンター3つ使っての《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》召喚。

藤田 剛史(左) vs. Calros E. Romao

しかし、ここで藤田は「2枚しか入っていない」というカードの2枚目を見事に握り締めていた。すなわち、5点の本体ダメージを《名誉の道行き/Honorable Passage》! これによってRomanoのライフが13から8へと削り落とされる。

ライフへのプレッシャーをかけられたRomaoは、続く藤田の《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》のアタックを《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》でブロックせざるをえなくなり、藤田はそこに《火山の鎚/Volcanic Hammer》をお見舞い。世にも不思議なことに、5/5のドラゴンだけが墓地へと送られることとなった。フルタップ状態のRomaoは再生を阻止するためのマナを支払えない。

二度の仕掛けによってリソースを、主にマナブーストのために手札を消耗してしまったRomaoにとって、三度目の仕掛けをするというのは至難の業だった。

藤田は盤上に《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》を追加し、2体のクリーチャーによる突撃を繰り返して会心の勝利を掴み取ることになった。

Calros Romao 1-2 藤田 剛史

藤田 剛史、4連勝!


Wednesday, Nov 29: 6:38 p.m. - Round 6 : 石田 格(神奈川) vs. 山本 昇平(広島)

by Keita Mori
石田 格

第6回戦では二人の日本人による全勝対決をお届けしよう。ともに森 勝洋(東京)からシェアされた青白トロンによって5連勝を飾っている石田 格(神奈川)と山本 昇平(広島)である。

石田はプロツアーシーンで活躍するようになってから10年を迎えた古豪。もはや東日本の守護神とでも表現したくなるような風格をただよわせる鉄人である。

他方、山本も今年度日本選手権で見事に準優勝をおさめた注目株で、世界中から選りすぐられた猛者のひしめくフィールドで5連勝を果たしているというホンモノだ。

ちなみに、中村 修平(大阪)vs. 大澤 拓也(神奈川)というPoYレースに絡んだ二人の試合がこのラウンドのFeature Matchに選ばれてもいるのだが、そちらもモリカツトロンのミラーマッチである。石田 vs. 山本戦が迅速に終わるようなことがあれば、そちらの第3ゲームあたりの内容などもお伝えしたいところである。

石田 格:ウルザトロン(青白)
山本 昇平:ウルザトロン(青白)

Game 1

青白トロンの同キャラ対決だけあって、静かに土地を置き、印鑑を並べるという序盤となる。そんな中、後手山本が《差し戻し/Remand》を連発して石田の動きをスローダウンさせた。山本は《強迫的な研究/Compulsive Research》で墓地に2枚の《熟慮/Think Twice》を送り込み、対する石田は同じドロースペルで《信仰の足枷/Faith's Fetters》と《神の怒り/Wrath of God》を捨てた。

さらに山本は《連絡/Tidings》で手札を充実させ、石田はそのタップアウトを狙い済ませて《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を通す。山本はこれを《神の怒り/Wrath of God》で一対一交換に討ち取り、それを受けて石田も《連絡/Tidings》で手札補充にかかる。山本は《マナ漏出/Mana Leak》での阻害を試みるが、石田は温存していた《差し戻し/Remand》をここで使用し、成就させる。

ならば、と山本も2発目の《連絡/Tidings》を通し、手札を整えて2枚の土地をディスカードする。対して石田は《強迫的な研究/Compulsive Research》。そうこうするうちに、自然と双方のプレイグラウンドでウルザトロンが揃った。

そして、石田がアクションを起こす。《ウルザの工廠/Urza's Factory》からトークンを呼び出し、このゲームではじめての戦闘を実行したのだ。山本はそのターンのエンドステップに《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を「瞬速」召喚し、ここでカウンター戦争が勃発した。

まず、石田は《テフェリー》をバイバックの《呪文の噴出/Spell Burst》で退けにかかる。これを受けて、山本は自身の《テフェリー》を《差し戻し/Remand》しようとするのだが、その《差し戻し》へむけて石田も《差し戻し》を使用。ここで山本は石田の《差し戻し》の解決を認め、手札に戻ってきた《差し戻し》を再度スタック上の《テフェリー》へとプレイする。そして、石田はこれを2枚目の《呪文の噴出/Spell Burst》バイバックで打ち消したのだ。カウンター戦争、ひとまず石田に軍配。石田の手札には2枚の《呪文の噴出》が戻っていく。

ここで山本は墓地に眠らせておいた《熟慮/Think Twice》を連続してフラッシュバック。回復した手札から《信仰の足枷/Faith's Fetters》をプレイして《ウルザの工廠/Urza's Factory》の生産能力を封じ込めにかかった。

しかし、一方の石田は《連絡/Tidings》を使用し、フィニッシャーとして《トリスケラバス/Triskelavus》をプレイした。まもなく、潤沢なマナにバックアップされた2枚の《呪文の噴出/Spell Burst》への解答を見出せなかった山本が投了を余儀なくされた。

ミラーマッチでの先手マリガンというハンデを乗り越え、石田が白星先行。

石田 格 1-0 山本 昇平

山本 昇平

Game 2

二人がマリガニング判断をはじめたところで、隣の席で試合をしていた藤田 剛史(大阪)が小さくガッツポーズを作る。ボロス・デック・ウィンズを駆る藤田が、見事に初日全勝を決めたのだ。

すると、石田にも追い風が吹いた。
先手をとった山本がテイクマリガン。そして、土地が1枚でストップしてしまうのである。

せめて、と石田の2ターン目の印鑑を《呪文嵌め/Spell Snare》する山本だが、3ターン目にも4ターン目にも、とにかく土地が引けない…。

他方、石田は順調に印鑑と土地でマナを伸ばしながら《強迫的な研究/Compulsive Research》をプレイしてエンジンを暖気。とうとう山本がディスカードをしはじめるにあたって、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》によるビートダウンを開始することになった。

今更というか何というか、なんとかマナを伸ばしはじめることになる山本。しかし、石田は印鑑に対してバイバックの《呪文の噴出/Spell Burst》を使用し、続くもう一枚の印鑑も《土への帰結/Return to Dust》。その上で、消耗した手札を《連絡/Tidings》で回復するという完璧なゲームプランを見せつけ、山本を投了に追い込んだのだった。

石田 格 2-0 山本 昇平

日本を代表する東西の古豪が初日6連勝を達成!


Wednesday, Nov 29: 7:50 p.m. - Round 6 : 大澤 拓也(神奈川) vs. 中村 修平(大阪)

by Keita Mori
大澤 拓也(左) vs. 中村 修平

石田と山本による試合が比較的早めに終了したため、Feature Matchとして行われているもうひとつの「モリカツトロン・ミラーマッチ」の様子をお届けしよう。

今シーズンのプロツアー・プラハで見事優勝を果たしている大澤 拓也(神奈川)とコールドスナップのドラフトでは圧倒的な強さを見せつけた「スノー・マスター」中村 修平(大阪)だ。彼らはともに今季のPoYを狙えるポジションにつけているが、暫定首位の八十岡に追いつくためには今大会での上位入賞が必須という状況でもある。

大澤 拓也:ウルザトロン(青白)
中村 修平:ウルザトロン(青白)

Game 2

ゲームスコアは中村が1本目を獲得したところで、第2ゲームもすでに佳境。お互いの場に10枚以上のマナソースが展開されている。

そして、今まさに中村が《道化の王笏/Jester's Scepter》をプレイしたところだった。このアクションに対する大澤のレスポンスは特になく、これによって以下のカードが《王笏》に仕込まれる:

2《強迫的な研究/Compulsive Research
1《併合/Annex
1《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet
1土地

そして、中村が《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》をプレイし、大澤がこれを《霊魂放逐/Remove Soul》で退ける。続けて大澤のターンのエンドステップに2体目をプレイしようとする中村だが、大澤もこれにレスポンスして《テフェリー》をプレイして「伝説」ルールによる対消滅を目論む。しかし、中村はこれを《差し戻し/Remand》することに成功し、大澤は残されたマナで《熟慮/Think Twice》を打つにとどまった。

そして、続く大澤の《ザルファーの魔道士、テフェリー》再召喚を中村の凶悪な呪文が迎撃した。バイバックでの《呪文の噴出/Spell Burst》だ。

ウルザトロンをそろえた万全のマナベースにバックアップされた《呪文の噴出》というのは「モリカツトロン」の決め技の一つで、すべての行動をソーサリータイミングへと制限する《ザルファーの魔道士、テフェリー》が時の流れを支配することによって…それはロックへと昇華される。

大澤、投了。

中村 修平 2-0 大澤 拓也


Wednesday, Nov 29: 8:39 p.m. - 日本勢、初日総括

by Keita Mori

初日6回戦を終えた今、日本勢33名の戦いぶりについてまとめてみよう。

Standing Day 1, Pts Name Invitation Source Standard Deck Designer
1 18 石田 格 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
2 18 藤田 剛史 PPC Level 3+ Boros Deck Wins 藤田 剛史
8 15 山本 昇平 2006年日本代表 UW Tron 森 勝洋
15 15 射場本 正巳 PPC Level 3+ Dragonstorm
16 15 齋藤 友晴 PPC Level 3+ Boros Deck Wins 齋藤 友晴
34 15 森 勝洋 2005年世界チャンピオン UW Tron 森 勝洋
42 13 有田 隆一 PPC Level 3+ GG Deck Wins 有田 隆一
54 12 浅原 晃 2005年世界選手権ベスト8 Dora-gob-storm 浅原 晃
57 12 栗原 伸豪 PPC Level 3+ UR Tron
61 12 三原 槙仁 PPC Level 3+ Dragonstorm 三原 槙仁
79 12 中村 修平 2005年世界選手権ベスト8 UW Tron 森 勝洋
84 12 津村 健志 2005年Player of the Year UW Tron 森 勝洋
88 12 森田 雅彦 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
93 12 塩津 龍馬 PPC Level 3+ UR Urza Tron
96 12 笹川 知秀 PPC Level 3+ Zoo 笹川 知秀
106 12 清水 直樹 Top 50 Rating - APAC Scryb and Force
113 12 加藤 英宝 Top 50 Rating - APAC Solar Flare
119 10 池田 剛 PPC Level 3+ UR Tron 森 勝洋, 池田 剛
121 10 鍛冶 友浩 2005年度世界選手権ベスト8 GG Deck Wins 有田 隆一
126 10 小倉 陵 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
152 9 鈴木 貴大 PPC Level 3+ UR Yaso Control 八十岡 翔太
158 9 三田村 和弥 PPC Level 3+ GW Selesnya 三田村 和弥
159 9 藤田 修 PPC Level 3+ Boros Deck Wins 藤田 剛史
177 9 大澤 拓也 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
182 9 石丸 健 2006年日本代表補欠 Dark Boros 石丸 健
190 9 片山 英典 2006年日本代表 UW Tron 森 勝洋
214 9 小室 修 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
222 9 板東 潤一郎 PPC Level 3+ UW Control 板東 潤一郎
224 9 大礒 正嗣 PPC Level 3+ UW Tron 森 勝洋
240 6 中島 主税 PPC Level 3+ Dragobstorm 中島 主税
295 6 八十岡 翔太 PPC Level 3+ UR Yaso Control 八十岡 翔太
327 3 諸藤 拓馬 Top 50 Rating - APAC Dragonstorm 三原 槙仁
346 3 平林 和哉 Top 50 Rating - APAC UW Control 板東 潤一郎

真っ先に目に付くのが、順位表の最上段二つを飾った東西の古豪。青白ウルザトロンをプレイしている石田 格(神奈川)と、自作のボロス・デック・ウィンズの藤田 剛史(大阪)が6戦全勝でのワンツーフィニッシュを飾っている。

全勝をはたした石田がプレイしている青白トロンは昨年度世界王者である森 勝洋(東京)によってデザインされたもので、その使用者全員が3勝3敗以上という安定したパフォーマンスを残している。11人トータルで43勝22敗1分。平均的に4勝2敗を見込めるデッキだったということを考えれば、メタゲームを見事に読みきった素晴らしいデッキだったといえるのではないだろうか。ちなみに、ほかの青白トロンとは区別するために「トリスケトロン」という名前で海外勢は分類しているようだ。

また、チームメンバーが揃って森の青白トロンを使用していることもあって、日本代表チームの滑り出しも好調。3人あわせて39ポイント(13勝5敗)という安定した好成績によって国別での単独首位を獲得している。団体戦連覇という快挙を目指して最高の立ち上がりを迎えることになった。

なお、本日の冒頭のエントリーで青白トロン使用者としてお伝えしていた藤田 修(大阪)は、前夜の調整で藤田 剛史謹製のボロス・デック・ウィンズに変更していた。お詫びするとともに、ここで訂正させていただきたい。


Wednesday, Nov 29: 8:55 p.m. - 1マッチで2人の失格者

by Scott Johns, translated by YONEMURA "Pao" Kaoru

このイベントの最初から、激しい形式に関する話などの様々な話題が飛び交っているが、その中でも、世界選手権史上でも珍しい出来事が今日の第2ラウンドに起こってしまった。ドイツ代表選手のアミール・テネンバウムと、トルコのハルク・オーネックが、あるゲームを引き分けた後で両方とも【受賞資格も失う失格】になったのである。

レベル5ジャッジ ヤープ・ブラウアー

より詳しい情報を得るため、私(スコット・ジョーンズ)は、レベル5ジャッジのヤープ・ブラウアーに話を聞いた。彼は今年の世界選手権のヘッド・ジャッジであり、何が起こったかを最もよく知っている人間である。

私が理解している限りでは、起こったのはつまり次のようなことである。アミールとハルクの2人は、それぞれに第1ラウンドで勝利した後、第2ラウンドで顔を合わせることになった。第1ゲーム終了後のサイドボード中に、アミールは自分のサイドボードにあるはずの《解呪/Disenchant》が入っておらず、14枚しかないということに気がついた。しかし、アミールはそれをジャッジにすぐに告げず、そのままその不正なデッキでゲームを続けることを選択したのであった(彼は、ペナルティを受けたくないがためのこの行動が誤りであったと、後のジャッジの調査に対して認めている)。

彼とハルクは最初の2ゲームを1-1で終え、第3ゲームの途中で時間切れとなって、マッチは引き分けになった。この時点で、アミールは、彼の《Disenchant》が、対戦相手がトークンとして使っていたカードの束の中に混じっているのではないかということに思い至り、マッチの終了後に対戦相手にフォイルの《Disenchant》(彼のなくしたサイドボードのカード)が混じったのではないかと思うので、調べて返してくれないかと尋ねた。ここでジャッジが呼ばれ、状況はヘッド・ジャッジのヤープが関係者全員にインタビューを行ない、整理しなければならないまでにエスカレートしていったのである。

調査の終了後、アミール・テネンバウムは、不正なデッキ/サイドボードであることを知りながらプレイしたということでトーナメントから失格となった。事故で不正なサイドボードを使っていただけならば、通常、【ゲームの敗北】までのペナルティしか与えられないものであるが、それは事故の場合に限られる。しかし、彼自身も認めている通り、テネンバウムは故意に第2ゲーム、第3ゲームを不正なサイドボードでプレイしていたのであり、故意に不正な状況でプレイしたのであれば、それはイカサマと判断されるのである。

奇妙な事態というのは、これで全てが終わりではない、ということである。最初にジャッジが呼ばれたときに、アミールは彼のフォイルの《Disenchant》が、相手がトークンとして使っているカードの束の中に混じっている可能性があると主張した。束の中を見たジャッジはフォイルの《Disenchant》を発見し、これはハルクのものかと尋ねた。ハルクはその問いに対して、それはアミールのものでなく、自分のものであると主張した。それを聞いてアミールは逆上し、その《Disenchant》は間違いなく自分のものであると主張した。ジャッジは再びハルクに尋ねたが、ハルクもまた間違いなくそれは自分のものだと答えたのである。ヘッド・ジャッジの調査を経て、そのフォイルの《Disenchant》はアミールのものである、と判断され、ハルクはその所有に関してジャッジに嘘をついたという裁定が下された。ジャッジに対して嘘をつくことは、ルール適用度を問わず、非常に重い罪である。世界でもっともルールを厳格に運用する大会である世界選手権においては【受賞資格を失う失格】が与えられる。ハルクはジャッジを欺こうとした咎で、対戦相手と同じ罰を受けることになった。

この事件は、特にプロ・ツアーやトーナメントでのプレイに馴染んでいない人々に、3つの教訓を残した。まず、何か間違いを見つけたら必ず、そしてなるべく早く、ジャッジに言うこと。アミールがすぐにジャッジを呼んでいたなら、なくなったカードをすぐに見つけることもできただろうし、状況も簡単に正せただろう。そして、おそらくはこの状況であれば、何もペナルティを受けることもなかったに違いない(カードが不注意で混じってしまうことは考えられないことではない。問題に気付き、すぐに修正しようとするということが重要である)。次に、ジャッジが呼ばれたら、真実を告げることである。これは当たり前のようであるが、しばしばプレイヤーは何らかの理由で自分からトラブルを大きくするようなことをしてしまうものである。ジャッジは、ゲームの完全性を守るためにいるのであり、プレイヤーが誠実にプレイしている限りにおいてジャッジも働くことができるのである。ハルクが真実だけを告げていれば、彼はこんな混乱に巻き込まれることはなかったはずである。そして最後に、トークン・カードでないカードをトークンとして使うべきでないということである。このように混じってしまうことも考えられる。デッキや形式がトークンを必要とするなら、特にプレミア・レベルのイベントでは、何かトークンを表す小物を準備しておくべきである。

DCIのポリシーでは、このレベルのペナルティが与えられた場合、必ずDCIによる追調査が行なわれることになっている。この調査によって、現在のペナルティが妥当であるか、あるいは追加の罰が必要であるかが判断される(調査は必ず行なわれるが、追加の罰は必ず与えられるとは限らない)。さらに、アミールはドイツ代表チームの一員であったが、チームの一員が失格になったチームは指名交代要員を入れることは認められないという規定が存在する。従って、ドイツ代表チームはアミールを欠いた状態となり、2人だけになるので、土曜日のチーム・ドラフトに参加することはできないことになる。

なお、この日、別の出来事で、ドイツ代表チームのもう一人のメンバーであったマックス・ブラハトも失格になっている。

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