Day 2 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2007年 9月 2日

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

  • Blog - 8:55 p.m.: Top 8 Player Profiles
    by Staff
  • Blog - 8:34 p.m.: Decklists: The Top 8 Decks
    by Staff
  • Blog - 7:52 p.m.: Round 14 Digest Coverage
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 7:17 p.m.: Round 13 : 渡辺 雄也(神奈川)vs. 斎藤 友晴(東京)
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 6:28 p.m.: Round 13 : 中野 圭貴(大阪) vs. 平林 和哉(滋賀)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 5:37 p.m.: Round 12 : 三田村 和弥(千葉) vs. 浅原 晃(神奈川)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 4:43 p.m.: Round 11: 森田 雅彦(大阪) vs. 安藤 玲二(東京)
    by Naoki Kubouchi
  • Blog - 3:55 p.m.: Round 11 : 斎藤 友晴(東京) vs. 八十岡 翔太(神奈川)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 3:18 p.m.: Round 10 : 金 民守(神奈川) vs. 石川 錬(神奈川)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 2:31 p.m.: Round 9 : 森田 雅彦(大阪)vs. 北山 雅也(神奈川)
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 1:26 p.m.: Round 8 : 中村 修平(大阪) vs. 横須賀 智裕(茨城)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 12:02 p.m.: Undefeated Day 1 Decks
    by Naoki Kubouchi
  • Blog - 11:54 a.m.: 2nd Draft Report : 高橋 優太
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 11:33 a.m.: 2nd Draft Report : 横須賀 智裕
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 10:11 a.m.: 初日全勝者インタビュー
    by Daisuke Kawasaki

BLOG

Saturday, Sept 1: 10:11 a.m. - 初日全勝者インタビュー

by Daisuke Kawasaki
初日全勝、左から高橋、小室、北山

二日目に突入した日本選手権。

ここでは、初日全勝の3人への簡単なインタビューを掲載したい。

たしかに、まだ折り返し地点にも満たない時点での順位だが、しかし、彼ら三人が、現時点でこの会場でもっとも日本王者に近いプレイヤーであるというのは紛れも無い事実なのだ。

(出欠確認で隣り合った席に座る小室 修(東京)と北山 雅也(東京)に)

―お疲れ様です。

小室 「お疲れ様です」

―初日全勝、ということでお二人に話を聞かせていただきたいのですが。

小室 「まぁ、初日全勝して結局残らないっていうのはいつものパターンなので」

北山 「僕は全勝なんて初めてなんで! 日本選手権も出続けてみるもんですね」

―勝因、といいますか、初日全勝できた要因は何だと思いますか?

小室 「引きがかみあいましたね。それだけです」

北山 「いや…別に普通にやってたら…」

小室 「さすが!かっこいい!」

北山 「…というのは嘘で、運ですね、やはり初日全勝は」

―なるほど。

小室 「特にドラフトがよかったですね。初手の《束縛の言葉/Word of Binding》と《炎異種/Torchling》だけで勝てたようなものです」

―ちなみに、印象に残ったマッチはありますか?

小室 「Round 6はひどかったですね」

(同じく、出欠確認中の高橋 優太(東京)に。)

―初日全勝おめでとうございます。端的に言って勝因はなんだったと思いますか?

高橋 「よく寝たことですね」

―前日の夜に、ってことですか?

高橋 「いえ、試合中に、ですね。」

確かに、初日終了時後、高橋の仲間たちから「あんちゃん(高橋)寝てばっかだったから、全然だめかと思ったら全勝してましたよー」といった声がちらほら聞こえた。

高橋 「集中力をできるだけ高めたかったんですよ」

―集中力さえあれば、勝てるとふんだわけですか?

高橋 「マジックは減点式じゃないですか。集中してミスを減らせば、それだけ勝ちに近づきますから」

―結果として全勝だったと。

高橋 「さすがに、ちょっとできすぎですけどね」


Saturday, Sept 1: 11:33 a.m. - 2nd Draft Report : 横須賀 智裕

by Daisuke Kawasaki
 

親和という壊れたデックと《頭蓋骨絞め/Skullclamp》という壊れたカードが環境全体すらも破壊し、そのメタゲームを読みきった藤田 剛史(大阪)が戴冠した2004年日本選手権。

その年のスタンダードラウンドに、親和以上に壊れたデックがさらに環境を荒らし、トッププレイヤーたちに恐れられていたという事実を皆様はご存知だろうか?

Yokosuka Tomohiro

Download Arena Decklist

横須賀 智裕のドラフトポッド

「狂った26才」と名づけられたこのデック。当時、Week in Reviewを担当していたアレックス シュバルツマンに「このデックだけは理解できない。特に、サイドボードに《歯と爪/Tooth and Nail》が入っている理由だけでも本人に問いただしたい」とまで言わしめたこのデック。

この《歯と爪》は、精神のサイドボード、いわば「飾り」だったのではないかと解釈した浅原 晃(神奈川)がここからインスピレーションを受け、2005年世界選手権の《平等化/Balancing Act》「G.o.D.」のサイドボードに《歯と爪》を投入したのも有名なエピソードである。

このデックの作者こそが、横須賀 智裕(茨城)。二回のプロツアートップ8経験を持つ強豪。「横須賀ブルー」と呼ばれる、青系のデックブランドを持つ名デックビルダーであり、日本が世界のトップを目指す、その詰めの時期に大きな役割を果たしたひとりである。

だが、まさに日本人から世界チャンピオンが生まれるころを境に、多忙からマジックを引退。惜しまれつつも、トーナメントシーンからしばらく姿を消していたのだった。

横須賀 「日本選手権予選あたりのデッキリストをみてて、なんか面白そうじゃないかと。ラヴニカはパワーカード多いし、タイムスパイラルは懐かしいカード多いし」

その横須賀が、今年の日本選手権でついに復帰。のみならず、2敗ラインという十二分にトップ8の可能性を残したラインで奮闘しているというではないか。

熱狂的なファンも少なくないという横須賀。せっかくなので、この注目の「タイムシフトプレイヤー」のドラフトピックを追ってみたい。

■2nd Draft Pod 2

昨年度世界2位の小倉 陵(愛知)とサーキット組みである斎藤 友晴(東京)・中村 修平(大阪)の3人を筆頭に、彌永・金といった日本選手権上位経験者も多数という、強者ばかり、しかもどちらかといえばアクの強いプレイヤーが揃ったという印象のPod 2。

この環境についての横須賀の印象を聞いてみた。

横須賀 「正直、ほとんどやってないのでわからないです…特に復帰が未来予知からなんで、時のらせん・次元の混乱では相当経験値で差をつけられてますね」

それでは、まずは、時のらせんのピックから見ていこう。

■時のらせん

Time Spiral  
1 Pentarch Paladin
2 Amrou Seekers
3 Wildfire Emissary
4 Amrou Seekers
5 Spiketail Drakeling
6 AEtherflame Wall
7 Thunder Totem
8 Pentarch Ward
9 Momentary Blink
10 Bewilder
11 Icatian Crier
12 Savage Thallid
13 Fungal Reaches
14 Paradox Haze
15 Consecrate Land

初手の他の候補は、《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》《騎兵戦の達人/Cavalry Master》《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》あたりといった、カードパワー的に爆弾の少ない印象のパックから、まずは《五制術の聖騎士/Pentarch Paladin》をピックした横須賀。

3手目の《ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary》に対して。

横須賀 「白は、殴れるんですけど、守りが薄い印象なんですよね。プロテクション白がいやだったなって言うのもあるんですけど、とにかく固いクリーチャーをって。」

さて、そんな横須賀の思いがよくわかるのが、次元の混乱の1st Pickである。

■次元の混乱

Planar Chaos  
1 Dust Elemental
2 Magus of the Arena
3 Sunlance
4 Rebuff the Wicked
5 Glittering Lion
6 Dawn Charm
7 Revered Dead
8 Dust Corona
9 Aquamorph Entity
10 Keldon Marauders
11 Keldon Marauders
12 Auramancer's Guise
13 Dust Corona
14 Ghost Tactician
15 Heroes Remembered

ここではゲームを決める巨大フライヤーである《塵の精霊/Dust Elemental》をピックしている横須賀だが、最後まで悩む候補として、《トロウケアの影/Shade of Trokair》《羊術/Ovinize》と並んで《水変化の精体/Aquamorph Entity》を並べていたのである。通常であれば初手級とは言いがたいカードだが…

横須賀 「だから、固いカードが好きなんですってば」

2手目に《闘技場の大魔術師/Magus of the Arena》をピックする横須賀。ここまでのピックを眺めてみると、白は確定として、2色目のカードとして、早い順目のピックではパワーの高い赤をとりつつ、中盤以降で青にも浮気をしている印象がある。

横須賀 「ふらふらしすぎましたね…どちらかに絞っていれば、もっとデッキを強くできたとは思います。」

なお、この3色のドラゴンである《壊滅させるものヌーマット/Numot, the Devastator》が3手目で流れてきているが、ここはさすがに冷静に《太陽の槍/Sunlance》をピックしている。

■未来予知

Future Sight  
1 Ghostfire
2 Whip-Spine Drake
3 Knight of Sursi
4 Riddle of Lightning
5 Whip-Spine Drake
6 Aven Mindcensor
7 Bonded Fetch
8 Grinning Ignus
9 Intervention Pact
10 Saltskitter
11 Blind Phantasm
12 Scout's Warning
13 Augur il-Vec
14 Frenzy Sliver
15 Patrician's Scorn
Tooth and Nail

初手《幽霊火/Ghostfire》4手目《稲妻の謎/Riddle of Lightning》でついに2色目が赤に固まり、それにあわせてデックを纏め上げた印象のある未来予知。

青を切り捨て、以下のようなデックが完成した。

最終的なデックの印象を聞いてみよう。

横須賀 「昨日のデッキより強いんで、満足です。昨日は黒緑の7マナ域多すぎなデッキでみんなに散々いじめられましたので…」

最後に、アレックスに代わって冒頭の《歯と爪》についてもきいてみた。

横須賀 「当時、エルフ&ネイルも流行ってたじゃないですか。(メインが親和メタなので)エルフ相手にサイドに入れようかと。相手より先に《歯と爪》うって、天使2体並べれば、相手がどんなデカブツもってきても殴り勝てるかな、って」

-ちなみに、実際のデュエルでは?

横須賀 「エルフ相手じゃないですけど、サイドインしましたし、打ちましたよ」

「飾り」では無かったみたいですよ、浅原さん。


Saturday, Sept 1: 11:54 a.m. - 2nd Draft Report : 高橋 優太

by Naoaki Umesaki

高橋 優太

高橋 優太(東京)は、プロツアー予選(PTQ)上位入賞の常連として関東圏では地域的に有名プレイヤーであったが、7月に開催されたプロツアーサンディエゴにて準優勝という好成績を残し、一気に全国的にブレイクした新鋭である。

プロツアーサンディエゴ準優勝の勢いそのままに、この日本選手権を初日7戦全勝という素晴らしい成績でここまで爆進してきた高橋の第2ドラフトに注目してみよう。

■1パック目『時のらせん』

1手目⇒《絞殺の煤/Strangling Soot
他の候補:《雨ざらしのボディガード》《水深の予見者》

2手目⇒《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider
他の候補:《嵐雲のジン》《暗殺》《消えない賛歌》《狩りの興奮》

3手目⇒《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra
他の候補:《愚鈍な自動人形》《巻物の大魔術師》《アーボーグの吸魂魔道士》

4手目⇒《早すぎる埋葬/Premature Burial
他の候補:《アーボーグの吸魂魔道士》

5手目⇒《蠢く肉裂き/Drudge Reavers
他の候補:《取り消し》

6手目⇒《精神攪乱/Mindstab
他の候補:《死者の王、ドラルヌ》《小悪疫》《憤怒スリヴァー》

7手目⇒《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer
他の候補:《レンの蝋燭》《虚弱》《小悪疫》

8手目⇒《福音/Evangelize
他の候補:《霊気炎の壁》

9手目⇒《正義の凝視/Gaze of Justice
10手目⇒《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager
11手目⇒《隻眼の巨人/Cyclopean Giant
12手目⇒《蘇生/Resurrection
13手目⇒《にやにや笑いのトーテム像/Grinning Totem
14手目⇒《コーリスの子/Children of Korlis
15手目⇒《知恵の蛇の眼/Ophidian Eye

1パック目は、1手目で《絞殺の煤》を取って黒いカードを中心にピックする流れとなった。
流れてくるカードが全体的に弱くあまり悩むところは無かったというが、唯一悩んだのが3手目だという。

《機械仕掛けのハイドラ》と《愚鈍な自動人形》で迷い、黒はマッドネスの能力持ちのカードがある色であることを考えると、《愚鈍な自動人形》の方がよさそうなのだが《機械仕掛けのハイドラ》の方がカードパワーが高いため、結局は《機械仕掛けのハイドラ》を選択したとのことである。

■2パック目『次元の混乱』

Giant Dustwasp

1手目⇒《巨大埃バチ/Giant Dustwasp
他の候補:《無謀なるワーム》《野生のつがい》《哀愁》

2手目⇒《ラースのわな師/Rathi Trapper
他の候補:《マイアー・ボア》《うつろう突然変異》《粗暴な力》

3手目⇒《コーの葬送歌/Kor Dirge
他の候補:《マイアー・ボア》《ユートピアの誓約》

4手目⇒《吐毒スリヴァー/Spitting Sliver
他の候補:《粗暴な力》《シヴ山のウンパス》

5手目⇒《嵐前線の乗り手/Stormfront Riders
他の候補:《白たてがみのライオン》《うつろう突然変異》《深夜の魔除け》

6手目⇒《塩撃破/Saltblast
他の候補:《熱狂スリヴァー》

7手目⇒《進化の魔除け/Evolution Charm
他の候補:《エイヴンの裂け目追い》

8手目⇒《泥ドラッブ/Muck Drubb
他の候補:《命取りの幼虫》

9手目⇒《哀愁/Melancholy
10手目⇒《マナの税収/Mana Tithe
11手目⇒《活力菌サリッド/Vitaspore Thallid
12手目⇒《マナの税収/Mana Tithe
13手目⇒《マナの税収/Mana Tithe
14手目⇒《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
15手目⇒《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide

2パック目も、1パック目と同様に黒いカードを中心にピックしながらデッキの2色目を流れの中で探る感じのピック内容となった。

2パック目を終了した時点では、2色目はおそらく緑になりそうな印象だが、白も《塩撃破》《嵐前線の乗り手》といった強力なカードが取れているので、3パック目に流れてくるカードの内容次第では白を2色目にする選択肢もありえるだろう。

■3パック目『未来予知』

Kavu Primarch

1手目⇒《カヴーの上等王/Kavu Primarch
他の候補:《弧状の刃》《要塞の鼠》《ケンタウルスの前兆読み》

2手目⇒《ソーンウィールドの射手/Thornweald Archer
他の候補:《刃の翼タロックス》《予感》《輝く透光》《流動石の抱擁》

3手目⇒《黒き剣の継承者コーラシュ/Korlash, Heir to Blackblade
他の候補:《死に際の喘ぎ》

4手目⇒《クローサの拳バルー/Baru, Fist of Krosa
他の候補:《コー追われの浸透者》《ソーンウィールドの射手》

5手目⇒《ラノワールの共感者/Llanowar Empath
他の候補:《深洞のインプ》《墓を掻き回すもの》

6手目⇒《グールの大群/Mass of Ghouls
他の候補:《サーシの騎士》《輝く透光》

7手目⇒《ラノワールの共感者/Llanowar Empath
他の候補:《生けるものの洞窟》

8手目⇒《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk
他の候補:《下僕の呟き》《失われた時間》

9手目⇒《エンバーワイルドの占い師/Emberwilde Augur
10手目⇒《物静かな破損/Quiet Disrepair
11手目⇒《ダル追われの殺し屋/Cutthroat il-Dal
12手目⇒《塩切り/Saltskitter
13手目⇒《失われた時間/Lost Hours
14手目⇒《危険な墓/Grave Peril
15手目⇒《活力の覆い/Wrap in Vigor

3パック目は、《黒き剣の継承者コーラシュ》《クローサの拳バルー》といったゲームを決められるレベルの強力カードが取れて、そこそこ満足できる内容のレベルのピック内容となった。

完成したデッキは、高橋によると「ドラフトで流れていたカードが全体的に弱い印象を受けたので、他の人のデッキがそこまで強いということはないだろうと思う。そういったことを踏まえると、十分に戦えるデッキにはなっていると思います。」とのこと。

Takahashi Yuuta

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なお、結果的な話ではあるのだが、高橋の上の席である小室は1パック目で《胞子撒きのサリッド》→《サリッドの発芽者》×2枚とピックするスタートで、流れてきた《闇の萎縮》や《小悪疫》などを取って、1パック目の最初から3パック目最後まで緑黒のピックだったという。

高橋のデッキも黒緑、小室のデッキも黒緑。 隣り合わせの席であった小室と高橋が黒緑という同じ色の組み合わせのデッキとなってしまったということは、1・3パック目に関しては上席であった小室のほうがより良いカードを取り、その残りの中から高橋がカードをピックしているということになる。高橋がデッキ構築時に「デッキが微妙、強いカードが流れてこなかった」といっていたが、こういうことだったのだ。

黒緑をやっている小室から《黒き剣の継承者コーラシュ》《クローサの拳バルー》が流れてきたのは何故と疑問に思う方も多いとは思うが、小室はその時にそれぞれ《大量の芽吹き/Sprout Swarm》をピックしていたという。納得である。

高橋は、結局Round8で小室に当り負けてしまったのだが、今後のラウンドも頑張って戴きたい。


Saturday, Sept 1: 12:02 p.m. - Undefeated Day 1 Decks

by Naoki Kubouchi
 

日本選手権の折り返し地点をトップ集団で駆け抜けた3人のデッキを集めてみました。

オープン予選でトリコロールとグルールが優勢だったスタンダードでしたが、彼らはそれぞれ緑黒タルモラック、緑青白ブリンク、青黒ピクルスというデッキ選択をしています。

そして、Day 1がラヴニカブロック、Day 2をコールドスナップでドラフトが行われた去年とは異なり、今年の日本選手権は再びタイムスパイラルブロックのドラフトからDay 2がスタートします。

Best 8入りが有力視される彼らの戦い、是非注目していただきたいです。

Kitayama Masaya

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Kitayama Masaya

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Komuro Shu

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Komuro Shu

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Takahashi Yuuta

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Takahashi Yuuta

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※スタンダードのデッキリストは、2日目のスタンダードラウンド開始後に掲載されました。


Saturday, Sept 1: 1:26 p.m. - Round 8 : 中村 修平(大阪) vs. 横須賀 智裕(茨城)

by Daisuke Kawasaki

横須賀 智裕

2nd Draftでも紹介したとおり、3年ぶりに復帰し、その実力がいまだ確かであるということを証明する好成績で初日を折り返した。

ここでは、そんな横須賀の衰えぬ美技をフィーチャリングしよう。

対するは、横須賀が最後に参加した2004年の日本選手権では日本代表資格を獲得している中村 修平(大阪)。前年・前々年に比べて、好調とは言い難い今シーズンだけに、この日本選手権には思うところがあるようだ。

横須賀のドラフトと、デックについては別記事を参照してもらうとして、中村のドラフトの印象を聞いてみよう。

中村 「昨日の小室さんのトラウマ(Round 6)の影響で初志貫徹できませんでした…黒単貫いてたほうがデッキ強かったすね…」

というように、次元の混乱の早い段階で《マイアー・ボア/Mire Boa》をピックし、結果《緑探し/Greenseeker》と《マイアー・ボア》のために緑をタッチした、マッドネスメインの準黒単となっている。

Game 1

先手は横須賀。

マリガンの中村だが、《緑探し》をだしつつ、《肥満死体/Corpulent Corpse》を待機するという順当なスタートを決める。

一方の横須賀のファーストアクションは、《アムローの求道者/Amrou Seekers》。後続として《にやにや笑いのイグナス/Grinning Ignus》をキャストしようとするのだが、そこにはスタックで《緑探し》を共鳴者として《脳喰らい/Brain Gorgers》をマッドネスでキャスト。メインの攻め手である《アムローの求道者》を失いたくない横須賀、少考の末にこれが場に出ることを許す。

横須賀は《にやにや笑いのイグナス》でマナ加速しての《闘技場の大魔術師/Magus of the Arena》キャストと一気に盤面を掌握しにかかるのだが、これには《緑探し》で墓地を肥やしてからの探査で加速された《死に際の喘ぎ/Death Rattle》が突き刺さり、一気にダメージレースを突き放されてしまう。こうなると、《脳喰らい》の頭でっかちなプロポーションが俄然気になるところ。

目下の問題である《脳喰らい》は《太陽の槍/Sunlance》で除去するが、ここでついに《肥満死体》が待機を終了し、満を持してダメージクロックを刻み始める。さらに中村の場に追加された《スカーク峠の掘り起こし/Skirk Ridge Exhumer》が《ベラドンナの暗殺者/Nightshade Assassin》を呼び起こし、横須賀の戦線をズタズタにしつつクロックが徐々に拡大されていく。

《肥満死体》は《幽霊火/Ghostfire》で対処したものの、《ただれたゴブリン/Festering Goblin》の群れを対処するには、手札の《平地/Plains》では少々力不足だった。

中村 1-0 横須賀

Game 2

中村 修平

土地5枚ではあるものの、《サーシの騎士/Knight of Sursi》《鞭背ドレイク/Whip-Spine Drake》とある手札をキープし、1ターン目から《サーシの騎士》を待機する横須賀。続いて《鞭背ドレイク》を場に追加する。

マッドネスがデックのメインエンジンである中村。3ターン目に《スカーク峠の掘り起こし》を場に送り出し、またも《ベラドンナの暗殺者》マッドネスで《サーシの騎士》を除去する。

《アイケイシアの触れ役/Icatian Crier》《有徳の死者/Revered Dead》と場に送り出し、優位を築きたい横須賀ではあるのだが、ここでアンタップ状態の《スカーク峠の掘り起こし》へと《有徳の死者/Revered Dead》が突っ込んでしまい、生み出された《ただれたゴブリン》で《アイケイシアの触れ役》を失うこととなってしまう。横須賀は《幽霊の戦術家/Ghost Tactician》で地上を固め、長期戦に持ち込もうとする。

中村の《要塞の鼠/Stronghold Rats》がこの膠着を崩しにかかるが、横須賀も最終兵器である《塵の精霊/Dust Elemental》を場に送り出す。これらもそれぞれ、《太陽の槍》《大物狙い/Big Game Hunter》で対処しあい、完全な消耗戦の様相を見せ始める。

横須賀はライブラリートップから《闘技場の大魔術師/Magus of the Arena》《アムローの求道者/Amrou Seekers》と引き込み、徐々に優位を築くのだが、中村が《悪魔の談合/Demonic Collusion》から《センギアの吸血魔/Sengir Nosferatu》を引き込んだことで一気にゲームスピードが加速する。

この時点で中村のライフは7.横須賀は6点のライフがあるが、次のターンのフルアタックで削りきられてしまうのはほぼ確実だ。《幽霊の戦術家/Ghost Tactician》の能力だけでは1ターン足りない。

意を決して、横須賀は本体に《稲妻の謎/Riddle of Lightning》をキャスト。

ライブラリーのトップは、《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》《平地/Plains》、そして《暁の魔除け/Dawn Charm》。

中村 1-1 横須賀

Game 3

マッドネスがデックに多いということは、その分共鳴者も多くデックに入れているということだ。

Icatian Crier

中村は、3ターン目に《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage》をキャスト。ここまでマッドネスには散々な目にあわされている横須賀は、《アムローの求道者》キャストを挟んで、《太陽の槍》で除去する。

この横須賀の読みは大当たりで、続くターンに中村はマッドネスなしで《ベラドンナの暗殺者/Nightshade Assassin》をキャストし、《アムローの求道者/Amrou Seekers》に対処せざるを得なくなってしまう。これを《一瞬の瞬き/Momentary Blink》でいなして《五制術の聖騎士/Pentarch Paladin》をさらに追加。

中村も《滑る胆液/Ichor Slick》で《五制術の聖騎士》を除去してからの《センギアの吸血魔》キャスト、待機のあける《肥満死体》とともに猛烈な勢いでクロックをかけにかかる。横須賀は、手札に《幽霊火/Ghostfire》を持っており、この火力で《センギアの吸血魔》を除去するタイミングは幾度と無くあった。

だが、横須賀は、《アイケイシアの触れ役》でトークンをばら撒いてダメージレースに持ち込み、この火力を温存する。

横須賀 「相手は除去多いし、いずれどうにかされると思いましたから。もう、本体しか見てませんでしたね」

中村 1-2 横須賀

「横須賀ブルー」の名が示すように、コントロール使いのイメージの強い横須賀だが、ダメージレースをしっかり制して勝利したのだった。


Saturday, Sept 1: 2:31 p.m. - Round 9 : 森田 雅彦(大阪)vs. 北山 雅也(神奈川)

by Naoaki Umesaki

北山 雅也

北山 雅也(神奈川)
『浅原連合』と呼ばれる神奈川・古淵のコミュニティに属しているプレイヤーで、『高校選手権』準優勝などの戦績を持つ。早くからその実力を認められながらも、チャンスに恵まれず今までスポットライトが当たることは無かったが、今年の日本選手権は好調でここまで快進撃を続けている。ついにブレイクか!?
1日目を7戦全勝で終え、現在は7勝1敗。 今回のドラフトデッキは、黒赤となっている。

森田 雅彦(大阪)
今まで輝かしい戦績を残しているプレイヤーで、本大会でも何回もフィーチャーされているので、もはや説明は不要であろう。
1日目を6勝1敗で終え、現在は7勝1敗。 今回のドラフトデッキは、白青となっている。

Game 1

北山の先攻、森田1マリガンでゲームはスタート。

先攻の北山、第1ターン目に《巻物の大魔術師/Magus of the Scroll》→《ラースのわな師/Rathi Trapper》→《弧状の刃/Arc Blade》待機と気持ち良い立ち上がりをみせる。
森田もこれに《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse》で応戦するも、北山はこれをすぐさま《裂け目の稲妻/Rift Bolt》で除去。

この状況を打開すべくクリーチャーを展開したいところだろうが、そろそろ待機から明けてくる《弧状の刃》の存在が邪魔で森田は場にクリーチャーを展開できない。
とりあえずターンを返し、北山のターンエンドステップに《ヴェンセールの拡散/Venser's Diffusion》で《弧状の刃》を戻て場にクリーチャーを展開するが、北山は次のターンにしっかりと5マナ目となる土地をセットして《弧状の刃》通常プレイ!
北山、会心の回りである。 場に森田のクリーチャーは0となり、場を完全に制圧する。

森田は《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》を場に追加するが、もちろん北山の《ラースのわな師》によって何もさせてもらえない。
この時点で十分にゲーム終了なのだが、北山の手札から《紅蓮炎血/Pyrohemia》が場に追加され、森田は苦笑しながら投了するしかなかった。

森田 0-1 北山

Game 2

森田 雅彦

北山が序盤から先ほどと同じような展開を見せ、先ほどと同じような展開を予想させるも、今回は森田の展開も良く数を並べての殴り合いに持ち込むことに成功する。
中盤に差し掛かり、お互いのクリーチャー展開により地上の盤面は止まり飛行クリーチャー勝負になるのだが、森田のほうが戦力的には有利な状況だ。

北山【ライフ6】、場⇒《刃の翼タロックス/Tarox Bladewing》《ラースのわな師/Rathi Trapper
森田【ライフ10】、場⇒場《輝く透光/Lucent Liminid》《鞭背ドレイク/Whip-Spine Drake》《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel

北山は森田のターン内で《ラースのわな師》で《鞭背ドレイク》をタップして、考慮時間に入る。
北山は考えた結果《刃の翼タロックス》でアタックしに行くが、森田はこれを《輝く透光》でブロックせずにスルー。待っていたのは森田の《暁の魔除け/Dawn Charm》によるダメージ全軽減であった。

北山 「何か有効なカードを持たれていたらどちらにしても負けな状況なので、仕方ないです。負けですね。」

森田 1-1 北山

Game 3

Tarox Bladewing

お互いに《変異》を出し合い、相打つところからゲームはスタート。
続くターン、森田は《雲を追うケストレル》、北山は《変異》と展開するが、5ターン目に北山の場に出てきたのは《刃の翼タロックス/Tarox Bladewing》。
ダメージレースが北山に有利に傾き始める。

森田は《雲を追うケストレル》に《五制術の護法印/Pentarch Ward》(指定:赤)で《刃の翼タロックス》を止めにかかるが、北山は《深洞のインプ/Deepcavern Imp》を場に追加してフルアタック。攻め手を緩めない。

《雲を追うケストレル》は《刃の翼タロックス》を防御し、《変異》《深洞のインプ》により4点のダメージが通りはじめる。

続くターン、森田は《雲を追うケストレル》に2枚目の《五制術の護法印》(指定:黒)をプレイし、北山のフルアタックに対しては《深洞のインプ》をブロックして数を減らしにいくが、森田の場を支えるのは相変わらず《雲を追うケストレル》1体のみと数が並んでいる北山のビートダウンに対して厳しい状況だ。

ようやくブロッカーを用意するも、北山は返しで《ラースのわな師》。森田にとって、状況はよくならない。

森田は《暁の魔除け/Dawn Charm》などでターンを稼ぐも、北山は《棘鞭使い/Stingscourger》でブロッカーをどかしてのフルアタックで森田のライフを削りきった。

森田 1-2 北山


Saturday, Sept 1: 3:18 p.m. - Round 10 : 金 民守(神奈川) vs. 石川 錬(神奈川)

by Daisuke Kawasaki

金 民守(左) vs. 石川 連

昨年度Player of the Yearの八十岡 翔太(神奈川)。

先日のPTサンディエゴトップ4の通称「神チーム」で樽 元気(神奈川)とチームを組んだ金子 真実(神奈川)。

強豪揃いの神奈川勢の中でも、この二年でブレイクしたこの二人が、実は同じチームに所属しているということをご存知だろうか?

IR四天王と呼ばれるこのチームを率いるのが、通称「IR」こと石川 錬(神奈川)である。八十岡がPoYを獲得した時に彼が言ったとされる「ヤソ?あいつは我々四天王の中でも末席」というセリフが、このチームのレベルの高さを端的に示しているだろう。今大会に向けての調整も十分だという。

石川 「日本選手権にむけて、体重絞ってきましたから」

さて、この石川。昨年の神奈川選手権でもトップ4という好成績を残している。たかが都道府県選手権と侮るなかれ、神奈川選手権は、石田・浅原という関東の二台巨頭をはじめとした強豪プレイヤーひしめく激戦区なのである。

そして、準決勝でこの石川を破り、見事昨年度の神奈川王者となったのが、金 民守(神奈川)、2001年日本選手権ファイナリストである。

この時使用していたマシーンヘッドにならってか、白黒に《虚空/Void》をタッチしたかなりパワーの高いビートダウンを使う金に対して、「《炎異種/Torchling》頼みっすね…」と少々弱気な発言の赤緑デックの石川。

高レベルな技と技がぶつかり合う激戦を期待したい。

Game 1

先手は金。

1ターン目に《肥満死体/Corpulent Corpse》待機、2ターン目に《第六隊の刃/Blade of the Sixth Pride》3ターン目に変異という流れるような展開の金。これに対する石川のファーストアクションは、《第六隊の刃》へとX=1で《燃焼/Conflagrate》となかなかにスロースタート。

《第六隊の刃》を失っても、金の攻めては止まらない。《奈落の守り手/Pit Keeper》を場に追加すると、《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》で一気に攻め立てる。これにはたまらないと石川は使い捨ての《大量の芽吹き/Sprout Swarm》で《奈落の守り手》を討ち取るという苦渋の選択。

フルタップでの《炎異種/Torchling》で一気に持ち直そうという石川の心を折ったのは、表に返された《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》。

捨てられたカードは、《闇の萎縮/Dark Withering》。

金 1-0 石川

ドラフトテーブルでは、下家だった石川。自身のサイドボードから《闇の萎縮》を見せて、一言。

石川 「これは2枚目だから流したんですか?」

金 「いや、その時点ではまだ白しかわかんなかったからね、開いてるかどうか。その後黒もあいてるってわかったから、黒とり始めたんだよね。」

石川 「ソート覚えてる人はやっぱ違いますね…」

 「ソートだけじゃなくて、上のシグナルがすごいわかりよかったから…」

この後、ドラフトのピックの流れについて説明する金に対して、ただただ感心してうなずくことしかできない石川。大量のマネドラ(4人ドラフト)で鍛えられた金のドラフト理論には、現在のプロプレイヤーたちも一目置くほどなのである。

Game 2

Corpulent Corpse

後手、金の1ターン目《肥満死体/Corpulent Corpse》待機に、石川は思わず「また?」とつぶやく。

石川も、《本質の管理人/Essence Warden》《マイアー・ボア/Mire Boa》と序盤は順当に展開するのだが、金の《ラースのわな師/Rathi Trapper》キャストから、タップ用のマナを残しつつ《奈落の守り手》《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》というマナカーブに追いつけない。

《棘鞭使い/Stingscourger》で何とか一度ひっくり返った先手後手を取り戻すのだが、《シミアの死霊/Shimian Specter》によって手札が土地のみである事があらわとなる。

《呪われたミリー》《カルシダーム/Calciderm》と連打される脅威に対して、《本質の管理人》によるわずかなゲインライフで対抗し、《ナントゥーコのシャーマン/Nantuko Shaman》で無理やり《燃焼》を引き込んで、フラッシュバック込みの2連打でなんとか相手の頭数だけでも減らそうとする。

しかし、金が《粘つく霊命/Viscid Lemures》をさらに追加するのをみても、石川は毎ターン手札の《森/Forest》を見せ続ける事しかできないのだった。

金 2-0 石川

金 民守、クセモノ揃いのPod 2を制する、ドラフト3連勝。


Saturday, Sept 1: 3:55 p.m. - Round 11 : 斎藤 友晴(東京) vs. 八十岡 翔太(神奈川)

by Daisuke Kawasaki

八十岡 翔太

もはや、戦績を列挙する必要もないであろうこの二人。

「ストンピーの貴公子」 斎藤 友晴(東京)
「対抗呪文の化身」 八十岡 翔太(神奈川)

Kajiharu80として、ともにPTチャールストンを制し、現在も世界各国のGPを一緒にめぐる生活のふたりではあるが、それぞれが得意とするデックタイプは、両極端といっていいほどに相容れない。

ビートダウン 対 コントロール

典型的なマジックのメタゲーム。その頂上決戦が今、ここで行われようとしている。

斎藤 「GPストラスプールとおんなじだね。ヤソがコントロールで俺がビートで。逆はあんのかね。オレはたまにコントロール使うけど…」

ヤソ 「絶対無いね。ワンチャンス、コンボがあるかな。」

斎藤 「っていうか、ビートダウンだとカード持ってないでしょ。」

ヤソ 「よくご存知で…あ、バッパラ(《極楽鳥/Birds of Paradise》)ならある」

《極楽鳥》のパワーは…0である。

Game 1

ヤソ 「土地ひかねー…このデッキでマリガン10回目くらいなんだけど…」

1分後

ヤソ 「かわってねー!土地がないんだけど…」

1分後

ヤソ 「そろそろ…投了かな…でも、昨日トリプルマリガンから勝ってるしね。」

1分後

ヤソ 「(4枚の手札を見てため息をついて)…やります。」

そして、後手の八十岡のファーストドロー。

ヤソ 「(つぶやくように)引いたカードがもっとまともだったらなー。」

斎藤 「デッキばれる前に投了する?」

ヤソ 「そうだね」

こういう判断こそ、プロならではである。

斎藤 1-0 八十岡

試合の合間に八十岡が冒頭の会話の続きをする。

ヤソ 「《モグの狂信者/Mogg Fanatic》は好きですよ。クリーチャーの中ではトップ20に入るね」

-クリーチャーらしくなくなるほどすきなんじゃないですか?

ヤソ 「いやいや、《ボール・ライトニング/Ball Lightning》も好きですから」

斎藤 「だから、クリーチャーじゃないじゃん」

ヤソ 「他には…そうそう《極楽鳥》」

どうやら、最近の八十岡はオチに《極楽鳥》を持ってくるのが十八番のようだ。

Game 2

齋藤 友晴

まったく八十岡のデックの情報がないという斎藤。

斎藤 「いや、これ、マジで初の試みですよ。デッキ知らないから、ヤソが作りそうなデッキを予想してサイドボードって」

そして、シャッフル後に。

斎藤 「今回、サイドボード、既存にないデッキにBETしたよ」

果たして、斎藤の賭けの勝敗は…

今回のマリガンは1回ですんだようで、八十岡はついにゲームをスタートする。

セットは《草むした墓/Overgrown Tomb》。

斎藤 「あー!うぇ、俺、もー」

言葉にならない斎藤。斎藤の手札には2枚の《氷結地獄/Cryoclasm》。

斎藤 「青黒じゃないかもって可能性も話してたのに!さっきまで!」

しばらく頭を抱える斎藤だったが、続く《湿った墓/Watery Grave》に一安心。1ターン目には《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》待機しつつ、《遥か見/Farseek》からサーチしてきた《寺院の庭/Temple Garden》へと《氷結地獄/Cryoclasm》を打ち込む。続くターンにも《繁殖池/Breeding Pool》へ《氷結地獄/Cryoclasm》を打ち込む斎藤だが…これには八十岡の十八番である《神秘の蛇/Mystic Snake》が。

八十岡がキャストした《強迫的な研究/Compulsive Research》でディスカードした《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》《神秘の指導/Mystical Teachings》を見たところで失笑してから頬をたたく斎藤。もう、考えることはやめたようだ。

《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》へと《恐怖/Terror》が打ち込まれ、《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》がキャストされるが、冷静に《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》で時間カウンターを一気に3つ減らした《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》でアタックを決行。ゴブリントークンをブロックした《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》に《火葬/Incinerate》と徹底的に八十岡を追い詰める。

だが、ここで八十岡のドローが《強迫的な研究》。そして、引いた3枚の中には起死回生の《滅び/Damnation》が。

攻め手を失った斎藤。一方の八十岡は《神秘の指導/Mystical Teachings》フラッシュバックで《神秘の指導/Mystical Teachings》をサーチし、段々と自分の展開に持ち込む。

八十岡のデックは、《不死の標/Beacon of Immortality》でのライフコントロールを軸とした4色除去コン。このタイミングを逃すとずっとヤソのターンとなってもおかしくない。そして、八十岡は手札に《恐怖/Terror》《糾弾/Condemn》と抱え、万全の体制で待ち構える。

八十岡のライフは9。斎藤は、《神秘の指導/Mystical Teachings》フラッシュバックにあわせて《火葬/Incinerate》を打ち込みライフを6へ。コントロールを確立される前に火力さえ引ければ…というゲーム展開へと持ち込む。プレッシャーをかけるゲームを得意とする斎藤ならではの判断であり、結果、八十岡は毎ターンタップアウトしながら急いで準備を進めることを余儀なくされる。

ドロー。火力カード。《氷結地獄》。

ドロー。火力カード。《火葬》。

斎藤 2-0 八十岡

インヴィテーショナルへの出場自体を、正式に伝えたという斎藤。

斎藤 「今年はやっぱりPlayer of the Year狙いたいですから。インヴィの裏でGP行ってきます」

PoYメイカーとして、過去ふたりのチームメイトをPlayer of the Yearへと送り出している斎藤。そして、今年は、ついに、本人が。

Yasooka Shota

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Saito Tomoharu

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Saturday, Sept 1: 4:43 p.m. - Round 11: 森田 雅彦(大阪) vs. 安藤 玲二(東京)

by Naoki Kubouchi

安藤 玲二

Day 1を1敗で折り返した森田 雅彦(大阪)は、Day 2ドラフトを1-2と3敗目を喫しています。今回、彼が選んだスタンダードデッキは赤青ストーム。昨年の日本選手権では惜しくも10位に終わってしまったものの、3敗目の崖っぷちからの怒涛の追い上げを見せていました。さて、今年はどのような追い上げを見せてくれるのでしょうか?

安藤 「森田と当たったのは残念だけど、フューチャーはやっぱりうれしい」

今回、日本選手権のために久しぶりにトーナメントシーンにタイムシフトしてきてくれた安藤 玲二(東京)は、今や一家の大黒柱となっています。彼もまた社会人としての経験によって人間的に成長したマジックプレイヤーとして、多忙な生活を送りつつも、仕事の合間をぬって調整してきた黒単ビートダウンを携えてきています。

ゲーム開始直前、マッチの組み合わせの変更で少し間ができてしまい、「それじゃあ」と言って二人して仲良くトイレへ行く、という和やかムードを見せてくれました。

Game 1

デッキシャッフル中に安藤は「サイド、何が効くか分からない」と語っていたこともあり、2つのサイコロを手に祈るようにダイスロール。ここは先行が欲しい安藤だったが、無常にも出た目は「4」。そして、「9」を出した森田が先行となります。

安藤は土地と《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》《闇の腹心/Dark Confidant》を順調に展開、森田の土地は《蒸気孔/Steam Vents》《シヴの浅瀬/Shivan Reef》で止まっているものの、《孵化計画/Hatching Plans》、2枚目の《闇の腹心》を《差し戻し/Remand》とストームのタイミングをじっくり伺う構えに。

第4ターン目、安藤は《沼/Swamp》セットから《不吉の月/Bad Moon》《冥界の裏切り者/Nether Traitor》とプレイ。これに対して森田は何もせず、フルアタック9点のダメージで残りライフは16から7へとレッドシグナルが点灯します。

森田は、ターンエンドに《孵化計画》を《危険な研究/Perilous Research》で生贄に捧げ5枚ドロー。次の第5ターン目、ようやく引いた3枚目の土地《島/Island》をセットし、《炎の儀式/Rite of Flame》×2から赤マナ2つを残して、再度《孵化計画》>《危険な研究》。この5枚のドローに全てがかかりますが、その有り余る手札には《ぶどう弾/Grapeshot》は無かったのでした。

森田 0-1 安藤

森田
サイド in
2《宮廷の軽騎兵/Court Hussar
1《巣穴からの総出/Empty the Warrens
3《灰の殉教者/Martyr of Ashes

サイド out
4《差し戻し/Remand
1《ぶどう弾/Grapeshot
1《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath

安藤
サイド in
2《根絶/Extirpate
2《滅び/Damnation
2《真髄の針/Pithing Needle

サイド out
2《墓生まれの詩神/Graveborn Muse
4《ストロームガルドの十字軍/Stromgald Crusader

Game 2

森田 雅彦

森田の《睡蓮の花/Lotus Bloom》《ギックスのかぎ爪/Claws of Gix》《撤廃/Repeal》《孵化計画/Hatching Plans》《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath》《巣穴からの総出/Empty the Warrens》《石灰の池/Calciform Pools》と、青マナ出るの2枚目の土地が引ければ一気にストームが決まりそうな初手です。

対する安藤は1マリガン後、《冥界の裏切り者/Nether Traitor》《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》《滅び/Damnation》《産卵池/Spawning Pool》《沼/Swamp》×2でキープ。

《冥界の裏切り者》、《ナントゥーコの鞘虫》と展開していく安藤、そして森田は2ターン目に《トレイリア西部/Tolaria West》を無事獲得し、続く3ターン目に《孵化計画》をセットして《睡蓮の花》の待機が明ける次ターンの爆発が見えてきます。

第4ターン目、《睡蓮の花》>《ギックスのかぎ爪》>《孵化計画》からの3ドロー>《撤廃》(対象は《ギックスのかぎ爪》)>《ギックスのかぎ爪》>《巣穴からの総出》ストーム=5でゴブリントークン12匹が登場と、初手の展望を見事成就させることに成功します。

安藤は1マリガン後に引いていた《滅び》がこれをリセット、お互いの手札を見ても、再びヨーイドンの状況といったところです。

先に2枚目の《孵化計画》を引いた森田は、これの3ドローと、これも2枚目となる《睡蓮の花》で再びストームの予感。返すターンに安藤は《困窮/Distress》で森田の手札から《紅蓮術士の刈り痕》をディスカードさせてターンエンド。(この時の手札は《撤廃》《灰の殉教者》《巣穴からの総出》《ぶどう弾》×2)

すると、森田は3枚目となる《孵化計画》をトップから引き当て、再び12匹のゴブリントークンを呼び出します。

それでも、安藤も負けてはおらず、こちらも既に2枚目の《滅び》を引き当てており、再々スタート。

安藤 「せっこ!!」

直後、安藤が突然驚いたのも無理はなく、2枚目の待機明けした《睡蓮の花》>《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》(ここで3枚目の《巣穴からの総出》を調達)>《灰の殉教者》>《巣穴からの総出》で3度ストームを決め、最後に見せた手札には《ぶどう弾》×3枚と、お互いに笑いながら場を片付けるのでした。

森田 1-1 安藤

Game 3

Nether Traitor

安藤 「引き分けはないね」

と言いながら、入念に何度もシャッフルをする安藤。《灰の殉教者》の効果も再確認し、気合いを入れなおす。

森田もいつもの落ち着いた雰囲気で淡々とシャッフル。初手には《睡蓮の花》《孵化計画》《撤廃》と入り、キープを宣言し3本目がスタートします。

安藤は《病に倒れたルサルカ》、《闇の腹心》、3ターン目のアップキープに《不吉の月》がめくれ、先ほど安藤が再確認した《灰の殉教者》をきっちりと持っていた森田もちょっときついな、といった表情。このターンの攻撃で森田のライフは19から14に、《病に倒れたルサルカ》を更に追加してターンを渡します。

これ以上ない安藤のロケットスタート。

メインフェイズで《灰の殉教者》をプレイ、《紅蓮術士の刈り痕》《巣穴からの総出》をオープンして場を一掃した森田は、続くターンに《炎の儀式》をドローして、《睡蓮の花》から《撤廃》(対象は《不吉の月》)>《炎の儀式》>《巣穴からの総出》でゴブリン8体を展開。安藤の場には《ガルザの暗殺者》のみで手札にも追加の攻め手はいない様子。

安藤、気合を入れたドローの後、《滅び》をプレイ。行ったり来たりを繰り返す試合展開にギャラリーも沸きます。

第7ターン目、森田は《灰の殉教者》を場に出し、返す安藤は《不吉の月》でバックアップされた《産卵池》をアクティベイトしてアタック。これに対して森田は2枚目の《撤廃》で《不吉の月》を手札に戻し、残りライフは13。続く8ターン目には安藤が《ナントゥーコの鞘虫》を追加、森田も場に残る《孵化計画》をなんとか墓地に送りたいところだが、ここでのドローは2枚目の《孵化計画》となり、徐々に安藤の方へと天秤が傾き始めます。

そして、運命の第9ターン目。

安藤の気合のドローは《冥界の裏切り者》!!

このターンの攻撃は《灰の殉教者》で食い止めるものの、《産卵池》は再生し、《ナントゥーコの鞘虫》と《冥界の裏切り者》によるコンボがある状況では、どうすることもできないのでした。

森田 1-2 安藤

Ando Reiji

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Morita Masahiko

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