Live Coverage of 2005 Pro Tour Nagoya

更新日 Event Coverage on 2005年 1月 29日

By Yusuke Yoshikawa

「南北揃い踏み」の強力な緑黒を構築した黒田。対するはここまで全勝、前回のロチェスタードラフトPTでベスト4に入っているAnton Jonssonである。

黒田 正城

日本勢がひしめく1番ポッドにあって、すっかりボスキャラ然としているJonssonだが、今回は一風変わった赤青デッキを操る。2枚の《地揺すり/Earthshaker》が強力な印象だ。
果たして、黒田は電車道を突き進めるか。

Game 1

ダイスロールで黒田先攻。
祈りを込めるように手札を見定めた黒田だが、土地1枚の初手をマリガン。6枚ではキープ、Jonssonもそれにならう。

《大蛇の野伏/Orochi Ranger》から入った黒田に対し、《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》で応える。あえて殴ることもなく、黒田は《悪逆な大峨/Villainous Ogre》を追加。
Jonssonはひたすら待ちの構えである。

今度は黒田が待つ番となる。一度は《悪逆な大峨/Villainous Ogre》で攻撃したが、《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》のチャンプブロックを考え、《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》出したときには攻撃せず、Jonssonが怪訝そうな顔。これは《秘教の抑制/Mystic Restraints》で寝かされることに。

Jonssonは《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》2体目で耐える姿勢。サイズは全く足りていないのだが、新たなカードを引かせることへの抵抗感が守りを意外に強固なものにしているのだ。

黒田の手札は《霊魂の奪取/Rend Spirit》《肉体の奪取/Rend Flesh》《引き込み/Pull Under》。ここではいくつかのプランが考えられる。だが、じりじりと攻めることを選んだ黒田は、《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》のみで攻撃。

《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》が現れ、これに対し除去を打つかというところで、《汚れ/Befoul》か《肉体の奪取/Rend Flesh》→《汚れ/Befoul》を選択、Jonssonは6マナありながら能力を起動せずにこれを墓地に置く。不気味だ。黒田はまた《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》のみで攻撃。《悪逆な大峨/Villainous Ogre》ではないのだろうか?
Jonssonは《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》をプレイ。

黒田は除去をする選択肢も持ちながら、ドローした《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》を出す。畏怖の対象は再び《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》である。先ほどから、一見疑問の選択が続くが、その理由を戦後に聞くと、《怒りの狂乱/Blind with Anger》を意識して《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》を失わないようにしたとのこと。一貫して慎重に行きたいということなのだ。

さて、Antonは《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》攻撃、戦闘後に《川の水神/River Kaijin》をプレイしてターンを返す。

続く黒田のドローは《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》。迷いながらもこれをプレイし、同じように《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》で攻撃、Jonssonのライフは13に。
Jonssonは攻撃せずに、意を決したように土地6枚をタップする。4番でエース、《地揺すり/Earthshaker》の登場だ。

ターンが返ってきて、黒田は少考の後《地揺すり/Earthshaker》に《霊魂の奪取/Rend Spirit》。この対応でインスタント秘儀があったとしても、《肉体の奪取/Rend Flesh》(による《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》の秘儀誘発能力)で交わせるという寸法だ。
しかし、Jonssonの対応は《思考縛り/Thoughtbind》。これで黒田も動けず終了。

Jonssonは自らのターン、《怒りの狂乱/Blind with Anger》。対象は《悪逆な大峨/Villainous Ogre》に。これで《地揺すり/Earthshaker》が誘発し、一気に場が色めき立つ。

黒田は予定通り《肉体の奪取/Rend Flesh》を《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》にプレイするのだが、これで《悪逆な大峨/Villainous Ogre》と《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》を生き残らせたものの、《大蛇の野伏/Orochi Ranger》と《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》を失うことに。

Jonssonは奪った《悪逆な大峨/Villainous Ogre》で攻撃、黒田はノーブロック。さらにJonssonは《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》をプレイ、これは黒田の予定になかったか。これで《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》か《悪逆な大峨/Villainous Ogre》のどちらかを失ってしまうが、黒田は《悪逆な大峨/Villainous Ogre》を選択。

だがその選択も、アップキープに《砂のふるい分け/Sift Through Sands》で打ち砕かれてしまった! クリーチャーがすっかり流れ、さらに2体目の《地揺すり/Earthshaker》が登場するに至って、場は完全に支配された。

ダメとわかっていても《鼠の浪人/Nezumi Ronin》を2体出したりという多少の揺さぶりも利かず、黒田は次のゲームの準備を始めた。

黒田 –0 Jonsson –1

Game 2

気を取り直しての第2ゲーム。黒田は《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》から入る。《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》が例によって出てくるが、これなら関係ない。
続いて《木霊の手の内/Kodama's Reach》でマナベースを整え、《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》をプレイして圧力を増す。

《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》は《秘教の抑制/Mystic Restraints》で、《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》はいったん《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》でチャンプしての《川の水神/River Kaijin》でそれぞれ対処するJonssonだが、黒田は《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》を引き当て、じりじりと輪を狭めていく。しかし、やはり緑黒の構成にしてはじれったい感がある。

黒田が《武道家の庭師/Budoka Gardener》を出すと、《嵐の種父/Sire of the Storm》が出てくる。
手札には《引き込み/Pull Under》《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》《影の舞い/Dance of Shadows》と、今引いた《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》があるが、さすがにここは除去しなくてはいけない。《引き込み/Pull Under》して、畏怖で攻撃。

やはり影が見えた通り《地揺すり/Earthshaker》が出てくるが、ここで値千金の《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》をドロー。これをプレイから《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》と、全体強化効果で一気に畳み掛ける。

直後に小さいクリーチャーを流されるものの、Jonssonに《影の舞い/Dance of Shadows》への対抗策はなく、マッチの行方は第3ゲームに持ち越されることとなった。

黒田 –1 Jonsson -1

Game 3

残り時間が15分ほどとなり、急ぐ2人。
先攻Jonssonはキープするが、黒田は苦い表情でマリガン。6枚を見ると、決意の表情
《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》、《悪逆な大峨/Villainous Ogre》と叩きつけるようにテーブルに置く。まるで自らの迷いを断つかのように。

《砂のふるい分け/Sift Through Sands》の後、《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》が出てくる。ふぅっと息を吐く黒田だが、そのまま突撃。ダメージスタック後に《蛇の皮/Serpent Skin》で攻撃を続行する。

この《悪逆な大峨/Villainous Ogre》は《秘教の抑制/Mystic Restraints》で対処される。しかし、《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》がコツコツとダメージを刻みつづけている。

さらに、《木霊の手の内/Kodama's Reach》から《武道家の庭師/Budoka Gardener》、さらに《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》を追加するが、黒田には一つの危惧があった。

《地揺すり/Earthshaker》が怖い!

悩んでいたが、最後の手札《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》をも場に叩きつけた。
来るなら来い!

…Jonssonは、苦悶の表情を一通り浮かべると、
《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》と《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》を出すだけでターンを返した。

《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》がJonssonの墓地を一掃すると、そこには戦場を支配する《冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator》がいた。

世界三大ドラフターの一人、アントン・ヨンスン

てこずらされた《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》をも支配下に入れ、《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》を出してダメ押しとする黒田。
間もなく、Jonssonは今大会初めてであろう、投了の意味をなす握手を求めた。

黒田 –2 Jonsson -1

迷いを振り切った先に、勝利があったこのマッチ。
もちろん、綿密な計算や予想があって自重することも必要だが、可能性を理解した上であえて踏み込むことが必要なこともまたあるのだ。

これで全勝がいなくなった。Top8を目指す混戦から一歩抜け出るのは、果たして黒田か、はたまた誰か。

Masashiro Kuroda defeats Anton Jonsson.

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