パンツを買いに

更新日 Feature on 2005年 1月 13日

By Mark L. Gottlieb

Translated by Yoshiya Shindo

 先日の午後、僕は地元の支援団体、「ローカル・エンチャント・アノニマス(無名の個別魔術依存症者の会)」のメンバーの話を伺ってきた。そしてこの場合の「話を伺う」ってのは、個別魔術を「小突き回す」ってことになるのかな?! 誰だって、個別エンチャントがこのゲームにおける最悪のカードだってのを知っている。こいつらみたいなバカを除いてはね。

 「《灰色熊/Grizzly Bears》が殴る直前に《聖なる力/Holy Strength》をつけるのがすきなんだよねぇ」といったのは、乳首ひねりの犠牲者のルイス・フリューゲルビッフルだ。

 「1体のクリーチャーに5枚もエンチャントをくっつけるのはやめられないわね」と大声を上げるのはフランシーン・オルジポンモで、彼女は自分を殴り続けるのもやめられないみたいだ。

 こいつらは「カードアドバンテージの損失」って単語を聞いたことが無いのか? クリーチャーに個別エンチャントをつけたとすると、相手に1枚のカード、例えば《肉体の奪取/Rend Flesh》とか《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》とかで両方をふっ飛ばさせるチャンスを持たせることになるんだから。これはいい考えじゃないね。

 個別エンチャントの中には、これらの内包された不均衡を独自に解決しているものがある。例えば、自分のじゃなくて相手のクリーチャーの上につくものとか。こいつは2対1交換を食わないし、この手のエンチャントはたいてい除去能力を持っている。他には、インスタントとしてプレイできるエンチャントがある。《聖なる力》は攻撃前にプレイしなくちゃいけなくて、ブロックに関する最終決定は相手が行うことになる。一方、《不退転の意志/Indomitable Will》は相手のブロックが決定した後や、相手が焼き呪文をプレイしようとした直後に使うことができて、相手の計画をかわす奇襲的な効果が期待できる。その後も残り続けるのはおまけみたいなもんさ。最後に、自分の弱点を自分でどうにかしている個別エンチャントもある。《象の導き/Elephant Guide》はクリーチャーが死んだときに3/3のトークンを産んでくれる——なんで、個別エンチャントは失っても、クリーチャーは残るんだ。《怨恨/Rancor》とその仲間は勝手に戻ってくるから、長い目で見ればそのカードを失うことはない。《疑いなき権威/Unquestioned Authority》はカードを引けるから、今後に出るであろうアドバンテージの損失を補填してくれる。わかったかな? 個別エンチャントも悪いもんじゃない。ご愛読感謝。それじゃまた来……。





 何?





 何か忘れてないかって?





 いいだろう。いくよ。

 個別エンチャントのアドバンテージの損失をどうにかしたいのかい? それなら、毎ターン1枚なり2枚なりをタダで探してこれるようにしたらどうだい? そうなれば、個別エンチャントは純粋にアドバンテージだから、ひどいことになっても君はカードの無アドバンテージに戻るだけだ。プラスマイナスゼロバンテージ。いこーるばんてーじ。えーと、何かいい言い回しはあるかい?

そのままで

 君のプレイするクリーチャーが全部《シヴの使者/Shivan Emissary》だったらどうなるだろう? こいつはそれにかなり近い。《脂火玉/Tallowisp》が出てれば、君はクリーチャーをプレイするごとに《平和な心/Pacifism》なり《拘引/Arrest》なり《手の檻/Cage of Hands》なりをひっぱってこれる。そうすれば、あとなりなり払うだけで、君がクリーチャーを1体出すごとに、相手のクリーチャーが1体封じられてくんだ。最悪、相手にクリーチャーがいなくても、デッキからエンチャントを抜ききってしまえばそれいこう引くことは無くなるだろうね。

そのまま

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答え無き質問

 《脂火玉》について思いをはせるとき、僕はとある人生の大いなる疑問を頭から追い払うことができなくなる。その質問とは、「「の」の字はどこにいったんだ?」ってことだ。脂火「の」玉。「脂」+「火「の」玉」。脂火玉。文字は名前に織り込まれてるのかもしれないけど、それを把握しろっていうのはそっちの勝手だ。例えば「かさかさでぼろぼろの巻物とか書物を、裸火とか踊ってる蝋燭の脇に置いといてるやつは誰だ?」なんてのは、単なるいちゃもんつけだろう。もっとも……保険金詐欺を狙ってるんじゃなければね。水面院の黒幕め。考えてるねぇ。

ウォンバット出現注意報

Rabid Wombat
 《脂火玉》は、もちろんこの手のやつで初めてってわけじゃない。個別エンチャントの弱点を埋め合わせて使えるものにしようとしてきたクリーチャーは他にもいる。《伝承の紡ぎ手ハキーム/Hakim, Loreweaver》。《玉虫色のドレイク/Iridescent Drake》。《ルートウォーターのシャーマン/Rootwater Shaman》。《アカデミーの研究者/Academy Researchers》。《スランのゴーレム/Thran Golem》。《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》。《遊牧の民の神話作家/Nomad Mythmaker》。《狐の神秘家/Kitsune Mystic》。それと、僕が文章を書くにおいて先に言い訳しとかなくちゃいけないんだろうけど、僕はこれまで《狂暴ウォンバット/Rabid Wombat》についてどれだけ触れてきたんだろう?!?!? おやおや。

 《脂火玉》は非常に多芸なカードだ。そもそも繰り返しカードを探せる効果は多芸なもんだしね。これに絡んだデッキを組もうと思ったら、ある程度は限定される(スピリットとエンチャントを満載しなくちゃいけない)けど、そこからの方向性はいくつもある。例えば、《支配魔法/Control Magic》型。例えば、純然たる多機能型(例えば、《刺青の護法印/Tattoo Ward》は探してくることのできるエンチャント破壊だ)。例えば、バカっぽいビートダウン型。次に何がくるかわかるかい?

 《またたくスピリット/Blinking Spirit》は「精霊術」能力を持つどのクリーチャーとでもばかばかしいぐらいのコンボになっていて、《脂火玉》も例外ではない。《またたくスピリット》を戻しては出し続ければ、手札はカードで満載になるだろう。《脂火玉》で探してくるべきエンチャントがあって、そいつが《脂火玉》なり《またたくスピリット》なりと同じ色をしてるんなら、手札が満載になることはすばらしいことだろうね。いやあ。《浄火の鎧/Empyrial Armor》があったらねぇ。いや、待てよ……あるじゃん! 素晴らしいじゃないか!

 《浄火の鎧》と《またたくスピリット》の時代まで遡るんなら、制限は天井無しだ。エンチャントの数をアドバンテージにするなら、《祖先の仮面/Ancestral Mask》はどうだ? エンチャントが《象の導き》でも《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》でもいいじゃないか? それに、この手のタフネス強化カードを入れるなら、ジャッジメントの“幻影”シリーズだってデッキのスピリットの数に入るだろう? 《幻影の遊牧の民/Phantom Nomad》が自分で引っ張ってきた《浄火の鎧》を着込むなんてのはいいんじゃないかな。

炎の幻影

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 それではまた来週。それまで《脂火玉》の使い道を計画しておいてくれたまえ (すぐに現実になるよ……)。

マーク

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