『イニストラード:真夜中の狩り』メカニズム

更新日 Feature on 2021年 9月 2日

By Matt Tabak

Senior editor. Game designer. Writer. Bon vivant. Matt wears many hats inside Magic R&D, but they're hard to see as he's so tall.

多元宇宙の中でも、イニストラードほどその次元の住人たちの恐怖をかき立てるものはありません。私達も怖れるべきでしょうか?もちろん、その必要はありません。なにせ、カードゲームだから。ここは素晴らしい舞台です。だから、『イニストラード:真夜中の狩り』で再び訪れるのです。では、一体どんな能力やメカニズムやキーワードが我々を待ち構えているのでしょうか?その答えを知るただひとつの方法とは、イニストラードでは当たり前のこと。危険を顧みず、身の安全を確保する前に頭から闇へ突っ込むことです。何をためらっているのですか? さあ、行きましょう ……。

「昼」と「夜」、そして「日暮」と「夜明」

イニストラードでは、すべてが見た目通りとは行きません。そう、その多くが人狼である、変身する両面カードが帰ってくるのです。このセットでは、ゲームそのものに二種類の状態が新登場します:「昼」と「夜」です。昼の間は、物事はわりと穏やかである傾向にあります。恐るべき人狼たちは夜に牙をむくのです。一体どのような結末を迎えるのでしょうか?《酒場のごろつき》と《酒場破り》を例として見てみましょう。

《酒場のごろつき》
《酒場破り》
ショーケース版《酒場のごろつき》
ショーケース版《酒場破り》

ゲーム開始時は、「昼」でも「夜」でもありません。ほとんどのゲームでは、まず「昼」になります。これはだいたい、「日暮」を持つパーマネントが戦場に出ることで起こります。

変身する両面カードについての簡単な補足

《酒場のごろつき // 酒場破り》のような変身する両面カードは第1面を表にして唱えることができ、唱えることなく戦場に置かれる場合も、第1面を表にして戦場に出ます。

両面カードがモードを持つ(たとえば、前回のセット『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のカードなど)か変身するかの簡単な見分け方の1つとして、変身する各両面カードには、反対の面に変身させる、あるいは変身させた状態で戦場に出るか唱えられるといった能力を持っているということが言えます。変身する両面カードの第2面はマナ・コストを持ちません。なぜなら、通常は変身した状態で唱えることができないからです。ただし、新たな「降霊」能力はその例外です。それについては後述します。

変身する両面カードの第2面のマナ総量を知りたければ、第1面のマナ・コストを参照します。たとえば、《酒場破り》のマナ総量は4です。確かに、少し違和感を感じるかもしれません。しかし、対戦相手がそれに《取り除き》(『基本セット2021』より)を唱えようとして失敗したとき、あなたはほっとするに違いありません。

さあ、本題に戻りましょう

稀なケースでは、「夜明」を持つパーマネントが先に出ることで、ゲームが最初に「夜」になる場合があります。重要なのは、一度「昼」か「夜」になると、ゲームはそれらの状態のうちのいずれか一方だけになるということです。つまり、ゲーム終了まで「昼」か「夜」のいずれかに転じながら進行していくのです。どちらでもない状態に戻ることはありません。そしてゲームそのものが「昼」または「夜」であり、プレイヤー毎に異なるわけではありません。

「昼」であるなら、「日暮」と「夜明」を持つ変身する両面カードはそれぞれ「日暮」の面を表にして戦場に出ます。「夜」であるなら、それらは「夜明」の面を表にして戦場に出ます。ここで特筆すべきなのは、これはスタック上に置かれている呪文には影響を与えないということです。「夜」であっても、あなたが《酒場のごろつき》を唱えた場合、それはスタック上で《酒場のごろつき》のままになります。呪文の解決時に、それは単に《酒場破り》として戦場に出るのです。

「昼」から「夜」へ、そして再び「昼」に

「昼 / 夜」の指定の変更には2つの条件があります。1つ目はイニストラードを訪れたことのある人ならお馴染みでしょう。

ターンの開始時に「昼」であり、直前のアクティブ・プレイヤーが自分のターンに呪文を唱えなかった場合、「夜」になります。同様に、ターンの開始時に「夜」であり、直前のアクティブ・プレイヤーが自分のターンに2つ以上の呪文を唱えた場合、「昼」になります。「昼」と「夜」の移り変わりの記録用に、多くの『イニストラード:真夜中の狩り』のブースターパックにはこのような補助カードが含まれており、以上のルールを参照できるようになっています。

昼
夜

ご覧の通り、「昼」か「夜」であるかを理解するために使うこのカードも両面カードになっています。UXデザイナーのダニエル・ホルト氏は次のように語ります。「補助カードそのものが、戦場で変身させることで『昼』と『夜』の状態が確認できる両面カードであることが最も合理的だと思い至りました。それに加え、枠がほとんどが取り除かれ、イメージ上にルールテキストが浮かび上がっているような美しく新しいアートをこのゲームの目玉にしたかったのです。」

アートワークの美しさについて私は門外漢ですが、ここで特筆すべき点とは、ルールには「昼 / 夜」の指定変更の条件がもうひとつ書かれていることです。それは、いくつかのカードの効果に単に「昼」か「夜」になると書かれている場合です。これは、その効果に書かれている通り、ターンの中のあらゆる時点で発生し得るのです。

変身する方法(面白くなってきました)

「昼」になるに際し、すべての「夜明」を持つ両面カードはその「日暮」の面に変身します。「夜」になるに際し、すべての「日暮」を持つ両面カードはその「夜明」の面に変身します。言い換えるならば、これらの両面カードは誰がコントロールしていようと、常に同調していなければなりません。更に言えば、「日暮」と「夜明」を持つパーマネントはその他の方法で変身することができません。《月霧》の使い手には残念ですが「日暮」と「夜明」の縛りを解くことはできません。

降霊

墓地のメカニズムはどうなっているのか?良い質問ですね。降霊は変身する両面カードにも登場しますが、これらは戦場で変身するわけではありません。代わりに、降霊はこれらのカードを墓地から変身させた状態で唱えることを可能とします。お察しの通り、死は単なる始まりに過ぎないのです。

《餌鉤の釣り人》
《鉤憑きの流れ者》

ほう。釣り人ですか。しかもイニストラードで。さぞや良い結末を迎えることでしょうね。

ひとたび《餌鉤の釣り人》が墓地に(いかなる理由であれ)置かれると、降霊能力を使ってそれの第2面を唱えることができます。今までご紹介した変身する両面カードとは異なり、実際にこのカードの第2面を唱えることになるので、《鉤憑きの流れ者》をスタックの上に置くようにしましょう。マナ・コストを支払うのではなく(見ての通りマナ・コストを持たないので)、あなたは降霊コスト{1}{U}を支払います。

従来のクリーチャー・呪文と同様に、《鉤憑きの流れ者》は対応したり打ち消したりすることもできます。それが解決した場合、それは、もちろん、《鉤憑きの流れ者》として戦場に出ることになります。それは通常、戦場にある間に変身することはありませんが、ある特定の不可思議な状況下(イニストラードでは単に「状況」と呼ぶらしい)では起こる可能性があります。

降霊を持つカードの第2面は、いずこかから墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する能力を持っています。これは事実上、第2面を表にして置かれることがあるスタック上か戦場の2つの領域から、という意味です。つまり、《鉤憑きの流れ者》が打ち消されたなら、それは追放領域に送られるということです。戦場で一度死亡してしまうと、それは代わりに追放されます。

集会

新しい能力が死と恐怖にまつわるものばかりではなかったとしたらどうでしょうか?その能力のひとつが友情の力に関係するとしたら?あるいは、様々なパワーを持つ友人たちやその類だとしたらどうでしょう?

集会とは、あなたが異なるパワーを持つ3体以上のクリーチャーをコントロールしている場合に強化する能力をあらわす能力語です。ここでいう「パワー」とは、「能力」のことだと捉えがちですが、ここでいう「パワー」とはタフネスと併せて表示される値のことを示しています。(ご心配なく。我々もよく間違えました。)たとえば、1/1のクリーチャー、3/1のクリーチャー、4/6のクリーチャーはそれぞれ異なるパワーを持っています(具体的には、1と3と4です)。

一部の集会能力は誘発型能力です。ここで《蝋燭明かりの騎兵》の出番です。

《蝋燭明かりの騎兵》

《蝋燭明かりの騎兵》が持つような能力は、誘発時にあなたのクリーチャー一味が条件を満たしているかどうかをチェックします。満たしていれば、その能力は誘発し、スタックの上に置かれます。この能力は、それの解決時に再度、あなたがパワーが異なるクリーチャー3体以上をコントロールしているかどうかをチェックします。それは同じクリーチャーである必要はありません。同じパワーの値である必要もありません。集会であれば、なんでもいいらしいです。少なくとも表向きではそう言われています。集会を開いていれば、能力は解決されます。

一部の集会能力は起動型能力です。ここで《蝋燭罠》の出番です。

《蝋燭罠》

能力を起動した時点でのみ、あなたが集会を開いている必要があります。その能力を適正に起動した後は、その能力の解決時にあなたがどのクリーチャーをコントロールしているか、それらのパワーの値がいくつであるかは問われません。

インスタントやソーサリーにも集会が関係するものがあります。ここで《旧き道の力》の出番です。蠟燭はもう尽きてしまったようです。

《旧き道の力》

《旧き道の力》などの呪文は、それの解決時に、あなたがパワーが異なるクリーチャー3体以上をコントロールしている場合、追加の効果を得ます。効果は必ず書かれた順番に発生するので、《旧き道の力》は特に厄介です。その+2/+2のボーナスによって突然、集会が成立しなくなってしまいカードを得られなくなる可能性や、また突然に集会が成立してカードを引けるようになる可能性があるのです。

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