『マジック・オリジン』のメカニズム

更新日 Feature on 2015年 6月 22日

By Matt Tabak

Senior editor. Game designer. Writer. Bon vivant. Matt wears many hats inside Magic R&D, but they're hard to see as he's so tall.

マジック・オリジン』が目前に迫っています。 本セットは、これまでの基本セットとはまったく異なるものです。2つの新メカニズム、多くの新カード、そして5人のプレインズウォーカーのオリジン・ストーリーが明かされます。 『マジック・オリジン』では、私たちが知る最も象徴的な5人のプレインズウォーカー、ギデオン、ジェイス、リリアナ、チャンドラ、ニッサの始点を見ていくことになります。 彼らがどこに生まれ、いかにして灯を点し、それを機として何が起こったかを目にすることでしょう。 私たちは皆さんに一刻も早くこのセット全体を体験していただきたいと思っていますが、まずはこのセットで登場する、新旧両方のメカニズムを見ていくことから始めましょう。

両面カードのプレインズウォーカー

まずは今回の目玉からご紹介しましょう! 『マジック・オリジン』には5人のプレインズウォーカーがいることを、先ほどお伝えしました。5人は両面カードとして登場し、第1面には伝説のクリーチャーとしての、第2面にはプレインズウォーカーとしての彼らの姿が描かれています。 点りつつある彼らの灯を表現しているカードなのです。

両面カードをご覧になるのが初めてなら、ここでそのすべてをご理解いただきましょう。 文字通りです。 2面を持つカード。 裏面はなし。 不思議ですね?

カードの各面はそれぞれ、カード名、カード・タイプ、サブタイプ、能力、マナ・コストなど、一連の特性を持ちます。(第2面にはマナ・コストは存在しません。) 両面カードが戦場にないときは、第1面の特性のみを考慮します。 例えば、あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを探してくる呪文を唱えた場合、あなたは《異端の癒し手、リリアナ》を持ってくることができます。

両面カードは、通常は第1面で戦場に出ます。 これは、呪文として唱えられたか、あるいは他のいずれの方法で戦場に出たかによらず適用されます。例えば、《墓場からの復活》のような呪文で戦場に出た場合などです。 (ゾンビとして戦場に戻されるリリアナを想像されましたか? ええ、それもあなたの物語なのです!) これらのカードの、プレインズウォーカーの面を唱えることはできません

これらの伝説のクリーチャーは、それを追放し、変身した状態で、つまりプレインズウォーカーの面(第2面)で戦場に戻す能力を持っています。 他のプレインズウォーカーが戦場に出るときと同様に、それらはカードの右下に書かれている数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出ます。 この「変身」の方法は、かつて『イニストラード』ブロックで登場したものとは多少異なっていることにご注意ください。

それが戦場に出たターンにも、プレインズウォーカーの忠誠度能力を通常と同様に、あなたのターンのメイン・フェイズの間に1回起動することができます。 ただし注意しなくてはいけないのは、あなたのターンのメイン・フェイズ以外(例えば戦闘フェイズの間など)にプレインズウォーカーが戦場に出た場合、対戦相手はあなたがメイン・フェイズにその忠誠度能力を起動する前にそれを除去できる機会があることです。

「レジェンド・ルール」と「プレインズウォーカーの唯一性ルール」という2つのルールは似ていますが、影響するパーマネントの種類が異なります。 《異端の癒し手、リリアナ》と《反抗する屍術師、リリアナ》を同時にコントロールすることはできます。 しかし、《異端の癒し手、リリアナ》が追放され、変身した状態で戦場に出たなら、その時点で同じサブタイプを持つプレインズウォーカーを2体コントロールすることになります。 そのうち一方は墓地に置かれます。

両面カードをデッキに入れる

両面カードをデッキに入れる場合、2つの方法があります。 不透明なカードスリーブを用いるか(普段行なっておられることかもしれません)、以下のチェックリスト・カードを使うことです。 チェックリスト・カードは、『マジック・オリジン』の一部のブースターパックに入っています。

不透明なカードスリーブを使うことは、とても分かりやすい方法です。 クリーチャーの面を表にしてカードをスリーブに入れ、変身した状態で戦場に出るときには、それをスリーブから出します。 そのカードがあなたの手札やライブラリーに移動しない限り、スリーブからカードを出したままにすることができます。 重要なことは、そのカードが手札にある場合は対戦相手が、ライブラリーにある間にはあなたと対戦相手の両方が、そのカードと他のカードを判別できないようにしておくことです。

チェックリストは通常のマジックの背面で、表面はこのようになっています。

チェックリスト・カードを使うには、あなたは実際にその両面カードを所持していなければなりません。 両面カードは脇に置いておき、そのチェックリスト・カードで示したいカード名の横に印をつけておきます。 チェックリスト・カードの背面に跡が残らないように注意してください。 イベントにおいては、この両面カードはサイドボードのカードと区別できるよう、サイドボードとは分けて置いておく必要があります。

両面カードの代わりに使用することができるのは、公式のチェックリスト・カードのみです。 チェックリスト・カードを使ってデッキ内の両面カードを示す場合、デッキ内のすべての両面カードでチェックリスト・カードを使う必要があります。

チェックリスト・カードは、そのカードの内容が秘密であることが重要である状況で使用されます。つまり、ライブラリーまたは手札にあるか、裏向きで追放されている状態です。 そのカードがスタック、戦場、または墓地にあるか、あるいは表向きで追放されている状況のときは、両面カードと入れ替えます。

両面カードを見ることができる状態、例えば公開領域にある、公開された、またはプレイヤーによって見られる場合、そのカードを見ることができるプレイヤーは両方の面を見ることができます。 非公開領域にあるチェックリスト・カードを見たプレイヤーは、それが示す両面カードを見ることができます。

両面カードのドラフト

あなたがドラフトをしている場合(ぜひドラフトをしてみてください)、両面カードを選ぶときの方法は他のカードのものと少し異なります。 他のカードをドラフトする場合と違い、両面カードは他のドラフトの参加者から見える状態になります。 それを隠してはいけません。 ドラフトしたカードの束の上に、そのカードを置きます(どちらの面を上にするかは問われません)。 声に出して喜ぶことは慎み、内心でクスクス笑いするのがクールです。


高名

もしあなたが多元宇宙のクリーチャーであるなら、対戦相手に戦闘ダメージを与えることは自身にとって決定的瞬間になるはずです。 『マジック・オリジン』のクリーチャーの中には、高名と呼ばれる新しい能力によって、その決定的瞬間に大きな意味を持たせるものがいます。

 

高名を持つクリーチャーが初めてプレイヤーに戦闘ダメージを与えたとき、高名能力が誘発します。 この能力は、一定の数の+1/+1カウンターをそのクリーチャーに置きます(その数は「高名」の後に書かれています)。 また、これによりそのクリーチャーは高名である状態になります。 例えば、《ロウクスのやっかいもの》が対戦相手に戦闘ダメージを与えたなら(トランプルが役に立つことでしょう)、それは強力な6/6に成長します。 そして高名である状態となるので、その高名能力はそれ以降誘発しませんが、《包み込む霧》からよりよい効果を得られるようになります。

高名能力は、そのクリーチャーがプレインズウォーカーに戦闘ダメージを与えたときは誘発しません。 (ダメージ移し替えの効果などで)そのクリーチャーが自身のコントローラーに戦闘ダメージを与えるような思いもよらない事態でも、高名能力は誘発します。 高名であるクリーチャーは、それが戦場を離れるまで高名であり続けます。たとえ+1/+1カウンターをすべて失ってもそれは変わりません。

魔巧

マジック・オリジン』のインスタントやソーサリーの中には、魔巧能力を持つものがあります。 魔巧は能力語であり、したがってルール上の意味を持ちませんが、あなたの墓地に2枚以上のインスタントまたはソーサリー・カードがある場合に効果が向上するカードを強調するために使われています。

その呪文が解決される際に、あなたの墓地にあるインスタント・カードとソーサリー・カードの枚数の合計を数え、魔巧能力が適用されるかどうかを決定します。 解決しようとしている呪文自体は数えません。 その時点ではまだスタックに置かれており、墓地にはないからです。

魔巧能力を持つ呪文の中は、その呪文の通常の効果に何かを追加するものがあります。 《眠りへの誘い》がその例です。

また、その呪文の通常の効果の一部、または全部を置き換えてしまうものもあります。 《焦熱の衝動》がその例です。

魔巧能力を持つ呪文カードそれぞれを注意深く読み、どのように機能するかを適切に把握するようにしてください。

威迫

威迫は、以前からある能力を新たにキーワード化したものです。 威迫を持つクリーチャーは、2体以上のクリーチャーによってしかブロックされません。 古くからのファンの方は、「《ゴブリン・ウォー・ドラム》効果」としてご存知かもしれません。

威迫を持つクリーチャーが2体以上のクリーチャーによって適正にブロックされたら、ブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれても、そのブロックが変更されたり解除されたりすることはありません。 古いカードの中には、そのカードが威迫を持つようにルール・テキストが書き換えられたものがあります。

果敢

はるか昔、タルキールの世界を舞台にしたブロックがあったことを覚えていますか? 異なる時間線において、その世界はそれぞれが強力なカンに導かれた、5つの氏族によって支配されていました。 その氏族のひとつジェスカイは、果敢と呼ばれる特徴的な能力を持っていました。 ええ、私たちはこの能力をとても気に入っていました。そこで、これを私たちの時間線に持ってくるだけでなく、『マジック・オリジン』をはじめとして、他のマジックのセットでも見られるようにすることに決めたのです!

果敢は誘発型能力であり、あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたびに、そのクリーチャーにターン終了時まで+1/+1の修整を与えます。 クリーチャー・呪文は、たとえばアーティファクト・クリーチャー・呪文のように他のカード・タイプを持っていても、果敢を誘発させません。 インスタントとは特に相性が良く、そのインスタントが通常行なうことに加えて、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーを大きくする、コンバット・トリックとして使えます。

果敢が誘発すると、スタック上ではそれを誘発させた呪文の上に置かれます。つまり、果敢はその呪文より先に解決されることになります。 一度果敢が誘発すれば、そのクリーチャーでない呪文がどうなろうと関係はありません。 その呪文が打ち消されても、果敢がそのクリーチャーにボーナスを与えることは変わりません。

占術

占術はキーワード処理であり、過去にも何度か登場しました。そしてそれらのマジックのセットに加えて、『マジック・オリジン』でも使えるようになります。 占術によって、あなたは未来を垣間見て、その運命を変えられるかもしれません。

占術Nを行なうには(Nはある数字です)、あなたのライブラリーの一番上からその枚数のカードを見ます。 そして、それらのうち望む枚数のカードを自分のライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りを自分のライブラリーの一番上に望む順番で置きます。 占術を行なうように書かれているカードは、注意深く読むようにしてください。 それらのカードの中には、別の効果が先に起きるものがあります。 また、先に占術を行なうものもあります。 常に、カードに書かれている順番に従ってください。

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