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皆さんは普段、サイドボードのことをどれだけ考えていますか? 60枚のデッキに添えられる――つまり「サイド」に置かれる――、(最大で)15枚のカードの束のことはご存知ですよね? あるゲームが終わり次のゲームが始まる前に、皆さんはデッキから適切なカードをいくつかを抜き、サイドボードからいくつか加えていることでしょう。ではその15枚の選択や、2ゲーム目と3ゲーム目のデッキの構成について、皆さんはどれだけ考えているでしょうか? 「何を加えるか」ということだけでなく、「何を抜くか」まで考えていますか?

《幽体の変容》 アート:John Avon
サイドボーディングは、競技マジックにおいて勝利のチャンスを広げられる、最も大切な技術のひとつです。まず何といっても、第1ゲームと比べてサイド後のゲームの方がプレイする機会が多く、大事なゲームになるのですから! 確かに、第1ゲームはすべての試合で行われます……ですが、よほどのことがない限り、2ゲーム目も行われます。もし「すべての試合が」0−2か2−0で終わるのであれば、サイド後のゲームが持つ重要性は、1ゲーム目と同じに過ぎないでしょう。しかし、実際は多くの試合が第3ゲームまでもつれ込み、そのため戦績全体で見れば(あるいは大会ひとつをとっても)、第1ゲームよりサイド後のゲームの方が多くなるのです。
プレイする機会が多く、ともすれば記憶に残るような大事な勝負には、工夫を凝らし細心の注意を払うべきだと、そう思いませんか?
この記事では、実例として過去の素晴らしいサイドボードの数々を振り返り……サイドボードとその運用のための戦略と戦術、そしていくつかのパターンを復習していく予定です。ひとつの記事でサイドボーディングのやり方や戦略すべてを網羅することはできないので、「とっておきは次回へ続く」ということにしましょう。ここで言う「次回」とは「来週」のことです。「とっておき」については議論の余地があるかもしれませんが……面白いものであることは間違いないと思います。
ではそもそも、私たちは一体何を目指しているのでしょうか?
サイドボーディング、いや、「良い」サイドボーディングというものは、突き詰めるとあるひとつの目的に向かっています――それは「速度」です。
より迅速に勝利を掴む方法を見出すこともあれば、弱点を補うまで対戦相手の勝利を阻むために、その動きを鈍らせる手段を考えることもあるでしょう。すべての決断は「速度」というレンズを通して見極められます。「ビートダウン・デッキに対してはもっと(軽い)除去をたくさん入れよう……」といった戦略が、少なくとも部分的には堅実なものとして認められているのは、クリーチャーを除去することで対戦相手の攻勢を緩めることができるからです。大量のクリーチャー除去――場合によっては繰り出される脅威より多くの数――を入れれば、「本当は何ターンで勝つつもりだったんだい?」と言わんばかりに対戦相手の進攻を大きく阻害することができます。なぜなら脅威を押さえている限り、相手の勝利を阻むことができるのですから。これは、クリーチャーに限らず他の種類のカード(とそれに対応するサイド・カード)にも同じことが言えます……アーティファクトには《古えの遺恨》、《堀葬の儀式》には《漁る軟泥》という風に。
ときには、対戦相手の戦略に対して強烈に効くカードをサイド・インしたい場合もあるでしょう(「発掘」デッキが「0ターン目《虚空の力線》」を克服するには、越えなければいけない障害がいくつもあります)。また、カード・アドバンテージを得るための手段を加えたい場合もあるでしょう(《ニンの杖》はメイン・デッキに採用するには重すぎるかもしれませんが、《スフィンクスの啓示》を使うプレイヤーをじわじわと苦しめるのにぴったりなカードです)。一見力不足なカードでも、(ジャンドに対する《広がりゆく海》など)対戦相手の動きを阻害するために使うものや、(土地をサイド・インすることもあるように)こちらの動きをスムーズにするために入れるものもあります。「対戦相手のサイド・カードに対抗するため」使われるサイド・カードだってあります。互いに適切なプレイを行っているなら、1ターンごとにプレイヤーたちの有利不利が揺れ動く試合において、その「速度」に影響するのはサイド・カードの選択なのです。
本日は、こういったサイドボードについてのアイデアにたくさん触れていこうと思います。皆さんがこのサイドボーディングに関する入門記事から元気に卒業し、サイドボードの組み方についての新しいアイデアや、サイドボードの活用法を持つことができれば幸いです。
さて、皆さんが何をサイドボードに入れたくて、それらをどのように運用したいか、ということとは別に、サイドボーディングには心に留めておくべき原則が多くあります。中でも、これから話を進める上でも影響がある一番大切なことは、「カードに仕事をさせない」ことです。
カードに仕事をさせない
対戦相手の使うカードはもちろん良いカード揃いで、彼らは幸先の良いスタートを切ります。そればかりは仕方のないことです。皆さんが良いカードをデッキに入れようと苦心しているように、対戦相手も同じことを考えているのです。初動《教区の勇者》ですか? 対戦相手は《悲劇的な過ち》を持っていますよ。《悲劇的な過ち》からすれば、《教区の勇者》はチョコレートとピーナッツ・バターのように相性抜群です。初手《教区の勇者》に対して1ターン目に差し向けるカードで、《悲劇的な過ち》より欲しいものはそうありません。対戦相手に後続を出す機会を与えて「+1/+1カウンターを載せられる」という希望を持たせてから、それに対応して《悲劇的な過ち》を撃ち込むのもいいでしょう。また、《教区の勇者》には《カルテルの貴種》がつきもので、そのため《教区の勇者》が何度か大きくなったとしても《悲劇的な過ち》の魔の手から逃れることはできません。「−13/−13!『陰鬱』しちゃったね!」という風に噛み合ってしまうのです。《教区の勇者》を使う場合は、対戦相手の《悲劇的な過ち》が刺さることを避けては通れません。
ただし、対戦相手のカードに十分な仕事をさせないことはできます。
ミラディン/神河ブロック期のスタンダードで赤いデッキがよく使った戦略は、4マナで青単デッキの《島》をすべて吹き飛ばすことでした。当時の青いコントロール・デッキには打ち消し呪文が数多く搭載されていて、4マナのやや重い呪文とは十分渡り合えたのですが、それでも《島》をすべて破壊されるというのはかなり厳しいものでした……そこでコントロール・デッキ使いたちは、「サイドボードに対するサイドボード」として《幽体の変容》を採用する、という思い切った選択をしたのです。

《幽体の変容》は、赤いデッキが繰り出す《沸騰》をそのままお返しすることができます。破壊されるのを《島》から《山》へ変えて、赤使いたちの目論見を完全に挫くことができるのです! 実際に、対策される側だった青使いよりもむしろ、赤使いの方が盤面を流されていました。
当時、赤いデッキが攻めに使う最も強力な脅威は《弧炎撒き》でした。赤いデッキにはちょっと重い5マナのカードでしたが――《弧炎撒き》を戦場に残したままアンタップを迎えることができれば、赤使いたちがゲームを落とすことは滅多にありませんでした。何より、この4/5はたとえ自身が攻撃しなくとも10点ほどのダメージを直接叩き出すのです。これを知った青使いたちは《袖の下》で《弧炎撒き》を奪うという方針をとり、脅威を事前に抑えていました。また、カードの右上を見ればわかるように、《弧炎撒き》は《マナ漏出》や《邪魔》のようなカードには弱かったのです。

さて、すでに豊富な打ち消し呪文に守られている青いデッキが、サイドボーディングの基本方針として《幽体の変容》と《袖の下》をサイド・インするならば……赤いデッキはどうすれば良いのでしょう?
まず、《山》がすべて吹き飛ばされるような状況には決して身を置かないことです。《沸騰》をちらつかせて駆け引きに持ち込み、対戦相手に《幽体の変容》を(無意味に)サイド・インするよう仕向けるのです。相手が自分で《沸騰》を用意するような危険はありません。この駆け引きは間違いなく有効です。
しかし、《弧炎撒き》の方は、青相手には少々危険が多いカードです。青使いは打ち消し呪文を多く使うだけでなく、(5マナの《弧炎撒き》より早く使える)《ヴィダルケンの枷》まで採用していて――その上で《袖の下》を受けてしまえば、赤使いは為すすべもなくやられてしまうでしょう。(タフネス5を火力で対処するのは容易なことではありません)。
青いコントロール・デッキには、赤いデッキに対して良く効くカードがたくさん入っているのです。
アメリカ選手権Top8のジョシュ・ラヴィッツ/Josh Ravitzのサイドボードは、そういった対戦相手のカードに「仕事をさせない」というコンセプトを良く表しています。
ジョシュ・ラヴィッツ
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彼は(対象を無くすことで)《幽体の変容》のようなカードを死に札にするだけでなく、《袖の下》まで役に立たないものにしたのです。ジョシュのデッキにはクリーチャーが8体――《弧炎撒き》と《真面目な身代わり》――しか採用されておらず、さらにサイドボーディング後はその8枚をすべて抜いて、強力なソーサリーと《すべてを護るもの、母聖樹》を入れました。
サイド後の構成では、《すべてを護るもの、母聖樹》が《溶鉱炉の脈動》を強化しました……《溶鉱炉の脈動》が確実に通るだけでなく、わずかなライフ管理でこの火力呪文を繰り返し使うこともできたのです。青いデッキが主に繰り出す脅威といえばパワー1や2のもので、赤いデッキが自ら積極的にライフを失っていっても、そこに乗じることはほとんどできませんでした。ジョシュのデッキはサイド後、高火力の呪文ばかりになり、そのすべてが打ち消されず通るのです。対戦相手はありもしない《沸騰》のために《幽体の変容》のマナを構え――それを無駄にしました。《袖の下》に5マナ注ぎ込んでも……何も見つかりません。戦場に出せるカードは一切ありません。4マナ2/2すらも。いつも盤面に鋭く切り込んでいる《ヴィダルケンの枷》も……同様に何もできません。

この戦略は、普段なら効果的なサイド・カードである《袖の下》や《幽体の変容》のようなものを弱めるだけでなく、打ち消しを基本方針とした戦略を失敗に追い込んだのです。
ジョシュのサイドボードにおいて大切なことであり、同時にサイドボーディングの際に毎回大きな悩みどころになるのは、「何を入れるか」だけではありません。「何を抜くか」も肝要です。《袖の下》に対するジョシュのプランが成功したのは、《袖の下》で奪われるクリーチャーを完全に抜き去ることができたためです。他のサイドボーディング・プランはここまで特化したものではないかもしれませんが、何かをサイド・インする場合には何を抜くか、ということを意識しておくべきでしょう。これを怠ると、デッキを強化するどころか弱くなってしまいますよ。
効率的交換
サイドボーディングの際にほぼ必ずやるべきことは、そのマッチアップで有効なカードを入れることです。とはいえ、それはデッキの戦略全体を犠牲にしてまでやることではありません。特定の相手とのマッチアップで効く大量のカードをサイド・インしたくなるものですが……それは元々あった勝ち筋を弱める結果になりかねないのです。こういった落とし穴を避けるための方法のひとつとして、「効率的交換」という戦略があります。これは「基本的に同種のカードで、よりそのマッチアップに有効なものと入れ換える」というテクニックなのですが、フランク・カーステン/Frank Karstenが最近用いたナヤ・ブリッツ・デッキにわかりやすい形が見られます。
サイドボードをシングルトンにしたナヤ・ブリッツ・デッキで、ここ2回のイベント8−0。まだまだやれるアーキタイプだね。
今年の4月、殿堂顕彰者フランク・カーステンが突如ブリッツ・デッキを携えてスタンダード環境に参戦すると、ワールド・マジック・カップ予選を決勝ラウンドまで進んだことで彼は瞬く間にその名を知らしめました……なんと彼はサイドボードを一切使っていなかったのです! フランクは毎ゲーム得体の知れないカードを15枚サイド・インし、その15枚をそのままサイド・アウトしていました。フランクらしさが前面に出ていたというのはさておき、ナヤ・ブリッツは小さなシナジーがたくさんあるデッキです。《教区の勇者》や《アヴァブルックの町長》に人間たちが続き、《ボロスの精鋭》や《火拳の打撃者》、そして《前線の衛生兵》が大隊を形成し、クリーチャー偏重の構成が進化を安定させる――フランクは、そんなブリッツ・デッキを薄めたくなかったのです。例えば《ボロスの魔除け》は《実験体》を進化させません。そして《魂の洞窟》では《グルールの魔除け》を唱えられないのです。
フランクはその後、同系戦のようないくつかのマッチアップなら、サイドボーディングをすることでほぼ確実に改善が見られることを感じました……それでも彼は、有利を取るために元々のプランを乱すようなことは決してしませんでした。
例えば《スレイベンの守護者、サリア》。素晴らしいカードです。キャントリップを多用するデッキやスペルに頼ったデッキ相手には恐ろしいほど有効で、レガシーのようなフォーマットにおいてもコンボ・デッキに地獄を見せています。
それでもブリッツ・デッキの同系戦では、まるで普通のカードなのです。
ブリッツ・デッキの同系戦では、まるで普通のカード
自分も対戦相手もクリーチャーを40枚採用しているなら……力を発揮できないカードを2枚――あるいは3枚も――引き込み手札に溜まってしまう、という危険性以外に、《スレイベンの守護者、サリア》から具体的に得るものがあるでしょうか?
フランクは、《近野の巡礼者》と《悪鬼の狩人》、それから《ボロスの反攻者》をそれぞれ1枚ずつ入れることで、同系戦において戦略に傷をつけることなく《スレイベンの守護者、サリア》3枚をサイド・アウトし、同時にこの試合で有利な構成を築き上げることにも成功しています。もちろん、さらに有利な形にすることもできるのですが、この3枚だけでも十分に問題を解消し、鍵となる戦略を強化しているのです。クリーチャーの数は40体から変わらず、そのため進化のチャンスを減らすこともありません。《ボロスの反攻者》は《教区の勇者》との相性が良くないですが、「対戦相手の」《教区の勇者》に対しては相性抜群です。《近野の巡礼者》と《悪鬼の狩人》はどちらも《スレイベンの守護者、サリア》と同じ人間ならではのシナジーに溢れていて、その上このマッチアップではほぼどんな状況でも、《スレイベンの守護者、サリア》より大きな影響を与えてくれるのです。
何かを抜いたら、同種のカードでそのマッチアップに有効なものと入れ換える。このとき皆さんは、「効率的交換」筋力を鍛えているのです。
特定の戦略に対するサイドボーディング
……これは読んで字のごとくです。対戦相手の戦略がわかっているなら、(特定のカードに影響があるかないかに関わらず)その戦略に有効なカードを使いましょう。例えば、《地の封印》はリアニメイト(戦略/デッキ)、とりわけそれを代表する《堀葬の儀式》に良く効くカードですが、人間リアニメイト・デッキの《栄光の目覚めの天使》には何の影響も及ぼしません。それでも《地の封印》はひとつの勝ち筋を抑えることができるので、人間リアニメイト相手へのサイド・インを続けても良いかもしれません。ただし、《栄光の目覚めの天使》を手札から唱えられることには気をつけなければいけませんが。《地の封印》はまた、《熟慮》や《捨て身の狂乱》といった普通のフラッシュバック持ちスペル相手にはほとんど意味がないものの、フラッシュバックの申し子である《瞬唱の魔道士》にこの上なく有効です。《地の封印》によって《瞬唱の魔道士》を用いるデッキは精彩を欠き、リアニメイト・デッキの動きは鈍ります――おまけに、《地の封印》はデッキを1枚掘り進めてくれます。このカードは、ゲームの決め手になるようなことはなくても、ゲーム速度を変えるという点において十分な働きを見せてくれるのです。
良いサイドボーディングというものは「速度」に目を向けている、と言ったことを覚えていますか?
それでは、以下のサイドボードに見られる特徴はわかるでしょうか?
ズヴィ・モーショヴィッツ
他 (12)
4
賛美されし天使
4
アクローマの祝福
4
霊体の地滑り
60 カード
無色 (50)
9
山
11
平地
4
忘れられた洞窟
4
隔離されたステップ
4
賛美されし天使
4
アクローマの祝福
4
霊体の地滑り
4
冷静なチャンピオン
4
アヴァラックス
2
刃の翼ロリックス
75 カード
コモン (52)
9
山
11
平地
4
忘れられた洞窟
4
賛美されし天使
4
アクローマの祝福
4
霊体の地滑り
4
新たな信仰
4
冷静なチャンピオン
4
アヴァラックス
2
刃の翼ロリックス
2
平和な心
75 カード
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プロツアー・ヴェニス2003を制し、歴史に愛されたのはオシップ・レベドヴィッツ/Osyp Lebedowiczのデッキでしたが、私は《刃の翼ロリックス》と《冷静なチャンピオン》を採用したズヴィの判断は正しいものだったと思います。

そう、皆さんご存知のように、《霊体の地滑り》は極めて強力なカードです。《アクローマの復讐》もまた強力な全体除去です。《怒りの天使アクローマ》も、8マナというコストに見合った大型の強力なクリーチャーです(この大会をきっかけに、最終的にはルールの変更を呼びました)。《霊体の地滑り》の勢力は大きさを増していきました――しかし、ブロック構築で最大勢力となることはできなかったのです。
この環境には《総帥の召集》がありました。打ち消し呪文のない《霊体の地滑り》デッキは、大量サイクリングからの《>総帥の召集》で20体ものクリーチャーを戦場へ戻す、という動きを止めるすべがほとんどなかったのです。全体除去? もう一度《>総帥の召集》――対戦相手がサイクリングを繰り返して手札を整えれば、こうなるのは必然でした。

来るべきフィーチャー・マッチで「召集」デッキと当たり絶望的な気分の《霊体の地滑り》デッキ使いが、どうすればこのマッチアップに勝てるかとズヴィに尋ねたのは有名な話です……すると彼はこう答えました。「サイドにカードとらないんだね」
ズヴィはサイド・カードを用意していました。
彼は「速度」を良く理解し、《冷静なチャンピオン》と《刃の翼ロリックス》をサイドボードに採用していたのです。時間を与えれば対戦相手が有利になることを知っていたズヴィは、速さを求めました。6ターン目か7ターン目にどれだけ優位に立てるか、ということを得意気に語るような対戦相手を恐れる必要があるでしょうか? その頃には相手を仕留められるというのに。
ズヴィのとった戦略は、《冷静なチャンピオン》を並べて強化し、速攻クリーチャーたちも絡めて突撃させることでした。サイクリングや《>総帥の召集》を放つための準備に追われる対戦相手は、3ターン目にして6点ものダメージを受けるしかないのです。相手はそれを甘んじて受けました。ズヴィは《>総帥の召集》そのものに対するカードをサイド・インしたわけではありません。この環境にある「すべてを護るもの、トーモッドの墓所」的なカードを採用しているわけではありません……彼はただ、この環境(と対戦相手のデッキ)の「速度」を理解し、それを少し上回ることに成功しただけです。彼は特定のカードを直接相手にはしませんでした。それでも、彼が加えたカードが一丸となって対策するのです。
この戦略の素晴らしい例として、殿堂顕彰者パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaのものを見てみましょう。
パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ
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このデッキがどのような動きを見せるのかいまいちわからない、という方のためにご説明しますと――
ところが、そうスムーズにはいきませんでした。このときのプロツアーを制したブライアン・キブラー/Brian Kiblerは、20/20のトークンをしっかりと対処できる《流刑への道》を使っていて、パウロ自身も(0マナ20/20のトークンに対する1マナ域の解答としてはより優れた)《撤廃》を用いていたのです。このフォーマットには、マリット・レイジを止められる1マナ域のカードがひしめいていました……しかしパウロはそれを意識していて、X=1の《虚空の杯》で機先を制することができたのです。

同系の相手がメイン・デッキに《虚空の杯》を採用していない場合、サイドボーディング後はこちらと同じような形になることは予想に難くありませんでした。そこでパウロは、別の軸から戦えるようにサイドボードのカードを選択しました――カードのコストを散らし、対戦相手に負担をかけたのです。
《苦花》: マジックの歴史上最も恐ろしい脅威のひとつである(フェアリー時代からのパウロのお気に入りでもある)このカードは、1/1トークンの群れが20/20に対して《Forcefield》の役目を果たし、また3ターン目くらいからフェアリー・デッキさながらの攻めを見せてくれます。「《暗黒の深部》デッキは《仕組まれた爆薬》みたいなカードを使わないの? パウロはメインから採用しているじゃないか!」その通り!《仕組まれた爆薬》はX=0で1/1トークンの群れを吹き飛ばすことができます……

《不忠の糸》: おや、コストを参照するものですよ。え? マリット・レイジは0マナ? そりゃすごい。
たとえ対戦相手がまったく同じ戦略を駆使しコンボを繰り出してきても、それを予測し、対抗し、克服する手段を用いてそのコンボから身を守ることのできるデッキこそが、本当に良いデッキなのです!
サイドボーディングに対するサイドボーディング
これまで述べてきた戦略と戦術は、主に対戦相手の基本戦略に対するサイドボーディングでした……デッキをより効率良くカスタマイズする方法、コンボを守る手段、それから他のプレイヤーが同じ戦略をとってきたときの勝ち筋、という風に。
しかし、ここではっきりと申し上げておきましょう。サイド後のデッキ構成は、1ゲーム目のものと大きく変わる場合が多々あるのです。これから見る例は(デッキの変化も立ち位置の変化も)極端なものですが……違いがわかりやすいという点は、皆さんも歓迎するところでしょう。
オシップ・レベドヴィッツ
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この例ではメインから《エイトグ》を2枚採用する、という少々型破りな構成をとっています。さらにサイドボードに潜む3枚目の《エイトグ》が驚くほど巧みで、これは勝負を決める1枚だったのです。

《電結の荒廃者》を中心とした「親和」デッキは――とりわけ《大霊堂の信奉者》と《霊気の薬瓶》がその力を存分に振るっていた時代には――、ミラディン・ブロック構築内ではほとんど敵なしの強さを誇っていました。それでも『ミラディン』ブロックが他のデッキに対抗手段を与えていたとするなら、それは大量のアーティファクト対策をサイド・インできたことでした。《酸化》! 《ヴィリジアンのシャーマン》!(オシップもこのカードを使えるようにサイドボードの半分を捧げました。) 《マイアの処罰者》や大きくなった《電結の荒廃者》、そして(《酸化》では対処できない)《大霊堂の信奉者》も除去できる《静電気の稲妻》も。
それから、《粉砕》や《テル=ジラードの正義》、《無効》もありました。まさに全方位をカバーする徹底ぶりです! いやちょっと待ってください。《エイトグ》はどうするんです?

《エイトグ》は、《忍び寄るカビ》で破壊されない《電結の荒廃者》です。油断したところに《静電気の稲妻》を受ける可能性があるくらいでした。「《エイトグ》親和」を装ってやれば、対戦相手はありったけのアーティファクト除去をサイド・インすることになるでしょう。
……あとはのまま、(多少の違いはあっても)基本戦略に沿って勝利をものにすれば良いのです。
立ち位置の変更
私が個人的に気に入っているサイドボーディング戦略が、この「立ち位置の変更」です。こちらが12時の方向でゲームを始めれば、対戦相手も12時の方向を目指すでしょう。しかしその頃にはこちらは3時の方向にいて、対戦相手はこちらを見失ってしまうのです。もちろん、これはゲーム上の話ですよ。
「立ち位置の変更」戦略は、マジックの主要なアーキタイプとそれらの干渉手段を大局的な視点から理解できるかどうかにかかっています。例えば、「ストンピィ」と「スペッド・レッド」と「スーサイド・ブラック」の違いは何でしょうか?
同時代に活躍したこれらのデッキは、すべてが1ターン目にデメリット持ちの2/1か2/2クリーチャーを繰り出すところから始まるものでした。どのデッキも自身のライフを削るもの(《カーノファージ》や《肉占い》、《ジャッカルの仔》、《古えの墳墓》)、あるいは不安定なライフに頼ったもの(《野生の犬》)を採用しています。アグレッシブな1マナ域をふんだんに用いるところも同じですが、異なる部分もありました。
「ストンピィ」は、《怨恨》を始めとしたクリーチャーを強化するカードを擁していました。攻め手は速いのですが、これといった干渉手段がありません。確かに、《稲妻》に対応して《巨大化》という動きはありますが、コンボ・デッキ相手には速さで勝たなければゲームを奪えませんでした。

「スーサイド・ブラック」には《憎悪》を使った2ターン・キルがありますが、そのためには自分も危険に身を晒す必要があります。対戦相手の手札を破壊する《強迫》のようなカード(そして体勢を立て直す前にゲームを決められる速さ)を持つことで、この3つの中でコンボ・デッキに対しては一番相性の良いデッキでした。
「スペッド・レッド」はテンポの面で極めて優れていて、「スーサイド・ブラック」に対しては無類の強さを発揮していました。しかし、このデッキもまた他とは異なる大きな問題を抱えていました。除去を用いて攻撃を通すという戦略に依存しているため、クリーチャー同士のぶつかり合いでは分が悪かったのです。互いに干渉し合う状況に(持ち込むと言うより)追い込まれてしまうと、そのまま圧倒されることの多いデッキでした。

これら3つのデッキは始まりが同じでも、それぞれ大きく異なる方法で環境にある他のデッキに干渉していました。ひとつは、攻撃する以外に勝ち手段を持たないビートダウン・デッキ。ひとつは、相手をかく乱する半分コンボのようなデッキ。ひとつは、「リソース否定」というサブテーマを持ったビートダウン/バーン・デッキ。もし皆さんがコンボ・デッキを使っていたら、どのデッキと当たりたいですか? 逆に逃げ隠れたくなるものはどれでしょうか?
マーク・ゴードン
他 (7)
4
ゴブリンの従僕
3
呪われた巻物
60 カード
無色 (33)
18
山
4
ゴブリンの従僕
3
呪われた巻物
4
紅蓮破
4
発展の代価
75 カード
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他";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:2;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":2:{s:5:"title";s:21:"ジャッカルの仔";s:22:"field_card_image_front";a:0:{}}s:4:"type";s:8:"creature";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:3;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":2:{s:5:"title";s:18:"モグの狂信者";s:22:"field_card_image_front";a:0:{}}s:4:"type";s:8:"creature";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:4;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":2:{s:5:"title";s:24:"怒り狂うゴブリン";s:22:"field_card_image_front";a:0:{}}s:4:"type";s:8:"creature";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:5;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":2:{s:5:"title";s:18:"モグの下働き";s:22:"field_card_image_front";a:0:{}}s:4:"type";s:8:"creature";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:6;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":2:{s:5:"title";s:30:"ボール・ライトニング";s:22:"field_card_image_front";a:0:{}}s:4:"type";s:8:"creature";s:10:"deck_count";s:1:"4";}i:7;O:8:"stdClass":3:{s:9:"card_meta";O:8:"stdClass":0:{}s:4:"type";s:61:"
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他";s:10:"deck_count";i:0;}}
マーク・ゴードン/Mark Gordonは純粋な赤いデッキを操り、綺羅星のごときTop8の面々を相手にグランプリ・カンザスシティ1999を勝ち抜きました。彼のデッキは高火力の《火炎破》や《ゴブリンの手投げ弾》による派手な決め手と共に、サイズの小さいクリーチャーを駆使するデッキとも戦える《呪われた巻物》も搭載した、攻め手の厚いデッキでした。しかし攻撃的なこのデッキでも《High Tide》コンボ・デッキの速さには追いつかず、引きについては勝負になりませんでした。ゴードンは、対戦相手の《Thawing Glaciers》に対処する《不毛の大地》すら採用していなかったのです!
それでも彼は、サイド後(あまりに遅すぎる)《呪われた巻物》と他に5枚のカードを(恐らく《火葬》から順番に)抜いて、《紅蓮破》と《赤霊破》を4枚ずつ投入しました。
これを「特定の色に対するサイドボーディング」だと見なすのは早計です。ゴードンは古の青いカードに対抗する方針をとっただけではありません。「アーキタイプそのものを再構築」したのです。サイド後の彼のデッキは、もはや普通の赤いデッキではありません。《山》を使いながらも……コンボに強い「スーサイド・ブラック」の戦略へと変貌させたのです! このデッキは今や、テンポを取りつつ相手を妨害するデッキになっています。最初の構成は攻撃的でありながらも、《High Tide》デッキには速度で勝てませんでした。しかし8枚の――そう、8枚もの――1マナの的確な打ち消し呪文が、対戦相手の速度を落としてくれます。8枚のどれを引いても、1ターン得られるようなものなのです。《ゴブリンの従僕》のおかげで、ゴードンは必要とあれば自分のターンは土地を寝かさずにいられます。これ以上相手の動きを遅らせるものはありませんが……そのままでは速さで敵わない相手に勝つには十分なのです。
ベン・スターク
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歴代最高のスタンダード・デッキも、サイドボーディングを経て戦略的に生まれ変わっていました!
「Caw-Blade」はサイド後、打ち消し呪文を抜いて《悪斬の天使》や《失脚》、《漸増爆弾》のようなボード・コントロール用のカードに入れ換えることができました。これにより、速いビートダウン・デッキと当たった場合に、純粋なコントロール・デッキからボード・コントロール・デッキへと無理なく変わることができるのです。《マナ漏出》がまるで間に合わないなら、《冷静な反論》や《剥奪》は言うまでもありません。
一方、《失脚》は対戦相手の第1ターン最速の動きでさえも鈍らせることができ、《精神を刻む者、ジェイス》や《饗宴と飢餓の剣》を繰り出すまでの貴重な時間を稼いでくれます。
この時代のビートダウン・デッキにとって、適切な順番で適切に色を揃えなければならない青白パーミッション・デッキとの戦いは、願ったり叶ったりといったところでしょう……ですが、《悪斬の天使》を擁する除去満載のデッキはどうでしょうか?
今12時の方向? それじゃあ3時の方向でお会いしましょう。
サプライズ!
「サプライズ!」サイドボードは、ここまでご紹介した要素の多くをひとまとめにしたものです。対戦相手のカードに仕事をさせず、サイド後の構成を読んでそれに勝てる構成をぶつける。相手が用意した解答は大きく的を外します――でも皆さん、こちらも脅威を用意しなければいけませんよ。
「サプライズ!」サイドボードは、勝率を最大まで跳ね上げるのに効果的です……少なくとも対戦相手が虚を突かれている限りは。あれこれとすべてを考慮すると大量のサイドボーディングが必要になり、そのため第3ゲームまでもつれた場合は特に、柔軟な発想が求められる戦略なのです。
ジョン・フィンケル
他 (13)
2
知られざる楽園
4
税収
2
森の知恵
3
冬の宝珠
2
ジェラードの知恵
60 カード
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この「サプライズ!」サイドボードの最たる例は、恐らくジョン・フィンケル/Jon Finkelが初めてプロツアーTop8を成し遂げた1997年の「プリズン」デッキでしょう。彼はアーティファクトとエンチャント満載のデッキを使いました。2種類のダイアモンドから《氷の干渉器》へとゲームを進め、《冬の宝珠》で対戦相手の動きを抑えるデッキです。(ジョン自身はダイアモンドで動くことができました)。《氷の干渉器》2枚と《冬の宝珠》が揃えば、長期にわたってロックがかかりました。対戦相手がアンタップするたびにその土地をタップして、それから《冬の宝珠》をタップすればこちらはアンタップできて……ゲームをプレイするための基本的な手段を、対戦相手だけ大きく麻痺させてしまうのです(訳注:当時のルールでは、常在型能力を持つアーティファクトはタップ状態だとその能力を失っていました)。相手はなんとか水面から顔を出そうと、土地を次々と出さざるを得ません。するとそこへ……ドカン! 《ハルマゲドン》!

こういうデッキへの敗北は長く尾を引くことでしょう……。対戦相手は、すぐにはサイドボードに手を伸ばすことができません。アーティファクトとエンチャント満載のデッキ。ロックを軸にしたコンボ・コントロール・デッキ。確認、再確認だ。この《解呪》の束を引くまで待ってくれ!
一方ジョンは?
対戦相手がアーティファクトやエンチャントの除去に向かうことを知っているジョンは、《アーナム・ジン》と《ワイルドファイアの密使》に方針を転換しました――これがサプライズです! これらのクリーチャーがどれだけ周到に選ばれたか、ということに注目してみてください。相手がアーティファクト除去を入れるためクリーチャー除去を抜いたところへクリーチャーを送り込む、というだけでなく……これらは除去にも耐性があるのです。《アーナム・ジン》と《ワイルドファイアの密使》は、どちらも《稲妻》で焼かれません。《ワイルドファイアの密使》の方は、《剣を鍬に》の対象にすらならないのです。

哀れな対戦相手がとれる道はただひとつ。この史上最高のプレイヤーが――たとえジョンがまだ最高になる前だとしても――マナ・スクリューを起こすことを祈るのみです。
「サプライズ!」戦略を使う際は、対戦相手がサイド後大きな変更をとるように誘いをかけられるデッキを使うと良いでしょう。クリーチャーいないのか? あのパーマネントに頼りきっている?――もはや対戦相手が向かう先はひとつです。
ほら、騙された。
対戦相手は解答を完全に見誤り、本当の脅威に対抗するすべはありません。
特定の色に対するサイドボーディング
……は次回のお楽しみということで。
様々なサイドボーディングの戦略と戦術をご紹介するこの記事を、お楽しみいただけたなら幸いです。来週はさらにお楽しみいただけることを――大興奮の内容を――お約束しますよ。
(Tr. Tetsuya Yabuki / TSV Yusuke Yoshikawa)