カードの中で その2

更新日 Making Magic on 2018年 7月 2日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

 先週、『基本セット2019』のカードの何枚かについての話を始めた。伝えたいことすべてを伝えることはできなかったので、今日はさらに多くのカードについて話すことにしよう。

死が触れぬ者、リリアナ

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 リリアナは《悪魔の契約》の物語を経て『基本セット2019』に登場している。リリアナが再び歳を取るようになった大修復の後、彼女は永遠の若さと不死性を得るためにボーラスと4体の悪魔と契約を交わしたのだ。プレインズウォーカーとしてリリアナの中核になる独自性は、屍術師としての能力である。

 このカードについては、彼女をゾンビ部族のプレインズウォーカーにし、ゾンビ・デッキの基柱となるカードにすることに決まった。つまり、3つの能力全てを、大量のゾンビがいることで有利になるようなものにすべきだということになる。1つ目の能力は、いくつもの問題に対する創造的な解決策である。まず、このカードをゾンビに関連するものにしたいが、単にゾンビを作るだけでない機能があるようにしたい。そして、リリアナの奥義を使うには墓地にゾンビ・カードが必要である。プラス能力でそれができるようにすれば、奥義を使ったときの影響をさらに大きくすることができるのだ。

 自分のライブラリーを削ることで、このカードは奥義を有効にすると同時にゾンビ・カードを別の方法で参照することができるようになる。さらに加えて、このカードのもう1つの効果として、ゾンビが削られたときにライフを2点吸収するという能力が誘発するようにすることができるのだ。2つ目の能力は、リリアナにゾンビを使ってもう1つ重要な効果であるクリーチャー破壊をすることができるようにするものである。自軍のゾンビの数が多ければ、この能力もさらに強いものになる。最後の能力は、ゾンビに関連した派手な能力で、リリアナの他の奥義とはいくらか異なる何かをできるようにするものである。この奥義は彼女の忠誠度の初期値よりも少ないコストなので、プレインズウォーカー・カードには珍しく、唱えた直後から3つの能力のどれでも使うことができるものになっている。


リリアナの契約

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 開発部内で交わされる議論の1つに、マジックを作ることは科学か芸術かというものがある。私は芸術寄りだと考えているのだが、このカードを見ればその理由がわかるだろう。

 マジックのカードをデザインする際の目標は、プレイヤーがプレイしたいと思い、そしてプレイして楽しむものを作ることである。場合によっては単にカードを実用的で強力なものにするだけのこともあるが、すべてのカードが特定の色のデッキに必然的に入るものになるわけではない。この問題を解決するための方法として、リミテッド、多人数戦、その他古いフォーマットなど、他のフォーマットで光るように特別にデザインされたカードを作るというものがある。

 しかし、時には、プレイヤーが気に入るカードを作るための鍵は、もう少し知性的でないものである場合がある。単にプレイヤーを満足させるだけの方法で輝くことができる一面を探すのだ。ユーモアという方向性であることもある。普通と少し違うことをするような奇妙な実装であることもある。あるいは、メカニズムとフレイバーの素敵な組み合わせを描き出すことであることもある。《リリアナの契約》は、我々の主な登場人物の1人に関わる重要なストーリー上のポイントを取り上げ、そしてそれとデザインの美しい交点を見つけて命を吹き込んだものであるところが私の琴線に触れたのだ。

 黒はしばしばライフを支払ってカードを引くことがあり、我々はよくそれを不穏当な相手との契約というフレイバーで描いている。これをリリアナが悪魔と交わした契約を表すために使うというのを起点としよう。レアなので、大量のカードを引くようにすることができる。今回は4枚だ。(ちなみに、4という数字は偶然ではない。)次に、完全に文脈に則ったちょっとしたオマケをつける。4体の悪魔を戦場に揃えることができたら勝利できるのだ。この4体というのはリリアナが契約を結んだ4体(《魂の貯蔵者、コソフェッド》《グリセルブランド》《穢れた血、ラザケシュ》《悪魔王ベルゼンロック》)を意味している。

 これらすべてを組み合わせて、ある種の芸術のようなカードができたのだ。


変態変異

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 そのとき我々は将来のセットを手がけていて、そのための素晴らしいデザインを見つけていた。私はそれに非常に満足していた。そんなある日、私は『基本セット2019』のプレイテストに参加していて、ドラフトで、名前こそ違えどそれと全く同じカードを見かけたのだ。私はドラフト・テーブルで叫び声を上げた。手に持っていたものをパッと投げ飛ばしていた。もちろん、これは人々の注目を集め、私は何が起こったのかを聞かれることになった。私は「あいつら、私より先に行きやがった!」と答えたのだ。

 衆知の通り、開発部では先に発売されるセットのほうがカード・デザインの優先権を持つという決まりがある。2020年の秋セットのためのカードを作ったとしても、それより前のセットであればそのカードを先に作ることができるのだ。もちろん、そのカードが自分のセットですることの鍵であればそれについて話し合うことはできるが、特別な例外を除いてはそのカードは先発のセットに取られることになる。そのカードは我々のセットに絶対必要というわけではなく、それは『基本セット2019』に入ることになるだろうということがわかった。

 《変態変異》は、その取られたカードなのである。このことはこれまでにも何度も何度も起こっていることで、特に珍しいことではないということも書いておくべきだろう。我々はこのカードに非常にクールなフレイバー上のひねりを加えていたが、それは将来のセットでは意味があってもこのセットでは意味をなさないものだった。

 まあ、ともかく。このカードを楽しんでくれたまえ。本当に楽しいものだ。私は、このカードが『アルファ版』まで遡るクローンという概念を取り上げ、それを直截的な方法で使っている方法を心から楽んでいる。非常に直截的なので、我々が作ったときにはこれまで存在していなかったことに驚いたものだ。ありそうなのに。


破滅の龍、ニコル・ボーラス

Nicol Bolas, the Ravager
Nicol Bolas, the Arisen

 『基本セット2019』がボーラスを中心としたものになるということが決まった瞬間に、このセットのリード・デザイナーであるイーサン・フライシャー/Ethan Fleischerは『マジック・オリジン』のプレインズウォーカーたちのように、片方の面が灯が目覚める前の伝説のクリーチャーで、もう一方の面がプレインズウォーカーである、ボーラスの両面カードを作る、と言ったのだ。両面カードが1枚だけ存在するセットを作ったことはなかったので業務上の問題はあったが、それが正当な要求だということは誰もが同意できたので、我々はそれを実行する方法を考えたのだ。

 第1面は灯が覚醒していないボーラスを表すものなので、『レジェンド』のボーラスのカードを元に、手札を捨てさせる能力を持つことにした。文章を短く保つとともに、伝説のニコル・ボーラスを戦場にただ長く出しておけばいいと考えることがないよう、捨てさせる能力は戦場に出たときの能力にした。彼らは、『レジェンド』時代と同じ7/7にするのではなく、小さく軽い4/4飛行クリーチャーにすることで、ゲームの早いうちに4マナで出すことができるようにすることを選んだ。ボーラスをプレインズウォーカーにする方法についてはいくらかの議論があったが、最終的に、開発部は普通の起動型能力にすることを決めた。

 このカードはこのセットの焦点なので、セットデザイン・チームはプレインズウォーカーの面に4つの忠誠度能力を持たせることにした。唯一のプラス能力である1つ目の能力はカードを引くもので、ボーラスの知性と知識への渇望を表している。2つ目の能力はクリーチャーやプレインズウォーカーを殺すもので、ボーラスの破壊性を表している。3つ目の能力はクリーチャーやプレインズウォーカーをリアニメイトするもので、アモンケットでの彼の行為をほのめかしている。1つ目の能力は青、2つ目の能力は赤、3つ目の能力は黒だということにも注意してほしい。

 そして奥義は、そこに到るまでにかなりの関門を通り抜ける必要があるので、派手なものにしようと考えた。奥義に「ゲームに勝利する」と書くのは好きではないが、ボーラスの奥義はそれにかなり近いものになっている。また、これはボーラスのよく知られたフレイバーである、人の精神を破壊するということを表してもいる。この奥義がすべての対戦相手でなく「プレイヤー1人を対象とし」となっているのは、全員を倒してしまうのは多人数戦で少し暴力的すぎるからである。


悪夢の渇望

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 これは興味深いデザインである。ライフを得るカードと組み合わせることで、非常に軽いマナで大型クリーチャーを倒せるカードとして作られたものだ。問題は、このカードがライフを得るカードを持っているときにしか働かないものであれば、ほとんどの場合に手札で腐るカードになってしまうということである。

 そこで、デザイナーたちはあるクールなことをした。このカードが単体でも機能し、複数枚組み合わせるとさらに大きな効果をもたらすようになる、ちょっとした機能を組み込んだのだ。見ての通り、これは単体で、基本的に1点のライフを得て、クリーチャー1体に-1/-1の修整を与えるものになっている。ここで2枚目を唱えたなら、1枚目によるライフ増加も考慮するので、1点のライフを得て、クリーチャー1体に-2/-2の修整を与えることになる。

 このデザインが大好きな理由は、単体でも、他のそのカードと組み合わせても、他の効果と組み合わせても作用するカードを作るのは簡単ではないから、同じデザイナーとして感銘を受けたからである。


輝かしい天使

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 このカードには興味深いデザインがある。このカードは、5点以上のライフを得るカードと組み合わせて使う基柱カードとして作られている。神話レアではあるが、これをリミテッドで手にすることはありうるし、リミテッドで5点のライフを得ることは難しいので、デザイナーたちはこのカードがこれ自身でコンボを成立させる方法を追加した。3/3飛行クリーチャーでどうすればいいだろうか。

 単純に5点のライフを得させることもできるが、それは少しばかり無愛想なやり方だ。こういったデザインの面白いところは、シナジーのもっと創造的で有機的な作り方を見つけることである。このカードにおける解決法は、この天使に+2/+2の修整と絆魂を与えることだった。全体として、感じもよく、またまとまりのあるカードらしくなったのだ。


火の血脈、サルカン

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 サルカンはプレインズウォーカーの中でもメカニズム的に焦点が狭く、彼の焦点はドラゴンにある。サルカンは『ゼンディカー』の物語で初登場しており、ニコル・ボーラスがサルカンにあることをさせていた。この物語上の出来事によってサルカンは狂ったが、このカードはその出来事よりも前のサルカンを描いたものである。ただし、カードを捨てることはしばしば狂気とフレイバー的に関連付けられており(マッドネスという名前の手札を捨てることと関連するメカニズムも存在している)、1つ目の能力はサルカンが狂いゆくことをいくらか示している。この能力だけはドラゴンと関連していないが、正直なところ、サルカンの能力全てに「ドラゴン」の単語を入れるのは難しいのだ。この能力はデッキからカードを引くことでドラゴン・カードを手に入れることを助けるものであり、2つ目の能力につながるものである。

 2つ目の能力は、可能ならいつでも使うようにしてほしいので、プラス能力である。これはドラゴンを唱えるために使えるマナ生成能力だ。赤は他の色のマナを生成することはあまりないが、一時的なマナ生成に限って許容されている。ほとんどのドラゴンは赤だが、ドラゴンは象徴的クリーチャーの中で唯一、単色のサイクルが時折作られるクリーチャー・タイプである。

 奥義はドラゴンを生成する新しい奥義ではあるが、とはいえ、それこそまさにサルカンがすることである。元祖の《サルカン・ヴォル》は4/4のドラゴンを4体、忠誠度6で生成した。今回はそれをさらに大きく、5/5のドラゴンを4体にし、必要な忠誠度ももう1点増やされている。


サテュロスの結界師

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 《サテュロスの結界師》の話は『アルファ版』の《新緑の女魔術師》から始まっている。

 《新緑の女魔術師》はトップダウンで作られたものだろう。エンチャントは永続的な魔法の呪文を表すことが多いので、リチャード・ガーフィールドは、エンチャントを基柱にしたデッキを作ることを推奨する小型クリーチャーという発想が気に入ったのだ。《新緑の女魔術師》は最初、エンチャントレスというクリーチャー・タイプだったが、後にウィザードとなり、最終的には人間・ドルイドになった。3年後、『ビジョンズ』で、次のエンチャントレスを作った。

 《フェメレフのエンチャントレス》はエンチャントレスの新しい姿として、エンチャントが戦場から墓地に行くことを参照するというものを試した。全体エンチャントを破壊するのは難しいので、このカードは、オーラや自身を生け贄に捧げられるエンチャントの優位を得る方向にプレイヤーを向かわせることになった。エンチャントを戦場から離れさせることのほうが戦場に出すことよりも難しいこと、そしてこのカードが多色であるということ(緑と白が選ばれたのは、この2色がエンチャントとメカニズム的に最も関連しているからである)から、このカードを軽く、大きくすることができた(0/2でなく1/2)。その次のエンチャントレスは、およそ2年後の『ウルザズ・サーガ』のときになる。

 《アルゴスの女魔術師》は、基本的に《新緑の女魔術師》の強化版であり、コストは軽くなって被覆を持っていることにより呪文で除去することが難しくなっている。0/2でなく0/1になっているが、攻撃したりブロックしたりすることもなく、呪文の対象にもならないので、タフネスが1だというのはそれほど巨大な欠点ではない。その次の反復工程は『オンスロート』で、少しばかり違うことを試している。

 《女魔術師の存在》はクリーチャーではなく、これ自身がエンチャントであった。それによって破壊するのが少し難しくなっており、より重要なことに、同じカードを使って誘発させ、カードを引くことができるようになっていた。これに続くのは何年も後、『次元の混乱』のときである。

 『次元の混乱』は、カラー・パイの割り振りを(色の哲学を同じにしたままで)変えるということを掘り下げたセットだった。既存のマジックのカードの色を他の色に変えた、カラーシフト・カードが存在していた。《メサの女魔術師》は、『アルファ版』の《新緑の女魔術師》を緑から白にカラーシフトさせたものである。このカードは後に2つの基本セットと1つのマスターズ・セットと1つの統率者セットで再録されている。(統率者セットではいつでも白でカードを引く手段を探しているのだ。)『基本セット2019』前の最新のエンチャントレスは『ニクスへの旅』の、エンチャントレスではないものである。

 《開花の幻霊》はエンチャントが自分のコントロール下で戦場に出たときに誘発する星座メカニズムを持っている。カードを引くという星座カードはこれだけであった。これはクリーチャー・エンチャントなので、もう1体プレイしたときにはカードを引くことができた。

 そして《サテュロスの結界師》に到る。これは他と同じくドルイドだが、このカードがクリエイティブ的にテーロスとのつながりを見せているので、サテュロスである。このカードはまた白緑なので、マナコストの割に高いパワー/タフネスを持つことができている。さらに、エンチャントが戦場に出たときにカードを引くというはじめての白緑のこの系統のクリーチャーでもある。

 では、これがこの能力の将来に関してどういう意味を持つのか。白にカードを引く能力を与えることに我々は慎重で、エンチャントというのは白にカードを引く能力を与えることを正当化するほど狭くないので、今後もこの能力は基本的に緑のものであり続けると思うが、おそらく白緑のエンチャントレスは今後また登場することだろう。


工匠の達人、テゼレット

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 テゼレットは『基本セット2019』の前は『カラデシュ』のストーリーで登場していたので、我々はその時期を取り上げたカードを作った。そのすべての詳細はわかっていないが、テゼレットのカラデシュでの存在はボーラスとの関係に直接つながっていた。テゼレットの得意なものはアーティファクトである。彼もまた、狭いメカニズム的焦点を持つプレインズウォーカーの1人なのだ。

 1つ目の能力は1/1で飛行を持つ飛行機械・クリーチャー・トークンを1体生成する。これは『カラデシュ』の物語から来たということをメカニズム的に示すためのものである。プレインズウォーカーにはフレイバー・テキストがないので、各プレインズウォーカーが別々の時間から来ているという『基本セット2019』のようなことをしたときにはそのつながりを示すのが難しいのだ。特定の次元に関連するクリーチャー・トークンが多いので、クリーチャー・トークンは、カードの位置を示すための良い方法になることが多い。飛行機械はまさにその一例である。

 2つ目の能力は、青の中核的能力であるカードを引くことを扱っているが、アーティファクトと関連していることからテゼレットらしさが感じられるようになっている。3つ目の能力は、テゼレットの能力にしては広いもので、少し奇妙に感じられるものだ。ほとんどのテゼレットのカードでは、ライブラリーから持ってくるならアーティファクトを持ってくる。このカードがもう少し広く、アーティファクトでなくパーマネントになっているのは、『カラデシュ』のストーリーの最後の重要なポイントである次元橋を今はテゼレットがコントロールしているということをメカニズム的に表そうとしたからである。


ビビアン・リード

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 いよいよ、今回最後の、そして唯一の新人プレインズウォーカー、ビビアンである。ビビアンもまた、ボーラスと関わった過去のある瞬間を描いているが、これまで公開されたストーリー上のものではない。ビビアンは、緑単色のプレインズウォーカーが少し足りないということに気づいたことによって作られた。ガラクはリリアナとの戦いの中で呪われ、黒緑になった。その結果緑単色のプレインズウォーカーはニッサだけになっている(そして彼女も2色目に手を伸ばしている)。ビビアンは、新しい緑単色のプレインズウォーカーが必要だったことから作られたのだ。クリエイティブ・チームはクールな外見や能力群、背景を作り上げた。カード・デザインを理解できるよう、彼女はクリーチャーを生み出せる魔法の矢を使う射手であるということを言っておこう。

 1つ目の能力は、彼女と自然や動物とのつながりを表している。クリーチャーや土地を探すことができるのだ。2つ目の能力は彼女の破壊性と、彼女の弓矢が物を作れるだけでなく壊すこともできるのだという考えを扱っている。ここで《帰化》と《垂直落下》のどちらでもできるようになっているのは、それらはどちらも狭い回答なので、ビビアンの2つ目の能力を多くのゲームで使えるものにするためである。奥義は、彼女と動物のつながりを扱っている。味方のクリーチャー軍団を、ゲームを決着させるだけの強力な軍勢にする助けになるのだ。


ビビアンの召致

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 この呪文はビビアンの能力群を示す上でいくらか良い働きをしている。(その人物の肖像となるプレインズウォーカーでそうするのは、チャンドラのように肖像で簡単に示せる能力群を持っているのでない限り難しいのだ。)ビビアンの魔法の矢は、彼女の故郷である次元からのクリーチャーの霊体に変化する。このアートで、ビビアンの矢が巨大な虎に変化しているところが描かれている。この能力のメカニズム的表現は、自分のライブラリーの上から7枚の中からクリーチャーを選び、それを選んだクリーチャーに「攻撃」させるために戦場に出す、というものである。

 もう1つ大きな疑問は、これは緑なのにクリーチャー相手の直接火力呪文の類だということである。これが許容されうる理由は、これはライブラリーの上7枚だけから選ぶので、これを使うためにはライブラリーの中にかなりの濃度でクリーチャーを必要とするからである。(大型クリーチャーを1枚だけ入れるのでは、上7枚にあるとは限らないので実用的にならない。もっと高い密度で入れる必要があるのだ。)これは、我々が、クリーチャーに依存するという緑の独自性を保ったまま緑にクリーチャー対策となる方法を見つけようとしている表れなのだ。

カードをまとめて置く時間

 さて、本日はここまでとなる。『基本セット2019』の解説を楽しんでくれたなら幸いである。いつもの通り、この記事や話題にしたカード、あるいは『基本セット2019』全体について、諸君からの感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、私がずっと考えてきた新しいゲームデザインの理念について掘り下げる日にお会いしよう。

 その日まで、『基本セット2019』があなた自身の物語をたくさんつくりますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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