ゾンビによる処刑

更新日 Reconstructed on 2015年 4月 14日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 タルキールは今や、ドラゴンが全てを捕食する世界だ。ドラゴンが溢れかえっているのは確かだけれども、それはつまり、タルキールにはドラゴンだけじゃなく、美味しいやつらも溢れかえっているってことだね。

 タルキールを生き抜くのにもっとも適したクリーチャーは、頑丈で丈夫なやつさ。そして、あるクリーチャーもそう言えるだろう......うまくいけば。

 面白くて、低予算で、ユニークなスタンダード・デッキを探しているなら、この記事を絶対に読み進めたくなるはずさ。

 準備はいいかな? よし、この記事の愛読者であるクォール/Qoarlが投稿してくれた、今回のデッキを見てみよう。

クォールの「信心ゾンビ」

スタンダード
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その戦術とは

 脳ミソクワセロォォォ......

 いや、あー......やり直していいかな。

 これはゾンビの部族デッキだ。カード単体で見ていくと目ぼしいものは無いように思えるが、安心してくれ。全体で見れば、個別の力を単に合計するよりも大きな力を発揮するぞ。

 なぜゾンビ? なぜ今になって? というか、ゾンビが出てくるテレビドラマ『ウォーキング・デッド』が、ついこの間シーズン5が終わったんじゃなかったか?

 それもこれも全ては、『タルキール龍紀伝』の新カード、素晴らしいゾンビが登場したことによるものだ。

 ゾンビの「ロード」は素晴らしい――それが墓地から戻ってくるやつなら、なおさらね。

 ゾンビ軍団の突撃から始め、それから《目覚めし処刑者》を出して、自軍のゾンビ全てを少し大きくすることができる。ゾンビの群れを率いた処刑者は、ひどい損害を与え始めるだろう。

 しかし、素晴らしいロードが加わったというだけでは、ゾンビ・デッキをプレイしたくなる動機としては不十分だ。結局のところ、他のゾンビを強化しても、少しばかり強いクリーチャーたちに過ぎない。しかし、《屍術士の備蓄品》や、新たに登場した《死体結い》のようなカードと組み合わせることで、長期戦においてゾンビ・デッキは信じられないほどの優位を得ることができる。他の部族デッキとは異なり、このゾンビ・デッキは長期戦においても燃料が切れずに戦えるぞ。

 実のところ、このデッキは速攻で勝つようには組まれていない――うん、1/3や2/4みたいな非力な奴らでは、速攻で勝てるわけがないよね。しかしその見た目に騙されてはいけない。ゾンビらしい役割をこなせばいい。つまるところ、このデッキはよろよろと前に進み、勢力を増し、群れをつくり、何度も蘇る死者の大群となって、最終的には相手を押しつぶすのさ。

 そして今回はあなたも群れの仲間入りだ。

 もっと仲間を増やそうか? 前進だ!

デッキ詳細

 どのカードが残せて、どのカードが処刑できるだろうか? カードというカードを見て回ろう!

 このカードについては上ですでに褒め称えたが、あらためて述べよう。こいつはゾンビの「ロード」として素晴らしいだけでなく、墓地から戻ってくることもできる。《死体結い》などを使えば、マナ・コストだけで墓地から何度もプレイすることだってまったく簡単にできる。なので、そうすることで長期戦を常に勝利できる。このカードは4枚、決まりだ。

 2マナ1/1というサイズは、決して有能ではない。しかし《スゥルタイの使者》の能力には多くの力がある。これが死ぬときの予示は、自身の代わりを戦場に用意すること、そして《目覚めし処刑者》のような最良のカードのためにデッキを掘り進めること、その両方をこなす。これは間違いなく4枚いて欲しいゾンビだ。

 《屍術士の助手》は2つの重要なことを行う。1つ目は、大きなクリーチャーとうまく相打ちを取ること。2つ目は、ライブラリーから墓地にカードを送り込むことで、《死体結い》に燃料を供給するなり《目覚めし処刑者》を見つけるなりすることだ。

 しかしながら、それらは検討する材料になるものの、3マナで行う行動としては少々弱いし、このデッキでやろうとしていることに加えてまで本当にこれを使いたい、とは思わない。《屍術士の備蓄品》のためにクリーチャーは多く必要になるが、これを抜いてもその比率は維持できるだろう。助手君、さようなら!

 これは5マナのゾンビで、なおかつゾンビ・トークン満載のデッキで信心がうまく働くとは限らないのだが、それでも《アスフォデルの灰色商人》がスタンダード最強のゾンビの1つであり、ゲームを決める力を持っていることは否定できない。これを2~3枚引いた試合は楽勝で取れることが多いだろう。これは長期戦のプランに良く合うので、4枚すべて残したい。

 この種のユーティリティ・カードはこのデッキをどのように活性化させるのか。《黒猫》はクリーチャーとやりあえて、対戦相手の手札を剥ぎ取り、ゾンビとして数えることができて、後半《死体結い》のために追放できるクリーチャーだ。2マナ1/1というサイズは積極的に採用したいものではないけれども、このデッキの戦略下では様々な使い道があるので、3枚から4枚に増やしたい。

 ライブラリーを墓地に送るのはこのデッキとしては望むところだ。これで《目覚めし処刑者》にたどり着いたり、《死体結い》の準備を整えたりできるかもしれない。しかし通常、これはちょっと弱いだろう。これよりは《屍術士の助手》のほうがましだと思うし、その助手もすでに外している。

 代わりに、1マナ域が欲しいね。しかも、『タルキール龍紀伝』で登場した極めて可愛い小さなやつが。《よろめくゴブリン》さ。このデッキを動かすためにはゾンビが目いっぱい必要で、《思考囲い》のようなカードを採用するための場所すら作れない。そして1ターン目に行動できることを持ち、それが赤単のような素早いデッキに対処する助けになるのは、有意義なものだ。《よろめくゴブリン》4枚が答えだ!

 ああ、シディシさ。『タルキール龍紀伝』で新登場したこいつは、このデッキの戦略にぴったりだ。ゾンビ・デッキを使うときは、特定のカードをどうしても引き込みたくなるものだが、《アンデッドの大臣、シディシ》はそれらを確実に入手する助けになる。それに加えて、特定の状況において役立つカードをいくつか1枚挿しすることで、《アンデッドの大臣、シディシ》でそれらを探し当てることも可能だ。(ほんの少し早くなるね。)

 5マナは確かに唱えるには重いほうだが、これが2枚デッキにあるのはとてもいいことだ。

 デッキに必要不可欠な部分であり、これを入れずにデッキを回すなんて想像もできない。継続的に墓地を肥やしつつゾンビを生成できる《屍術士の備蓄品》は、このデッキのクリーチャー全てを、カードを1枚引くゾンビへと変化させる。わずかな例外を除き、いったんこれを出したなら、ひたすらゾンビをサイクリング(手札を捨ててカードを1枚引く)していきたいところだ。(ゾンビを強化するために《目覚めし処刑者》を唱えたり、もしかすると墓地のゾンビを巨大なクリーチャーにするために《死体結い》を使う場合には、その手を休めよう。)

 これは引いて唱えたい最重要カードの1つだ。絶対に4枚さ。

 《屍術士の備蓄品》のようなカードを使うこういったデッキは、充分な数のゾンビを持てるかどうかに大きく依存する。そこで呪文中のゾンビ比率を一定以上に維持することが肝要となる。もちろん、それとは別の話として、除去は極めて重要なものだ。ゾンビの群れが地面をあちこち這いずりまわっている間に、空から《カマキリの乗り手》や《嵐の息吹のドラゴン》のようなクリーチャーがこちらを殺しに来るのを黙って見ていられるわけがない。

 今のスタンダードで使われているクリーチャーは重めなので、《英雄の破滅》を使えるかどうかは重要だ。さらに、私はもう1種類、《アンデッドの大臣、シディシ》で探して1マナで唱えられる便利な除去、つまり《残忍な切断》を1枚追加したい。墓地からクリーチャーを追放するのは《死体結い》との相性が悪いものの、危機において《目覚めし処刑者》をマナ・コストだけで墓地から唱える助けになるかもしれないし、除去として優秀だ。《英雄の破滅》4枚と、《残忍な切断》1枚でいこう。

 《屍術士の備蓄品》が手札のクリーチャーを全てゾンビにし、そして《死体結い》が墓地のクリーチャー全てをゾンビにする。ああ、これがゾンビの生命循環だ。

 《死体結い》は素晴らしいカードで、充分な強さがあることも間違いない。しかしながら、《屍術士の備蓄品》とは違い、序盤には必要ないだろう。付け加えるなら、引きたいのは1枚だけだ。1枚あればいいというのは《屍術士の備蓄品》にも言えることだが、こちらはデッキの動きに不可欠なので4枚にしている。しかし、手札に腐ったエンチャントを大量に抱え込む余裕は全くない。さらに、必要に迫られたときは《アンデッドの大臣、シディシ》で1枚探し出せる。《死体結い》は2枚に減らしたいね。

 1枚挿しの《エレボスの鞭》に違和感があるかもしれないが、これは実際のところ《アンデッドの大臣、シディシ》で持ってくるものだ! 《アスフォデルの灰色商人》を《エレボスの鞭》で墓地から戻すことでゲームが終わる、というのはすでに確立されている手法だし、長期戦とライフ獲得手段には密接な関係があると言えよう。こういうカードが1枚あるのはいいことだ。

 さらに、同様の理由でデッキに加えたいカードがあと2種類ある。

 ひとつは《ウルドのオベリスク》だ。ちょうどいい具合に戦場にゾンビが並んでいるなら、《ウルドのオベリスク》を探し出せばゲームは終わるかもしれない。つけ加えて、コントロール・デッキに対しても、全てのクリーチャーが単体ですさまじい脅威になる。これを探すだけの価値は充分にあるだろう。

 もうひとつは《奈落の総ざらい》だ。どんな長期戦であっても簡単に勝てる方法は、相手のターン終了ステップに全力で《奈落の総ざらい》を打ち、自分のターンに《目覚めし処刑者》を唱えて攻撃することさ。これは《死体結い》とはまったく噛み合わないが、盤面がおあつらえ向きのときにライブラリーから探してくることができるように、1枚だけ入れよう。

 これらの変更を全て加えた結果、デッキはこのようになった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「何度でも蘇るさ」

Standard
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アーティファクト (2)
1 エレボスの鞭 1 ウルドのオベリスク
エンチャント (6)
4 屍術士の備蓄品 2 死体結い
他 (5)
1 光輝の泉 21 沼 4 よろめくゴブリン 4 黒猫 4 スゥルタイの使者
31 カード

 もしあなたがスタンダードで面白くてユニークなデッキを探しているなら、これを試せるぞ。不穏な死者の群れがどんどん増えて大きくなり、対戦相手を圧倒する感じ......まさに満足できるね。

 この種の戦略を採用する上でいくつかの方向性が選べる。ひとつは、《思考囲い》のようなもっと普通のカードを選択し、ゾンビをサブテーマとして採用する、黒単コントロールという方向だ。他には、《殺人王、ティマレット》のために赤を入れて、《コラガンの命令》や少量の赤の呪文を採用できるかもしれない。

 ゾンビと楽しもう!


今週のマッカーター選

 「惜しくも選ばれなかったデッキたち」として知られていた項目にようこそ!

 すでに我々のウェブサイトで知ったかもしれないが、先週、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト、そしてマジック・コミュニティがその一員を失うという、本当に信じがたいことが起こった。DailyMTG.comの編集者、我らのマイク・マッカーター/Mike McArtorのことだ。

 マイクは私に途方も無いひらめきと助けを与えてくれたし、このコラムを素晴らしいものにする助けとして、本当に極めて大きな部分を占めていた。彼が時おり話してくれたのは、いかにマイクが「惜しくも選ばれなかったデッキたち」のデッキを(たとえフォーマットに悩まされても)楽しんだかということで、そして私はそれを嬉しく思っていた。さらには、「惜しくも選ばれなかったデッキたち」に紹介されたデッキのうちいくつかは、彼が本当に使いたかったデッキそのものだったこともあり、この項目は激励のようなものだった。マイクは他の人にも広めたいと思っていたはずだ、と確信している。

 今後、彼に敬意を表し、毎週マイクのことを思い起こすため、私の記事のこの項目の名称を変えて再始動する。「今週のマッカーター選」にようこそ。

 今回投稿された、素晴らしくクールなほかのデッキリストをいくつか見てみよう。

トウノ ユウスケの「カンの底力」

スタンダード
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マーク・アシェルフォードの「ターボ・モンク」

スタンダード
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ハリー・バークの「ジェスカイの隆盛コンボ」

スタンダード
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ソーサリー (3)
3 双つ身の炎
インスタント (10)
4 予期 3 時を越えた探索 3 撤回のらせん
アーティファクト (4)
1 贈賄者の財布 1 霊体のヤギ角 2 群の祭壇
エンチャント (4)
4 ジェスカイの隆盛
他 (4)
4 苦しめる声 3 オジュタイの命令
57 カード

MEKANICの「バンド・オブ・ブラザーズ」

スタンダード
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アンドリュー・ウェイゼルの「イゼット・ドラゴン・タイム?」

スタンダード
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クラタ カズヨシの「白青コントロール」

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マシュー・メディナの「アナフェンザ・ウイニー」

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ショーン・ブロフィーの「バント秘密の変異」

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ユカワ アキノリの「神と戦士」

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ユヴォ・ワーナーズの「カウンターストライク」

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モリタケ ユタカの「4色ドラゴン」

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 今週のデッキ募集はないが、この記事についての感想やフィードバック、または言いたいことがあれば何でも、私の耳はいつでもオープンだ! 気軽に私へツイートや、Tumblrで質問を送ってほしい。

 また次回お会いしよう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)

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