フューチャー・フューチャーの日々『マジック・オリジン』編

更新日 Latest Developments on 2015年 8月 14日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

 またまたフューチャー・フューチャーの日々の時間がやってまいりました。この企画ではフューチャー・フューチャー・リーグのスタンダードのプレイテストを再訪して、『マジック・オリジン』のカードに焦点を当てます。

 いつものように「フューチャー・フューチャーの日々」の記事で覚えておいてほしいことは、ご紹介するこれらのデッキの多くは調整されたものではないということです。これらのデッキには今のバージョンよりも強力なカードが満載されていたり、デベロップの後期に変更された現実世界のカードが入っていなかったりします。またこれらは現実世界が考え出したものとは少し異なったメタゲームへの反応をしているので、あなたの地元のトーナメントにこれらを持ち込んで勝てるとは思わないでください。これら全てのデッキの目標は、環境最強のデッキになることではなく、何かを試して学ぶことです。我々は時々最強のデッキのアイデアを与えてくれるトーナメントを開くこともありますが、そこでは何が可能であるかについて、そして個別のカードがスタンダード環境をより良くする方法についての正しい感触を掴むものです。

 これらのデッキをご紹介することで、我々が何を考えていたかについての洞察を得る助けになるでしょう。もしかしたら、現実世界にはまだないクールなカードが見られるかもしれません。これは我々のプレイしているデッキの完全なリストではなく、むしろ私がお話ししたい何か面白いものがあるデッキの一部をご紹介しています。

 もう一つ注意すべきことがあります――『マジック・オリジン』に収録されなかった再録カードを見かけるかもしれません。再録カードのやりくりは基本セットを適正なものにする大事な部分であり、そして我々はよくそれを入れ替えます。《マーフォークの物あさり》のようなカードをリストに見かけたなら、その当時は我々はまだジェイスの最終デザインにたどり着いておらず、まだこのセットに入っていたということです。

 注意書きはこれぐらいにして、デッキを見て行きましょう。


 我々が『マジック・オリジン』に取り組んでいるとき、第一目標の1つは『テーロス』のテーマのいくつかを膨らませ、それらが輝く時間をもたらすことでした。この目標は『テーロス』のカードと組み合わせなくても可能性を持っているが、『テーロス』のテーマの多くで強調されるカードを作ることでした。それらのカードの最初のものは、星座デッキにもう一度輝くチャンスを与える《ニクスの星原》でした。

星座

スタンダード
Download Arena Decklist

 緑以外の信心もまた去年かなり不遇であり、そこで我々は黒と青の信心をサポートするカードを入れることにしました。まずは黒単です。

黒単信心

スタンダード
Download Arena Decklist

 我々は青単にも何か支援をしたいと思い、そして強力なのカードを入れることはそのための良い試みでした。

青単信心

スタンダード
Download Arena Decklist

 白は信心の恩恵を多く受けてはいませんでしたが、白には多くのマナを得る理由があったので、《ニクスの祭殿、ニクソス》+《白蘭の騎士》と《徴税の大天使》は白いデッキに最高級のものを与える興味深いものでした。

白単アグロ

スタンダード
Download Arena Decklist

 我々は緑信心を強すぎないようにしたかったのですが、《カルニのハイドラ》を『マジック・オリジン』に入れるテストにいくらかの時間を費やしました。それを没にしたのは強すぎるからではなく、《ガイアの復讐者》のほうがメタゲームを良くすると感じ、そして異なる緑の神話レアが欲しかったからです。このデッキの目的は《カルニのハイドラ》のようなカードを使って《失われた業の巫師》の《生命の律動》の起動を加速し、その後とどめの攻撃を加えることです。

緑単クリーチャーズ

スタンダード
Download Arena Decklist

 『テーロス』を強調するデッキだけでなく、『基本セット2015』と機能するテーマもありました。まずは青赤アーティファクトです。『マジック・オリジン』を行うと決まったときにチャンドラの故郷について議論がなされ、そのアーティファクトのテーマは『基本セット2015』のカードの多くと上手く重なりました。我々は《爆片破》と《アーティファクトの魂込め》の組み合わせがアグレッシブな引きになるので、このテーマが強すぎにならないよう注意せねばなりませんでしたが、プレイヤーがスタンダードで楽しむであろうそのデッキにはいくらかリスクを負う価値があると感じました。

青赤アーティファクト

スタンダード
Download Arena Decklist

 また、私は《ゴブリンの群衆追い》を『マジック・オリジン』に収録するために奮闘しました。これがスタンダードとモダンの両方で素晴らしいカードになると考えたからです。

赤単ゴブリン

スタンダード
Download Arena Decklist

 タルキールとテーロスのどちらにもエルフはいませんが、『基本セット2015』には我々が引っ張り出してくることができた数多くのとても魅力的なカードが存在します。

緑白黒エルフ

スタンダード
Download Arena Decklist

 『マジック・オリジン』を、そして大抵のスタンダード向けセットをデベロップするということは、古いセットの戦略を呼び起こすことだけではありません。我々はまた楽しいデッキを作ることができる、新しいデッキの中心となるカードや戦略のために努力しました。

 まずは《悪魔の契約》です。このカードの使い方はゲームを速攻で終わらせるか、契約から逃れるためにこのカードをバウンスもしくは破壊する手段を用意することです。

アブザン「悪魔の契約」

スタンダード
Download Arena Decklist

 もうひとつの、とてもエキサイティングで一番上手い使い方を考え出すことが難しいカードが《一日のやり直し》です。カードを7枚引くのは素晴らしいのですが、あなたのターンが終了してしまうので公平さを破る行動を取る必要があります。このデッキの目的はリソースである火力を素早く撃ち込み、その後《一日のやり直し》を使って手札を取り戻すことです。

「一日のやり直し」

スタンダード
Download Arena Decklist

 青赤アーティファクト・デッキは今の形だけが存在したのでははありません。対戦相手を速やかに焼き尽くすことには少し劣ったデッキも存在しました。このバージョンはライフを獲得しダメージレースをするために《精霊龍の墓》と飛行機械・トークンを使っていました。

青単飛行機械

スタンダード
Download Arena Decklist

 《先祖の結集》は『マジック・オリジン』以前は扱いづらいカードでしたが、《搭載歩行機械》や《肉袋の匪賊》、《包囲サイ》のようなカードが使えるようになったことで本当にエキサイティングなコンボが可能になりました。《ナントゥーコの鞘虫》の助けでそれらを墓地に戻すことができます。

「先祖の結集」

スタンダード
Download Arena Decklist

 新しいデッキだけでなく、我々は今までのデッキいくつかを、『マジック・オリジン』が発売されたときに多くの人達が新カードで行なうのと同じ方法でアップデートしました。

 ジェイスが白青コントロールに入るのは明らかで、《時を越えた探索》や《今わの際》をフラッシュバックしたり、彼が変身してから《対立の終結》を唱え、対戦相手が速やかに戦線を再構築したならばそれをフラッシュバックすることができます。

白青コントロール

スタンダード
Download Arena Decklist

 また我々はドラゴン・コントロール・デッキに相手の《龍王オジュタイ》を確実に葬り去るために強力な火力呪文である《極上の炎技》を搭載しました。

青赤ドラゴン・コントロール

スタンダード
Download Arena Decklist

 我々のスゥルタイ・アグレッシブ墓地デッキは《墓刃の匪賊》という、追加の突破力とゲーム序盤の素晴らしいブロッカーになる便利な手段を得ました。

スゥルタイ墓地

スタンダード
Download Arena Decklist

 今週はここまでです。他にも多くのデッキが試されましたが、それを全部掲載する余裕はありません。これを見て皆さんがFFLを見て楽しんでもらえたことを願い、そして『戦乱のゼンディカー』が出てローテーション後にまたこの記事のシリーズを見ていただくことを楽しみにしています。

 それではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

最新Latest Developments記事

LATEST DEVELOPMENTS

2016年 4月 29日

フューチャー・フューチャーの日々『イニストラードを覆う影』編 by, Sam Stoddard

 フューチャー・フューチャーの日々へようこそ、今回の「Latest Developments」では、『イニストラードを覆う影』時のフューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)のデッキリストの一部についてお話ししようと思います。  始める前に、これらのデッキの多くは調整されておらず、我々がこれらのバージョンを使って以来変更が行われたカードが含まれていることを申し上げておきま...

記事を読む

LATEST DEVELOPMENTS

2016年 4月 22日

FFLよくある質問集 by, Sam Stoddard

 大体1セットに1回、私はフューチャー・フューチャー・リーグのデッキの一部をご紹介していますが、そのことでよく質問をたくさん受けます。なんでこのカードを使ってるの? なんでこのカードを使ってないの? などなどです。今週の「Latest Developments -デベロップ最先端-」では、それらの質問にお答えし、願わくばFFLに関するより良いアイデアを得ていただければと思...

記事を読む

記事

記事

Latest Developments Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る