恍惚の贈り物

更新日 Feature on 2004年 9月 9日

By Mark L. Gottlieb

Translated by Yoshiya Shindo

 それじゃ、神河物語のプレビューカードに移る準備はいいかい?

 ほんとにいいかい?

 いくよ。これがプレビューカードだ。

 ああ、確かにちょっと見た記憶があるかもね。プレビューカードを見せるとは言ったさ――どの週のとは言ってないだろう。

 どうしてこのネズミ村へ舞い戻ってきたかって? どうも先週のコラムでは完璧には伝えられてなかったみたいだからさ。僕が先週触れなかった《骨齧り/Marrow-Gnawer》のコンボについて、二十七億兆通もメールが来たよ。中には親切で助けになるものもあった。そうでないのもあったさ。なんで《ペミンのオーラ/Pemmin's Aura》を《骨齧り》につけるのが面白いアイデアだって言わなかったかって? 僕の頭の中には、《骨齧り》+ネズミ+ネズミ+《侵入警報/Intruder Alarm》(いいかい、おりこうさんたち、《骨齧り》+《侵入警報》だけじゃ無限コンボにはならないんだよ――この2枚だけで百万匹のネズミが出せるんならお目にかかりたいもんだ)とか、《骨齧り》+ネズミ+ネズミ+《過ぎ去りし表情/Faces of the Past》とかの無限コンボを否定する潜在意識があったんだろうか? 僕がそのコンボに触れなかったのは、そいつはつまらないし、誰でも思いつくことだからだ。《侵入警報》コンボ? もうやめてくれ! そうじゃなきゃ思いつきもしなかったさ。ああ、僕は確かに超天才だけどさ……全知全能じゃないんだ。いまのとこはね。僕の全知全能製造機は法律制度の中に埋まってしまっているのさ。というのも、僕はスタークラッシャー教授の宇宙知識化頭脳回転システムのデザインを盗んだとかで訴えられてて、僕の両親の弁護士は僕に対して、ある種の協定が結ばれるまでは、軽率に動作未確認の危険度の高いプロトタイプを実験するのは止めた方がいいってアドバイスしてきたからさ。

 だから、我が親愛なる読者諸君、君には二つのことをお教えして進ぜよう。その一、僕はそのコンボがあることは分かってた。その二、君の意識化にあるキーワードが、ある日君を僕の催眠兵士に仕立ててしまうので(某教授がタンザニア上空の個人的な静止衛星に使われないまま据えられている僕の未試験の高放射性ゾンビ猿光線に対する裁判所による差止め命令を解除しなければ、そんな日は予想よりも早く来るよ)、真の事実は僕がわざと見逃した。でも、毎回毎回《侵入警報》について触れないといけないなんてことはないのはわかってもらえただろう。君たちは自分で思いつくぐらいは頭がいいだろうからね。それはそれとして、僕がそのコンボに触れなかった本当の理由は、世界中のカジノからカジノへと飛びまわって、あらゆる諜報機関の物腰の柔らかい秘密諜報員達とのバカラに忙しかったからさ。前回のプレビューのコラムを打ち込むのに当てられた唯一の時間は、ステルス式金柑燃料搭載ヘリジャイロ(ついに金柑のパワーが解き放たれたのさ)でモンテカルロからタンジールに飛ぶ間だけだったんだ。

 だから……だから先週のコラムはもう一つだったんだな。僕はネズミの王様をプレビューした。デッキも3つ作った。うそ臭いコンボもいくつか披露した。それでも十分じゃないってんだな? オーケー。いいだろう。問題ないね。気分が悪くなったりはしないよ。気にしないから。でも今週のプレビューカードは見せないよ。ああ、プレビューカードはあるさ。今読んでることだ。すごく面白いよ。僕に対して優しくしてくれんなら、来週には見られるだろうね。それまでの間、僕のコラムの残りの文字数はフューチャラマ(訳注:人工冬眠で1000年後の世界に送られた男が主人公のアメリカのコメディアニメ)のトリビアで埋めるとしよう。

バック・トゥ・フューチャラマ

 君も繰り返し登場するキャラクターってのは聞いたことがあるだろう……じゃ、繰り返し登場する血統ってのは? フユーチャラマのあまりにも短い放送の中で、三人のへんてこなヒッピーのキャラクターが、それぞれの一人ずつ登場していた。毎回毎回、それらはその回が終わる前に死んでしまう。一人はオミクロン・ペルセイ・8の支配者ラーーーに食われ、一人はペンギンに撲殺され、一人はドデカポディアンの移動型抑圧宮殿に踏み潰された。それらのピースをつなぎ合わせて事実を見つけるまで、再放送を何年も見続けなくちゃいけなかったよ。この三人のヒッピーは直接関係があって、我々は彼らと逆順に出会ってきてるんだ。我々が出会った最初の一人は、菜食主義者で麻薬常習者のフリー・ウォーターフォール二世。二人目は、ペンギン保護論者のペンギンハンター、フリー・ウォーターフォール一世。そして最後が一夫多妻主義者の弁護士、ウォーターフォール老師だ。ここからわかることは、どんなvfdjlkthヴいxckjうぇrhtやめろrlkhjkhvhくsけんtrkbzxlcvスコットdんけwrmんbzxdytfkjwんrgcすgあううううううううううえkrsjhtんkjzbvぎゅdすぇrjkhそっちの耳fqけjfrhさdくぁwせdrftgyじげんlprそれじゃ今週のプレビューカードに行こうか。これが僕からの贈り物だ。

 こいつは《嘘か真か/Fact or Fiction》ってわけじゃない。こいつは《直観/Intuition》ってわけでもない。これはその間の狭くて興味深い隙間をえぐったものだ。こいつは必然的に両方のカードと比べられるだろうから、違いを見てみることにしよう。

比較対照

《けちな贈り物》 vs 《嘘か真か》
 コストも同じ、スピードも同じ。《けちな贈り物/Gifts Ungiven》がめくれるのは1枚少ないカードで、どっちが手札に入るかを決めるのは君じゃなくて相手だ。しかし、《嘘か真か》でめくれるカードがランダムであるのに対し、《けちな贈り物》のカードは君がコントロールできる。そういうわけで、これはインベイジョンのカードほどは強くない(それでも僕の中じゃ十分だけどね)けど、だからってひどいカードってわけじゃない。一番重要なのは、これは同じような選んで分ける風のミニゲーム的な雰囲気を持っているし、カードの総枚数も増えるってことだね。

《けちな贈り物》 vs 《直観》
 《けちな贈り物》は1マナ重くて、その分1枚多く公開でき、手に入るカードも1枚多い。どちらのカードでも、最後の選択は相手が行う。はっきりした違いは“名前の異なるカード”ってとこで、この違いが《けちな贈り物》の存在意義だ。驚くべきことじゃないだろうけど、このカードはテスト中は“修正版直感”って呼ばれていた。《直観》は本当は青のインスタント版《Demonic Tutor》(ライブラリーの中に欲しいカードが3枚あるなら、《直観》は間違いなくそれを持ってきてくれる)を意図していたわけじゃない。そして《けちな贈り物》は、確かに変わったやり方でカードを探し出してはくれるけど、それとははっきり違う。

 どうやって《けちな贈り物》の内部の仕組みを利用してやるか? どうやってその制限を無効化してやるか? どうやって相手にぐうの音を言わせるような質問を与えるのか? こいつはマジックにおけるコバヤシマル(訳注:映画「カーンの逆襲」の中のシミュレーションテストに登場する、危機的状況に陥っている船の名前)になるかもね。だけど、今週はコンボを見逃さないように、きちんと順番にいかないとね。

《けちな贈り物》で何を持ってくるか?

《断念/Abandon Hope》、《見捨てられた前哨地/Abandoned Outpost》、《修道院のガーゴイル/Abbey Gargoyles》、《Abbey Matron
 まあまあだけど、コンボ的じゃないね。先に行こう。

《断念》、《修道院のガーゴイル》、《Abbey Matron》、《誘拐/Abduction
 悪くないね。他にはあるかな?

《見捨てられた前哨地》、《修道院のガーゴイル》、《Abbey Matron》、《誘拐》
 はい、無駄話はやめやめ!シナジーは明らかだから、このやり方はもうやめよう。この先もめちゃめちゃ長いわけだしさ。

 考えてみれば、これはたぶん僕の時間の生産的な使い方じゃないね。あと数時間でクアラルンプールのカジノに行かなきゃいけないんだし。なんで、もう一回考えてみよう。

《けちな贈り物》で何を持ってくるか?

 4枚の異なる土地だ!
 ようやら、青にも《爆発的植生/Explosive Vegetation》が登場したよ。まあ、そのまんまってわけじゃない――でも、いい線いってるよね。《けちな贈り物》だと、場じゃなくて手札に2枚の土地が来る。だから、こいつは土地の確保であってマナ加速じゃない。いい点は、4マナインスタントじゃなくて4マナソーサリーだという点、それに4マナから6マナに確実に伸ばせる上に、デッキ内の土地も圧縮してくれる点だ。マナの調整ということであれば、もうちょっと創造的に行かなくちゃいけない。場に4枚の島があって、島と平地と《教議会の座席/Seat of the Synod》と《古えの居住地/Ancient Den》を持ってきたら、どれが墓地に落ちるかわかるだろう? その一方で、もって来たのが平地と《古えの居住地》と《沿岸の塔/Coastal Tower》と《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》だったら、悪くはないね。そして、神河物語がどんな土地を提供してくれるのかは、もうちょっと待ってからのお楽しみだ。

 余分なカードだ!
 《直観》を使えば、3枚の《神の怒り/Wrath of God》を持ってきて、確実に1枚を手札に残すことができた。今回はそうはいかない。でも、君の贈り物が《神の怒り》と《総くずれ/Rout》と《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》と《カーターの怒り/Kirtar's Wrath》だったら、場のクリーチャーは震え上がることだろうね。一方で、《神の怒り》と《総くずれ》と《アクローマの復讐》と《泥穴/Mudhole》だった場合でも、クリーチャーどもは墓地街までの電車の予約を確認することになるだろう。他の例? 《けちな贈り物》で《マナ漏出/Mana Leak》と《卑下/Condescend》と《巻き直し/Rewind》と神河物語の本当に強力な打ち消し呪文(まだいえないけど)を持ってくるとかかな。

 墓地にいて欲しいカードだ!
 ようこそ、オデッセイブロックよ! 相手の前に《獣群の呼び声/Call of the Herd》と《綿密な分析/Deep Analysis》と《洞察のひらめき/Flash of Insight》と《灰毛の定め/Grizzly Fate》を広げてみよう。相手が何を選ぼうが、君は呪文6つ分を持ってきたことになる。あるいは、《生まれ変わった勇士/Reborn Hero》と《秘教の盲信者/Mystic Zealot》と《用心深い歩哨/Vigilant Sentry》と《秘教の十字軍/Mystic Crusader》を持ってきてもいいだろう。君の墓地には3枚のカード(《けちな贈り物》込み)が落ちて、手札には2枚の、おそらくスレッショルドで強化されるであろう白カードが残ることになる。

 他にも、墓地に落ちたがってるフラッシュバックでないカードはたくさんあるね。カードを見つけやすくするために、それらは全部黒か緑で頭文字が“G”だってことを教えておこう。信じられないかい? 見てみればわかる。《壊疽の大巨人/Gangrenous Goliath》に《無残な助言/Grim Reminder》、《恐ろしい死/Ghastly Demise》、《栄光/Glory》、《起源/Genesis》、《千足虫/Gigapede》、そして超ぶっ壊れまくりの《グロッフスキッサー/Groffskithur》さ。対戦相手がこいつらを墓地に置いてくれるなら、そこできちんと仕事を果たしてくれるか、そこから飛び出してくるかのどちらかになるだろう。そいつを手札に入れてくれるなら、それはそれで素晴らしいじゃないか!

 もう1枚の《けちな贈り物》だ!
 状況に余裕があるなら、これも選択肢だ。もし君の贈り物が、3枚の急を要する呪文と1枚の《けちな贈り物》だった場合、相手はおそらくその贈り物を解かずに、無駄な作業をもう一回やるように送り返してくれるだろうね。とにかく、《けちな贈り物》はそれ自身では状況に何の影響も与えないんだから。それはあくまで可能性さ。おそらくそいつは、直接何かをするカードよりは驚異的には見えないだろう。君はテンポを犠牲にしてデッキ操作やカード選択を手に入れるわけだけど、長いゲームを戦う場合はそれが正しい可能性がある。

Eternal Witness

選択を減らしてやろう!

 相手にとって持たせたくないカードだ!
 君が持ち出してきたカードが、《どーのこーの》1枚、《あーたらこーたら》1枚、《その他もう》1枚、そして《永遠の証人/Eternal Witness》だったとしよう。この中で、墓地に直行するカードはどれだと思う? 他にももう1枚墓地に行くことになるけど、君は対戦相手の選択を厳しく制限したことになる。君に十分なマナがあるとして、《永遠の証人》を贈り物の1つとして選ぶことは、基本的にライブラリーから3枚のカードを探して2枚を手元に入れることに等しい。そして、これは《永遠の証人》だけの話じゃないよ。同様のことは、とんでもないパーマネントと一緒に《不穏の標/Beacon of Unrest》を公開しても起こる。あるいは《呪文織りのらせん/Spellweaver Helix》ととんでもないソーサリーとか。あるいは《全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawn》と多色カード色々とか。君の《けちな贈り物》のせいで手がこの手の墓地のカードを回す強力なカードを墓地に放り込んだとしても、なんら気に病む必要はない。そのカードはもともと手札に入れるつもりが全然なかったんだから。代わりに、そのカードを自分が欲しいカードを相手に強制的に選ばせるために使った道具だと考えるといいだろう。

選択肢一杯

 それじゃ、この最後のポイントをさらに推し進めるとしようか。《けちな贈り物》をリアニメートデッキで使うとどうなるか? 君は《黎明をもたらす者レイヤ/Reya Dawnbringer》みたいな、手札からプレイできないカードを釣り上げてくるわけにはいかない。相手はその手のカードを手札に残すことができるんだからね。でも、《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》や、マーク・ローズウォーターの最初のプレビュー記事で取り上げられてた神河物語のドラゴンあたりの出すこともできるイカレアた化け物を選べば、相手は石になるかあっちの世界に行っちゃうかの二択に追い込まれるだろう。《戦慄をなす者ヴィザラ》、神河物語の青のドラゴン(恥ずかしがり屋でまだスポイラーの陰から顔を出してこない)、《ゾンビ化/Zombify》、《不穏の標》の4枚を公開してみよう。相手はどうするか? ってか、何ができるのか? その選択は、盤面をぶち壊すレベルのものを、手札から出すか、墓地から出すかを選ぶことになる。どっちにせよ、場には出るんだけどね。

またその呪文?

Download Arena Decklist
他 (60)
7 《島》 7 《森》 1 《真鍮の都》 1 《大闘技場》 1 《孤立した砂州》 1 《ミラディンの核》 1 《平穏な茂み》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《獣の襲撃》 4 《獣群の呼び声》 2 《強制》 4 《綿密な分析》 4 《綿密な偵察》 4 《けちな贈り物》 4 《一瞬の平和》 4 《物静かな思索》 4 《ワームの咆哮》 3 《呪文織りのらせん》
60 カード

思考のプレゼント

Download Arena Decklist
他 (60)
3 《島》 3 《沼》 5 《森》 1 《真鍮の都》 1 《ダークウォーターの地下墓地》 1 《大闘技場》 3 《ラノワールの荒原》 2 《ミラディンの核》 1 《汚染された三角州》 1 《塩の湿地》 1 《教議会の座席》 1 《伝承の樹》 1 《囁きの大霊堂》 1 《全能なる者アルカニス》 2 [神河物語の黒のドラゴン] 1 [神河物語の青のドラゴン] 4 《永遠の証人》 1 《起源》 1 《クローサの拳カマール》 1 《クローサの巨像》 1 《水銀の精霊》 2 《戦慄をなす者ヴィザラ》 3 《不穏の標》 2 《生き埋め》 2 《強制》 4 《けちな贈り物》 3 《不屈の自然》 4 《旅人のガラクタ》 4 《ゾンビ化》
60 カード

 本当は神河物語の緑のドラゴンを入れようと思ってたんだけど、多くのみんながお気づきの通り、このセットには緑のカードは無いのさ。緑のカードは神河謀叛で復活するのか? それがわかるのはもうちょっと先だよ!

 それではまたお会いする時まで、贈り物をご堪能あれ。

 マーク

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