法をもたらす者、アゾール

更新日 Card Preview on 2018年 1月 3日

By Cassie LaBelle

Cassie LaBelle is a freelance writer. When she's not at her keyboard dreaming up stories, you can find her playing with his cats, listening to records, or building yet another Magic deck.

 私がカードのプレビューを行うときはいつも、前文を書かせてもらっている。プレビュー・カードにまつわる話やフレイバー面の紹介、そしてちょっとしたジョークを書くのが私は好きなんだ。

 でも今日は無理だ。もう《法をもたらす者、アゾール》を紹介したくて我慢できない。

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 うわあ。《法をもたらす者、アゾール》。強力なカードであることはもちろんだが、フレイバー的にとんでもない爆弾が投下されたね。「翼を持つ獣」や「最後の守護者」がどんな存在なのか、気になっていただろう? 私もだ。マジックの過去のキャラクターの誰かだろうとは期待していたけれど、まさかこの多元宇宙で最も謎めいた存在のご登場とは。

 これは、とんでもない、ことだぞ。

 アゾールのアートや能力を見ていく前に、このキャラクターについてわかっていることを確認しておこう。まず、アゾールは太古の強力な存在だ。アゾリウス評議会のパルン(創始者)であり、つまり少なくとも1万年は生きているということだ。彼の偉業はこんなもんじゃない。原初のギルドパクト――マジックの歴史上に残る大魔法のひとつの考案者なのだ。

 ギルドパクトは1万年にわたってギルド間の調和を保ち続け、もし協定が崩壊した場合の保険まで備えていた。『ラヴニカへの回帰』で登場した「暗黙の迷路」を覚えているだろうか? あれもアゾールが仕掛けたものだ。事実、アゾールのためでなければ、ジェイスはギルドパクトの体現者にならなかっただろう。きっとアゾールとジェイスはこれから多くのことを語り合うのでは、と想像せずにはいられない。アゾールはギルドパクトの崩壊を予見していたのか? 再びラヴニカへ行きやり直すつもりはあるのだろうか? ジェイスは調停者としての官僚的な仕事に疲れているようだし。

 それから、ジェイスやヴラスカ、アングラスをイクサランに捕らえている呪文もアゾールの仕掛けたものだと確信できる。彼の生み出したギルドパクトは、別の次元のプレインズウォーカーを寄せ付けない魔法障壁としても機能していた。その逆バージョンが《イクサランの束縛》というわけだ。また《イクサランの束縛》のアートには、アゾリウスのギルド印に似た円と三角形のシンボルが描かれている。

https://media.wizards.com/2017/images/daily/9rbvEilINH.jpg

 さらに言うなら、《法をもたらす者、アゾール》の背景にも《イクサランの束縛》に描かれているシンボルが見受けられる。何か金属的なものに刻まれているようだ。私には、この金属が「不滅の太陽」に見えて仕方がない。不滅の太陽を作ったのはアゾールなのか? それとも逆に、原初のギルドパクトに力を与えていたのが不滅の太陽なのか? あるいは、アゾールにこれから紹介するような力を与えたものこそ、不滅の太陽なのだろうか?

 ここで白状しよう。私は、アゾールはプレインズウォーカーだとばかり思っていた。彼の魔法力は凄まじく、残されている伝承にもラヴニカの住民であるという記録はない。また、イクサランの住民でもないだろう。この次元で他にスフィンクスを見ていないし、彼のことを指して「スフィンクス」という言葉を使った者もいないからだ。だがもし彼に次元を渡る力があるなら、とっくに不滅の太陽を持ち去っているはずだ。

 ではアゾールはどうやってここに? それを言うなら、どうやってラヴニカへ? プレインズウォーカーの友人がいるのか? かつては持っていたプレインズウォーカーの灯を失ったのか? ここに捕らえられているのか、それとも自分の意思でここにいるのか? 私たちにわかるのは、彼が少なくとも1万年生きていて、「大修復」よりずっと以前から存在していることだ。不滅の太陽がすべての鍵を握っていることは間違いないが、現時点ではまだこの謎は解けそうにない。

 《法をもたらす者、アゾール》の能力を見るに、アゾリウス評議会は数千年を経ても創始者の力を受け継いでいるようだ。ふたつ目の能力は、アゾリウスを代表するカード《スフィンクスの啓示》を思い起こさせる。《スフィンクスの啓示》に描かれているスフィンクスは現在の指導者たるイスペリアだが、こうしてマジック界の太古の存在が数千年後も生き続け現代のラヴニカとつながっている、というフレイバーが私は大好きだ。

 ひとつ目の能力と同じものを持ったカードは寡聞にして知らないが、そのフレイバーはとてもアゾリウス的だ。アゾリウス評議会は法による支配をためらうことが一切なく、《法をもたらす者、アゾール》は戦場に出たとき文字通り「法をもたらす」。一時的に呪文を封じるなんて、まさにアゾリウスを感じさせる完璧な能力だね。それから、あのギルドパクトや暗黙の迷路を生み出した者らしい強い個性も感じられる。

 さあ、ついに《法をもたらす者、アゾール》が公開された。彼を中心にしたデッキを組むのが楽しみで仕方ないよ。伝説のクリーチャーだから、まずは統率者戦で使おうかな。アゾールなら、アゾリウス評議会の主要キャラクターと、アゾリウスが掲げる法と秩序と正義と組織の精神を表現した呪文で組まれた100枚のデッキを率いることができるだろう。

 多人数戦を楽しめる環境があるなら、ぜひ君も「ギルドパクト」を考え他のプレイヤーに締結を迫ってみてくれ。可能な限り衝突を避け、こちらを苦しめる呪文や厄介なクリーチャーの矛先から逃れよう。平和を維持できれば君の勝ちだ!

 もちろんアゾリウスのカードに《法をもたらす者、アゾール》が加わるのは嬉しいけれど、それ以上にまだまだ謎が隠されていることに心が躍るね。アゾールはどのようにイクサランの物語に絡んでくるのか? きっとこれから、そのすべてが明らかになるだろう。ああ、待ちきれないよ!

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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