時の終わり

更新日 Feature on 2004年 9月 1日

By Mike Flores

Michael Flores is the author of Deckade and The Official Miser's Guide; the designer of numerous State, Regional, Grand Prix, National, and Pro Tour–winning decks; and the onetime editor-in-chief of The Magic Dojo. He'd claim allegiance to Dimir (if such a Guild existed)… but instead will just shrug "Simic."

Translated by Yoshiya Shindo

 トーナメントプレイヤーの皆さん、このカードは注目ですよ。

 ワーオ。

 マジで。ワーオ。もう一回見て見ましょうかね。

 このカードは本気で面白いし、やる気が出ますし、新しいですね。この手の形容詞(特に最後のやつ)のついた多くのカードに似ず、《時間停止/Time Stop》は非常に強力でもあります。

 あるカードが《時間停止》ほど興味深く新しいカードであったとして、我々の第一感はまずそれを既存のカードと比べることでしょう。昔ながらのカードで言えば、もちろんパワーナインの中核である《Time Walk》でしょう。《Time Walk》があるとしたら、《時間停止》は非常に弱いカードです。誰もこれの機能的には再版といえるカードがで出るとは思ってないでしょうが、一方で《Time Walk》から生まれた《時間のねじれ/Time Warp》は《時間停止》より1マナ軽い呪文です。確かに、1マナ分の代わりにソーサリーからインスタントになってはいますが、この手のスピードの格上げは、相手のエンドステップにプレイすることをメインに考えられていて、その方向だと《時間停止》は恩恵を受けられません。もうすぐ終わるはずのターンを停止させてしまうことに利点があるとは思えないですからね。それじゃ、このカードを強い《Time Walk》としてプレイできる最良のタイミングはいつなのでしょう?

 《時間停止》を全力で(《Time Walk》として)使うということは、これを相手がカードを引く前に使うということです。つまり、この呪文を相手の開始フェイズに使うわけですね。相手が青でなければ、《時間停止》を相手のアップキープに使っても問題にはならないでしょう。赤い敵があなたに止めを刺す最後の焼き呪文を引かせないこともできますし、多くの緑や黒や白を選択した魔法使いのクリーチャーやソーサリーベースの作戦を台無しにしてしまいます。基本的に相手はマナをアンタップしてしまいます(ご存知の通り、これは重要なことです)が、相手にとって可能なことは非常に制限されてしまいます。こうすることで、我々はドローや攻撃を奪ってしまうことができるのですね。私たちの手札に、インスタントでないカードは何枚残そうがかまわないでしょう。《時間停止》といった大型呪文は、コントロール相手の場合でもアップキープにプレイするのがいいタイミングでしょう。彼らはしばしば、《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》といった大型呪文をプレイするためのマナを確保するのに全力をつくしているからです。

 しかし、《時間停止》は単なる重い《Time Walk》ではありません。それは面白いパーミション呪文でもあります。通常、呪文を有効に打ち消すためには、打ち消そうとする呪文よりコストが軽い必要があるでしょう。現在のスタンダードで使われている打消し呪文を見てみてください……《マナ漏出/Mana Leak》は筆頭ですが、ゲームが進むに連れパンチ力を失っていきます。《紛糾/Complicate》はまあまあですが、ゲームが進むとやっぱり使えなくなってきます。《巻き直し/Rewind》や《最後の言葉/Last Word》には興味深い追加効果がありますが、これらが使われるのは、現在のフォーマットには確定カウンターが多くないことが理由です……とにかく、《対抗呪文/Counterspell》も、それより格落ちの《堂々巡り/Circular Logic》も失われてしまっているのですから。

Forbid
 相手の呪文よりも思い打ち消し呪文を使いたくない理由は、相手が自分と同じ数のマナを持っているとしたら、二つ目の脅威を抑えきれずに負けてしまうかもしれないからです。かのエクステンデッドのマスターズのイベントで、ジョン・フィンケルーーマジックの歴代最強のトーナメントプレイヤーの一人ーーは緑単デッキのトレヴァー・ブラックウェルのデッキに対して《禁止/Forbid》と《知恵の蛇/Ophidian》を使っていました。素晴らしいと思うでしょう? 《知恵の蛇》が《禁止》のコストを補充してくれるので、ジョンは残りのゲームの間トレヴァーがプレイしてくるであろう脅威をすべて打ち消すことが可能でした……相手が1ターンに1回しか呪文をプレイしないのであれば、ですが。問題は、トレヴァーが《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》を出していたことです。《ラノワールの使者ロフェロス》は《知恵の蛇》を抑えられるほど大きくはありませんでしたがm、それが生み出す追加のマナで1ターンに複数回繰り出される脅威は、最終的にジョンの《禁止》をかいくぐったのです。

 《時間停止》は相手が1ターンに複数回の脅威を繰り出すのを、少なくとも1回止めてくれます。《時間停止》を打ち消し呪文として使う場合、あなたは相手が使おうと思っているカードをーー《雲散霧消/Dissipate》式に、その倍のマナでーー打消し、相手がそれ以降の呪文を使う機会を消し去ってしまいます。おとり呪文なんてナンセンスも、第二の脅威もありません。《時間停止》が解決されたら、あなたはアンタップしてゲームの続きをやればいいだけなのです。

 また《時間停止》には、呪文以外の脅威を止める能力があります。時としてコントロールプレイヤーはゲーム上のあらゆる方向で優位に立つことができますが、《もみ消し/Stifle》がないばかりに《正義の命令/Decree of Justice》や《滅殺の命令/Decree of Annihilation》といったカードに負けてしまうことがあります。《時間停止》があれば、あなたは《正義の命令》のサイクリング誘発を打ち消し、さらに彼が引けるはずだったカードまで却下してしまうのです! 相手がこの効果のために残したマナを無駄にさせるだけでなく、ターンも早々に終わってしまうので、ほとんどこちらがあちらに二対一交換を行ったようなもんです。《時間停止》は《精神隷属器/Mindslaver》の起動を《金粉の光/Gilded Light》のように打ち消し、《思考停止/Brain Freeze》や《精神の願望/Mind's Desire》のストームが生んだスタック上の大量の効果まで防いでくれます。場合によっては、《時間停止》は他にはほんの数枚しかなしえないことをフォローしてくれることから、実に効果的な打ち消し呪文となるでしょう。実際、はどんな相手の脅威よりも軽いようなものです。

 《時間停止》の最も見逃されそうな側面は、おそらく「スタック上のすべての呪文と能力をゲームから取り除く。」の一文でしょう。《時間停止》は青魔法使いが長いゲームの中で問題となる事態を取り除いてくれます。スタック上の《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》?《時間停止》があれば、それが解決されることも、ライブラリーに戻されて切り直されることもなくなります。最初の《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》をゲームから取り除いてしまえば、それが墓地から安く撃たれることもなくなります。《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan》(や《陶片のフェニックス/Shard Phoenix》や《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》)も同様ですね。

 《時間停止》は、過去において青使いの防御をすり減らしてきたこの手の脅威に対する回答となります。それは追加の防御用武器として、重くはあるものの、《最後の言葉》よりも《最後の言葉》的です。《最後の言葉》は確かに重いですが、相手のターンを奪い、相手が最も突破しやすいと思っている部分をひっくり返してきます。実際にそれが行うことは一つだけですが、それは様々の異なった使い道に満ち溢れています。そのため、この呪文の驚くような効果の広さは、いつでもドラマチックなものです。

 まあ、私のように、「ワーオ」とか言ってしまうでしょうね。

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