鏡の画廊画の鏡

更新日 Feature on 2005年 1月 20日

By Mark L. Gottlieb

Translated by Yoshiya Shindo

Krark's Thumb
 今回の神河謀叛のプレビューカードを見たとき、僕は一年前に時を遡るたびに出ていた。ミラディンは新しいカード枠の新セットで、現在はアーロン・フォーサイスが書いてる「最新開発事情」も、当時はランディ・ビューラーの担当だった。そのランディの記事の中に、彼が《クラークの親指/Krark's Thumb》のルール文を書くのにどれだけ苦労したかが書かれている。引用してみよう。「ミラディンには、我々が同時に複数を場に出したくないという理由によりレジェンドになったものがある」だそうだ。ランディ曰く。

 テンプレート・チームが新しいカードに対しルールの地雷原を慎重に進んでいく中で、開発部はしばしば……ルールのエキスパートが怪しいと思うでっぱりのあるところまで進み、そいつをとがった棒でつついてみるわけだ。ドカーン! とまあそれが、実際に《クラークの親指/Krark's Thumb》に起こったことだ。……我々が本当に気にしていたのは、こいつが複数出ていたときに何が起こるかをプレイヤーが理解できるかどうかだった。……これによりもたらされた怪しげな事情が、マジックのルールのシステムの中でこのカードをあいまいで不確かなものにしてしまったのだ。

 我々がエレガントな書式を作り出すたびに、あらゆる類のわかりづらいルール上の問題が持ち上がり続けた(大抵は無限ループになるか、まったく何もしないかどちらかだった)が、かといってルールに厳しい書式は不恰好だったし解釈も面倒だった。しばらくの間この問題に頭を悩まし続けた後、それはそれとしてクリエイティブ・チームがこのカードを伝説のパーマネントにしてはどうかと言っていたのを思い出した。そこで私は、これを伝説のアーティファクトにしてしまえばもう2個が同時に場に出ることはないということを提案してみた。そうすればもう我々がパズルを解く必要はなくなるからだ。

 一部を斜体にしたのは僕だ。なぜかって? ここが重要なところだからさ。なぜかって? いまやこんなカードが出るからさ。

 ルールだかプールだかなんだか知らないけどさ。

 かつては2つの伝説のパーマネントを同時に出しておくことが不可能——不可能!——だったのを覚えてるかい? 昨日までの話しだけどさ? そんな日々は過去になったのさ。まあそれが問題になることはそんなになかった(《Gosta Dirk》が4枚並んで困るやつはいないだろう――島渡り持ちはずいぶんと島渡れずな気分になるだろうけど)けど、それが問題になるときは、とんでもない話になる。最初に気になったのは《クラークの親指》の件だ。僕だって、内部的な話とか、ミラディンの発売後に起こった話題をよく覚えてるよ。こいつが2枚同時に場に出たらどうするんだ、って話さ。結局、色々と回避してきた結果、《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》と《人工進化/Artificial Evolution》と修繕テープとこっくりさんを全力で使っても、2枚の《クラークの親指》が同時に並ぶことはなくなった。でも、状況は変わるのさ (だからこそこっくりさんがいるってことだ)。

 で、だ……《クラークの親指》が2枚出たらどうなるのか? この件についてはランディが一年前に答を出している。コイン1枚の代わりに4枚投げるんだそうだ。

鏡像を見れば……

 オーケー、そろそろ《鏡の画廊/Mirror Gallery》には飽きてきた頃かな。いいだろう。何か別な話を書こうと思ってたところだ。……何だって——まだ《鏡の画廊》に飽きてなんかいないって? この馬鹿馬鹿しい物体の話をもっと聞きたいってのかい? その声は本当の声じゃないと? このコラムを書いてる最中はまだ読者の目に届いていないから。その声は自分の頭の中から響いているだけだって? 面白い、実に面白いねぇ。

 全部の伝説のパーマネントが、《鏡の画廊》のせいでひどいものになるってわけじゃない。《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》が2枚出たからって別にどうと言うことはない。1人目の能力を複数回使えばいいんだからね。事実、こいつはちょっとばかり危険だ——それは《湧出/Upwelling》が積み上げてきた計画が《帰化/Naturalize》1枚でふっとんでマナ・バーンに化けちゃうのと同じようなもんで、《鏡の画廊》が積み上げてきた計画も《帰化》1枚でふっとんで、重複してる伝説の必殺技は全滅しちゃうんだ。結果、こいつは3対1交換(あるいはそれ以上)の被害を受ける可能性を秘めてるのさ。でも、いかれたカードは大抵そうだけど、その異議があるカードもある。

 《鏡の画廊》がとんでもない事態を引き起こすのはどれだろうか?

  • 本殿:こいつは100万ドルの回答だ。こいつのイカレっぷりを示してやるのが個性派ゲーマーの宿命さ! 本殿デッキを組んだ。そいつをプレイした。同じ本殿がかぶって手札の中で腐るのにイライラした。《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》が2枚出せれば、1枚じゃターンに1点のダメージのところ、ターンに4点撃てるのになぁと思った。ずっと続くダメージ源が4倍になるってのはいい話だろう。《浄火の本殿/Honden of Cleansing Fire》が2枚なら1ターンに8ライフだ。こいつは馬鹿っ速だぜ。
  • 《魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal》:こいつは神河謀叛向きのカードじゃないかい? すべてのクリーチャーに-2/-2なりそれ以上なりの修整を与えることは、あっちにとってみれば脚が痛むなんてもんじゃすまないだろう。《隆盛なるエヴィンカー/Ascendant Evincar》を2枚なり3枚なり出すってのも面白いかもね。
  • 《山崎兄弟/Brothers Yamazaki》:2枚目は現状でもフリーパスだ。でも3枚目だって二人の兄弟にそれぞれ+2/+2するんだから、結局全員が+4/+4されることになる。2/1のベースを考えれば、3体目が出ることで全体のパワーとタフネスはで+9/+10上がることになるんだ。
  • 《クローン/Clone》:説明がいるかい?
  • 《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》:破壊が倍なら最高だろう。最悪って話もあるけどね。
  • 《艦長シッセイ/Captain Sisay》:伝説のパーマネントをどうにかするものは、《艦長シッセイ》と相性がいい。《艦長シッセイ》自身も《鏡の画廊》の恩恵を受けるし、双子の妹もここに並んだコンボを連れてこれるだろう。
  • 《清められし者、せし郎/Seshiro the Anointed》:蛇デッキでこいつが1枚出ると、全部に《十字軍/Crusade》が2枚出て、なおかつこっちのクリーチャーは全部超《知恵の蛇/Ophidian》になるのさ。それはまあ普通だよな? それじゃ、追加の《清められし者、せし郎》は普通とは言えなくなっちゃうかな? そもそも蛇がルールに従うなんて誰が決めたんだい?
  • 《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》:《スリヴァーの首領》をさらに引っ張ってこよう。《スリヴァーの女王/Sliver Queen》の能力は「:1/1クリーチャーを出す。」だけど、ここに《鏡の画廊》と《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》が出ると、その能力は「:7/7クリーチャーを場に出す」になる。そしてそのコストは、3を先に払ってを後にすれば、ほぼ半分になるのさ。
  • 《帰ってきた刃の翼/Bladewing the Risen》:ああ、スカージから引っ張ってきたい多色の伝説のクリーチャーはこれだけじゃなかったね。《生き埋め/Buried Alive》で《帰ってきた刃の翼/Bladewing the Risen》を3体墓地に埋めよう。場には《鏡の画廊》を出しておく。《ゾンビ化/Zombify》で1体目を釣って、2体目から3体目へ連鎖させる。タリスマンあたりで加速させれば、6ターン目には7/73体で攻撃できるだろうね。

墓地のなんたるか

Download Arena Decklist

 面白いことに、《鏡の画廊》がレジェンド・ルールを無視してしまうことで、《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》は痛い目に遭う。何せ、相手を痛めつけるには、《夜の星、黒瘴》で2回殴って2体目を出すのが早いんだからね。そうすれば、レジェンド・ルールで2体墓地に行くから、相手は10ライフ失って、自分は10ライフ得ることになる(まあ、大抵はゲームが終わってるから、10ライフ得る方はあんまり関係が無いけど)。レジェンド・ルールが無い状態では、2体目の《夜の星、黒瘴》を出しても、除去するとひどい目に遭う5/5飛行クリーチャーが1体増えるだけだ。おやおや。きつい話だねぇ。

シッセイのファッションリング

Download Arena Decklist

 《鏡の画廊》のデッキに、デッキの中心である伝説のパーマネントが1枚差しってのは変に見えるかもしれないけど、《鏡の画廊》が実際にサポートしているのは本殿と《艦長シッセイ》だ。《艦長シッセイ》がいれば、それだけで「同じ伝説のパーマネントを4枚出せるんだから、そうしなくちゃいけないよなぁ」なんてことを考えなくてもいい気になるってもんだ。

 それはそれとして、プレリリースは義務として話をしなくちゃいけないことになっている。しかし、これだけ皮肉なことを言っているんだけど、僕は実際にプレリリースにはずいぶんと熱心だ。プレイヤーだった頃、プレリリースは認定イベントの中でも一番のお気に入りだった。それはカードが新しくて面白いってことばかりじゃない(確かにそれも相当面白いんだけど)。プレリリースは、他のイベントよりも一体感が感じられるんだ。確かに、対戦で君の前に座った人は戦わなくちゃいけない相手だ。しかし、彼らと分かち合っているのも事実だ――体験とか、興奮とか、ゲームへの愛とか、新しいさまざまな物なんかをね。トーナメントに興味が無いとか、ガチンコタイプじゃないって場合(これを読んでる多くはそうなんだろうけど)でも、プレリリースは新セットを多くのゲームのファンと始めるにはいいきっかけだと思うよ。地元のイベントをチェックしてみよう。トーナメントの中でも、こいつはトップクラスにカジュアルだ。

 それではまた来週。それまで神河謀叛のプレリリースをお楽しみあれ。

マーク

最新Feature記事

FEATURE

2021年 11月 10日

『イニストラード:真紅の契り』プレリリース入門 by, Gavin Verhey

結婚式に……君は招待された! 伝説の吸血鬼オリヴィア・ヴォルダーレンが、エドガー・マルコフと結婚するのだ。誰もが死ぬほど参列したい一大イベント――きっと君も見逃せないはずだ。 となれば……やっぱりプレリリースは行きたいよね。 さて「プレリリース」とは何だろう?そこでは何が行われ、シールドのデッキはどうやって作ればいいんだろう? 知っておくべきことを動画で観たい方は...

記事を読む

FEATURE

2021年 10月 28日

『イニストラード:真紅の契り』のメカニズム by, Matt Tabak

『イニストラード:真紅の契り』のメカニズムは、話題となっている吸血鬼の結婚式を連想させるものです。新しいもの、古いもの、借りたもの、血まみれのもの。愛は素晴らしいと思いませんか?これからバージンロードを通ってゲーム店に入って来るものを見ていきましょう。 訓練 この恐ろしい世界で生き残るのは、人間にとって簡単なことではありません。常に気を抜けないのです。新規メカニズ...

記事を読む

記事

記事

Feature Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る