『フォーゴトン・レルム探訪』のメカニズム

更新日 Feature on 2021年 7月 2日

By Matt Tabak

Senior editor. Game designer. Writer. Bon vivant. Matt wears many hats inside Magic R&D, but they're hard to see as he's so tall.

友情。物語。行動。「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、20世紀に誕生してから今に至るまでファンタジー・ロールプレイングゲームのスタンダードであり続けています。そう、はるか昔から。そのD&Dが、ついにマジックにやってきます。それがマジック史上初めてD&Dをテーマにしたセット、『フォーゴトン・レルム探訪』なのです。それでは、冒険の中で皆さんを待ち受ける新メカニズムを見ていきましょう。

Circle of Dreams DruidVariant Circle of Dreams Druid

ダンジョンズ

ダンジョンはD&Dの体験に欠かせない要素であり、『フォーゴトン・レルム探訪』の体験においても重要な部分を担います。「ダンジョン」はまったく新しいカード・タイプです。このセットには、《狂える魔道士の迷宮》を含む3つのダンジョンが登場します。長年のD&D冒険者の皆さんにはおなじみかもしれません。

Lost Mine of PhandelverTomb of AnnihilationDungeon of the Mad Mage

ダンジョンはデッキに入れるカードではありません。ゲーム開始時にはゲームの外部にあり、使用時は統率領域に置かれます。これについては後ほど説明します。公式イベントでのゲーム中に「ゲームの外部にあるカード」と言う場合、それはあなたのサイドボードにあるカードのことを指しますが、ダンジョンは少し異なる挙動をします。ダンジョンはサイドボードの枠を埋めません。常に3つのダンジョンをどれでも使用でき、同じものを複数枚準備する必要はありません。ダンジョンを使う場合は、必要になるまでサイドボードと一緒に保管しておくだけで大丈夫です。

ダンジョンをゲーム中に使用するには、新規キーワード処理「ダンジョン探索」をします。通常のマジックのカード(あなたのデッキに入れるカード)の中に、ダンジョン探索をすると書かれているものがあります。これは呪文の効果や起動型能力、あるいはこれから見る《近道探し》などの誘発型能力にもあります。

Nadaar, Selfless PaladinVariant Nadaar, Selfless PaladinShortcut Seeker

統率領域にあなたのダンジョンがないときにダンジョン探索をする場合、あなたはまだダンジョンに入っていません。今こそ冒険の旅の始まりです!ダンジョンを選んで統率領域に置き、一番上にある最初の部屋に探索マーカーを置きましょう。探索マーカーは、D&Dにおいてマップ上の位置を知らせるミニチュアのように、あなたがどの部屋にいるのかを記録するものです。各プレイヤーには、それぞれ自分だけのダンジョンがあります。他のプレイヤーがあなたのダンジョンや探索マーカーに干渉できるようなカードはありません。(遠い未来はわかりませんが、このセットにはありません。)

最初の部屋を含め、あなたが部屋に入るたびに、その部屋能力が誘発します。部屋能力はすべて、「あなたがこの部屋に入ったとき、[その部屋の効果]」という意味です。例えば「あなたが大口の門に入ったとき、あなたは1点のライフを得る。」というように。部屋はそれぞれ個別の名前を持ちますが、それらの名前はフレイバーであり、ゲームに影響を与えません。

さて、これであなたはダンジョンに入りました。次にダンジョン探索をしたなら、次の部屋へ移動します。あなたがいるダンジョンを踏破するまで、新たなダンジョンに入ることはできません。次の部屋へ移動する際は、カードに描かれた矢印に沿って下へ進みます。

例えば、「ダンジョン階層」からは「ゴブリンのバザール」または「ねじれ洞窟」を選んで移動できますが、両方に行くことはできません。またダンジョン内を戻る(上に進む)ことはできません。後退は臆病者がすることです。あなたは臆病者ではありません。そんなことを言う戦士はブロックしてしまいましょう。

さて、ダンジョン探索で生き残り続けると、最後の部屋へ到達します。その部屋能力が解決されるかその他の方法でスタックを離れたら、そのダンジョンはゲームから取り除かれます。ダンジョンがゲームから取り除かれたら、あなたはそのダンジョンを「踏破」したことになります。(まれなケースとして、最後の部屋能力に対応してダンジョン探索をする場合があるかもしれません。その場合は、最後の部屋能力がスタックを離れるのを待たずにダンジョンを踏破することになります。そしてあなたは次のダンジョンの探索を始め、そのダンジョンの最初の部屋能力が前のダンジョンの最後の部屋能力より先に解決されます。)

ダンジョンを踏破することには、主に2つの利点があります。1つはダンジョンの踏破を参照するカードがあること。こちらの《グルーム・ストーカー》をご覧ください。

Gloom Stalker

あなたがダンジョンを踏破する時点で《グルーム・ストーカー》をコントロールしている必要はないことにご注目ください。現れた《グルーム・ストーカー》は、あなたをひと目見てダンジョンを踏破したことがあるのだと察し、二段攻撃を持ちます。わかる者にはわかるのです。

2つ目の利点は、また新たにダンジョンに入れることです!次にダンジョン探索をする場合、あなたは先ほど入ったばかりの同じダンジョンも選べますし、別の新しいダンジョンに挑戦することもできます。狂える魔道士ともう一度踊りたい?魂を喰らう墓の方が良さそう?それとも諦めて酒場に戻る?物語を紡ぐのはあなたです。

ドラゴンズ

このセットにはドラゴンが多数登場しますが、特に専用のメカニズムが用意されているわけではありません。「ダンジョン」の項目のあとに同じく見出しをつけろと、今ドラゴンたちに言われました。ということでここに。わーい、ドラゴンだ!

いや、もういいから。

フレイバー・ワード

マジックのカードは、あらゆる部分で物語を表現します。カード名やフレイバー・テキストはもちろんですが、実はルール・テキストもフレイバーに満ちたものが多いのです。ではそれをさらに推し進めるとどうなるでしょう?このセットの能力には、その多くに「フレイバー・ワード」が付いています。教科書体で書かれたフレイバー・ワードは、そのカードで何が起きているのかの物語を伝えます。多くの場合、フレイバー・ワードはフォーゴトン・レルムで登場する特定のスキルやクリーチャーを示します。また、このセットで登場するモードを持つカードの中には、あなたの選択をよりわかりやすくしてくれるフレイバー・ワードが使われているものがあります。

Plundering BarbarianYou See a Guard Approach

フレイバー・ワードは、同じようにルール上の意味を持たない能力語とよく似ているという点でクールです。

d20(20面ダイス)を振る

冒険において、保証されていることはほとんどありません。ときには運命に導かれて行く末を見守らなければならないときもあるのです。D&Dをテーマにしたセットなのですから、テーブルを飛び交うd20(20面ダイス)は欠かせないでしょう。銀枠を知る冒険者の皆さんの中には、夢のような冒険を経験しd20に馴染みのある方もいるでしょう。ですが黒枠の世界でこのような特殊な運要素が使われるのは初めてのことです。お楽しみの時間を始めましょう。

このセットの中には、あなたに「1個のd20を振る」ように指示するものがあります。「d20」とはもちろん、20面ダイス(さいころ)のことです。D&Dでよく使われる他のダイス(d4、d6、d8、d10、d12、百面ダイス)は、『フォーゴトン・レルム探訪』のセット本体には登場しません。もしかしたらどこかに登場するかもしれませんね。ダイスの目と同様に予測不可能なので、なんとも言えませんが。

セット本体に収録されるカードで、1個のd20を振ると書かれているものには、出た目によって何が起こるかが書かれた「結果表」が印刷されています。嬉しいことに、出目が悪くてもほとんどの場合ペナルティを受けることはありません。タイミング悪くファンブルを出してしまっても、大きな効果は望めませんが沈められることもありません。例えば、《足早のローグ》をご覧ください。

Lightfoot Rogue

どの結果が出ても接死が付与されます。そして10~19の目が出たら少しパワーが強化され、20が出たらブロックする側の対戦相手にとって悪夢のようなボーナスがたっぷり付きます。

クラス

あなたは突撃を先導する、勇敢なファイター?みんなの生命を守る、勉強熱心なクレリック?TikTokをやれば絶対話題になる、カリスマ的なバード?新たなサブタイプ「クラス」を持つエンチャントは、あなたとあなたのデッキが選んだ職業を表現し、パーティーでのあなたの役割を明確に示します。

クラスのサブタイプを持つエンチャントは、セット本体に12枚あります。クラスはそれぞれ、その挙動を示す独自のルールを持ちます。《ウォーロック・クラス》をご覧ください。

Warlock Class

各クラスは、テキスト欄に項目分けされた3つの能力を持ちます。私たちはそれを「クラス能力」と呼んでいます。クラスはさらに、「レベルを上げる」2つの起動型能力を持ちます。1つ目のクラス能力は、あなたがそのクラスをコントロールしているかぎり有効です。他の2つのクラス能力を得るには、時間をかけてトレーニングを積み技術を磨く必要があります。その道のりは長いですが、地道な努力は必ずや報われるでしょう。

と言っても、マナを支払うだけなんですがね。

レベル2能力は、ソーサリーとして、つまりあなたのメインフェイズ中で、スタックが空のときに起動できます。《ウォーロック・クラス》の場合、コストは{1}{B}です。能力が解決されたらそのクラスはレベル2になり、上から2つのクラス能力が有効になります。《ウォーロック・クラス》の場合、2つ目のクラス能力は一度きりの誘発型能力で、達成を祝してカード1枚を引かせてくれます。クラス能力には、常在型能力、起動型能力、誘発型能力のどれも存在します。なお、クラスのレベルを記録したり表示したりするカウンターはありません。クラスのレベルはそのパーマネントについての情報でしかないのです。

レベル2のクラスが次に目指すのは、レベル3です。こちらも同様に、ソーサリーとしてレベル3能力を起動できます。{6}{B}を支払い、《ウォーロック・クラス》のレベル3能力を起動しましょう。その能力が解決されたら、3つのクラス能力がすべて有効になります。レベル3能力は、そのクラスがレベル2でないと起動できませんのでご注意ください。レベル1から3への飛び級はできません。

もちろん複数のクラスを持つこともできます!クラス・エンチャントは何枚でもコントロールできますし、同じものを同時に複数枚持つこともできます。各クラスのレベルは、それぞれ個別に管理されます。なのであなたが《ウォーロック・クラス》2つをコントロールしている場合、1つをレベル2にしてももう1つには何の影響もありません。ですがレベル3の《ウォーロック・クラス》を2つ以上コントロールしているなら、あなたの終了ステップの開始時にそれぞれのレベル3の誘発型能力が誘発します。そして1つ目の能力が解決され、対戦相手がライフを失うと、その失ったライフは次の能力の解決時に参照されます。楽しいですね!まあ、あなたは。対戦相手はそうでもないでしょう。 「D&Dの世界へようこそ!」

フォーゴトン・レルムの探索は決して簡単なことではありません。少しの運としっかりした準備が必要で、イニシアチブも悪くないことが求められるでしょう。この記事では、『フォーゴトン・レルム探訪』で待ち受けるものをほんの少しご紹介したに過ぎません。他に類を見ない、まさに魔法のようなマジックのセットをお楽しみください。

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