モダンの感受性

更新日 Making Magic on 2019年 5月 20日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

 『モダンホライゾン』プレビュー特集第1週にようこそ。これからこの新セットについて、そしてその作られ方について、そしてそのデザインの方法について語っていく。その後で、クールなプレビュー・カードをお見せしよう。楽しそうだと思うなら、次の段落に読み進んでくれたまえ。

やり通す

 何年も前のこと、我々は2019年の革新的製品のアイデアを探していた。それまでの年には、例えば、銀枠セット、『コンスピラシー』、『バトルボンド』、『プレインチェイス』、『アーチエネミー』などの商品を作っていた。(『統率者』デッキや「マスターズ」も、革新的製品として始まったのだ。)アイデアを生み出すために、マーク・グローバス/Mark Globusは少し普通でないことを提案した。開発部が1週間休んで、アイデアを考えるだけに集中するのはどうだろうか。各メンバーがそれぞれ1つのチームに所属し、プレイできるプロトタイプをその週の終わりに各チームが作るのだ。彼はこれを「ハッカソン/Hackathon」と呼んだ。(ハッカソンは、コンピューターのソフト会社でよく見かけられる、短距離走型のイベントである。)

マーク・グローバス(共同リード・展望デザイナー兼共同リード・セットデザイナー)

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 マーク・グローバスがウィザーズでの仕事を得たのは、航空券の値段のおかげである。周知の通り、彼は第1回グレート・デザイナー・サーチでトップ5に入ったが、(インタビューの日のためにウィザーズへの航空券が支給される)トップ3には入れなかった。航空券の値段は移動日に近づけば近づくほど飛躍的に急騰するので、トップ5の分の航空券を手配するほうが、トップ3が決まるまで待つよりも安くついたのだ。そこで、航空券をすでに買っていたこともあり、いい候補だと思われた彼を招いてインタビューを行なうことにしたのだった。もちろん、この就職のためのインタビューはうまく行った。

 グローバスは最終的に、デジタルゲーム部門に入社することになったが、それからそう間もなくマジック開発部に移籍になった。彼はプロデューサーや製品設計者という、どちらも製品を最初から最後まで監修する役を務めた。グローバスは製品全体について、そしてそれがウィザーズ社内の他の部門とどう関わるかについて、素晴らしい目を持っているので、彼とともに働くのはいつでも喜びである。グローバスは最終的に、『モダンホライゾン』の展望デザインとセットデザイン両方の共同リード・デザイナーとなり、作られている間ずっとこの製品を見続けることになった。

 ハッカソンには、6つの制作チームが参加することになった。誰でもアイデアを提示することはできて、その中から最も可能性があるとグローバスが感じたもの6つを選んだのだ。私のアイデアはとても単純なものだった。私は彼のオフィスを訪れ、そして「未来予知2」と言ったのだ。(私が全身でジェスチャーをしながら言っているところを想像してもらいたい。)初代『未来予知』は、それほど熟練していないプレイヤーのほとんどには何をやっているのか理解できないような、非常に複雑なデザインだったが、熱心なマジック・コミュニティには愛されていた。あのセットはメカニズムが詰め込まれていたが(およそ50個あり、当時マジックのルール上に存在したメカニズムの数とほぼ同数だった)、何が起こっているのかを理解しさえすれば心躍る楽しいものだった。私の提案は、この種のセットを好む熱心なユーザーがいるというものだ。スタンダードで使えるセットとしては作れないが、サプリメント製品としてならできるかもしれない。

 一方、イーサン・フライシャー/Ethan Fleischerはグローバスに、よく似た「時のらせん2」という提案をしていた。(私は見ていないが、イーサンのことだから私のように強烈なジェスチャーはしなかっただろう。)イーサンと私はそれぞれに、この製品についてわずかに違う展望を持っていたが、共通した目標が1つあった。高い複雑さを受け入れられる熱心なプレイヤーたちに焦点を当てた、より複雑で、郷愁に富んだサプリメント製品を作ることだった。

イーサン・フライシャー(共同リード・展望デザイナー)

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 イーサンはおそらく、第2回グレート・デザイナー・サーチの優勝者としてが一番知られているだろう。彼は数多くのデザイン・チームに所属し、『ニクスへの旅』『統率者(2014年版)』『ゲートウォッチの誓い』『統率者(2016年版)』『アモンケット』『基本セット2019』でデザインやセット・デザインのリードや共同リードを務めた。そして、まだ何も公開されていない将来のセット『Baseball』と『Equestrian』の展望デザインでリードを務めている。イーサンは素晴らしいデザイナーで、開発部に参加してからも成長を続けている。彼はハッカソン・チームのリードであり、『モダンホライゾン』の展望デザイン・チームの共同リードだった。

 グローバスは私とイーサンを彼のオフィスに呼び、そしてハッカソンでは我々のアイデアをまとめて1つの制作チームにするつもりだと伝えてきた。我々は両方がそのチームに所属し、イーサンがリードを努めた。イーサンと私は製品について話し合い、どちらも基本的に同じことを考えていることがわかった。そして、ハッカソンに向けてのその製品のコードネームについても一致したのだ。我々は「退廃/Decadence」と名付けたのだった。イーサンと私の他に、チームにはフルタイムのメンバーが1人(アリー・メドウィン/Alli Medwin)とパートタイムのメンバーが1人(ナット・モース/Nat Moes)が参加していた。

アリー・メドウィン

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 アリーはたいていマジック・デジタル製品を手がけているが、カードをデザインするのが好きで、機会があれば参加してくれるのだ。アリーはすばらしいエネルギーの持ち主で、我々の企画を効いた瞬間に我々のチームに志願してくれた「退廃」の最大のチアリーダーの1人だった。アリーは長年マジックをプレイしていて、マジックの思い出に深く浸るのが大好きなのだ。私は動き出すとただ吐き出すだけになることがあるが、アリーは何の問題もなくつきあってくれて、しばしば私以上のものを作ったのだ。アリーはハッカソン・チームのメンバーだっただけでなく、『モダンホライゾン』の展望デザイン・チームのメンバーでもあった。

ナット・モース

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 ナットはヴィンテージの大ファンである。彼はまた、マジックを長年プレイしてきていて、マジックの過去についてよく覚えている。マジックのエディターの1人として、デルタ・チームに所属していた。エディターは非常に忙しくてハッカソンの週に休みを取れなかったが、ナットは空き時間が取れたら我々の会議に参加していた。彼のデザインはいつでも楽しく、見事に書式に則っていた。

 ハッカソンのやり方は次の通り。1週間で、プレイ可能なプロトタイプを作る。そのチームの特定のアイデアを成立させる方法を探すために時間を費やし、最終的にプレイ可能なデッキ2つを作ったチームもあった。我々はそうではなかった。我々のセットは『時のらせん』ブロックの楽しさを再現したかったので、つまりはカード・デザインにすべてがかかっていた。どのようなプレイテストが我々の製品を売り込むことになるだろうか。構築済みデッキではない。我々は、グローバスやその他の審査員にすべてのカードを仕分けさせて、そして「退廃」の真の退廃に浸ってもらいたいと考えた。そのための唯一の方法は、シールドデッキ戦のプレイテストだと判断したのだ。それはつまり、我々は1週間で大型セットのカード分に値する、しかも単純なカードではなく『時のらせん』レベルの複雑さを持つカードをデザインしなければならないということである。課題、承認!

 我々はそれぞれの机で数時間、可能な限りのカードをデザインし、それからそれぞれの成果物を共有するために集まった。集まった理由は、お互いを触発しあってセットを組み上げるためである。アリー、ナット、私に可能な限り多くのカードをデザインしてすることを任せて、チーム・リードとして、イーサンはセット構築のほとんどを担当していた。

 我々のデザインには4つの目標があった。

  • あらゆるメカニズムを自由に使っていい。
  • 複雑さの指標は存在しない。新世界秩序には従わない。
  • 郷愁を活用するので、可能なときには、デザインをマジックの歴史に関連付ける方法を探す。
  • このセットを、楽しくて、カードを見た全員に笑顔をもたらすものにする。

 チームの中で、『時のらせん』ブロックを手がけていたのは私だけだった(私は『時のらせん』と『次元の混乱』のデザインに参加しており、『未来予知』のリードを務めていた)。そこで、私だけがこれから臨むことになるデザインの純粋な楽しさを知っていたのだ。その1週間はとても楽しかった。イーサンは24時間態勢でカード・ファイルを整頓し、チームの残りのメンバーは次から次へとカードを作り出していった。1週間で、我々は必要よりも多くのカードをデザインしたのだ。

 金曜には、マーク・グローバスと他の審査員が我々のプレイテストに参加した。おそらくイーサンはシールドデッキのプレイテストをしているということを伝えていなかったのだろう、グローバスが座って「何をすればいい?」と尋ねてきたとき、 イーサンは彼に1束のカードを渡して、「デッキを組んでください」と言ったのだ。審査員はカードを読んでは笑っていたので、デッキ構築には時間がかかった。最終的に、彼らはデッキを組み上げてプレイした。そして、うまくいったのだ。我々は1週間で大型セットを作り上げただけでなく、そのゲームプレイの可能性を見せる何かを作り上げることに成功したのである。「退廃」が2019年の革新的製品枠に選ばれたと聞かされたのは、それからわずか1週間後のことだったと思う。(他にもクールな製品がいろいろとあって、そのいくつかについては将来お目にかけることになるだろう。)つまり、無駄にできる時間はなかった。作るべきセットがあるので、展望デザイン・チームを組織する必要があった。

展望デザイン・チームの結成

 マーク・グローバスが「退廃」を2019年の革新的製品にすると決めたとき、彼にはある大提案があった。この製品を、モダンでプレイできることにしたらどうだろうか。通常、モダンに新しいカードを追加する場合、まずスタンダードで使用できるセットに入れなければならない。そのため、どのようなカードを作るかにはかなりの制約がかかることになる。何年もの間、直接モダン行きのセットというアイデアについて話し合ってきたが、どんな製品にするかのいいアイデアは見つからなかった。マークの提案というのは、「退廃」をその製品にできるのではないかというものだった。

 そのアイデアには様々な問題をもたらした。第1に、それが与える影響がどのようなものか把握しないままでモダンに直接カードを加えたくはなかったので、プレイテストにかなりのリソースを必要とするということ。第2に、採用する再録カードに影響を与えるということ。ハッカソンでは、再録カードは『時のらせん』っぽく感じられるものだけに制限していた。モダンに直接入れるようにすることで、再録カードはモダンに存在しないカードでもこのセットに含まれることによってモダンに追加されるということになる。(この例外として、来週話題にするサイクルが1つ存在する。)第3に、使えるメカニズムに影響があること。グローバスが加えた制約は、すでにモダンに存在するメカニズムだけを使い、『タルキール龍紀伝』よりも後のメカニズムを使わない、というものだった。(この製品が成功した場合に、後に新しい『モダンホライゾン』を作れる余地を残すためである。)これが制限的だと聞こえるかも知れないが、実のところはそうでもない。『基本セット第8版』(2003年)から『タルキール龍紀伝』(2015年)までに大量のメカニズムを作ってきているし、初期のメカニズムの最高のものはこの期間に再録されているのだ。そして、『時のらせん』のタイムシフト・カードや『未来予知』に1枚だけでも収録されていれば、それも使える。(これによって多くの古いメカニズムが使えるようになった。)

 グローバスはこれがシステム内で進めるのが難しい製品だ(これまでに作ったことのあるどの製品とも似ておらず、社内のあらゆる部署の多くの人を神経質にさせた)ということを理解していたので、彼は展望デザインとセットデザインの両方で共同リードを務めることを決めた。アダム・プロサックはセットデザインの共同リードになった。展望デザイン・チームに関しては、彼はハッカソンでこのセットのリードを務めたイーサンを共同リードにした。ハッカソン中の尽力とこの製品への熱意から、アリーもチームに招かれた。グローバスは、このセットにはモダンのプレイテストに集中できるプレイ・デザイナーが必要だということがわかっていた。また、彼は特にモダンのプレイテストのための協力者に予算を割り当てた。グローバスが選んだ人物は、マイク・メジャース/Mike Majorsだった。

マイク・メジャース

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 マイクは、デッキ構築技術に定評がある元プロ・プレイヤー(グランプリではGPサンディエゴ2015優勝を含むトップ8入賞4回、プロツアーではトップ16入賞3回)である。彼は、プレイデザイン・チームが組織されたすぐ後に採用されていた。マイクは『モダンホライゾン』の展望デザイン・チームに、モダンが必要とするものの専門家として加えられた。彼とその協力者は、プレイテストをしてチームにどのカードがモダンを助けるか、またトップメタの少し下にあるデッキを助けるカードについてのメモを提供する責任を負った。私がマイクと同じチームで働くのはこれが初めてだったが、彼は素晴らしかった。チームはモダンについての戦術情報はほとんどなかったので、マイクのこのフォーマットに関する専門知識はこの製品の成功に欠かせないものだった。

 グローバスは私のもとに現れ、展望デザイン・チームの最後の枠に入ることを要請してきた。スタンダードで使えるセットでとても忙しかったが、私は可能なときにはサプリメントのチームに参加しようと考えているのだ。『時のらせん』ブロックやハッカソンで楽しかったことを思い出し、私は躊躇なく参加することにしたのだった。

マーク・ローズウォーター

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 この10月で、私はマジックを手がけて24周年になり、『モダンホライゾン』は私のおよそ70番目のデザイン・チームとなる。(30代のどこかで数がわからなくなるものだ。)『モダンホライゾン』のデザインはとても楽しかった。比喩的に言えば、郊外のバイパスを60キロで走っていたところが、ある日、アウトバーンにたどり着いて好きなだけの速度を出せるようになったようなものだ。『モダンホライゾン』のデザインの自由さは心沸き立つものだった。「このメカニズムとこのメカニズムとこのメカニズムを使うよ」というのもまたクールだった。まだ明らかでなければはっきり言おう、『モダンホライゾン』を手がけるのはとても楽しかったのだ。

 展望デザイン・チームは組織された。グローバスとイーサンが共同リードで、後はアリー、マイク、私。ただし、カードをデザインし始められるようになる前に、決めなければならないことがいくつかあった。

#1-このセットの限界は何か。

 通常よりもずっと自由度が高いとはいえ、何が限界の中で何が限界の外なのかを決める必要はあった。我々が見つけ出した主な規則は、「すべてのカードはそのデザインされたレアリティにふさわしいものでなければならない」というものだった。それはつまり、例えば、あるメカニズムを持つコモン・カードを作ったなら、それは、そのメカニズムのあったセットにおけるコモン・カードのように感じられなければならないということである。ただし、このセットでの唯一の違いは、通常のスタンダードで使えるメカニズムの数には縛られないということであった。つまり、基本的に、このセットから無作為に1枚のカードを選んだ場合、それ単体で見れば通常のマジックのセットのように見えるということである。束で見て初めて、通常の基準に従っていないということに気がつくのだ。

#2-どのメカニズムを使えるか。

 先述の通り、我々はモダン内で『タルキール龍紀伝』までのあらゆるメカニズムを自由に使えた。古いメカニズムをモダンに導入することも検討したが、この規則を守ることによって失うものはそれほど多くないのに、プレイテストはずっと簡単になっていたのだ。私は混ぜたカード(つまり、同じセットに存在しなかった2つのメカニズムを2つ使ったカードのこと)が大好きだったが、非常に文章量が多くなってしまい、最終的な製品に入ったのは3枚だけだったはずである。

#3-モダンとどう関わるのか。

 最終的に、マイクがこの窓口になった。我々は作りたいものをデザインし、その後でそれをマイクに点検してもらうのだ。マイクはモダンで明確に問題を起こす場合の拒否権を持ち、パワーレベルを調整することもでき(大抵の場合はこうしていた)、そのまま認めることもできた。マイクはモダンに必要なものの提案をすることもあり、その場合我々がそれをデザインした。最終的にモダンで選択肢になるカードの中で、いくらかはこれらのデザインによって作られたものである。

#4-『時のらせん』ブロックの教訓は何か。

 もちろん、『モダンホライゾン』のひらめきのもとになったのは『時のらせん』ブロックである。つまり、我々はあのブロックから得られた教訓が何かを解明するために少しの時間を費やした。最大の教訓は、デザインを強調する方法で懐かしさを使うが、そのもととなる雰囲気を知らない人を迷子にしないようなカードが欲しいということである。これは、我々は『ドミナリア』で取った手法と似ている。1つだけ違うことは、舞台や複雑さには制限されておらず、『ドミナリア』では作り得なかったようなカードを作ることができるということだった。

#5-このセットのメカニズム的テーマは何か。

 これは、展望デザイン・チーム最大の課題であった。複雑さの高いサプリメント製品を作るという点では全員が同意していたが、セットとしてのまとまりが必要だった。無作為なカードの単なる集合体を作りたいわけではなく、つながりが感じられて面白いリミテッドでのゲームプレイを奨励するものを作りたいと考えたのだ。それは来週の記事の主な話題にとっておくことにしよう。

 今日の記事の終わりに、プレビュー・カードをお見せするが、それにはデザインの最初期の気づきの1つを経る必要がある。このセットはほとんどのセットよりも限界がずっと広いので、プレイヤーが常々延々と望んできたカードをデザインする機会だということに気がついた。それらをデザインしていると、その中にある部族関連カードの多さに悩まされた。それらさまざまな部族系カードをどうすれば1つのセットに入れることができるだろうか。そのとき、私は『ローウィン』のデザインのことを思い出したのだ。

 2001年のことだった。我々は、8つのクリーチャー・タイプを扱うセットを作っていて、特にリミテッドにおけるまとまりの大問題を抱えていた。当時私はアーロン・フォーサイス/Aaron Forsythe(『ローウィン』のリード・デザイナー)に、《霧衣の究極体》の能力をメカニズムにすることを提案したのだ。そして多相(「このカードはすべてのクリーチャー・タイプである。」)が生まれた。これは最終的に、『ローウィン』のリミテッドを成立させる接着剤となった。

 『ローウィン』と同様、多相は『モダンホライゾン』をまとめる接着剤になるかもしれない。私はこのアイデアをイーサンに提案し、彼もすぐに同意した。ここでこの話をするのは、プレビュー・カードが多相を持つからである。それがなぜ重要なのか、すぐにわかるだろう。

《限りないもの、モロフォン》をご覧あれ。

限りないもの、モロフォン

 このカードは、私のプレイヤーが望むものリストに、本質的に特定のクリーチャー・タイプ向けの統率者で、ありとあらゆるクリーチャー・タイプに関するカードが、大量に含まれていたことから作られている。そのすべてをデザインすることができないのはわかっていたので、任意のクリーチャー・タイプ1つのための統率者として使えるカードを作ろうと考えたのだ。私の目標は単純なものだった。どのクリーチャー・タイプにとっても一般的に有用で、統率者としてあらゆる色の組み合わせが使えるよう、5色の固有色を持たなければならない。このカードは複数の反復工程を経たが、5色の固有色を持たせるための賢明な方法であるコスト低減能力はお気に入りだ。(私が最初にデザインしたときは、コストが{W}{U}{B}{R}{G}だった。)クリーチャーは大きくなるのが嬉しいものだから、+1/+1能力は一番最初の反復工程から存在していた。部族系統率者戦プレイヤー諸君が《限りないもの、モロフォン》で楽しんでくれれば幸いである。

 本日はここまで。今日の記事が諸君に『モダンホライゾン』の楽しさの兆候を感じさせていれば幸いである。いつもの通り、今日の記事や《限りないもの、モロフォン》、『モダンホライゾン』全般についての諸君からの反響を楽しみにしている。メール、その他のソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagram)で聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、『モダンホライゾン』の展望デザインの話を続ける日にお会いしよう。

 その日まで、あなたがこのいわばアウトバーンを心ゆくまで楽しめますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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