ビデオゲームについて語るとき、時間というものは奇妙な獣のようになります。5年という歳月が、それを通して見るレンズによって永遠のようにも一瞬のようにも感じられるのです。そしてそれは、MTGアリーナも例外ではありません。私がMTGアリーナ・チームに参加してからのこの3年ほどは、記憶が曖昧になるほど早く過ぎ去りました。MTGアリーナの稼働年数の半分以上は携わっているというのに。一方でこのゲームのロードマップを見てみると(一部は先月の「GenCon」でも皆さんにお伝えしましたね)、3年先まで計画されているプロジェクトがあり、この素晴らしい計画を皆さんにお届けするまで無限の時間があるのではないかとも思います――その一部の締め切りが今であることに気づくまでは。え? 無限の時間どこいった?

このような時間感覚の満ち引きを感じているのは、私だけではないでしょう。それが確かに存在することと、見る者の視点によって相対的なものであることを思い出すのは良いと思います。つまり私たちが成し遂げたことや改善できる点、あるいは今後の展望について語るとき、私たちが「あと1年しかないぞ。計画通りに進めるにはどうすれば」と感じることに、他の誰かは「遅すぎて宇宙が熱的死を迎えちゃうよ」と感じているということを、私たちは忘れないよう努めているのです。

そのことを念頭に、MTGアリーナ5周年記念となるこの場をお借りして(9月19日から記念すべき27日まで、ぜひ毎日ログインして受信箱をご覧ください)、私たちがこの1年(『団結のドミナリア』まで)に取り組んできた楽しくクールなことを振り返り、それから今後楽しみにしていることについてお話ししましょう。

私たちが取り組んだこと

まずは私たちのチームがこの1年に取り組んできた素晴らしい仕事を振り返りましょう。セットのリリースにイベント開催、各種機能の実装とたくさんありますので、箇条書きにしてまとめます。

カードセット

マジックにおける魔法は、驚くべきカードから生まれます。それはこの1年も例外ではありません。私たちは『エルドレインの王権』で予兆を見せ始めた「ファイレクシア編」の物語の完結から、『エルドレインの森』での新たな物語の始まりまで、素晴らしいセットの数々をMTGアリーナでリリースしてきました。『機械兵団の進軍:決戦の後に』のような新しい試みも行い、またイニストラードのような人気次元への再訪も果たしました。全部で2,000枚を超える新規カードを、さまざまなタイプがいるプレイヤーの皆さんにお届けしてきたのです。

イベント

素晴らしいカードの数々も、プレイする場がなければコレクションするしかありません。MTGアリーナでは、あらゆるプレイヤーの皆さんにプレイの選択肢をご用意しました。ミッドウィーク・マジックから予選ウィークエンドまで、誰でも楽しめるものが見つかるはずです。 競技志向の皆さんには、アリーナ・オープンとアリーナ・チャンピオンシップを通して2,000,000ドル以上の賞金を授与してきました。イベントを楽しみたい方には、ポスト・マローン/Post Maloneとのコラボイベントや私たちのルーツに立ち返るイベント、その他あらゆる方法で楽しんでいただけるよう努めてきました。

土地のお気に入り機能

機能の更新や快適さの改善

この1年には、縁の下の力持ちもいました。それらは華やかなアップデートではないかもしれませんが、さまざまな方法でこのゲーム楽しみやすくしてくれています。デッキを作るたびに『Unfinity』の土地を選択しなくてよくなりましたし、ゴールデン・パックの登場でカードも集めやすくなり、賞品や最新情報の受け取りも受信箱でできるようになりました。

各種機能が更新されることでストレスを感じる要素が減り、プレイヤーの皆さんがやりたいこと――マジックをプレイすることに集中できるのです。

  • 新規プレイヤー向けコンテンツの刷新
  • Steam版ローンチ
  • 土地やカードのバージョンのお気に入り設定
  • 被り回避機能とパックから出現時のカード・スタイルに関する改善
  • パック開封時のビジュアル面の改善
  • プレイモード選択画面の更新
  • ワイルドカードと宝箱の表示の改善
  • ゴールデン・パックの導入
  • 受信箱の実装
  • ストア常設のワイルドカード・セット
  • サマーセール実施
  • デッキ構築における高度なフィルター機能の改善
  • 対戦中の画面におけるスタックの表示位置の改善
開発者記事の例(ベン・フィンケルのRedditへの投稿) MTGアリーナの大会で使われる大会用アカウント

コミュニティ

今年は、皆さんとのコミュニケーションやコミュニティ内の会話の量を増やそうと試みました。その試みは、「MTGアリーナニュース」新たなチャンネル、そして私たちからの積極的な声かけとインタラクティブなやり取りの増加に表れています。私たちは大きなイベントの会場でプレイヤーの皆さんとお会いし、ストリーマー・イベントや私たちのYouTubeチャンネルを通じてコンテンツ・クリエイターの皆さんとプレイヤーの皆さんをつなぎ、開発者による記事やQ&Aセッションを企画しています。まだ道半ばではありますが、今年やったことを振り返ってみましょう。

どのように取り組んできたか

私たちがこの1年に取り組んできたことをご紹介したところで、その取り組み方についても少しお話ししましょう。まだ改善できる部分はありますので、ここから折り返して見ていきましょう。

コミュニティ

私たちはコミュニケーションの増加に努めてきましたが、その頻度やタイミング、正確さについてはまだやるべきことが残っています。公開が大きく遅れたり、情報が間違っていたり、リンクが機能していなかったりといったことがあまりに頻発しました。このようなことが起こる経緯については皆さんを退屈させるので割愛しますが、このような事態を減らし、プレイヤーの皆さんが必要とするときに正しい情報をお届けできるように努める必要があると考えています。

私たちはこれからも、窓口を広くしてプレイヤーの皆さんとの双方向の対話を育んでいきたいと思っています。一方的な発信を行うだけでないチャンネルで、皆さんと意義深い関わり方ができる手段を探し続けます。Q&Aやコンテンツ・クリエイターへのインタビュー、開発者による記事の題材をプレイヤーの皆さんから募集するなど、コミュニティの分野にはチャンスが広がっていると私たちは考えています。

機能や快適さ

この記事でも何度も言っていますが、MTGアリーナには多種多様なプレイヤーがいます。私たちはこれからも、あらゆるタイプのプレイヤーの皆さんのために、各種機能の実装や改善を続けていきます。とはいえそのことを念頭に置きながらも、私たちのリソースにも限りがあるため、優先順位をつける必要があります。私たちの仕事ぶりは多くの部分で適切なものですが、改善の余地はあるでしょう。

改善できる点を1つ挙げるなら、フィードバックを受け付けるサイトの管理体制を改善し、プレイヤーの皆さんからのフィードバックが漏れないようにすることでしょう。加えて、プレイヤーの皆さんが望むような改善が見受けられない分野がある理由について、もっと積極的に議論していくつもりです。  

また、プレイヤーの皆さんのプレイスタイルに合った、より良い関係の構築も続けていきたいと思います。例を挙げるなら、テーブルトップとデジタルのつながりや勝ち負けにこだわらないプレイスタイルに報いる方法、それからMTGアリーナ内のソーシャル/コミュニケーション機能の改善などに取り組んでいきます。なお過度な期待を和らげるためにお伝えしておきますが、これらの機能については1年以上先の計画であり、現在解決策を検討中という段階です。

イベントとカードセット

イベントとカードセットについては、まとめてお話しします。これらの改善は、「プレイヤーの望みに合ったプレイ体験」という同じ基本原則に沿って行われるからです。デッキに入れるカードについても、ご参加いただけるイベントについても、私たちは引き続き、さまざまなプレイスタイルに合うよう洗練させ、拡大させていきます。この理念は「フォーマット更新情報」の記事でも触れていますが、大まかに言うと、私たちは様々なタイプのプレイヤーそれぞれに合わせて体験を組み立て、そのプレイヤーが望むプレイ体験を得られる時間を最大化することに尽力するということです。

これについては、ここ数年の夏に好例が見受けられます。夏のセットのリミテッドやアルケミーに興味がないプレイヤーは、夏のスケジュールにぽっかり穴が開くことになります。来年の夏にリリースされるセットも『モダンホライゾン3』の予定なので、同じことが起こるでしょう。私たちとしてもすべてのプレイヤーに毎週何かをご用意できるわけではないのですが、皆さんがゲームにログインするのが楽しみでない時間を最小限に留めたいと強く思っています。現時点で具体的な計画をお伝えできるわけではありませんが、より多くのプレイヤーを引き込む機会については意識しています。  

それから、私たちはこれからもさまざまなセットに関するフィードバックに耳を傾け、セットのリリースをできる限りエキサイティングなものにできるよう挑戦を続けていきます。こちらも具体的な計画はお伝えできませんが、プレイヤーの反応を見るための実験として、より狭い範囲に訴求するセットがリリースされる可能性はありそうです。

そして、私たちはこれからもフォーマット(特にデジタル・フォーマット)の健全さとプレイヤーの皆さんが楽しんでいるかを定期的に評価します。これは間違いなく続くことであり、できるかぎり積極的に管理に努めます。

終了ステップ

以上、この1年を簡単に振り返り、私たちがもっと良くしたいところを少しだけお話ししました。この5年間は決して簡単な道のりではありませんでしたが、『ラヴニカのギルド』から始まったMTGアリーナの明るい未来を次々と作っていくのは、やりがいのある仕事でした。この5年で私たちは本当に多くの人々にマジックをお届けし、MTGアリーナでは無数のゲームがプレイされており、MTGアリーナの「誰でも、どこでも、気軽にマジックを楽しめる」という約束は果たせているかと思います。

最後になりますが、この世界最高のゲームをプレイするために毎日のようにログインしてくれる、世界最高のファンである皆さんなしには、私たちは何も成し遂げられなかったでしょう。MTGアリーナ・プレイヤーの皆さんに、心から感謝申し上げます。

5年の歳月を経て、私たちはこの旅が終わりではなく、むしろ始まりにぐっと近づいていることに気づいたのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

クリス・キリッツ/Chris Kiritz

マジック:ザ・ギャザリング アリーナ エグゼクティブ・プロデューサー